INTERVIEW

――待望の2ndアルバム『Selfie』を聴かせていただきましたが、すごくワクワクして、元気をもらえる1枚でした!

RUI・HINATA「ありがとうございます!」

RUI「今回のアルバムは、タイトルとか、どういう曲調で、どんな歌詞のテーマにするかなど、“こういうアルバムを作りたい!”という理想像だったり、アイデアだったりを早い段階で私たちのほうからスタッフさんに出させていただいたんです。それを元に集めていただいたデモ曲の中から、また自分たちで選んでいって、制作という面でも、しっかり自分たちが関わりながら作れたアルバムになっています」

――そうだったんですね。今作は1stアルバム『i』から約1年9か月ぶり。その間、アーティストとしても人としてもいろいろな経験をしてきたと思いますが、今作に一番影響を与えた出来事はどんなことですか?

HINATA「昨年10月に開催した初めての全国ライブツアー『iScream LIVE TOUR 2023 "Level 19"』は、自分たちの中でも結構大きかったですね。“10代ラストとか“19っていうところに注目してライブを作っていて、それと同じ時期にアルバムの制作もしていたので、そこでも自然とそういうキーワードになっていきました。自分たちがティーンに残せる最後のアルバムっていうことで、自分たちがやりたいことだったり、伝えたいと思うことだったりを存分に入れ込みたいねっていう話し合いから始まって作っていきました」

RUI「今HINATAが言った、10代ラストに作るアルバムっていうのが、私の中でも大きかったかなって思います。これまでの楽曲もiScreamらしいものばかりで、今のiScreamを築き上げてくれた大切な楽曲たちなんですけど、だからこそ、ここで1回、自分たちも挑戦してみたいと思ったんです。そのきっかけはライブで、自分たちの意見をいろいろ出させていただくことで、iScreamの理想像みたいなものが明確になってきたので…もしかしたら失敗するかもしれないけれど、今ここで私たちがこれがiScreamだ!と胸を張って言えるアルバムを作りたいという想いで、一つひとつみんなで組み立てながら作りました。だから、ちょっとドキドキするというか。自信作と言えるので心配はしていないですが、私たちがこのアルバムに込めた想いがちゃんと届くかな?とか、どういう反響が来るかな?とか、結構ドキドキしています」

――『Selfie』というタイトルには、いわゆる“自撮り”という意味ではなく、今お話ししてくれたような3人の想いが込められているんですよね。

HINATA「はい。1stアルバム『i』は、いろんな愛の形を学んだアルバムで、2ndアルバム『Selfie』では、その愛を自分たちが体現しようというつながりをイメージしています。そうなったとき、自分たちが表現したい愛は、ありのままの自分だったり、自分たち自身が好きなことややりたいことを思うままにやることっていうのが、3人の中に共通していたんです。私たちの世代は、いろんなSNSなどがあって、自分というものを見失いがちだったりするのですが、そこで、自分のありのままを伝えていいんだよっていう気持ちを、まず私たち自身が表現することで、みなさんの背中を押せたらっていう想いがあります」

――その想い、しっかり伝わってきました。特にアルバム前半の新曲たちはどれも“セルフラブ”がテーマとなっていて、今作に込めたみなさんのメッセージというのが明確に現れているように感じます。先ほどのお話で、今回は“早い段階から自分たちのアイデアを伝えた”とのことでしたが、具体的にはどういった内容でリクエストしたんですか?

RUI「例えば、3曲目の「iSyyy like that」は、クールで、誰にも媚びない強い女性っていうのを描いてもらいました。アルバムの中でも一番ビートが強いのですが、こういうバチッと決める楽曲は、デビューEPに収録されてる「Scream Out」以来なんです。3人の中でも、“久しぶりにクールな楽曲をやりたいね!”ということで、「iSyyy like that」は絶対にアルバムに入れたい!となった1曲でした。1曲目の「Heart of Gold」も、デモ音源を聴いた瞬間にこの曲を絶対アルバムの1曲にしたい!って、3人の意見が一致した楽曲で。アカペラのユニゾンぽく始まる感じや、歌詞もすごくパッションがこもっていて、私たちの今の気持ちを代弁してくれるような歌なので…ね?」

HINATA「うん。3人で絶対(アルバムに)入れたい!”と話しました。今回のアルバムの、特に前半部分の新曲は、歌詞の内容も自分たちでリクエストさせていただいた楽曲になっているんです。その中でも、「iSyyy like that」は個人的に、今回の『Selfie』にピッタリの自己肯定感がある楽曲だと思うんです。ありのままの自分を好きでいる感じがすごく良くて、聴くとモチベーションがめちゃくちゃ上がります!」

――RUIさんは、モチベーションが上がる曲や今の気分にフィットする曲を上げるとしたらどれになりますか?

RUI「私は今の気分だと「Shiny Shiny」です。「Heart of Gold」や「iSyyy like that」のようなパンチが効いている楽曲があるぶん、「Shiny Shiny」や「Like A Flower」のようなミドルテンポの楽曲がより映えると思って。あと、“セルフラブ”というテーマの中でも、この「Shiny Shiny」は唯一、問いかけるような歌詞がところどころ入ってくるんです。耳心地のいいサウンドで、リラックスしながら聴けるんですけど、ふとしたときに歌詞が心に入ってきて、自分のことを愛せてるかな?”ってハッとさせられるような楽曲なので好きです」

――今作にはいろんなテイストの楽曲が収録されていて、それらを歌いこなすだけでも大変そうだなって(笑)。

RUI「確かに(笑)。いろんな人格になったよね?」

HINATA「なった、なった(笑)」

――レコーディングで苦戦したなって思う楽曲はありますか?

HINATA「「Shiny Shiny」は大変でした。キャッチーなリズムなので、デモを聴いているとノリノリになれますし、“最高!”って思うんですけど、歌ってみるとすごく言葉が詰まっていて追いつくのが大変で。早口言葉みたいで舌足らずになりがちだったので、そこでリズムを表現するのに苦労しました」

RUI「私は「口約束」が難しかったです。iScreamのバラードというと、これまでは「himawari」だったり「茉莉花 -Jasmine-」だったり、ドラマチックなバラードが多かったのですが、「口約束」は同じバラードとはいえ繊細さがポイントになっていて。いつものバラードを歌う気持ちじゃオーバー過ぎてしまうので、耳元で想いをそっと伝えるようなイメージで歌うように心掛けたのですが、それが難しくて。音数が少ないぶん、ちょっとのブレでも入っちゃうんです。そういうところはレコーディングのときもですが、今でも緊張感を持ちながら歌っています」

――“繊細さ”というのを3人で共有して歌われているせいか、「口約束」はまるで1人の人間が歌っているように聴こえました。

RUI「え〜、本当ですか!?うれしい!」

HINATA「今までの恋愛ソングやバラードは、“3人の女の子が感じることでいい”という結論に至ることが多いのですが、「口約束」は1人の女の子が作っていくストーリーなので、3人の雰囲気が出るのは違うよねと。だから、レコーディングでも、3人で1人の女の子を思い浮かべて、バトンを受け渡していくようなイメージで歌っていきました」

――デビュー当時から話していた、1曲ごとに3人でイメージを共有するスタイルは今も健在なんですね。

HINATA「そうですね。iScreamの歌は本当にどんどん難しくなっていて、私たちも歌えるかな!?”と思う楽曲がたくさんあるので。それをうまくみなさんにお伝えするべく、意思統一しています」

――ちなみに、なかなか意見が一致しない楽曲っていうのもあったりするんですか?

RUI「どうだろう?あ、「Pom Pom Pop」かな?“ライブ中にみんなでタオルを振り回して盛り上がりたい!”という私たちの想いを伝えて、制作できることになったのですが、それで何曲もデモ音源をいただいたときに、いいのがあり過ぎてなかなか候補を絞れなくて…」

HINATA「iScreamらしさを取るか、ライブでタオルを回すという王道感を取るか、いろいろ迷いました。それでも決めきれず、会社の人にもアンケートを取ったりして」

RUI「そうそう!それで、最終的に、iScreamらしさもありつつ、例えばイベントなどでiScreamの歌を初めて聴く方でも一緒に盛り上がっていただけるようにということで「Pom Pom Pop」になりました」

――実際に“Level 19”で披露してみてどうでしたか?

HINATA「初日の名古屋公演では、本当に誰も聴いたことがない状態でタオルを回すという結構な挑戦をしたのですが、みなさんが初めて聴いたとは思えないくらいタオルを回したり、ノってくれたりして。「Pom Pom Pop」にして良かった!と思いましたし、ライブがよりライブらしくなったというか、私たちがやってみたいと憧れていたライブができて、すごくうれしかったです」

――ステージから見える景色も壮観だったのでは?

RUI「そうですね。ツアーの段階でこの楽曲を作れて本当に良かった!というのを実感したので、今後イベントやフェスに出させていただけたときも、この「Pom Pom Pop」の良さが広がって、会場を一つにする楽曲になっていけばいいなと思ってます」

――さて、今日は体調不良のためYUNAさんが欠席…。2人から今作でのYUNAさんの“ここを聴いてほしい!”というポイントを教えてもらえますか?

RUI「もちろんです!YUNAの聞きどころはいっぱいあるのですがバラード部門だと、「口約束」の<大切になっていくほど 痛いな/もっと側にいたいの>っていうDメロの最後の部分。ここのYUNAの歌い方は本当に心を奪われます。デビュー当時からYUNAのハイトーンボイスや表現力はiScreamの強みなのですが、私たちにとって久しぶりのバラードとなった「口約束」では、ただダイナミックに歌うだけじゃないYUNAの盛り上げパートというのが出てきて。すごくグッとくるので、そこが、私が推すYUNAポイントです」

HINATA「私は「Heart of Gold」から。この曲のラップパートはYUNAが担当しているところが多いのですが、ここでラップしているときのYUNAの生き生き具合というか、自信にあふれている感じがすごく出ているというか本当にラップが好きなんだろうなって(笑)」

RUI「わかる〜!」

HINATA「それで私たちのテンションも上がって、どんどん相乗効果になっていって。煽りの部分とかも、ライブが想像できるくらいガツガツやってくれているので、そういうところもとってもいいんです!」

――RUIさんとHINATAさん、お互いについてはどうでしょう?

HINATA「「Like A Flower」はRUIちゃんにピッタリ。曲調もそうだし、なんかちょっと、冷たい海にいる感じというか」

RUI「んん?冷たい海?」

HINATA「なんて言ったらいいのかな明るい部分だけじゃなくて、暗い部分もあるこの曲の雰囲気と、RUIちゃんの歌い方がすごくマッチしている気がして。冷たくて暗い海にいる感じの影が見られるところが素敵だなって思うし、個人的に好きなところです」

RUI「わぁ、うれしい。ありがとう!私は「iSyyy like that」のHINATAが全体的に好きなんです。まずイントロを聴いた瞬間からHINATA!という感じがして。歌詞を見てみても、HINATAの世界観というか。本人のマインドもそうですし、モノトーンが似合うカッコよさとか。それをHINATA自身もいい意味で感じ取っているからこそ、声の深みだったり、ダークな部分だったり、HINATA色がいっぱい入った1曲だと思います」

――iScreamの魅力がたっぷり詰まったこのアルバムからスタートする2024年、どのような1年にしたいと思いますか?

RUI「年が明けてすぐにアルバムという大きなリリースをできることがうれしいですし、この『Selfie』を通してたくさんの方にiScreamを知ってもらえたらなって思います。そこで出会えた方々を巻き込んで、2024年を駆け抜けていきたいです。ただ、まだツアーなどは決まっていなくて。でも、アルバムの楽曲たちを直接聴いていただきたいという思いがあるので、今年もライブツアーを開催させてもらえるように頑張りたいと思っています!」

HINATA「2024年はメンバー全員が20歳になるので、新しいiScreamの始まりの年になるような気がしています。個性豊かな3人の雰囲気を生かしながら、iScreamとしても、個々としても磨いて、今までやったことがないこともたくさんチャレンジしていきたいですし、ライブはもちろん、イベントやフェスを通してiScreamの輪が広がればいいなと思ってます」

――そして、最後にもう一つ聞かせてください。インタビューの冒頭で、今の時代、SNSなどの影響で自分を見失いがちになってしまうというようなお話がありましたが、そこで悩んだり、自信を失っている子たちにとって、この『Selfie』はものすごく響くと思うんです。そういった同世代の子たちに、このアルバムをどんなふうに聴いてもらいたいかなど、メッセージをいただけますか?

HINATA「今は本当に、SNSをはじめ、いろんなところでいろんなことが見えてしまいますし、感じてしまいます。それがいいところでもあり、悪いところでもあるのですが。学校でしたり、お仕事でしたり、本当にいろんなことがあるなかで、音楽を聴いてる時間だけは自信を持てるようになってほしいですし、その時間がどんどん長くなっていってほしいなって、すごく思います。このアルバムも、ただ作ったわけではなくて、11曲に想いを込めて作ったので、楽曲を楽しんでもらうのはもちろんですが、歌詞に注目してもらえたりすると、この歌詞に助けてもらおうとか、頼れるフレーズがきっとあると思います」

――“この曲があれば”っていうような1曲がありそうですし、見つけてほしいですよね。

HINATA「本当にそうですね。日々私たちに相談してくれるファンのみなさんもたくさんいらっしゃって、私たちも毎日相談にのってあげられたらいいのですが、そこはなかなか難しいので。誰かに励ましてほしいなって思ったときは、『Selfie』の楽曲を聴いていただけたら、背中が押されるんじゃないかなと思います」

――RUIさんからもお願いします。

RUI「辛いときや寂しいときって、周りの人だったり、自分が応援してる人ファンのみなさんからしたら私たちだったりが、いくら私たちはみなさんのそばにいます!と言っても、いや、いないでしょって正直思ってしまうと思うんです。でも、今回のアルバムは私たちの魂を込めた作品になっているので、ふとしたときとか、例えば心が呼吸できてないかも…と思ったときに、“『Selfie』聴こうかな”って思っていただけたらうれしいです。みなさんに何かあったときに、帰って来たくなるようなアルバムでありたいですし、iScreamというグループがそういう存在でありたいと思います。音楽って、現実逃避ではないですが、聴いたらその世界に入り込めるのがいいところでもあると思うので、もし“辛いな”とか、“逃げたいな”と思ったら、iScreamの曲を爆音で聴いて、私たちが作り上げたポジティブな世界の中に入り込んでいただけたらうれしいです」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣

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RELEASE INFORMATION

iScream『Selfie』

2024年117日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/XNLD-10197/B5,500円(税込)
通常盤(CD)/XNLD-101983,300円(税込)
LDH Records

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