FM FUKUOKA開局55周年記念『博多ギターのぼせsupported by 西部ガスグループ』が6/1(日)福岡市中央区にある大濠公園能楽堂で行われ、同局ではラジオ生中継も行われた。博多弁で「何かに夢中になる人=のぼせもん」に由来したタイトル通り、ゲストには『ギターのぼせ』な3人。奥田民生、山崎まさよし、藤原さくら。

ライブが始まる前には、お祝いの意味を持つ能【石橋(しゃっきょう)】から「獅子」が披露され能楽堂ならではの美しく華やかなオープニングに会場も盛り上がる。
同局の代表パーソナリティーBUTCHによる開幕宣言を受けてまず登場したのは藤原さくら。
シースルーをまとったロングドレス姿で現れた彼女は影向の松を背にまずはしっとりエレキギターを爪弾き「500マイル」を披露。「ギターにのぼせている人間、藤原さくらです。」と挨拶すると、続いてコステロの「Smile」。高校生の頃からFM FUKUOKAにレギュラー出演していた彼女も今年デビュー10周年を迎え、いい意味で時には力を抜くことを覚えたことを語る。自分の思考の夜明けになったという曲「DAY BREAK』では観客はもちろん、自分自身をも穏やかで心地よい空間に誘い浸っていたようだった。最後は「雨が降っても曇り空でも、その上を歩いてやれ」という10代の頃に作った曲「Walking on the clouds」を会場の温かい手拍子に乗せて軽やかに歌い上げた。
ステージ転換中には会場でFM FUKUOKAの生中継番組が流れ、スタジオと会場、そしてラジオの前のリスナーが一体になれる特別な演出が行われた。
続いて登場したのは山崎まさよし。濃紺の作務衣姿で飄々と現れたかと思えば、ガットギターを颯爽と手に力強くかき鳴らし観客を一気につかむ。MCはエフェクトを使いお遊びモードからスタート。かと思えば、しっとりアコギの音色に伸びやかな歌声と深い表現力で魅せる「やわらかい月」そして「One more time,One more chance」へ続くと印象的なイントロに観客が色めき、その一音一音にまでに引き込まれる。最後はリズミカルに「セロリ」を披露。自然と手拍子が起こる中、能の掛け声や口鼓も入れながらの山崎の熱唱に会場は一気にヒートアップ。
そして、トリを飾ったのは奥田民生。なんとこちらも作務衣で登場。グレーの作務衣姿に、会場で配られたギターのぼせオリジナル手拭いを頭に巻き、会場の拍手に応えながら登場。
「久々にアコギを持った、さっき」と笑わせ、小ぶりのアコギを手に取り演奏スタート。ギター1本の演奏に、一口にギターのぼせと言っても、音色は三者三様、千差万別だと気付かされる。がなるように張り上げて歌う「さすらい」。説得力のある声高らかな歌唱に思わずため息と歓声。続く「野ばら」は自然体でとうとうと弾き語り。会場の雰囲気を見ながら実続いて歌い出した曲は「荒野を行く」。弦を叩きつけながら歌いあげる。引き込まれる。最後はアコギをかき鳴らしながらの「すばらしい日々」。思わず拳を上げる人、1コーラス明けに拍手を送る人、皆が口ずさみ、体を揺らし、名曲に酔いしれ、大きな拍手大きな歓声が送られた。
ライブの後は、『ギターのぼせ3人』を再度ステージに招いてトークショー。飾らない3人のインタビューで最後まで盛り上がった。
あたたかいギターの音色に身をまかせ、あたたかい拍手に包まれる時間。音楽の街博多にまたひとつ新しい祭りが誕生した。なお、このライブの模様はFM FUKUOKAで6/22(日)19:00~ダイジェスト版で放送されるほか、U-NEXTのライブ配信で視聴が可能、ライブ配信は6/29(日)18:30〜。
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(写真:田中紀彦、文:田代奈々・原未来)