3人組ボーカルグループ・ベリーグッドマンが、11月18日(土)阪神甲子園球場でのワンマンライブを開催した。
彼らにとって夢として掲げてきた阪神甲子園球場。結成10周年の記念すべきタイミングで開催されるワンマンライブを見逃すまいと会場には満員御礼3万人のファンが集まった。

少し寒さは残ったが、午前中までの雨が嘘のような澄みきった空の元、オーロラビジョンとサイドに設置された巨大LEDモニターにベリーグッドマンの10周年の軌跡、甲子園への熱い想いが垣間見られるオープニング映像が流れ、甲子園のサイレンが響き渡る。この会場で行うから意味がある演出に客席からは感嘆の声が漏れる
夢の舞台でのライブは、“ずっと描いていた夢の場所へ 僕らなら行ける"そんなフレーズから始まる「ハイライト」でプレイボール。

続く2曲目は、「チョベリグ」。ライブハウスやホールツアーで育ててきたライブナンバーは、夢の舞台であっても、スタジアムであっても、阪神甲子園球場であっても、一気に“ベリグのライブ会場”にかえることができる。この安心感は10周年の集大成とも言える。

MOCAが『3万人、元気ですかー!!頑張ってきてよかった!』と素直な声を上げる。『ここで一緒に歌いたい曲持って来ました』と、「ライトスタンド」を歌唱。3万人の声も会場に響き渡る。

MCではRoverから『皆様、阪神甲子園球場にようこそおいでくださいましたー!ありがとうございます!』と、集まったファンに感謝が伝えられる。
自己紹介で、元高校球児のMOCAは『高校3年生の時に春夏と甲子園には出たけどベンチに入れず春は三塁側アルプス、夏は一塁側アルプスで引退したベリーグッドマンのMOCAです』と、高校時代の苦い思い出を振り返る。

代表曲「ライオン」を歌う前、Roverは『僕たちベリーグッドマン、いまは皆さんの前で、こんな大勢の人の前で、歌を歌わせてもらっているわけなんですけど、決して順風満帆な人生では決してありませんでした。自分に負けそうになった時とか逃げそうになった時、もっともっと強くなりたいと思いました。もっともっと強くなって大きくなって、周りのみんなを守っていけるくらいそういう人間になりたいと思って作った曲です。』と語る。

MOCAの『どんなことがあっても負けへんって約束できる人は、甲子園、拳を!』を合図にあげられた拳は、ベリーグッドマンの3人に力を与える。ライブで見える景色こそが、彼らがパワーソングを生み出し続けられる糧になるのだろう。

今回のステージには、野球のベースラインを模した花道が設置されており、メンバーがそこを通りホームベース位置にあたるサブステージに向かう。向かう途中、客席の声が聞こえ、その熱量にメンバーが感動の声をあげる。

サブステージでは、この日、誕生日を迎えたHiDEXが、『あの一個いいですかね?みんなにお願いがあります。ここに立つのに絶対必要だった人というか感謝したい人がいて、3人のおかんにみんな拍手したってくれんかな?』と問いかけると、会場からは大きな拍手が送られる。そのままHiDEXは照れ臭そうにゆっくり言葉を紡ぐ『おかんがおらんかったら、絶対この場所にはいないし、3万人も集められない。昔からおかんには当たり強かったり、負担かけたり、迷惑かけることもいっぱいやってきたんだけど、3人ともが決してイージーな人生ではなかったというか、でもその中でおかんだけが、味方で、何をするにも応援してくれて、何にも文句も言わず、ずーっと背中だけを押してくれて。えー、今日誕生日。おかんが僕を産んだ日。その日に今日この1曲だけはおかんに歌いたいと思うんだけどいいかな?おかんありがとう』と、「おかん~yet~」を披露。

MOCAが、『17年かかったけど、甲子園帰ってきたよー!夢は絶対叶うよ。』と叫び、甲子園ライブが決まった後にリリースした “決して簡単ではなかった夢への軌跡”を歌った一曲「夢物語」を熱唱。

MOCAの『そしてこれからもベリーグッドマンをよろしくお願いします!』という言葉を合図に、サブステージからメインステージに戻りながら、「これからもよろしくな」を披露。
スタンド席に座る人にも想いが届くように、遠くまで手を振りながら、楽しげに3人が花道を歩く。

センターステージに戻ったライブ後半戦、「オドリバ★ジャポニカ」「GroovyでDancingなParty」「ウグイス (Remix)」のライブナンバーを続け、メンバーも客席も思い残しがないように盛り上がり、夜になり寒くなった会場の温度を上げる。

そのあと披露した「ファンファーレ」では、曲の途中MOCAが『忙しい社会の中で出会ってくれてありがとう!これからもみんなの背中押す応援歌、歌うよ!』という言葉で胸を熱くさせる。かと、思えばこの公演中、ずっといい続けている3万人を6万個の目ん玉と表現するボケで会場を冷やす。Roverが仕切り直すように、『改めまして、僕たちの念願の夢の舞台である阪神甲子園球場、寒い中お集まり頂きありがとうございます!』と挨拶をする。かと、思えば『一個思うこととすれば時間が経てば経つほど寒いですねぇ』とふざけずにはいられない性分が出るところは、念願の甲子園ライブであっても変わらない。

Roverは寒さを感じながら、『それでもやっぱり、幸せだなと思います。嬉しくて嬉しくてたまらないです。皆様に応援頂いてここまで突っ走って来ました。10年というまだまだ若造ですけど、一生懸命ここまでやってきたつもりです。ライブ叩き上げで来ました、一度も手を抜いたことはない、そんなつもりでやってます。10年前は、ただの素人集団で右も左もわからないまま、個性も違う音楽性も違う3人で集まって、一生懸命現実と向き合いながらここまで歩いて来れました。それもこれも皆さんが、僕たちの音楽を親しんでくれて、日々聴いてくれて、応援してくれているからここまで頑張って来れました。改めて感謝申し上げます。僕たちは本当ラッキーで、本当に人に恵まれてて、いろんな人に支えられて、晴れやかなこの舞台に立たせて頂いてます。11年目が始まっています。新しいベリーグッドマンと言いたいところですけど、実は11年目も何一つ変わらず、真剣勝負で向き合っていくそんなベリーグッドマン3人でありたいな。と思っています。次の夢は次の1年、その次の1年、向こう10年同じ苦しみ、同じ喜びでいいから、もう一回同じ10年味わわせてください。というのが次の夢です。僕たち声が枯れるまで、声出なくなるまで歌っていこうと思っていますんで、これからもよろしくお願いします。』と支えてくれたファンへの感謝と新たな夢を素直に伝えた。

そして来年8月に100周年を迎える阪神甲子園球場に対しても、『僕たち、ここに立てた3人。本当に幸せ者です。心を一つにさせてくれた大切な場所なんです。3人で甲子園行こうって決めてから一回も甲子園ライブのことを忘れたことはありません。それくらい僕たちを熱くしてくれた甲子園に、僕たちを一つにしてくれた甲子園に感謝の気持ちを込めて』、阪神甲子園球場100周年記念事業応援ソング「CLASSIC」を披露し、3人が深々お辞儀をし、本編を終了させた。

メンバーがステージを離れると、すぐさまアンコールの声が響き渡る。
アンコールはメンバーが阪神タイガースのマスコット、トラッキーとラッキーを引き連れて登場。総勢68名のダンサーも登場し、「Good Time」「Fave」を華やかに披露。途中、HiDEXにMOCAがサプライズキスをすると、MOCAにはトラッキーから抱擁とキスが送られ、会場から悲鳴にも似た声があがり、盛り上がる。

HiDEXが『ここまで来るにも挫けそうな時のいっぱいあって、2人にめちゃくちゃムカついた日もあれば、自分自身にムカついた日もあれば、もうベリーグッドマンやめた方がいいんじゃないかって思ったこともあったけど、ずーっと折れずにまっすぐまっすぐ進んできたから今日があると思います。』とここまでの苦悩を浄化するように、「雑草」を力強く披露。

MOCAは、夏の甲子園が止むを得ず中止になった2020年に球児たちにエールや元気を送りたいと行った、甲子園での無観客配信ライブを振り返り、「あの時から甲子園球場ともお付き合いが広がり、最高の仲間と今日を迎えることができて本当に幸せ者だと思います。でもあの時、2020年、たくさんの子供達が悔し涙を流して、そんな苦しみだったり、悲しみの上に今日の1日も成り立っていると思うと複雑なんですが、そんな彼らにも、彼女たちにも届くような熱い思いで歌いたいと思います。』「Dreamer」を熱唱。いつも誰かのことを考えるベリーグッドマンの思いに賛同するように、3万人の歌声が阪神甲子園球場に響く。

Roverが次の曲でラストであることを伝えると、客席からは残念がる声があがる。
ラストソングは「アイカタ」。Roverから、『今日は、皆さん来て頂いたなか、本当に申し訳ないけどMOCAとHiDEXとMANA-B(サポートDJ)のために歌わせてください。』と広いステージを3人が寄り添いながら、歩いて歌唱。途中Roverが涙ぐみ歌えなくなると、MOCAと HiDEXが笑いながら支え、ファンが続きを歌う。お互いのことを尊重し合いながら支え合ってきたこの3人だから、ついてきてくれたファンがいる。そのことを実感する瞬間だった。
ラスト花火が上がりきると、『終わっちゃった』と寂しそうにMOCAが呟く。『また明日からやなぁ』とHiDEXが答える。彼らはライブが、ステージからみるお客さんの笑顔が、大好きで仕方ないんだろう。

Roverも、『最後にもう一度』と客席に声をかけ、全員で「ハイライト」をアカペラで歌唱し、メンバーもファンも『ありがとうございました!』と叫び、この場にいる全員に、夢の舞台・阪神甲子園球場に、感謝を込めて本公演は終了した。

本公演では、2024年全国19箇所のツアー開催と、新曲「となり」のサプライズリリースが発表された。“となり”にいてくれる心強い“アイカタ”と最強のチームを築いたベリーグッドマンに怖いモノなどない、彼らの物語は11年目に続く。

なお本公演のセットリストは、各音楽配信サイトにてプレイリストとして公開されているので、是非聴いて欲しい。

2023年11月18日(土)
ベリーグッドマン結成10周年 × 阪神甲子園球場100周年記念事業
ベリーグッドマン ~甲子園 LIVE 2023~セットリスト

01. ハイライト
02. チョベリグ
03. Future
04. ベリーグッド
05. ライトスタンド
06. ライオン
07. ダイヤモンド
08. Hello
09. それ以外の人生なんてありえないや
10. メドレー
11. おかん~yet~
12. 夢物語
13. これからもよろしくな
14. Mic
15. オドリバ★ジャポニカ
16. GroovyでDancingなParty
17. ウグイス (Remix)
18. ファンファーレ
19. CLASSIC

EN01. Good Time
EN02. Fave
EN03. 雑草
EN04. Dreamer
EN05. アイカタ

セットリストプレイリスト

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