今年メジャーデビュー7周年を迎えたナナヲアカリが、8月22日(金)に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて、全国ツアー『NANAOAKARI 7th anniversary stage.5 Re:FLYING ONEMAN TOUR 2025』の初日公演を行った。

今回のライブは、メジャーデビュー7周年記念ベストアルバム『フライングベスト2』を携えて行われる全国ツアー。2枚組の『フライングベスト2』のDisc1には新曲を含む10曲+おまけを収録、Disc2には全タイアップシングルを収録ということで、集大成的なセットリストに期待するファンも多かったことだろう。ここでは、全国8カ所を回る約1年ぶりの全国ツアーの初日LINE CUBE SHIBUYA公演の模様をダイジェストでレポートする。

ナナヲにとって、8月22日はメジャーデビューシングル「ワンルームシュガーライフ/なんとかなるくない?/愛の歌なんて」のリリース日。そして、東京・渋谷はメジャーデビュー前の2017年8月に『ナナヲアカリ1stワンマンライブ 〜This is 天使〜』を開催した地でもある。

その時の会場は渋谷CHELSEA HOTELというライブハウスだった。そこから8年の時を経て、多くの伝説が刻まれた歴史ある旧渋谷公会堂へとたどり着いた形だ。昔から応援し続けてきたファンにとっても感慨深くメモリアルな1日となったに違いない。

開場時には、「空」「翼」「飛ぶ」といった「フライング」を想起させる言葉がタイトルに付いた新旧のJ-POP楽曲でファンを迎え入れ、7周年を迎えたナナヲらしく、19時7分(夜7時7分)ぴったりに開演するという遊び心も見られた。

オープニングSEが流れる中、ステージ後方のバンド台にバンドメンバーが登場すると、続いてナナヲも登場。歓声が上がる中、今回のライブツアーのキービジュアルを彷彿させるようなふわふわでゴージャスな歌姫のような衣装を着たナナヲがバンド台のセンターに立つと、『フライングベスト2』Disc1でもオープニングを飾る新曲「ギミギミ聖域」でライブはスタートした。

ド派手なレーザーと照明にも煽られながら、会場にはクラップや拳を掲げたコールで一体感が生まれていく。続いて、ライブでもおなじみのDisc2の収録曲を披露。アゲアゲな楽曲がさらに映えるように、この曲でもフラッシュライトや幻想的なレーザーで非日常空間を演出し、ど頭からナナヲワールド全開の幕開けとなった。

ここで最初のMCパートへ。ナナヲが改めてメジャーデビュー7周年の報告をすると、会場からは「おめでとう!」との祝福の声が。

そして、今回のライブでは、リリースしたばかりの『フライングベスト2』から新曲をたくさん披露することを告げ、次のブロックも新曲からスタートし、さらにDisc2収録曲で畳みかけていく。

オープニングはアッパーなナンバー2曲でファンを圧倒する形となったが、このブロックではミディアムなナンバーも盛り込んでいたため、体を揺らしながら、手を掲げ左右に振って楽しむファンの姿がとても印象的だった。

そして、次のMCパートではステージ上にバンド台を設置していることなどホールならではの演出に触れ、「耳でも目でもライブを堪能して帰ってほしい」と語ると、過去曲で挟むような形で新曲「Step in The Dark」を初披露。

まさにライブでシンガロングを生み出すための1曲だ。曲の途中、ナナヲが「みんな、歌える?大きな声を聞かせて!」と呼びかけると、会場からはクラップと共に大きな歌声が響き渡り、さらなる一体感と多幸感が溢れるブロックに。

ここで一度暗転し、スクリーンにはこれまでのライブ映像を中心としたナナヲの7年間を振り返る映像が映し出されていく。そして、衣装チェンジしたナナヲが1人でステージ上に現れると、メジャーデビュー曲「ワンルームシュガーライフ」をギター・パッドでパフォーマンスを行い後半戦に突入。

このブロックでは、バンドメンバー(えんじぇるズ)の紹介も盛り込みながら、新旧のナナヲの代表曲や人気曲を5曲ノンストップで披露。特に、今年1月にリリースされて話題となった「明日の私に幸あれ」や新曲「POI POI POI」という玉屋2060%(Wienners)が手掛けた楽曲のライブでの爆発力を再認識させられることに。

バンドメンバーもステージ前方でパフォーマンスし、客電が明るくなった中、ファン側もコールやクラップで曲を盛り上げていくなど、まさに参加型ライブとしての楽しみを提示したブロックのようにも感じられた。これからナナヲと一緒に全国を回るファンにとっては、玉屋楽曲を中心としたこのブロックをいかに楽しむか?がツアーのポイントにもなってきそうだ。

一気に駆け抜けるようなブロックとなったため、次のMCパートでは、ナナヲも思わず「暑い…。みんな、生きてますか?」と呼びかけ、ファンを気にかける場面も。そして、ギターを手にすると、「何人かでも刺さる人に刺さってほしい」と語り、『フライングベスト2』収録曲以外の楽曲から次のブロックがスタート。

さらに、青い照明に照らされる中でナナヲのハイトーンが響き渡る楽曲や時が止まったかのような静寂からの落ちサビが魅力的な楽曲、会場のファンと一緒に叫びジャンプする楽曲などが並び、ライブ終盤に相応しく、かつ、ナナヲの様々な魅力が感じられる楽曲を詰め込んだエモーショナルなブロックとなっていた。

最後のMCパート。ナナヲは「想像もしていなかった未来に立っている」と今の心境を語り、「宝物のような新曲を含む、7周年に相応しい欲張りなベストアルバムを出せた」とアルバムリリースの喜びを伝えると、「自分のことをもっと好きになれるような気がする」と言ってギターを手に最後の曲へ。

ライブのラストに映える『フライングベスト2』Disc1収録の新曲「Flying」を披露。ナナヲがMCで語った思いを受けて、歌詞を噛み締めながら聴き入っていたファンも多かったようだ。そして、楽曲が持つやさしい余韻に包まれる中、本編は終了した。

続くアンコールでは、ナナヲがステージを降りて、客席を回りながら歌うサプライズ演出も飛び出し、会場のファンが歓喜するシーンも。そして、最後に「始まりの曲をやって帰るね」と語ると、ギターをかき鳴らしながらナナヲの原点である1曲を歌い、アニバーサリーライブ初日を締め括った。

すると、最後の最後に、会場中からは「あかりん、7周年おめでとう!」との声が挙がり、ステージには7周年を祝福するケーキもサプライズで登場。この日のLINE CUBE SHIBUYAには、終始7周年の祝福ムードが溢れる空間が広がっていた。

今回はホールならではの演出がふんだんに盛り込まれたスペシャルなライブに。曲毎に気持ちを昂らせてくれるような照明の演出はもちろんのこと、スクリーンに映し出される映像や歌詞が中毒性の高いナナヲ楽曲の世界観への没入感をより高めてくれていた。

ライブ途中で、ナナヲが語った通りに「耳でも目でも堪能できる」今回のライブツアーは、ここからさらに全国7カ所を回っていく。ファイナルは10月19日、愛知県のell. FITS ALLだ。7年間の集大成のようなセットリストが組まれているので、是非とも『フライングベスト2』を聴きこんで、一緒にライブを作り上げるような気持ちで臨むことをおすすめしたい。

多くのファンと一緒にナナヲの7周年をお祝いする圧倒的な多幸感に満ち溢れた参加型のライブ空間がそこには広がっていることだろう。そして、7周年記念のツアーを経たナナヲが、ここからさらにどんな成長と進化を見せてくれるのか、メジャーデビュー8年目のナナヲアカリの今後の活躍にも是非注目していってほしい。

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