韓国出身の若手ピアニスト、イム・ユンチャンによる最新アルバム『チャイコフスキー:四季』が、8月22日(金)に発売されることが決定した。

 

このアルバムには、チャイコフスキーが一年の12か月を題材に書いたピアノ小品集《四季》が全曲収録されており、イムはこれらの作品を“月ごとの風景”としてではなく、“ある人の人生の最後の一年を描いた物語”としてとらえ、深く個人的な解釈で演奏している。

 

各曲は、悲しみや静かな思索、喜び、愛、そして平穏といった、人生のさまざまな感情や瞬間を描き出しており、物語は暖炉のそばで過去に思いを馳せる男の姿から始まり、静かに訪れる別れで幕を閉じる。

 

「チャイコフスキーの《四季》は、人の人生の最終年を描いていると思います。最初の曲『暖炉のそばで』は、暖炉の火がゆっくりと消えていく様子を表しています。物語は、理由もなく悲しみに沈みながら思い出にふける男から始まります。やがて、新たな経験が希望をもたらします。強い感情や涙は、タバコの煙が空中にたゆたうように白昼夢へと変わっていきます。彼は涙を流しながら眠りに落ち、忘れかけた記憶の中へと引き込まれ、常に過去の境界でためらいながら揺れ動きます。しかし、やがて彼は現在に立ち返り、すべてを受け入れます。そして鐘が鳴り響くとともに、二度と戻らない一日を閉じるのです。」―イム・ユンチャン

 

この作品は、2023~2024年のコンサートでもライヴ演奏され、聴衆・批評家の双方から高く評価された。

フランスの音楽誌『Diapason』は「このピアノから紡がれる美と支配力は、もはや現実とは思えない。まさか《四季》にこれほどの力があったとは」と評し、オランダの『Die Nieuwe Muze』は「イムは誠実な音楽家であり、ピアノに向かった瞬間に音楽と一体化する。彼にとっては、そう演奏する以外の方法はないのだ」と絶賛している。

 

イム・ユンチャンは、2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでラフマニノフ《ピアノ協奏曲第3番》を演奏し、一躍世界の注目を集めた。英ガーディアン紙はこの時の演奏を「アルゲリッチやラフマニノフ自身に比肩する」と称え、「これは“本物”だ。世代に一人の才能であり、18歳の演奏とはとても信じがたい」と激賞した。

その後に発表されたデビュー・スタジオ・アルバム『ショパン:練習曲集』は各国で高い評価を受け、2025年のBBCミュージック・マガジン・アワードでは、**「年間最優秀録音賞」「新人賞」「インストゥルメンタル賞」**という主要3部門を受賞。

ひとつのアルバムが同一年に3部門を受賞するのは、2006年のアワード創設以来初めてであり、新人賞の受賞者が「年間最優秀録音賞」を同時に受賞するのも史上初という、歴史的な快挙となった。


なお、アルバムの発売に先立ち、「チャイコフスキー:四季より 6月〈舟歌〉」の先行配信がスタートしている。

■商品情報
イム・ユンチャン『チャイコフスキー:四季』
発売日:2025年 8月22日 (金)
品番:UCCD-45038[UHQ-CD]
定価¥3,300 (本体 ¥3,000 税率10%)
視聴・購入はこちら:https://yunchan-lim.lnk.to/TheSeasonsPR
--------------------------------
▽収録曲

チャイコフスキー:
1-12.《四季》作品 37b
 
イム・ユンチャン(ピアノ)
録音:2024年7月- 8月 イギリス、サリー、メニューイン・ホール
--------------
【購入者特典】
UNIVERSAL MUSIC STORE:トレカ
Amazon:メガジャケ
タワーレコード:ポストカード
※特典は数に限りがございます。
※特典のお渡しは商品のお届け時または店頭でのお会計時になります。
※特典付与のない店舗がございます。

■来日情報
山田和樹指揮 バーミンガム市交響楽団(ソリストとして出演)
2025年
6月28日(土) 愛知県芸術劇場コンサートホール
7月2日(水)  サントリーホール
7月4日(金)  福岡シンフォニーホール
7月6日(日)  横浜みなとみらいホール     
詳細はこちら:https://www.japanarts.co.jp/concert/p2126/

イム・ユンチャン ピアノ・リサイタル 2025
7月7日(月)  東京オペラシティ コンサートホール
詳細はこちら:https://www.japanarts.co.jp/concert/p2415/

■イム・ユンチャン プロフィール
韓国の始興市生まれ。現在、韓国芸術総合学校に在籍。
7歳でピアノを始め、翌年にソウル・アーツ・センターの音楽アカデミーに入学。13歳で韓国芸術英才教育院のオーディションに合格し、教師・指導者のソン・ミンスに出会う。
翌年2018年、若いピアニストのためのクリーブランド国際ピアノコンクールで2位及びショパン特別賞を受賞。同年のクーパー国際コンクールでは最少年の参加者として注目を集め、3位と聴衆賞を獲得。クリーブランド管弦楽団との共演の機会を提供される。2019年には最年少の15歳で韓国のユン・イサン国際コンクールで優勝及び二つの特別賞を受賞。

2022年第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、史上最年少(18歳)でゴールド・メダルを受賞、併せて聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。その演奏から現れる「魔法のような力」と「自然で本能的な質」(ラ・セーナ)で、世界中の聴衆を驚嘆させた。審査委員長のマリン・アルソップは「ユンチャンは深い音楽性と驚異的なテクニックを有機的にひとつにすることができる、類稀なアーティストである」と評した。

一覧へ戻る