――2021年を振り返って、どんな1年だったと思いますか？
KENSHIN「グループにとっては本当にいろんなことが変わった1年というか。わかりやすいところで言うと、TikTokでフォロワー数が日本のアーティスト1位になって、自分たちがいつも見ている番組に呼んでいただけて、特集を組んでいただけてすごく嬉しかったですね」
TETTA「不思議な感覚だったよね」
KENSHIN「うん。それで、“ワンエンとしての武器をまた新たに見つけられたのかな？”っていう感覚はありますね」
TETTA「ONE N’ ONLY＝唯一無二という名前に、だんだん近付けてきてるんじゃないかっていううれしさがあります」
――逆に言うと、これまではONE N’ ONLYという名前にプレッシャーがあった？
TETTA「プレッシャーとまではいかないですけど。ただ、“唯一無二って何だろう？”っていう、自分たちでもまだわからない部分がありました。でも、いろんなことをやってきて、今回のTikTokも、海外の方たちに評価していただけたのが新しいかなって。その武器を強めていけば、今後のワンエンがもっともっと大きくなって、グローバルに羽ばたいて行けるんじゃないかなと思えました」
KENSHIN「ワンエンを始めたときは、J-POPとK-POPを合わせたJK-POPというのを打ち出していて、ミュージックビデオなんかは日本のみならず海外の方にも届いていたりしたので、そういった部分で自信がないことはなかったんです。でも、まだまだだなと思うところもいまだにあるので……。せっかくONE N’ ONLYという名前なので、名前負けしないグループになっていかなきゃっていう気持ちは強いですね」
――充実した1年のラストを飾る今回の「We Just Don’t Care」を、2人はどういう気持ちで受け止めましたか？
TETTA「最初に曲をもらった時は、これまでのどの楽曲とも違うアプローチであることが印象的でした。曲調も歌詞も、「We Just Don’t Care」みたいな曲って意外となかったので。それを今回歌えるのがうれしかったですし、楽曲が持つ繊細さを大切に表現したいと思いました」
KENSHIN「表題曲にバラードを持ってくること自体、僕らにとっては挑戦だし、“ワンエンはこういう楽曲もできるんだよ”っていうのをまた新たに提示できるのかなと思いました。あと、歌詞の内容が今の僕たちにものすごく刺さるんですよね。芸能界に入って、最初は何でもできそうって思うんだけど、挑戦していくうちに挫折だったり、失敗だったりを繰り返して、“自分、大丈夫かな？”と思うときもあったりして……。でも、それこそTETTAくんが歌っている＜大丈夫ゆっくり歩いても＞ってフレーズが僕大好きなんですけど、そこにめちゃくちゃ勇気づけられるんです。聴いてくれるみなさんを勇気づけたいっていうのもあるけど、気付いたら自分が勇気づけられてた。実際に歌って、踊って、メンバーの歌声を聴いていてそう思うので、そこが伝わったらうれしいですね」
――確かに、今っていろんなことがスピーディーだから、結果も早く出さなきゃと思ってしまいますよね。
KENSHIN「「Category」は“俺らが一番だ”とか“俺らが新しい風を起こすんだ”みたいな強いメッセージがあって、それも正解だし。でも、今回の「We Just Don’t Care」のように＜一番じゃなくたって＞と、ちょっと冷静というか俯瞰で見られているのも正解で。どちらも表現できるのが強みだなと思います」
――TETTAさんは好きなフレーズとかありますか？
TETTA「個人的にはラップの部分の＜信じてた everyday 信じてくれた Mom&Dad／だけどいつの間にかボヤけ始めた夢／聞かれることさえもずっと怖くて／自分を隠してきた いや、自分を知らずにきた＞がグッときます。なんか、自分の弱い部分と向き合って、ちゃんと自分を信じて、愛していけば、きっといい未来が待ってるよというメッセージに僕は思えて。それはサビの部分の＜一番じゃなくたって＞とか＜ずっと変わらないことを＞とかにも通じていると思うんですよね。“自分を信じる”ってことは、自分のこれからの人生においても大事にしていきたいなって思いました。それが意外と難しいことなんですけど（苦笑）」
――自分を信じることも、自分を知ることも簡単なことではないですよね。みなさんはもともとEBiSSHとさとり少年団が融合して結成されたグループですが、ONE N’ ONLYになって新しい自分を発見したというようなことはありますか？
KENSHIN「僕はワンエンになる前はラップを全然知らなかったし、ちゃんとやったこともなかったし。ワンエンになってからちゃんと向き合うようになったんですよね。それはラップだけじゃなくて、歌寄りのメロラップとかもやるようになって。昔は全然歌えなかったから、“KENSHINが歌ってる！”ってびっくりされることが多いんですよね。でも、それもワンエンになってボーカルの3人（TETTA、REI、EIKU）からいろいろ教えてもらったりして生まれた新しい自分なのかなって思います」
――TETTAさんはいかがですか？
TETTA「EBiSSHのときは割と優しい曲調が多くて、それを表現するための歌い方も、自分の中でパターンが限られていた気がするんです。でも、ワンエンになって攻撃的な曲、強い曲がどんどん増えていって、音楽プロデューサーのJUNEさんにもアドバイスをもらいながら自分でいろいろ試したり、挑戦したりしていくうちに、こういう強い表現も楽しいなって思うようになって。一つの楽曲でも、ワンパターンで歌うんじゃなくて、フレーズごとに色を変えて歌うとか、そういうのはワンエンになったからこそ気付けた感じです。あとはラップに関しても、前はラップ調というよりメロディ調が多かったけど、ワンエンだとラップメインの曲もあるくらいなので。ラップの大切さも改めて感じるところがあります」
――アーティストとしての幅が広がったんですね。
KENSHIN「そうだと思います。あと、自分の声に個性があるのかもって思えるようになったんですよね。JUNEさんがデモを送ってくださるとき、“ここはTETTA、ここはHAYATO、ここはKENSHIN”って、なんとなくパート分けしてくださるんです。僕はだいたいメロラップだったりするんですけど、強めのラップもできるしっていう感じで、ワンエンで自分の歌やラップのアイデンティティを見つけられた気がします」
TETTA「だから、2つのグループが一緒になって本当に良かったなって思います」
――今回のインタビューではペアになっていますが、2人の共通点ってどんなところですか？
KENSHIN「共通点……2人ともふざけるのが好き？」
TETTA「確かに。ライブのMCでも唐突にボケたり」
KENSHIN「ふざけるっていうか、脱線していく（笑）。でも、これもワンエンになってから思ったんですけど、TETTAくんは本当、根っからふざけてる感じあるじゃないですか」
――天然な感じがします（笑）。
KENSHIN「そうですよね。自らどんどんボケていく人で。で、僕はある日、それに乗っかるっていうのをやり始めたんですよ。そこからお互いに乗っかり合うようなパターンが生まれて。TETTAくんがふざけたのを他のメンバーはツッコむけど、僕は乗っかるっていう」
TETTA「たまに僕が誰もわからないようなふざけ方をしても、KENSHINだけがわかってくれるとかもあります。みんながポカーンとしてる中で、KENSHINだけがすごい目を見開いて“わかってるよ”って見てくる（笑）」
KENSHIN「あります、あります」
TETTA「そういうとき、すごい心強い。“ありがとう〜！”って」
KENSHIN「その逆もあって、僕がふざけて、みんなが”え？何？”ってなっている時に、TETTAくんが反応してくれたり」
TETTA「ボケ同士でしか通じ合えない（笑）」
KENSHIN「だね（笑）。あと、僕は結構TETTAくんがハマってるものにハマりがちです」
――例えばどんなことですか？
KENSHIN「今年で言えばサウナ。一緒に連れて行ってくれたりもして」
TETTA「僕はもともとサウナが好きで友達と一緒に行ってたんですけど、KENSHINにも整う良さを知ってほしくて連れて行ったら、めっちゃハマって」
KENSHIN「バリバリハマって、かなり行ってます」
TETTA「KENSHINに次におすすめしたいのが、サウナハット。サウナって結構髪が痛むから、絶対にあったほうがいい」
KENSHIN「買います！（笑）」
――今のお二人の様子もですが、ライブとかを観ていても、本当にメンバー同士の仲の良さが伝わってきます。どうしてそんなに仲がいいんでしょう……？
KENSHIN「何でだろう？」
TETTA「毎日一緒にいるっていうのもデカいかな。家族よりもずっと一緒にいるから。でも、何でだろうね？ メンバーって本当不思議」
KENSHIN「確かに、“僕たち仲良いんです”とはよく言うんですけど、なんで仲がいいのかって聞かれたら難しい（笑）」
TETTA「ずっと笑って、一緒にふざけ合ってって感じだもんね」
KENSHIN「ライブ前の楽屋とかもかなり面白いですから。MCも、そこでの話や普段の会話をそのままやるって感覚です」
――そう聞いて、12月23日のクリスマスライブ“ONE N’ ONLY 〜X’mas Live 2021”がさらに楽しみになりました。どんなステージになりそうですか？
KENSHIN「クリスマスライブは2021年を締めくくるライブでもあるので、この1年の集大成を見せられたらなって思いますね。今年、中野サンプラザで2度ライブしたことは自分たちの経験値としても積まれたので、その経験を生かして頑張りたいです」
TETTA「このインタビューの時点では、詳しい内容はまだ決まってないんですけど、とにかく“来てくれる人を今年一番楽しませたい！”っていうのがありますね。また来年もONE N’ ONLYを応援したいなって思えて、笑顔で帰ってもらえるように。“最高の1年だった！”と思えるライブにしたいです」
KENSHIN「それから、やっぱりクリスマスライブなので、クリスマスソングを歌ったり、ガチのサンタクロースのコスプレとかしたい……」
TETTA「どこのイルミネーションやツリーより、“ワンエンのライブが一番クリスマス感あった！”と言ってもらえるような空間にしたいですね」
KENSHIN「六本木のイルミネーションを超えていきたい」
TETTA「ドイツ村とか」
KENSHIN「あ、これがさっき言った、ボケを重ねてくるってやつです（笑）」
（おわり）
取材・文／片貝久美子
写真／野﨑慧嗣
（次回更新はREI×NAOYAの登場です！）
ONE N’ ONLY「We Just Don't Care」
ONE N’ ONLY 1st. EP「YOUNG BLOOD」
2022年2月16日リリース ※「We Just Don’t Care」も収録
初回生産限定盤
1CD（7曲）+BD+60P撮り下ろしフォト+ライブフォトブックレット
ZXRC-2086／8,250円（税込）
通常盤TYPE-A／TYPE-B ※2形態
1CD（6曲）
ZXRC-2087、2088／2,530円（税込）
