──2024年の結成から2年でついに1st Digital Album『SALARYMAN』がリリースされました! まず、アルバムが完成した感想から聞かせてください。
WANTAI「これまでにリリースしてきた楽曲も収録していて一区切りできたと思います。これまでのoops coolの軌跡が形になって、率直に嬉しいです」
NiseChi「僕は仕事の出勤時間に自分たちの曲を聴いたりするんですけど、アルバムが出来たことによって、まとめて流しながら聴けるので、嬉しいです」
WANTAI「聴く側?」
NiseChi「うん、リスナーとしてありがたい」
Jariboy「(笑)。よくよく考えると結成から2年も経っていたんですけど、体感で言うとあっという間だったというのが率直な感想です。さっき、WANTAIが“一区切り”と言っていましたけど、アルバムをリリースしたことによって、また新しいoops coolとして改めて…気は引き締めないですけど」
WANTAI「いや、引き締めて!」
Jariboy「ま、楽しくやっていけたらいいと思っています」
Peppu「ようやくアルバムが完成出来たからこそ、次の中継地点のようなものはどこになるのかな?って考えています。アルバムを携えて、たくさんライブをしたいと思っています」
──アルバムタイトルの『SALARYMAN』にはどんな想いを込めましたか?
Peppu「アルバムに収録する曲が決まっていって、“アルバムタイトル、どうする?”となった時に、僕たちのある種のキーワードというか…“社会人的な部分のフレーズが前に出るタイトルがいいよね”と言う話になって」
NiseChi「まさに自分たちは今、現在進行形でサラリーマンをやっていて。アルバムには自分たちの日常を面白おかしく歌詞にした曲が多いので、まさにタイトル通りのアルバムになっています」
Peppu「サラリーマンという言葉が前提にあるおかげで伝わる歌詞もありますし、僕たちの個性でもあると思っていて。サラリーマンって和製英語ですけど、英語表記にした時にかえって新しい違和感も出て。字面もかっこいいし、可愛いし、アルバムのタイトル向きだと思って『SALARYMAN』に決めました」
──アルバムには全10曲が収録されていますが、皆さんそれぞれの推し曲を教えてください。
WANTAI「僕は「オーバーワーク」です。タイトル通り“残業”がテーマで、マイナスのイメージがある残業をポップに明るく歌っています。自分自身も残業する時に、少しでもテンション上げて“頑張るぞ”みたいな感じで聴いているので、他の人にも刺さってほしいです」
──oops coolはメンバー全員が同級生でサッカー部に所属していたことも個性の1つですが、この曲には <ど真ん中向けツーシーム>というリリックがありますね。
NiseChi「確かに、この曲だけ、野球っぽい要素が入ってる!」
WANTAIそうですね。僕たちの曲で唯一、他のスポーツが垣間見えるかも…」
Peppu「でも、そこはほんとうノリですね。しかも、僕たちにとっての野球はパワプロくんです。だから、そんなに深い意味はないですけど、残業を<アディショナルタイム>や<延長線>というスポーツで例えて表現した方が重苦しく聞こえないかな?というのはありました」
──<フィーゴ>も出てきますね。
Peppu「そこも<フィーゴ>って言いたくなっちゃっただけで…」
WANTAI「先にフィーゴが出たよね?」
Peppu「フィーゴが先に走っていました。そこに合わせた感じです」
NiseChi「うまいパスが通った!」
──(笑)。そんなNiseChiさんの推し曲は?
NiseChi「僕は「失態アモーレ」を一番よく聴いていますし、好きな曲です。失敗した後に焦ってしまって、結局は踊っちゃう曲です。そういう実体験があるというか…僕は失敗すると、かなり焦ってしまって、明日のこと考えて、“もう最悪…”みたいな感じになるんですけど、それを楽しく歌っている曲なので、この曲を聴いてると、“もうどうにでもなれ!”という気持ちにさせてくれます。仕事上、失敗は誰しもがすると思うので、そういう時に聴いてもらえると、疲れやストレスが飛ぶかな?」
Jariboy「あはははは。なんか泣きそうなんだけど」
WANTAI「大丈夫? 最近、何か辛いことあった?」
──どんな失態があったかを聞きたいところですけど。
Peppu「ここ最近はあったの? 失態」
NiseChi「最近はあまり失態はないですけど、失態をしちゃった後輩に聞かせたいです。(マスクをしていて)姿はさらせないので、“こういう曲あるよ”と言うくらいしかできないですけど」
──ちなみにこの曲での失態はどんなイメージですか?
Peppu「寝坊ですね」
Jariboy「ああ、僕も寝坊をイメージしていました。1時間とか寝坊してしまったたことがあるし…ただそれも消化の仕方でなんとかしています。個人的には、失敗したらその後、“どうしょう?”と焦るのではなく、起こったことは仕方ないので、どう消化するかを考えています」
Pappu「“よく寝れたな”って」
Jariboy「普通に“1時間勘違いしました”と言ったら許してもらえたので。「失態アモーレ」も“こういう消化の仕方もあるよ”って、みんなに伝えるイメージはあります」
WANTAI「僕は彼女とか奥さんとかパートナーとかに対して、自分が失敗してしまった時に、“とりあえずもう謝るのがもういいんだ”みたいな…“もう気をつけして謝れ!”みたいな曲だと勝手に思っていました」
Peppu「“謝れば済む”と思っているから怒られるんだよ」
Jariboy「そう、反省を一回挟まないとね。WANTAIは反省しないから」
WANTAI「うん、そうですね…」
Peppu「今、怒られた(笑)」
──(笑)。
──続いてPeppuさんの推し曲は?
Peppu「僕は「RIVAL」です。曲としてのノリの感じとか、ラップの感じも個人的には好きなタイプです。歌詞も“自分の敵はいつも自分”じゃないですけど、そういう意味では「wanna be」にも通ずる部分があって…“やっぱり一番のライバルは自分だ”って。普段、自分に枷をつけてしまったりとか、決めつけてしまう部分があったりすると思うので、そういう自分に対してのエールでもあります。全体的にエールが多いアルバムですけど、その中でも曲調としても好きなのがこの曲です」
──<ミスターエゴイスト>っていうのは?
Peppu「サッカー要素というか…サッカー漫画の『ブルーロック』です」
──<三笘の1ミリ>もありますね。
Jariboy「ウェルベックもいるしね」
Peppu「<劣等感をフルベット>は、ブライトン縛りでダニー・ウェルベックを表しています。もうほんとうに気分ですけど、三笘つながりで使いました」
──では、Jariboyさんの推し曲は?
Jariboy「「wanna be」ですね。“やるやる”と言って、やらない人に向けての曲ですけど、一番自分に当てはまっている曲です。社会人をしている人はみんな、やりたいことがあってもなかなかできない状況にあると思うんです。僕も普段やりたいことがたくさんあって…些細なことですけど、楽器をやりたいとか、ワインの資格を取りたい、みたいな。いろいろとやりたいことはあるんですけど、全然やらないんですよ」
WANTAI「一番ワナビー」
Jariboy「そう、一番やらないですけど、そうなった時にこの曲を聴くと、一つくらい一歩踏み出してみようかな?って。“一回やってみたらいいんじゃない?”みたいな応援ソングになっているので、自分自身にも刺さるし、きっと他にもこの曲で頑張れる人がいると思います」
WANTAI「MVも公開していますけど、ダサかっこいいというか…ちょっと失敗もしつつ、かっこよさが出ているMV になってるので、僕たちのそのままが出ているような曲だと思います」
NiseChi「自分たちにも言えることですし、“こういう人たちいるよね”って共感してくれる人は多いと思います。Jariのバースの<やるやるつってまじやんないじゃん?/やる気詐欺ってほぼ犯罪者>って、かなり言い過ぎな感じはするんですけど(笑)。意外と、そういう人たちに対して殴りかかるような暴力的な…」
Peppu「あはははは。そんなことはないやろ」
Jariboy「行き過ぎてる。どこに行ってるの?」
NiseChi「行き過ぎと言えば行き過ぎなんだけど、それをいい感じにキャッチーに歌っていて。そうは聴こえないけど、実際に言っていることはかなり強烈なことを言っているところも面白いと思う曲です」
Peppu「風刺的な部分はあるよね。そういう意味では同じ意見で思っています。やらない方は簡単ですし、“やる”と言うのも簡単ですよね。僕たちは勢いでやってみた側なので、そういう意味では、別に“やった方がいいよ”とまでは言わないですけど、“やる”と言ってやらないのはカッコよくないんじゃない?という意見です」
WANTAI「一意見です」
──でも、仕事の忙しさのせいにせず、“楽しいから”という理由で友だちとoops coolとして活動している皆さんですから説得力がありますよね。
──ちなみに、レコーディングでは何か事件は起きましたか?
Peppu「レコーディングで事件は起きたっけ?…時間がかかる時はかかるんです。間違ったところに行ったら帰ってこないです」
WANTAI「タイムリープしてね」
Peppu「同じ間違いが何度も起こるので。引っ叩いてますけど(笑)、曲を録れば録るほどだんだんと上達しているから、レコーディングの時間が短くなっているのは実感します。事件で言うと、それ以外のところの方が多いよね? ライブに行く途中に車が2回パンクしたり」
WANTAI「しかも高速道路で。すごく怖かった」
Peppu「高速道路で立ち往生して帰れない…みたいな事件はありました。あと、NiseChiが高速道路でトイレを我慢できなくて、ペットボトルにおしっこした」
WANTAI「あった! 水だったはずのペットボトルがジャスミン茶が入ったみたいな色になって」
NiseChi「あまり多くは語らないでほしい…」
Peppu「そういう事件はたくさんあるんですけど、楽曲作りという面においては、そこまで大きなトラブルはなく、順調でした」
──みんなで飲みに行ったりするんですか?
NiseChi「ちょいちょいしてるよね。ライブの前乗りで名古屋に行った時はホテルの近くに美味しい手羽先があるお店があって。そこでみんなで飲んで、朝はモーニングに行って。優雅な時間の過ごし方をしています」
WANTAI「旅行ついでにライブがあるみたいな過ごし方です」
Peppu「逆だけどな(笑)」
Jariboy「あと、サッカーのワールドカップの日本戦を一緒に見たりもして」
NiseChi「何戦だったっけ?」
WANTAI「チュニジア戦を一緒に観た。ライブ当日だったんですけど、ライブ前に集まって、ハーフタイムでライブをしに行って、試合結果が分からないままライブして…みたいな。代表のユニフォームをそのまま着てライブをしたこともありました」
──ライブも本数も増えてきた中で、何か見えてきたものはありますか?
Peppu「いい意味で“相変わらず”という状況ですね。でも、場数は増えたので、“こうしたらいいんだ”とか、“これはあまり伝わらないんだ”とかは、各々が発見していると思います」
WANTAI「“プロ素人集団”という名目でやっているので、ほんとうに素人なんです。あるライブの時、僕はマイクの音量を上げたかったんですけど、お恥ずかしいことに音楽知識が少し入ってきたくらいなので、“あ、ちょっとこれ、マイクのローを上げてください”と言ったら、会場の人にすごく笑われて…」
Peppu「本人は“メンバーの中で低い声の人間のマイクの音量を上げてください”という意味で言おうとしていたんですけど、“ローを上げてください”って言うから、“は?”ってなって」
WANTAI「帰りたくなった日がありました」
NiseChi「WANTAIは場を凍りつかせるんです」
Peppu「新宿でライブをやっている時に、“いけるか?渋谷!”と言って…“いや、いけねえだろ!”って」
WANTAI「危うく転生させるところだった」
Peppu「…どうにかしてください、これ」
──あはははは。
NiseChi「あと、普段のライブのMCはPeppuが回しをやってくれるんですけど、Peppuの調子が悪い時があって。僕とWANTAIでMCをやってみた時があったんですけど、その時のライブのMCが本当むちゃくちゃで、グッダグダな感じになって…。客席側から見ているスタッフさんには、後から“そんなに変じゃなかったよ”とは言われたんですけど、こっち側としてはいつもと違う感じがあって。緊張感もありますし、すごくソワソワしていた気持ちでライブをしたので、“やっぱりメンバーみんながいないとダメなんだ”という…」
WANTAI「いたけどね」
NiseChi「いたけど、そういう役割の人がいて、みんなで助け合ってるチームなんだというのは改めて思いました」
Jariboy「アルバムが出来るくらいまで曲が増えてきて、ライブの回数も増えて、oops coolの形というか、それぞれの曲の中での明確な役割みたいなのがはっきりしてきたとは思っているので、もっとこの形で曲を作っていきたいと思っています」
Peppu「思っていた以上にいろんなことが起こるんだなって感じる日々です。最初は“楽しいからやる”というよりも、“友だち同士でやったらどうなるんだろう?”と思いながらやっていましたけど、気づいたらこうやってインタビューをしていただけたり、写真も撮っていただいたり、MVも作れて。今、アルバムまでたどり着けるんだというのが、もうとにかく新鮮というか、びっくりというか…という感じです」
──最初に“次の目的地が見つかるかも”という話をされていましたが、次は見えていますか?
Peppu「個人的には“やっぱりライブ、楽しいな”と思っているので、ライブもより良い環境というか…出来るだけ涼しい場所でライブができるようになれればな、とは思いますけど」
──野外はやっていないのですか?
NiseChi「神戸で一度だけやらせてもらいました」
Peppu「大雨でマイクが壊れたり、マスクがずぶ濡れになって…“暑い”は心配でしたけど、“こっちもあるんだ!?”って」
WANTAI「野外の怖さを改めて知りました」
Jariboy「今後もやることは変わらないと思いますけど、今言ったみたいに、次のステージ、次のステージという風に、今の“楽しみつつ”を維持しながら、どこまで行けるんだろう?って…そこは見てみたいと思っています」
──その“次のステージ”は何か具体的にイメージしているものはありますか?
Jariboy「今、ありがたいことに少しずつ、いろんな場所でライブさせてもらえるようになったので、もっと多くのお客さんの前でできるようになるといいなとは思います。それこそ夏フェスとか。僕たちとしては“出来る!”というところまでは来たとは思います」
Peppu「ちょっと怖いけど」
Jariboy「すごく怖いですけど、夏フェスは楽しい場所なので、フェスを盛り上げられる側になれたら相当面白いんだろうなって思います」
NiseChi「前回のインタビューでも言ったと思うんですけど、サッカー関連のお仕事をやらせてもらえる機会があったら嬉しいです。ずっとサッカーを一緒にやってきたメンバーでもあるので、そういう経験を音楽と合わせて、サッカー関連の何かしら形になった仕事がしたいです。曲でもいいですし…何かやってみたいなって」
Peppu「曲以外だと何をするの?」
Jariboy「解説?」
NiseChi「解説も面白そうだけど、マスコットキャラクターとか…」
Jariboy「それは一人でやってくれ(笑)」
NiseChi「なんでもやれたらな、とは思っています」
WANDAI「テレビを見ていた世代なので、見ていた画面の向こう側に立ってみたいというのがあります。せっかくこうやって活動しているので、その機会がいつか来ればいいと思います」
Jariboy「その現場でアイドルに会いたいです。FRUITS ZIPPERさん、みんな可愛いんですよ。わかりますか? 犬や猫の動画を見て、癒されるじゃないですか。あれと全く同じで、FRUITS ZIPPERさんを見ることによって、“可愛いな”って心が癒されるので、それをダイレクトに味わってみたいと思います」
Peppu「“ダイレクトに味わいたい”ってなんだよ!?」
──(笑)。音楽シーンの中ではどんなポジショニングを取りたいと考えていますか?
Peppu「あまり“誰々に届け”とかは明確にあるか?と訊かれたらそうでもないです。とにかく楽しいからやっているので、その“楽しい”のセンサーが敏感な人から順に届いてくれたら嬉しいです。だからこそ、僕たちはあまりヒップホップだとは思ってないというか…自認ではないです。ラップミュージックはたくさん聴いていますし、好きですけど」
──確かにヒップホップクルーとは言っていないですしね。
Peppu「そうなんです。そういう意味では、そこにあまり固執したいというわけではなくて。もちろん、カルチャーとしては大好きですけど、自分たちはポップでもいいんです。等身大から変に誇大に言い換えたりする必要はないと思っています」
──では、どんなメッセージが届いたらいいと思いますか?
NiseChi「「wanna be」や「青春GAMEOVER」でも言っていますけど、会社員をやっていて、それを理由に“やりたいことがやれない”という方もいらっしゃると思うんです。そういう方に、覆面被って素性を隠せば、正直、何やってもバレないので…やりたいことをそういう理由で諦めないでやってほしいという気持ちはあります」
Jariboy「マスクを被れってこと?」
NiseChi「うん、そう」
WANDAI「マスクは誰でも被れるからね(笑)。僕たちはほんとうに、みんな働きながらoops coolとして活動していて、実は聴いてくれているリスナーの方と一緒の電車に乗っていたりしています。そういう僕たちが普段、働いている時とか遊んでいることが歌詞に入っているので、身近に感じてほしいという想いです」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑慧嗣





