ジョン・コルトレーンが1957年に録音し、ブルーノートに残した唯一のリーダー作であり永遠の名盤『ブルー・トレイン』。ジャズ史上最も人気のある作品の一つだが、レコーディングから65周年を記念して、最新リマスタリングを施したオリジナル・アルバムに加えて別テイク7曲を収録した完全盤『ブルー・トレイン:コンプリート・マスターズ』が916日にリリースされることが決定した。収録される別テイク7曲のうち4曲はなんと今回が完全初出という、歴史的な発掘だ。オリジナル・アルバムのモノラル盤も最新リマスタリングで同日に発売されることも決定。日本のみSACD(SHM仕様、シングル・レイヤー)UHQCDでのリリースが実現し、予約がスタートしている。

また、先行シングル第1弾としてタイトル曲「ブルー・トレイン」(オルタネイト・テイク8)の配信がスタートしている。

今回のリリースは、ブルーノートが近年取り組んでいるリイシュー・シリーズ「トーン・ポエット」の一環。「音の詩人」という異名を持つプロデューサー、ジョン・ハーレイ監修のもと、名手ケヴィン・グレイがオリジナルのアナログ・マスターから丁寧にリマスタリングを行った。

今回のリリースについて、ジョン・ハーレイは「『ブルー・トレイン』のオリジナル・マスター(モノラル、ステレオ、別テイク)を聴くことのスリルに匹敵するスタジオ体験はありません。私はこの2つの新バージョンを、ジョン・コルトレーンのこの名演の決定的なエディションと考えています」とコメントしている。また、今回新規ライナーノーツを担当したアシュリー・カーンは、ライナー内で「『ブルー・トレイン』は、常に自己批判的で控えめなコルトレーンが高く評価する録音だった。1960年、マイルス・デイヴィスとの最後のツアー中、スウェーデンのDJがコルトレーンに彼のカタログの中で何が好きかと尋ねると、彼は即座にこう答えた。『ああ、自分はブルー・トレインが好きだよ。いいバンドが入ってるんだもの。いい録音だったんだ』とね」と語っている。

1957年、ヘロイン中毒のためにマイルス・デイヴィス・クインテットを解雇され、どん底状態にあったコルトレーン。しかしセロニアス・モンクとファイブ・スポット・カフェで長期共演をしたことがきっかけでヘロインを断ち切り、再び情熱的な演奏を繰り広げ始める。『ブルー・トレイン』はそんな奇跡の復活を遂げたコルトレーンが作り上げた稀有な作品で、本人自身も深く誇りに思う初期の代表作と同時にジャズ史上にも残る永遠の名盤となった。今回の発掘はそんなマスターピースの全貌を初めて明らかにする、まさに歴史的な事件となりそうだ。

ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン:コンプリート・マスターズ』そして、ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン(MONO)』に収録された未発表音源、商品詳細等はユニバーサルミュージックのホームページで確認できるので是非チェックしてほしい。

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