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――今日はニューシングル「The 2nd Life -第二の選択- 」のインタビューです。が、つい先日、7月31日、8月1日に予定されていた横アリ2デイズ「THE ALFEE 2021 Summer Baby, Come Back!」の中止が発表されてしまいました。

坂崎幸之助「残念!」

――この手の話題にはもう慣れたつもりでしたが、すごくショックを受けている自分に驚いています。

桜井 賢「ロック・イン・ジャパン・フェスも中止になっちゃったしね。音楽ファンの人たちはショックが大きいよね」

――僕、新聞で高見沢さんの連載コラムを読んでいたんです。

高見沢俊彦「日経新聞の「あすへの話題」ですか?」

――そうです。コラムの最終回でコンサートの再開宣言を読んで、ひとり小さくガッツポーズしてたんですよ。

高見沢「そうですよね。自分も一歩踏みだそうとしてましたからその反動は大きかったですね......」

――そのショックを和らげようと「Come on ! ALFEE !!」を見直していたんですが、こちらは早くもSeason2ということで、すっかりレギュラーワークと言ってよいのではないでしょうか?

坂崎「ははは!そうだね、楽しくやらせてもらってます」

高見沢「まさかSeason2まで続くとは思ってもいませんでしたけどね。ある意味、このコロナ禍だからこそできた番組で、新たな発見でもありましたから、よかったと思いますよ。無理してやってる部分は全くないですし(笑)。見ていただいたとおり、本当に自然な感じでやっていますから」

――確かに。これだけ回数を重ねているのにネタ切れする気配すらありません。

桜井「そりゃそうですよ。楽屋ばなしをしてるだけだからね(笑)」

――たとえば、ネタ会議的なこともしてるんですか?

高見沢「うーん......ある程度僕が台本を書いてますけど、中身は毎回その場その場で思いついたことを自由にしゃべってる感じですね」

――最近のタイトルをざっとおさらいしますと、「『BEAT BOYS & The KanLeKeeZ』を一緒に観よう! Special」のBEAT BOYSなんかはお三方も懐かしく感じたりするものですか?

坂崎「3人とも30代でしたからね。当時は"おいおい、35にもなってこんなことしていいのか?"って思ったけど」

桜井「そうだなあ......」

高見沢「いや、あれを見てびっくりしました。あんな踊ってたんだ!って(笑)。ある意味ダンス&ボーカルグループだし、いまだったら結構トレンドの最先端なんじゃない?」

坂崎「体力的にキツかったな......しかし、よく動けてたよね」

高見沢「多いときは1ヵ月で16本もステージをやってたからね」

――サクライリーダーはどうですか?

桜井「よくやったと思いますよ、本当に。BEAT BOYSは演奏しないってコンセプトだったので、"じゃ、ダンスでもするか......"って。不思議なことに、歌詞を間違えたときよりも振り付けを間違えたときのほうが悔しかったというね(笑)。ま、ご愛嬌ではありますけど」

坂崎「あれから30年以上たっているわけですけど、そうは思えないくらい時の立つのは早かったですね。これ、最初は吉田拓郎さんの「オールナイトニッポン」の企画でビートルズのメドレーをやれるバンドはいないか?ってことで始めた覆面バンドだったし、僕らもまだ売れる前だったからね」

桜井「メリーアンの2年前?」

坂崎「そう。拓郎さんも最初は俺たちだって気付かなかったみたいよ。2週目にやっと"アルフィーか !?"ってね(笑)。で、覆面バンドだからって覆面被って生放送中のスタジオに乱入したというね」

桜井「ラジオなんだから覆面なんて意味ないじゃん(笑)」

高見沢「そのあと1988年......89年かな?復活してTVの歌番組でダンスのビートボーイズとして出させてもらいました」

――そしてKanLeKeeZですが、ちょうどこの「encore」の立ち上げ期にデビューして、インタビューさせていただいたので、そういった意味でも記憶に新しい"大型新人"でした。

坂崎「そうでしたかー!」

高見沢「確かに!還暦の大型新人だね」

坂崎「最近じゃ、昭和兄弟なんてのもいたよね?まだまだいろんなのが出てくるんじゃないの」

桜井「ネタ系はもういいよ!(笑)」

――「ALFEEって本当はミュージシャンなんです! Special」編の機材トークは「ギターマガジン」や「Player」あたりを読んでいるファンにはたまらないですよね。

坂崎「いつも僕らが使っているギターをあれだけ間近で見る機会なんてないでしょう?やっぱりね、ライブだと最前列から見ても、照明の当たり具合で全然違って見えちゃいますから。僕のラジオ番組でもすごく反響が大きかったですよ。弾き比べてみたり、すごくリアルだったって喜んでくれていましたね」

――リアルでしたね。ああやってご本人たちが解説してくれるわけですから。桜井さんの"ペグのかたちが違うんだよ"みたいな話がマニアごころをくすぐるわけですよ。

桜井「あ、そうなの?わからない人には"なんの話してんだ?"ってなってるんじゃない(笑)」

坂崎「あの回は好評でしたね。あれだったら何回でもできるんじゃない?桜井、1本しか出してないしね(笑)」

――"マーチンのこのモデルは単音だと詰まっちゃうからストローク用"っていう解説も、試奏を聴いて"本当だ!"って

坂崎「アコギはね、音の違いがわかりやすいから。そうね、逆の立場で、自分の好きなアーティストがああやって楽器を見せてくれたらうれしいもんね」

――そんなわけで、配信ライブはすごく楽しめているんですが、ファンとしてはやっぱり有観客ライブが待ち遠しいでしょうし。幸いALFEEはコンスタントに新曲をリリースしてくれるので、高見沢さんの言葉を借りるならば、"新曲こそが希望"ということになるわけですが。

高見沢「もちろん僕らも有観客のライブを待ち望んでいますし、でもいまはそれができない。できないときに新曲がファンと僕らを繋ぐひとつの手立てになりますからね。それをやり続けることによって、アフターコロナの新しいライブに向かっていけるんじゃないかな」

――まさしく新曲の「The 2nd Life -第二の選択- 」は、ファンに向けられたメッセージだし、前々作「友よ人生を語る前に」と同じ目線で描かれているように思いました。

高見沢「客観的なニュアンスを含め、僕らの目線でいまの社会を見渡したうえでのメッセージ――それは特定の誰かに対してというわけではなく――やっぱり、いまのこの状況って、日本だけじゃなく世界中が"これってどうなんだろう?"、"いったいどうしたいんだ!"って思うことがたくさんあるわけじゃないですか。でもそれは自分たちで決めなきゃダメですよね。誰かのせいにするんじゃなくてね。そろそろそういう時期にきているんじゃないですか?それが僕ら目線の歌ってことですよね」

――確かに、いろいろな変化だったり、ストレスを誰かのせいにしてしまうのは楽なんですが、"そうじゃないだろ?"って諭されているように感じました。

桜井「まあ、そこまで偉そうなことは言えないけどね(笑)。でも自分の身は自分で守るってことをひとりひとりがやってかなくちゃいけないとは思うよね」

高見沢「そうだな。誰かが守ってくれるわけじゃないですから。だから「The 2nd Life -第二の選択- 」は僕らなりの所信表明っていうかさ、70枚目のシングルって意味では、いまの自分たちが置かれている状況を自覚しないわけにもいかないですから」

――70枚目!そんなふうにさらっと言われてしまうと返す言葉もありませんが。

高見沢「いや、さらっとは言ってないですよ(笑)。だよな?」

坂崎「うん、結構重かった(笑)」

高見沢「やっぱり力が入りますよ。47年でよくも70枚も出したと思いますから。「友よ人生を語る前に」のときにも言いましたけど、20代、30代ではこういう歌は書けなかったでしょうし、ここまでずっとやってきた僕らだからこそ歌わなきゃいけないような気もしています」

――歌い手の桜井さんの目線は、誰に向けられていますか?

桜井「そうですね......誰というよりも世代ですかね。前期高齢者を代表して歌っている感じ(笑)。まあ、年齢に関係なく――我々にとってのフォークソングがそうだったように――思春期の若い世代にもそういうメッセージって届くものですから。背伸びしたっていいと思うし、若い世代にも聞いてもらえるとうれしいですね」

――こうしたメッセージソングって、理屈っぽくなりがちですが、とても瑞々しい歌声だなという印象を受けました。

高見沢「うーん、たまたまでしょうね......と言いたいところだけど、こういう状況じゃなければ書かなかったテーマだと思うし、それが理屈っぽく聴こえないのはコーラスワークのおかげかな。三声のコーラスがサビでずっと続いていきますから」

――イントロはやや緊張感を孕んでいますが、歌声が聴こえてきた瞬間にがらっと印象が変化します。

坂崎「歌いだしでほっとするでしょ?イントロはねえ......サブスク全盛期でイントロなし曲が多いのに(笑)」

桜井「すみません、我々、イントロにこだわる世代なもんで(笑)」

――一方で、<不平や不満なんてキリがないから/出来ることから始めてみよう一歩ずつ>という歌詞には身につまされる思いもあります。

高見沢「それはいまを生きる人たちが共有する思いだからでしょうね」

坂崎「"なんでだよっ!"って叫びたくなる」

桜井「さっき高見沢が言ってたけど、こういうときこそ自分を守るのは自分ってことなんだよね」

高見沢「ライブをやる/やらない、ライブに行く/行かないという選択も個人個人がするしかない」

坂崎「そう、だから僕らはいつでも行けるようツアーの準備をして、そのときが訪れるのを待っているから」

――対照的にカップリングの「光と影のRegret」は感傷的で、主人公はタイトルどおり後悔と悲嘆の念に縛られています。

高見沢「「The 2nd Life -第二の選択- 」とは正反対に、ノスタルジックに過去を振り返っている歌です。サウンド面ではエレクトリックを一切使わずアコースティックで、あとは三声のコーラス。僕らは、先輩バンドでもあるGAROのサウンドを継承し続けていくとずっと言い続けてきましたけど、あえてまたそれをいまこの曲で表現したいなと。GAROは当時の事務所の先輩で、僕らは前座でしたけど、コンサートもいっしょにやらせてもらったりして、好きなグループだったし、ある意味目標でもあったのでリスペクトを込めて」

坂崎「GAROってね、もったいないグループなんですよ」

――と、言いますと?

坂崎「ファン以外の人たちの誤解というかね......「学生街の喫茶店」とか、曲のよさは伝わっていたと思うんですけど、グループのよさ――サウンド面とかコーラス――って意外と知られていないんですよ。だからもったいない。僕らはね、"これかっこいいよな!"って彼らの曲をコピーしてたんで、今度はそのサウンドをTHE ALFEEのオリジナル曲で再現しようってことなんです。GAROのパブリックイメージはどうしても「学生街の喫茶店」になってしまいますけどね」

高見沢「うん、GAROの本質ってそうじゃないんだよ。当時流行っていたフォークとも違うしね」

坂崎「まあ、日本のクロスビー、スティルス&ナッシュとも呼ばれていたし、本当にバリバリの洋楽アコースティックサウンドだった」

高見沢「まさしく。僕らが目指していたのも同じだったから。もちろん彼らの方が数段上だったけど(笑)。ああいうサウンドの全体感というか雰囲気の曲っていまはもうない。僕らは「光と影のRegret」で"こういう曲もあるんだよ"って伝えたかったんです」

――GAROがフォークというジャンルに括れないのであれば、何と紹介したら伝わりますかね。

坂崎「僕らは洋楽寄りのアコースティック・ロックって捉えていましたけどね。フォークの時代のグループではあるけれど」

桜井「GAROの歌はロックだったよね......あれだけ迫力のある三声のコーラスって当時いなかったから」

坂崎「たとえば洋楽では、ブラザース・フォアとかピーター・ポール&マリーも三声のコーラスはきれいでしたよ。でもそういうフォークグループとは全然違ってた。それこそこの前の「Come on ! ALFEE !!」でも言っていたけど楽器もいいギターを使ってた。マーチンのD45とかさ」

高見沢「メンバーそれぞれのテクニックもミュージシャンシップも高かったしな。たまたま「学生街の喫茶店」が売れたっていうだけで、GAROの本質はあれじゃない。本当のGAROファンはあの曲を好きじゃないって言ってましたから。だってあの曲、最初は「美しすぎて」のB面だったんだよ。ライブではCSN&Yなどの洋楽カバー中心で、生で聴いた時、Dチューニングのギターサウンドにびっくりしましたからね」

――「光と影のRegret」をきっかけに、THE ALFEEのそういうルーツミュージックを紐解くというのも一興ですね。

高見沢「GAROのボーカル、大野真澄さんは大恩人だしね」

坂崎「僕らが売れないしょぼくれた時代にいろんなアドバイスしてくれたり、励まされましたね。大野さんには"お前ら、「学生街の喫茶店」は嫌いなんだろ?"っていまだに言われますけど(笑)」

高見沢「そうそう、よく言われるよな(笑)。でも2年前の45周年のライブでは「学生街の喫茶店」を完コピしましたから」

――想定外にGARO沼にハマってしまったので、無理やり話を引き戻しますが、コロナ前、渦中の変化や未来に向けての展望を。

坂崎「僕は去年の春が精神的にはいちばんキツかったかな。ツアーがなくなって、"じゃあ何やろうかな......"って。その当時はラジオの生放送もできなくなってたし。今年になって、そういう状況に少しは慣れてきましたね。世の中的にも落ち着いてスタジオにも入れるようになったので。ただ、ツアーがないっていうのはまだ違和感があるかな。ファンのかたがたも同じでしょうけど、早く有観客のライブができるようになるといいですね」

――高見沢さんは猛烈に曲を書き溜めている感じでしょうか?

高見沢「それしかないですから。それは去年から変わっていないです。次のステージ、次の新曲に向かって進むしかないなと。この間、文章の執筆に費やす時間も増えていますし、いい意味で自分で切り替えができているように感じています。曲だけ書いていると行き詰まってしまいますからね。やはり、コンサートができていないってことが自分のなかでいちばんのストレスになっていますけど、曲を書いたり、文章を書いたり、新しいものを生み出す作業でそれを解消している気がしますね」

――桜井さん、もう50周年が見えてきていますが、そこに向かっての心構えというか心境は?

桜井「心構えっていうかね、それまでにはこの状況が収まっているといいなっていう、それだけですね」

坂崎「あと3年だからな。ぼやぼやしてるとあっという間だよ。このままいきなり50周年のステージってのは勘弁して欲しいよな」

桜井「うん、なにしろお客さんの前で本気で歌うっていうことがずっとできていないから。いままでやってこれたのはお客さんのいる場所で歌ってきたからだと思うし、のどの調子とか体力もそうやって養ってきたわけだから。リハーサルを100回やってもダメなんだよ。それよりも1回の本番が大事。だから俺たちはいつでもステージに立てる準備してその日が来るのを待つだけだよ」

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)





2021年8月第1週の「A-54アーティスト特集 WEEKLY J-POP」はTHE ALFEE!(music.usen.com)





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