リーガルリリーが2月16日(金)にコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAにてライブイベント『リーガルリリー:LIVE EXPERIENCE of DYNAVISION-LED “inside my ( )”』を開催した。
星にまつわる楽曲を多くリリースしてきたリーガルリリー。彼女たちのライブパフォーマンスとプラネタリウムとの相性は良く、2020年にも東京・有楽町のプラネタリウムにて配信ライブを行ったが、有観客で開催されるのは今回が初。そして本公演のサブタイトル“inside my ( )“には、見る人がリーガルリリーのhead/頭、memory/記憶、world/世界にダイブし、普段のライブでは表現・共有しきれない抽象的なイメージを内側から体感して欲しいという願いが込められている。先行受付時点でキャパシティをはるかに上回る応募があり、注目度の高さを証明したプレミアムライブに。ドームに入場すると夕景をイメージしたオレンジの空と、コラージュアートで表現された非日常空間が広がっていた。
しばらくすると3人が静かにステージに降り立ち、夕焼け空の中1曲目に演奏されたのが「そらめカナ」。プラネタリウムという空間でリーガルリリーのギターロックサウンドが鳴らされている事実に、いつものライブハウスと違う不思議な感覚を覚えながらも、心のざわめきが止まらない。
続けて演奏されたのが、星の曲と言えばこの曲と言っても過言ではない「スターノイズ」。曲間で夜の帳が下りるように、夕焼け空は焼け剥がれ、満天の星々が映し出された。どこまでも広がる星空の中にほうき星を探したくなるような感覚になる。そしてアウトロのカオスで激しい演奏では、ドーム映像もそのエネルギーに呼応するように激しいスパークが広がり、リーガルリリーが音で紡ぐ静と動に、空一面が連動していた。
そして再び、満天の星々が映し出され、それと対照的に真っ赤に照らされたステージで「アルケミラ」を演奏。そのコントラストに目と耳を奪われていたら、地平線から巨大な月が3人の背後までせせり上がった。ライカンスロープ(おおかみ男)を題材にした「ぶらんこ」だ。
ギターソロパートからは月が赤く燃えるように変色し、「空にはもう戻らない月」という歌詞のあと、月が光の線のように弾けて消えた。
静かな星空にまた戻ると、Vo.Gt.たかはしほのかによる詩の朗読へ。星空の中に北斗七星やさそり座を見つけながら、彼女のまっすぐで純粋な声色が星の光と混ざり合っていく。そして優しく切なく歌い上げるバラード「子守唄のセットリスト」へ繋がると、星空はさらにダイナミックに回転しリーガルリリーの紡ぐ星物語はさらに進む。
幾千もの星の粒が降り注ぐ演出が煌びやかな「ほしのなみだ」から、金色の線や光のエフェクトが飛び交う「GOLD TRAIN」、極彩色でサイケデリックなドーム映像が印象的だった「60W」とアッパーな3曲を続けて演奏。この3曲もリーガルリリーの星の曲だ。
「宇宙の果てに運んでいく ほしのなみだ。」
「地平線や風や星々も手には入らなかったけど」
「街の星は見えなかった 銀河の中寂しかった」
歌詞と映像がリンクするその瞬間、普通のライブハウスでは味わえない特別な感情が込み上げてくる。
ここまでMCを一切挟まず、緻密に世界観を構築するようにライブが進んできた中で、この日初めてたかはしほのかが「今日はありがとうございました」と、最初で最後のMCを一言だけ放つと、まるで今まで堪えていた分を出し切るかのように、観客からは大きく長い拍手が巻き起こる。
そして最後に演奏されたのは「bedtime story」。「夜明けが訪れるよ」とリフレインする歌詞を合図に、アウトロで星空が剥がれ落ち、天頂から徐々に朝焼け空が広がった。そして気が付いた時には、星空と轟音の世界から夜が明け、3人は静かにお辞儀をしてステージを去っていった。
『リーガルリリー:LIVE EXPERIENCE of DYNAVISION-LED “inside my ( )”』
【公演情報】
日程:2024年2月16日(金)
時間:1st Stage 18:30開演(18:00開場) / 2nd Stage 20:30開演(20:00開場)
料金:7,900円(税込)
場所:コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA(横濱ゲートタワー2F)
https://planetarium.konicaminolta.jp/planetariayokohama/access/
『LIVE EXPERIENCE of DYNAVISION-LED』は、日本初のLEDドームシステム「DYNAVISION®-LED」によって映し出される全天周映像で、ステージから客席まで会場全体を包み込む、新たなプラネタリウムライブイベント。
会場となるコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAはドーム自体が高輝度・広色域で発光する、眩いばかりの映像体験を可能にする最新鋭のプラネタリウム施設。美しい星空はもちろんの事、極彩色の映像世界はこれまでのプラネタリウムライブの概念を覆します。
【リーガルリリー】
Vo.Gt.たかはしほのか、Dr.ゆきやま、Ba.海から成る、東京都出身のスリーピースバンド。
高校在学時にバンドを結成すると、国内大型フェスへの出演や、カナダ、アメリカ、香港、中国といった海外でのライブ公演など、精力的にバンド活動を行う。これまでに映画主題歌やアニメタイアップなど楽曲を発表し、2022年1月に2nd Full Album「Cとし生けるもの」をリリース。2023年4月クールのドラマParavi「隣の男はよく食べる」主題歌の新曲「ハイキ」を含むMini Album『where?』を5月24日にリリースし、7月2日には、バンド初となる日比谷野外大音楽堂公演を開催。秋からは約1年半ぶりとなる全国ツアー「where?」を全国8箇所で開催した。
たかはしほのかの無垢な歌声と、独創的な歌詞とバンドアレンジ。そして衝動的なライブパフォーマンスを武器に、同世代のロックシーンの中でひときわ異彩を放つ。