なにわ男子がコンサートツアー「なにわ男子 LIVE TOUR 2024 '+Alpha'」を開催している。このツアーは3rdアルバム『+Alpha』を携えて6月から行なっているもので、9都市24公演、約43万4千人を動員する予定だ。8月9日から13日までは神奈川・横浜アリーナ公演が行われており、ここでは13日の模様をレポートする。
公演前には囲み取材が行われた。約半分を終えたツアーについて聞かれると、西畑大吾が「めっちゃ楽しいです。なにふぁむ(※なにわ男子のファンの愛称)の皆さんもすごく楽しんでくださっていますし、まずは僕たちが楽しむことから始めていて。メンバー仲良くさせてもらっています」と答える。「何か思い出は作れましたか?」と尋ねられると、長尾謙杜が「会場の外で流しそうめんをしたり、スイカ割りしたり、花火したり。夏っぽいことをしています」と回答。さらに藤原丈一郎が、パリオリンピック開催期間中でもあったことから「『あの競技やばいよな?』とか、楽屋でオリンピックトークもしていました」と明かした。
本ツアーのこだわりを聞かれると大西流星が「'+Alpha'というテーマなので、今までの自分たちのキラキラにプラスアルファして、カッコよさであったり、しっとりバラードであったり、自分たちのいろんな一面を出せるようにと考えました」と説明。「Alpha」という単語には輝きという意味もあることから、衣装担当の長尾が「オープニング衣装はこれまでにないくらいキラキラしようと思って、一人3万個ずつスパンコールを付けています」と解説。記者から「重たくないですか?」と驚きの声が上がると、すかさず西畑が「めっちゃ重いです」と言うも「それだけの輝きを放てるというのはうれしいですね」と笑顔を見せた。「+Alpha」というタイトルは道枝のアイデア。「デビュー3年目ということで、僕たちのキラキラしたイメージにちょっと大人っぽいところもプラスαしていきたいなという意味」と説明し、これに伴うツアーについても「かわいらしいところもあれば大人っぽいところもあって、タイトルにぴったりなライブになっていると思います」と胸を張った。ツアーの演出について記者から「シールドが見どころだそうで」と問われると、西畑が「あー、あれシールドなんや! 我々は『光る筒』って呼んでます」と笑いながら、そのセットの構造を説明した。
リーダーの大橋和也は8月9日が誕生日。そのことについて記者から話題を振られると「皆さん、そんないいですって!」と謙遜したかと思えば、「せーのって言ったら『おめでとう!』って言ってください」と呼びかけ、集まったマスコミ関係者を盛り上げた。しかし自身は新型コロナウイルスに感染により11日まで活動を一時休止しており、横浜公演も前日12日に復帰したばかり。復帰について、大橋は「おかえりって言ってくれる環境がうれしかった」と話し、藤原は「誰かが抜けたらみんながカバーするということも改めて感じましたし、何より、なにわ男子は7人がいいなと思いました」と振り返った。
さらにこの日、アジアツアー「Naniwa Danshi ASIA TOUR 2024+2025 '+Alpha'」の開催が発表された。これについて道枝は「ずっとやりたいと言っていたので、できることになってすごくうれしかったです。初めてお会いする方々がたくさんいるので、すごく楽しみですし、応援してくださればうれしいです」と喜びを語った。開催は台北、ソウル、香港の3都市。藤原と共に台北に旅行したことがあるという大西は「たまたまCDショップに行ったら僕たちのCDが飾られていて。J-POPであったり、日本の文化もすごく好きでいてくれる方が多いなという印象があります」と語る。仕事でソウルに訪れたという道枝は「皆さんすごく温かくて。あと、プデチゲが美味しいです」と、思い出して舌鼓。大西もソウルでコスメを買ったことがあると、美容担当らしい魅力を語った。香港はまだメンバー誰も行ったことがない土地だそうで、長尾が「街並みや夜景がすごく綺麗というのは聞いたことがあるので楽しみですね。待ち遠しいです」と言うと、藤原も「YouTubeの撮影もできたら」と意欲を見せた。なお高橋恭平はこれまで海外に行ったことがなく、今回のツアーが初めての海外になるという。記者から楽しみにしていることを聞かれると「『気温こんなに違うんや!』とか。いろいろ楽しみたいと思います」と高橋らしい視点での期待を寄せた。
デビュー会見で「なにわから世界にLOVEを届けたい」と意気込みを語っていた長尾は自身の発言を振り返り「(アジアツアーで)ようやく本当に世界へLOVEを届けられるので、これからはさらにより多くの方々にLOVEを届けていけたらと思います」とアジアツアーへの思いを語る。大橋も「ずっと『日本中、世界中、宇宙中までも 愛を届けて皆さんを幸せにしたい』と言ってきているので、この愛を日本中だけじゃなく世界中までも飛ばせられるように精一杯頑張ります」と意気込みを語り、7人は肩を組んで「日本中、世界中、宇宙人までも幸せを届けるぞ!」と気合を入れて、ステージへと向かった。
きらめきとスタイリッシュな演出が融合した本ツアー。会見で長尾が話していた通り輝く衣装でステージに登場した7人は、ヴィヴァルディ「四季」より「春」をモチーフにした「NEW CLASSIC」や、なにふぁむの掛け声やクラップが入って完成する「Kick Start」、道枝駿佑の投げキッスから始まる「I Wish」など『+Alpha』の収録曲を中心に、きらびやかなステージでエネルギッシュなパフォーマンスを展開していく。一方で、哀愁漂う「TOKYO AM1:00」やジャジーな「Missing」、スタンドマイクを使ってキレのあるパフォーマンスを見せた「ありふれた恋じゃ、もう満たされない」と大人っぽい楽曲を情感たっぷりにパフォーマンスするなど、惜しみなく“プラスα”な姿も見せていった。さらに、メンバーを模した約10メートルのバルーンがステージ上に登場した「Happy Happy Birthday!!」の曲中には、1つしかないケーキをめぐり、メンバーが客席内に転がるメンバーカラーのバルーンを探し回るゲームが行われ、「ちゅきちゅきハネムーン」では歌唱後に花嫁と花婿、花嫁の父親に扮したメンバーによる小芝居が展開されるなど、明るく賑やかな時間も用意され、様々な形でなにふぁむを喜ばせていった。
また今作で初めて収録されたメンバーのユニット曲の披露も。高橋、長尾、大橋による「ウルリルラリラリ」ではカラフルな衣装に身を包んだ3人が逆さ吊りで登場したり、ダンサーに担がれたりとサイケデリックなステージで視線を集め、西畑と大西はパステルカラーの衣装に身を包みハートをモチーフにしたステージで「恋やけどめ」をスイートに届ける。道枝と藤原はこの2人でユニット曲を歌うことになったときに、やりたいことを「せーの」で言ってみようと言ってみたところ、2人とも“ラブソング”だったというエピソードも明かし「僕らの歌声はもちろん、楽器の音色、歌詞にも注目しながら聞いていただけたら」と聞きどころを紹介してから「Precious One」を歌唱。<もっと見つめ合って / もっと笑いたかった>というフレーズでは2人が実際に見つめ合うなど、歌声と楽器の音色、2人の表情で切ない歌詞世界を表現していった。
その後も、メンバーが“光る筒”と呼んでいる最新テクノロジー搭載のシールドが、メンバーを覆うという最新技術と融合した演出を見せたり、「Snap!」歌唱時にビジョンに投影されたメンバーの集合写真約5万枚が客席へ降り注がれたりと、ダイナミックなステージングで魅了していった7人。最後に「これからもなにわ男子は、皆様の人生の“プラスアルファ”であれるように精進いたします。これからも応援よろしくお願いします」(西畑)、「これからも僕たちなにわ男子7人はもっともっとたくさんの夢を叶えていきたいです。そのためにもなにふぁむの力が必要です。なのでずっとずっと離れないでください」(藤原)、「皆さんの拍手だったり、“うちわ振り振り”を見てステージに立ててよかったなってめちゃめちゃ思います。この気持ちを皆さんにぶつけて、皆さんに喜んでもらえるように精一杯頑張りますので応援よろしくお願いします」(大橋)、「今日1日楽しかったですか〜? 僕も最高に楽しかったです。また皆さんと幸せな空間で遊べたらなと思っていますので応援よろしくお願いします」(長尾)、「皆さんが僕たちにたくさん勇気をくれて、僕たちはアイドルでいられていると思います。その勇気を100倍にして返していきたいと思います」(大西)、「俺たちのこと大好きですか? ……(肉声で)俺もみんなのことめっちゃ大好きやでー!」(高橋)、「皆さんからのたくさんの愛を感じてすごく幸せでした。次いつ会えるかわからないですけど、寂しくなったら僕たちの曲を聴いてください。僕たちは皆さんのすぐそばにいます」(道枝)と、それぞれの言葉選びでなにふぁむへ言葉を贈ってステージをあとにした。
公演の終盤、西畑が「皆さんを見ると、笑顔で見返してくれるこの時間が僕たちは本当に大好きです。これからもなにわ男子はこれからもたくさんのプラスαを身につけてみなさんを笑顔にしていきたいと思います」と話していた。この日、『+Alpha』および過去シングル曲の配信決定と、アジアツアー開催を発表したなにわ男子。8月28日リリースの新曲「コイスルヒカリ」も初披露した。アルバム『+Alpha』でも、本ツアーでも新たな表情をいくつも見せた彼らは、さらに世界に羽ばたくという新たな“アルファ”に挑戦をする。この先も“アルファ”を増やしていく彼らが楽しみだ。