Ephemerality=一時性をキーに、サハラ砂漠の絶え間なく変化するパターンやテクスチャー、モロッコの伝統的な音楽文化であるジャジューカのユニークでリズミカルな音楽やエネルギー、ベルベル人の遊牧民としての習慣などを表現したエフシーイーの22年春夏コレクション。
国土の50%以上が砂漠であるモロッコの自然の形や曲線、色や素材、また伝統的かつ現代的なドレスやロイヤルブルーの民族衣装からもインスパイアされている。

キーディテールとなるのは、砂漠での風雨や厳しい日差しから身を守るために計算されたスタイルやルーズなシルエットに、エフシーイーの特徴的な技術素材を融合した機能的なレイヤリング。
機能性とハイブリッド性といったブランドの哲学に沿った実用的で無数に配されたポケットやループなど、砂漠を移動する遊牧民のライフスタイルにインスパイアされたディテールもポイントだ。

複雑な幾何学模様、天然素材、太陽と影によってもたらされる幅広い色調など、モロッコの特徴的な建築物を参考にハイブリッドなファブリックを導入。
また、伝統的な土の素材からもインスピレーションを受け、天然のリサイクルオーガニックコットンや機能性を持たせたユニークなコットンライクナイロンを使用。
イージーケアの可能性も追求し、より軽く、容易に手入れしやすい素材を採用した。

昨年に引き続き、ファッションが人々の生活を向上させる価値を提供できることを目標に、コレクション全体の半分を持続可能性を意識したラインナップに仕上げている。

取材・文/成清麻衣子(フリーライター)

成清麻衣子フリーライター

文化服装学院卒業後、PR会社を経て独立。媒体執筆の他、プレスリリースやウェブサイトのライティング、カタログ制作も行う。

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