俳優・声優・アーティストとして幅広く活躍する七海ひろきが、7月14日、めぐろパーシモンホールにて『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert“Dearest”』を開催した。
タクティーカートオーケストラとのコラボレーションで総勢50名の演奏を従えてのコンサートとなる。
シルバーのスーツ姿の七海がステージに登場しコンサートはスタート。1曲目の「Ambition」は七海のアーティストデビュー作であるミニアルバム『GALAXY』の1曲目に収録された表題曲であり、アーティストとして新たなスタートを切った作品だ。壮大なオーケストラアレンジで会場を華やかな空気で包み込むと、七海の魅力が存分に詰まったダンサブルなナンバー「花に嵐」、ミディアムバラード「もう一度...」へ。
「みなさんようこそお越しくださいました!イェーイ!」とハイテンションで挨拶し、ステージを左右に走り客席に手を降るそのギャップに会場中に笑顔が溢れる。
「(ステージ上にも客席にも)味方がいっぱいいる!」と七海も笑顔を見せ「アーティスト活動を始めて5周年を迎えます。特別なものを皆さんに届けたいと思い豪華なオーケストラ形式のコンサートを開催することにしました。私からみんなへの感謝の気持ちと愛を込めて“Dearest”というタイトルにしました。宝塚在団中の最後のディナーショーのタイトルでもあり、私にとっても思い入れのあるタイトルです。新・七海ひろきとして歩んできて5周年を迎える今、また“Dearest”にしたいと思いました」と、このコンサートがファンへの感謝を示すための場であることを伝える。
続いて披露したのは「GALAXY」。めぐる季節に想いを馳せながら新たな旅へと進む決意を綴ったポエトリーリーディングがより引き立ち、この5年の七海の歩みを思い起こさせるようでファンの心にもしっかり届いたことだろう。その後も「片思いの君へ」「君の未来日記」と根強い人気を誇るナンバーが続く。
今回のコンサートは新旧織り交ぜた選曲で「久しぶりに歌う曲もあって懐かしいです。今は違う歌い方をしているなという曲もあるし、あの時だからこその気持ちで書けた歌詞もあるなと思う」と積み重ねた5年を振り返ると、今回、チャレンジでもあったというロックチューンコーナーへ。アップテンポな「DARKNESS」「It’s My Soul」がオーケストラアレンジでどのような表情を見せてくれるのかも見どころのひとつだが、フルオーケストラの厚みが加わりまさに圧巻のひとこと。楽曲の新たな魅力を感じさせてくれた。
MCでは歌うことへの想いを語る場面も。「歌うのが怖いと思っていた時期もあったけれど『何かを伝えるために歌うんだ。私の歌でみんなが元気になったり、明日への活力になってくれたらそれでいい。』と思った。気持ちを大事にこれからもやっていきます。次の2曲は気持ちを届けたいと思って選んだ曲です」と紹介し、「ポラリス」「Giovanni」を歌唱。その想いが会場中に染みわたっていくのを感じた。
終盤戦では今月3日にデジタルリリースされた最新曲「夜の隨」をフルサイズで初披露となった。TVアニメ「戦国妖狐 千魔混沌編」のエンディングテーマとなっており、主人公・千夜役も務めている。声優活動について「難しくて大変で正直諦めた時もあった。でもこの千夜という役に出会い、声優としてもほんの一歩だけど進めたんじゃないかと思えた。大切な作品になった」と語る。アーティストのみならず声優としての活躍も目覚ましく、新たなチャレンジを続ける七海の姿が伺えた。
“出会ってくれた君に ありがとう 笑顔をくれた君に ありがとう”とストレートな感謝の気持ちを歌った「ありがとう」を歌い終えると「新曲を歌います!」という七海の声に会場からは盛大な拍手が沸き起こる。「みんなと歩いてきた道を振り返って、いつも支えてくれるみんなへの想いを込めました」と5th Anniversary Song「Dearest」を初披露。ピアノと弦楽四重奏が奏でるメロディーと最愛のファンへの素直な気持ちを七海自身の言葉で綴った歌詞が相まって、会場は温かい空気に包まれ本編を締めくくった。
アンコールの手拍子に呼ばれステージに再登場した七海は宝塚時代の縁ある楽曲「燃ゆる風」「バラ色の人生(昼の部)」「我が名はオスカル」「トビアスの旅立ち」と豪華に4曲を歌唱。七海の礎を築いた楽曲を圧倒的なパフォーマンスで魅せる。ラストは「皆さんが私にとって大事な存在であることを忘れないでください。これからもずっと一緒に歩いていきましょう。」とメッセージを贈り、オーケストラコンサートは幕を閉じた。
本日初披露された「Dearest」はデビュー記念日である8月21日(水)にデジタルリリースされる。自分ひとりではここまで来ることは出来なかった。みんながいてくれたから歩んでこられたという想いが歌詞の随所に散りばめられており、ファンへの想いの深さを感じられる。
そして、そんな七海を応援したいと思わせてくれるのは、感謝の気持ちを忘れず努力しチャレンジし続ける七海ひろきの姿があるからに違いない。
ファンと一緒に作り上げてきた5年間を象徴するようなオーケストラコンサートを経て、この先も10年、20年と、七海ひろきはファンと共にまっすぐ高みを目指して歩み続けていくことだろう。
【SET LIST】
1.Ambition
2.花に嵐
3.もう一度...
4.GALAXY
5.片思いの君へ
6.君の未来日記
7.DARKNESS
8.It's My Soul
9.ポラリス
10.Giovanni
11.夜の随
12.ありがとう
13.Dearest
Encore
14.燃ゆる風(カバー)
15.バラ色の人生(昼の部/カバー)/光と影(夜の部/カバー)
16.我が名はオスカル(カバー)
17.トビアスの旅立ち(カバー)