1stアルバム『habit』を携えたマオのライブツアー<MAO TOUR 2024 -habit->が、8月31日 東京・Spotify O-EASTでファイナルを迎えた。

「まさにマオバンドだと思っています」とアンコールのMCでマオが語ったとおり、アルバムのレコーディングにも参加したnishi-ken(Key)、Leda(Gt)、Shoyo(Ba)、DUTTCH(Dr)という手練れのメンバーとの一体感は激アツだった。そればかりか、メンバーとファンとの馴染み具合も1stツアーとは思えないほどしっくりときている。いや、これこそが全国ツアーで一緒に築き上げてきた熱量というものか。

ジョニー・サンダースやSham 69など往年のパンクロックが流れる会場は、開演前から期待感に満ちていた。場内が暗転して流れてきたアークティック・モンキーズの「Brianstorm」にあわせて、大きなクラップがメンバーをステージに招き入れた。ロゴTシャツと赤いチェックのボンテージパンツ姿のマオが後ろを向いて両手を挙げると、それを合図に始まったのは「枯渇」。タイトなバンドサウンドとマオの低音ヴォイスが静かに会場を満たしていったところに、シンバルの華やかな4カウントから勢いよく「HABIT」へ。「oioi」と拳を振り上げるフロア。シャウトするマオ。LedaとShoyoはステージ前方に乗り出し、nishi-kenは軽快にタンバリンを鳴らしている。疾走感あふれるサウンドと、アグレッシブなステージングで一体感を作り上げた。

「いいツアーだったなあ、終わりたくないなっていう気持ちと、待ち遠しい気持ちがまじって、台風になっちゃいました。今日はいろんな思いでステージに立ってるから」と心情を語り、「縄と蝶」へ。エロティックでいてエモーショナルなラウドナンバーが会場を酔わせたのか、観客の表情を見て「なんか、とろんとしてるね顔が」とマオ。一方で実際のところステージも暑かったようで、「暑いんだよ!暑いんだよ!お前らの愛が熱いんだよ!」とオラついてみせたり、「いけるかいっ!いけるのかいっ!」と煽るマオに、Ledaが思わず「マオさんの今日の昂りがすごい」と笑いだすシーンも。そんな昂りの後に披露したのは、歌謡曲のメロディで切なく散った恋を歌う「Closet」だった。間奏のDUTTCHのスティック捌きのマネをしてみたり、続く「rule」では心地よいベースソロを弾くShoyoのマネをしてみたりと、メンバーとのセッションを楽しんでいるマオの様子に思わず頬が緩む。キャラクターの濃いメンバー紹介を経て、バンマスのnishi-kenとは「ここ(Spotify O-EAST)は初めてソロでライブをやったところですね。またやれてうれしいですね」と振り返った。

中盤はバラードを3曲。ジャジーなアンサンブルと、儚く消えた恋の歌を情感豊かに歌った「恋の泡」、淡いブルーがステージを包む中、海の底へと静かに沈んでいくような「深海」、すれ違ったまま寄り添えなかった愛の果てを切なく描いた「違う果実」。じっくりと聴き入っていた観客に、「バラードもいいでしょ?」と問いかけるマオ。哀愁をにじませたバラードは彼の真骨頂。それぞれのストーリーへと没入させるマオのヴォーカルは圧巻だった。

そんなバラードコーナーの後のMCで、10月23日(水)にバースデーライブの開催を告知。今回のライブと同じ布陣で臨む本公演が楽しみで仕方ない。「曲作ろうかな。聴いてください、『ハッピーバースデー、俺!』」というマオのノリに、即興の青春パンクを繰り出してきたメンバー。学生の文化祭的なそのサウンドに、メンバーも会場も大笑い。和やかな空気感の中で歌ったのは「青い雨」。不調続きで落ちてしまった深い闇と、そこから救ってくれたファンへの思いを綴ったその歌は、より深く胸に響いたのだった。

「盛り上がっていけるかぁ!」と煽って始まった「不埒な体温」は8ビートのロックンロール。ステージから乗り出し柵に足をかけて歌っていたかと思うと、ついにはフロアに降りたマオ。歌と一緒に歓声もマイクに通るほどの距離感で歌う様子に、会場のボルテージも一気に上昇。続くハードロックナンバーの「最低」、このツアーを通して披露してきたパンキッシュな新曲「mannequin」とさらに熱を上げ、「ROUTE209」へ。ゴリっとしたベースイントロから、感情剥き出しのヴォーカルと力強いビートで加速していく。思いっきり立てた指でハートを作って飛ばし、不敵な笑みを浮かべて本編を終えたマオ。その表情からも充実ぶりが見てとれた。

熱のこもった手拍子で迎えられたアンコール。「chandelier」では、歌いながら前列にいるファンたちと指を合わせてハートを作っていく。それが終わると今度はメンバーともハートを作る。「サヨナララスト」では、Ledaやnishi-kenの横に並んでステップを踏んだり、同じステップでShoyoのことをステージ袖に追いやったり。そんな楽しいコミュニケーションの中に、もうすぐ終わってしまうハッピーな時間への名残惜しさがにじんでいたように思う。マオは「胸を張って言えるな。いいツアーだったって」とツアーを振り返った後、台風10号による交通機関への影響で泣く泣く参加を諦めたファンへ想いを馳せ、「ここにいる俺たちがやれることは最高のライブをやることだと思うんだよね。後で振り返った時に、来れなかったみんなもきっと心を届けてくれたよね、繋がってたよねって、そんなふうに思えるような、そんなライブにしたいと思ってステージに立ちました」と語った。さらにバンドメンバー、スタッフに感謝の想いを告げ、「最後に、ここに集まってくれたみんなにはファイナルの最後の歌としてしっかり想いを届けるし、今日ここに来れなかったみんなにもしっかりと歌声を届けるので、受け取ってください」と、ラストナンバーの「最後の恋」へ。〈泣きたくなったときは この胸に帰っておいで〉。一人一人を抱きしめるような暖かな歌声が、ミラーボールの光が輝く会場を包み込んだ。

演奏を終えたばかりのステージで、メンバーとファンと共に記念撮影をしたマオは、「いいねいいね、これがやりたかったんだよね」とご満悦。「またツアーやろうね、このメンバーで」と語り、最後に「愛してます」と言葉を残してステージを後にした。マオが“やりたかったこと”を詰め込んだこのステージは、ロックバンドとしてのポテンシャルの高さを感じさせられるものだった。爽やかな余韻に浸りながらも、また早く次を観せてほしい、枯渇する前にね、と願うばかりだ。

マオ初のバースデー公演となる<MAO 「20241023」>、そして新たに発表となった<X'mas Premium Live 2024>と<Mao's X'mas Party!! 2024>。マオの2024年はまだまだ続く!どちらも異なる編成での公演となるので、しばらく目が離せなさそうである。

MAO TOUR 2024 -habit- 2024年8月31日(土) Spotify O-EAST SET LIST

01. 枯渇
02. HABIT
03. 縄と蝶
04. Closet
05. rule
06. 恋の泡
07. 深海
08. 違う果実 
09. 青い雨
10. 不埒な体温
11. 最低
12. mannequin
13. ROUTE209
En01. chandelier
En02. サヨナララスト
En03. 最後の恋

ライブ情報

MAO 「20241023」
2024年10月23日(水) 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00 / START 19:00
【チケット料金】
スタンディング ¥7,500(税込)
※逆バースデーカード付き
※別途入場時にドリンク代必要
※未就学児童入場不可
チケット一般発売中!

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X'mas Premium Live 2024
2024年12月7日(土) 大手町三井ホール
<1st SHOW> OPEN 15:30 / START 16:00
<2nd SHOW> OPEN 18:30 / START 19:00
【チケット料金】
全席指定 ¥8,500(税込)
※特製~未来サンタプロジェクト~ラバーバンド付き
※別途入場時にドリンク代必要
※未就学児童入場不可
【Fanicon「Mao's Room」会員優先予約】
受付期間 2024年8月31日(土) 19:00~9月10日(火) 23:00

詳細はコチラ

Mao's X'mas Party!! 2024
2024年12月8日(日) 大手町三井ホール
OPEN 15:00 / START 16:00 ※休憩あり
【チケット料金】
全席指定 ¥15,500(税込)
※別途入場時にドリンク代必要
※未就学児童入場不可
【イベント内容】
・2024年のマオの活動を振り返る打ち上げトークショー
・マオが近くに!?インタラクティブパーティー!
・あなたのスマホで撮影会
・Special Acoustic Live
・マオサンタとMake a Heart会
・マオサンタからのX'masプレゼント
※イベント内容は若干変更になる可能性がございます。あらかじめご了承の上、お申込みください。
【Fanicon「Mao's Room」会員優先予約】
受付期間 2024年8月31日(土) 19:00~9月10日(火) 23:00

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