今季のコレクションは、過去や現在の時間軸にとらわれずに、失われたものを手探りし、ランダムに見出し、新しい価値観を投影できるものを選択し、クリアにしていく一連の作業によって生み出されたという。

既存の価値観を転換するようなアプローチを発見することができる」というアイデアは、初期あるいはそれ以前の、Tsukasa Kudo(ツカサ・クドウ)の発想法の根幹のひとつだ。

2017年にスタートし、「賞賛」の意味を持つクードスは、デザイナーが過ごしていたパリとロンドンで、友人たちの力を得て個人制作した「tomorrow's kids(トゥモローズキッズ)」と名付けられたコレクションから始まった。

切り込み、切り傷にも思える服地のカットアウト、ボタンやパッチによるアタッチャブルなアッサンブラージュ、テーラリングの拡張、センシュアルな眼差しの介在は、今回のコレクションにも一貫して発見することができる。

彼は、確信を持っていたものが音を立てて崩れ、明日には我が物顔で別の価値観が台頭する異様なサイクルの中で、思いがけず失ったものに立ち帰ることにしたという。

ブランドスタート以前のデザインノートを振り返り、ランダムにピックアップすることを何度も繰り返し、乱雑にも思える無数のスケッチから多くのものを見出し、このコレクションに昇華させた。

一覧へ戻る