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――先日開催された生配信イベント「画と奏でる夜」ですが、こちらは福原さん、ギタリストの鳥山雄司さん率いるPYRAMID、ベーシストの須長和広さんとのセッションと、近藤康平さんによるライブペインティングのコラボというスペシャルな内容でした。まずはこのライブの感想をぜひ。

「鳥山さんとは過去に何度かごいっしょしているんですが、今回のようにたくさんの楽曲をセッションするのは初めてでした。加えて、PYRAMID、須永さんという凄腕のメンバーが揃っていたので、本番前からかなり緊張していて、緊張したまま終わっていったという感じです(笑)。でも、やっぱり学ぶことも多かったですし、すごくいい刺激を受けました」


福原みほ

配信イベント「画と奏でる夜」より

福原みほ

鳥山雄司率いるPYRAMID、そしてライブペインティング・パフォーマーの近藤康平とともに



――一方、ライブペインティング・パフォーマーの近藤さんは、福原さんが昨年リリースした配信シングル「Ashes」のジャケットを手掛けています。

「そうなんです。でも、直接お会いするのは今回が初めてで。本当に柔和な方で、お人柄がそのまま絵に現れているんだなあと思いました」

――どんな絵を描かれるのかは、福原さんもご存知なかったんですか?

「知らなかったです。事前にどんな曲をどれくらい演奏するのかはお渡ししてあるので、近藤さんの中でもある程度イメージされていたと思うんですけど、本番ではバンドの音に合わせて絵の具を弾くシーンがあったりして。じっくり見る余裕はなかったんですけど、ときどき近藤さんの絵を見てみると、やっぱりその場の感情を絵に表現されている様子が伝わってきて、改めて素敵だなと思いました。なかなかこういったタイプのライブをする機会もないですし、とても楽しかったです」


福原みほ

近藤のライブペイントを讃える福原



――そのライブでも披露されていた新曲「Sun on my wings」は、コロナ禍にさなかに制作したそうですが、タイトルには“太陽は私たちの翼に常にある”という意味ですが、そこに至った経緯は?

「昨年、千葉県のほうに移住したんです。広い庭があるおうちで、畑をやったり、子供と遊んだり、太陽の下で過ごす時間がものすごく増えて。光合成をしてるじゃないですけど(笑)、自粛の中にあっても太陽は元気をくれる存在なんだってことを強く感じながら生活をしていました。それをそのまま音楽でも表現したいなと思ってできたのが、「Sun on my wings」だったんです」

――作曲と編曲はベーシストでもある松田博之さん、作詞はカミカオルさん。松田さんとは2013年以来、カミさんとは2015年以来と、久々のタッグになりますね。

「松田くんとはずいぶん前から“いっしょに作りたいね”と言ってたのが、今回ようやく実現しました。あるとき、松田くんから“みほちゃんに作った曲があるから”って聴かせてもらったのがこの曲で。最初はちょっと渋過ぎじゃない !?なんて言ってたんですけどね(笑)。90年代後半のアシッドジャズのような流れがあって、確かに松田くんも世代的に好きなテイストだとは思うんですけど、とはいえシングル向きではないかもなって。でも、そうこうしているうちにまた90年代のR&Bっぽいものが流行ってきて、トレンド的にもハマる予感がしたので本格的に制作することにしました」

――松田さんがこの曲を福原さんに、と思った理由はお聞きになりましたか?

「こういう曲はみほちゃんしか歌えないっていうようなことは言ってくれましたね。しかも、英語じゃなくて日本語できちんと表現できるのが理想とも話していました」

――そこでカミさんが登場するんですね。

「はい。カミさんは『Something New』のように私が妊娠した時期とか、人生で節目になるときに必ず書いてくださっている方なんです。今はまたコロナによって私自身はもちろん、みんなにとって生活様式などいろんなことが変わっていくタイミング。私もカミさんが書くメッセージ性のある歌詞が大好きなので、ぜひ書いてもらいたいと思ってお願いしました」

――“Sun on my wings”というテーマは、福原さん自身の思い入れも強かったと思うのですが、カミさんの間でどのようなやりとりを?

「最初は自分で歌詞を書こうと思っていたんです。けど、なかなか言いたいことがまとまらなかったり、自粛が始まって思うように音楽活動ができない中ですごく落ち込んで、制作モードに入れなくて……それもあってカミさんの力を借りることにしたんですが、最初にふたりで3時間くらいいろんなことを話して、その後も細かい調整を繰り返しながら詰めていきました」

――カミさんから届いた歌詞で特に印象深いフレーズはありますか?

「<Sun on my wings>はもちろんのこと、<歩めよ共に>、<飛ぶのよ 遠くに>というサビの最後にあるメッセージは、すごくパワーが湧いてくるなって思いますね。歌うたびに自分が強くなれるし、聴く人にもそういうエネルギーを感じてほしいと思いながら歌えるフレーズだなと思います。本当、曲を作り始めた当初の落ち込んでいた自分を、松田さんとカミさんがぐっと引き上げてくれたように思う曲ですね」

――コロナ禍で落ち込んだというお話もされていましたが、2020年は福原さん自身にとっても千葉への移住のほか、アーティスト名を「福原美穂」から「福原みほ」へ改名するといった大きな変化がありましたね。

「やっぱり移住をしたことはすごく大きな決断で。たぶんコロナがなかったら移住していなかったと思うんですよね。それまでも、私は札幌で育ったので田舎での暮らしに安心感があったり、大人になってからは特に、自然から学べる環境にいたことを幸せに感じるようになって、自分の子供にもそういう環境があったらいいなと思ってはいたんです。でも、どこかで自分のキャリアのことや、東京で生活することの便利さを考えてしまい、どうしようかと悩んだままの状態が続いていました。でも、昨年の春、千葉に来たときに“ここに住んでいいよ”って言われているような気がしたんです。それでぱっと動いたら、生活が変わりました。名前も変えることにして、なんかもう、流れを楽しんでいる感じ(笑)。コロナに関しても真正面から向かうんじゃなくて、“あなたがそう来るなら私はこう行きます!”みたいな(笑)。今は流れの中を自由に泳いでいるイメージです」

――環境や感じ方が変わると音楽にも変化が出てきそうですね。

「そうかもしれないですね。今まではライブで歌っていても、その曲に書いた相手のことだったりを頭に浮かべながら歌うことが多かったんですけど、今はずっと自然の風景が脳裏にあります。それを楽曲や歌詞に当てはめながら歌うというか……もちろん、私の頭に浮かんでいる景色を100パーセント共有するのは無理だけど、私がそういうイメージを持って歌うことで、ライブに来てくださった人たちが、自然の中で聴いているような感覚になってくれたらうれしいなって思うようになりました」

――東京に住んでいる頃よりも音楽に触れる時間が増えたり、ということもあるんですか?

「ご近所さんとの距離が遠いこともあり、単純に自宅でのボイストレーニングの音量がすごく大きくなりました(笑)。ほかにも、例えば誰もいない洞窟みたいな場所で声を出して、どうしたら共鳴するかを試してみたり。自然の中でできる実験を重ねながら、自分の体を知る機会は増えたかなと思います。あと、近くに住んでいるオーストラリア出身のギタリストと知り合いになったので、ちょっとセッションしようかなんてこともあります。そういうとき、東京にいたら改めてスタジオを取ってからってことになるのが、ここだと、“じゃあ1時間後ね”って感じでできるので。心地いい状態で音楽を楽しめてると思います」


福原みほ

ビルボードライブ東京で行われた「Sun On My Wings Tour 2021」 Photo by Kazuhiko Tawara

福原みほ

Photo by Kazuhiko Tawara



――2020年はさまざまなライブがキャンセルとなってしまいましたが、年が明けてからはビルボードライブ東京、大阪で「Sun On My Wings Tour 2021」が開催されました。お客さんを前にしてのステージは約1年ぶりということになりますね。

「いやあ、何なんですかね、あの感覚は。本当に不思議な感覚だったんですけど、私にはライブが必要だってことを再認識しましたし、来てくださった人たちにもそれが伝わっていたと思います。生のライブでみんなに元気になってもらいたいという、その気持ちだけでステージに立っていたので。緊急事態宣言が発出されたので、残念ながら2ndステージは中止になってしまったんですけど、1stステージだけでも開催することができて本当によかったなと思います」

――そのツアーの追加公演が3月18日にビルボードライブ横浜で開催されます。今回はどんな内容になりそうですか?

「最近またツアーメンバーといっしょにスタジオに入ったりしているんですけど、以前にも増して、演奏もマインドもひとつになってきている感じがしていて。前回の東京や大阪のステージを振り返って、“すごくいいライブだったね!楽しかったね!”ってところから、“横浜ではさらにビルドアップしたライブをしよう!”っていう、それぞれのモチベーションがとても高い状態にあるんですよ。なかでも新曲の「Sun on my wings」を演奏すると、みんなのエネルギーがメラメラと上がってきて(笑)」


福原みほ

Photo by Kazuhiko Tawara

福原みほ

Photo by Masanori Naruse



――「Sun on my wings」が、聴く人だけでなく、演奏するミュージシャンの心にも火をつける。ということですね(笑)。

「そうなんです。リハーサルで演奏した後、必ずコーラスのMARUさんが、“いい曲やわ!”って言ってくれるんです(笑)。スタジオの中でもそんなふうに言ってくださるのがすごくうれしいし、それはみんなの演奏にもしっかり表れています。バンドメンバーのエネルギッシュな演奏に加え、今回は東京、大阪とはセットリストも一部変えてお届けするので、ぜひお越しいただけたら。音楽の力をみんなで再認識していくようなライブにしたいと思っています」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
協力/Billboard Live



福原みほ「Sun On My Wings Tour 2021」
2021年3月18日(木) 1st. 15:00 開演 / 2nd. 18:00 開演 @Billboard Live 横浜

福原みほ

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください。





福原みほ
福原みほ「Sun on my wings」
2021年1月16日(土)配信
UPOPO RECORDS




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