ライフスタイルの変化を感じている女性たちのアイデアから誕生したナミマは、ブランドディレクターである橋本マナミの実体験から生まれたプロダクトだ。
充実感のある仕事を続けながら、結婚、出産、子育ても経験する中で直面したライフスタイルや体型の変化。
最も大きな転換期というのが妊娠、出産だったという。
妊娠中は、日々体形が変化していく。
わが子の成長を思いながら、体形が変化するのは幸せなことではあるが、その体形の変化をより前向きにとらえられ、スタイリッシュに、さらには長く楽しめる洋服が少ないことに気づき、「いかにもマタニティーウエア」という雰囲気ではないものが欲しいとプロダクト作りが始まったそう。
マタニティーウエアの機能はそのままに、子育てがひと段落した後も着続けられるような上質なものをと橋本をはじめ、その真っただ中にいる女性たちの手で生み出されている。
体形の変化やライフスタイル、季節に対してもシームレスで、上品でベーシックでありながらスパイスがきいたデザインであること、素材や仕立てが上質で、さらに人と環境にも配慮するなど長く愛用できることを考慮しデザインされている。
妊娠、出産以前から、橋本が抱えていたという悩みや希望も反映されているというナミマには、体形を強調せず、上品に心地よく着られる服がラインナップされている。
例えば、胸が大きい人も、そうでない人も美しく見せてくれる洋服だ。
この思いは、ナミマの服づくりの根本の考え方で、体形に左右されず、自分らしく装いを楽しんでもらうことが理想なのだとか。
また、マタニティーウエアとしても使える服づくりでは、機能性を徹底的に追求している。
スナップを外すだけで授乳ケープになり、胸元カバーとケープが兼用になるなど服としての機能性や美しさと共に、マタニティーウエアとしての機能性も実現している。
妊娠中は、体形変化の早さに、その時々の準備をするだけで精一杯のこともあるため、産後、さらには、その後も長く着られる機能があるのはありがたい。
また、体形を問わず着られるとはいえ、ゆったりしたデザインではなくベーシックでありながらもデザイン性に富んだ服づくりにもこだわっている。
サイズ展開としては、S/Mの2サイズだが、Mサイズは実質XXLまで対応できるサイズ感とのこと。
これらのデザインは、橋本と古着のアップサイクルで有名な「SREU(スリュー)」の植木沙織デザイナーが相談しながら共に作り上げている。
デイリーはもちろん、バッグやアクセサリーとのコーディネート次第で幼稚園などの保護者会や食事会のときにも着られる上品な質感やデザインになっている。いざというときに「頼りになる服」が目標だそうだ。
妊娠や産後の大きな体形変化にも対応し、長く着用することを前提としたパターン設計で、価格帯も抑えめ。
ただ、生産数には限りがある。
これはプロダクトのために新しい布を作ることは環境負荷も高いと考え、ワールドの高級服で使用した残反を活用することにしたからだ。
当然生産着数もアイテムによっては限られてくる。
生地だけでなく、縫製工場も高級服と同じところで行うことで品質の高さも担保されている。
「今回は春物ですが、ぜひ、夏物のノースリーブのワンピースなども作りたいです」と抱負を語る橋本。
同ブランドは、2022年1月20日からECサイトでの販売がスタートしている。
取材・文/林ゆり
林ゆり(はやし・ゆり)ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー
関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育ち、MYLOHASに創刊から携わる。LOHASを実践しながら、ファッション、コスメ、食べ物など、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてライフスタイルマガジンやブログで発信中。