Travis Japanが6月8日に千葉・ららアリーナ 東京ベイ公演にてライブツアー『Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual』の最終公演を行った。このツアーは2024年12月発売のアルバム『VIIsual』を携えて、今年1月より開催されていたもの。8都市28公演、のべ31万人を動員した。
メンバーの川島如恵留は昨年12月に体調不良により活動休止を発表し、Travis Japanは、川島を除く6名でツアーをスタート。そして先日5月17日に川島の活動再開がアナウンスされ、ツアーも6月7、8日のららアリーナ 東京ベイ公演に参加した。ここではツアー最終公演となった6月8日公演の模様をレポートする。
場内が暗転し、アナウンスと共にセット内のメンバー名が光る形で一人ずつ紹介されていく。そして最後に「Noel」と川島の名前がアナウンスされると、ひときわ大きな拍手と歓声が上がる。そしてツアー名が大きく掲出され、最後に「FINAL」の文字が出ると、ライブは「99 PERCENT」でスタートした。真っ白のスーツに身を包んだ7人は、7つのダイヤ型照明“VIIダイヤモンド”の中から登場。その照明の下から動かず、メガネを触ってニヤリと笑ったり、舌をペロリと出したりと、表情で魅せていく。そして川島の「Let's go TJ!」という掛け声を合図に、中央に集まると、後半は7人という人数を生かしたフォーメーションでパフォーマンスした。宮近海斗の「さぁ、オーラス騒ぐぞ!」との言葉を合図に、「Love Tag」で勢いを加速させると、「Crazy Crazy」「Sweetest Tune」など『VIIsual』収録曲を中心にしたセットリストでライブを進めていった。

『VIIsual』にはメンバーそれぞれがプロデュースした楽曲も収録されている。松倉海斗プロデュースの「Whiskey and Tonic」では、メンバーが部屋でくつろぐように歌唱。すると、途中で川島がドアをノックし「ただいま」と部屋に戻ってくる演出で7人バージョンに。さらに中村海人が「せっかくだからもっとみんなで踊りたくない?」と言って宮近プロデュースの「Fireflies」へつなぐなど、川島を加えた7人での演出変更も粋なものばかり。川島プロデュースの「Underdogs」は、川島不在の6人の際、川島のメンバーカラー・白にちなんでホワイトタイガーをモチーフにしたトロッコならぬ「トラッコ」が7台用意され、メンバーはトラッコに乗って客席内を進んでいた。しかし、ららアリーナ 東京ベイ公演では、もちろん川島もトラッコに乗車。メンバーとホワイトタイガーを乗せた7台のトラッコが場内を巡った。
MCでは改めてツアーを振り返る7人。七五三掛龍也が「半年長いって思ったけど、いざやってみたらめちゃめちゃ早かった」と振り返ると、松田元太も同感だったようで、まったく同じ言葉を繰り返して笑いを誘った。宮近はアルバム制作から振り返り「7人の『VIIsual』で始まって。ツアーは6人でスタートしたけど、最後は7人でステージに立つことができてうれしい限り」と噛み締めた。今回のアルバムおよびツアーの総合演出を手がけたのは中村。メンバーから中村の演出について「如恵留がいつ戻ってきてもいいように、花道のLDEを7本にしたり、こだわっていたよね」と説明されると、中村は「総合演出として立ってはいたけど、コンサートはみんなで作ったからみんなで待ってたって言えばいいのかな」と、全員で作り上げたツアーであると強調した。またひさしぶりの7人でのステージについて「改めて7人でやったときのオーラ半端なくね?」と胸を張った。ツアー復帰に際し、川島は自主練や一人でのリハーサルも重ねた。それについて「一人でコンサートリハするってどうなの?」と聞かれると「めっちゃ寂しいよ。一人でTJの曲を一人で演習するのは初めてだったからめっちゃ寂しかった」と本音を明かした。さらに、今回のツアーの静岡公演を見に行っていたという川島。初めてTravis Japanの公演を見たと言い、「カッコよかったです」「俺はステージにはいなかったけど、いるみたいな感じがしてうるうるしていました」と感想を口にした。

今回のツアーは1月から6月まで約半年かけて回った。その間にTravis Japanは新曲もリリースしている。リリースされるたび、ツアーではセットリストに加えられてきた。この日も、3月リリースのシングル収録曲「Tokyo Crazy Night」、映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の主題歌「Would You Like One?」が披露され、いずれもすっかりファンにも馴染んでいる様子で完璧なコールアンドレスポンスなどが行われた。さらには、6月6日公開の映画『リロ&スティッチ』の日本版エンドソング「バーニング・ラヴ」も初披露。スティッチのカチューシャをつけた7人は、スティッチのついたマイクスタンドを使用し、キュートな振り付けと共に同曲をパフォーマンスした。
そしてMCを終えようとしたところ、吉澤閑也が、今回のツアーで恒例となった“エア罰ゲーム”を川島にもやってもらいたいと言い出す。しかし他メンバーから「ゲームをしていないのに罰ゲームをしてもらうのは違うんじゃない?」と言われ、吉澤と川島でじゃんけんをすることに。すると、吉澤が負けてしまい、吉澤がエア罰ゲームをすることになるという展開に。吉澤が花道で“エア電流”を受けたエア罰ゲームをやりきると、それを見ていた川島も挙手し、アクロバティックなエア罰ゲームを披露してみせた。
相変わらずの7人の仲の良さをたっぷり感じさせるMCを経て、ライブは後半戦へ。MC明けの1曲目は、吉澤と川島が作詞を手がけたユニット曲「Lonely Stars」。2人の生のハーモニーを会場いっぱいに広げると、最後は他5人のコーラスも加わり、7人が並んで美しい歌声を響かせた。宮近がシャウトで曲紹介をしたジュニア時代からの人気曲「夢のHollywood」では、途中無音になり、メンバーカラーに光るステッキを手にした7人のタップの音だけが響き渡る場面も。さらに吉澤プロデュースの「HBD」、松田プロデュースの「Rush」と、メンバープロデュース楽曲が続く。楽しげなメンバーの会話から「HBD」が始まったかと思えば、「Rush」では紗幕に囲われる中でメンバーがシャツをたなびかせ幻想的に魅せるなど、様々なステージングが繰り広げられる。メンバーがギャンブルに興じる映像を挟んで、ゴールドと黒の衣装に着替えて始まった中村プロデュースの「BO$$Y」、七五三掛プロデュースの「Thrill」では、ダークなヒップホップに乗せ、特攻を使ったダイナミックな演出や、再びVIIダイヤモンドを使ったスタイリッシュなパフォーマンスなどで曲の世界観を見せていった。
再びトラッコに乗りながら、客席と近い距離でパフォーマンスした「LEVEL UP」や「Okie Dokie!」を経て、本編ラストは「Staying with you」。しっとりしたミディアムチューンだが、メンバーはファンへの想いを精いっぱい届けるように力強く歌唱し、ファンの胸を打った。歌い終えると、宮近がメンバーの顔を見ながら「まず、6人でよく頑張りました。ありがとう。そして未来のために、お休みするっていう勇気あることを決めてくれて、自分の言葉にしてくれて、その先でまたTravis Japanでやりたいって熱い想いを持ってここに帰ってくれくれました。如恵留、本当にありがとう。順当に行く俺らじゃないけど、そんな俺たちをどんな場面でも『かわいい』って、『カッコいい』って応援してくれるトラジャ担、本当にありがとう。これからもっともっとカマしにいくぞって決めているんで、これからもよろしくお願いします」と感謝を述べて、ステージを去る。メンバーが去ったあと、流れたエンドロールには、ツアーの裏側が写し出され、中にはMCで話があった川島の一人でのリハーサルの様子も加えられていた。
アンコールでは撮影可能曲「Golden Girl」やデビュー曲「JUST DANCE!」、宮近主演のドラマ「ホンノウスイッチ」主題歌「Say I do」などで再び盛り上がる。川島の「心に刻んでくれ!」との言葉から始まったラストナンバー「Fly Higher」では、最後に7人がステージ中央に揃い、楽しげに肩を組んだり、ファンを見て笑顔を見せたりと、感情を惜しみなく出していった。そして「これからもついてきてもらっていいですか?」「賛成!」という、お馴染みの円陣でフィニッシュ。……かと思いきや、千秋楽ということで、ファンからは再びのアンコール。これを受けてみたびステージに登場した7人は「1曲やっとく?」とうれしそうに笑い、メンバー紹介ソング「Unique Tigers」をパフォーマンス。宮近が「7人揃ったから歌えた曲だね」と改めて噛み締め、7人は半年に及んだ『Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual』を締めくくった。
なおTravis Japanはこのあと、7月より同作品を持ってワールドツアーへと進む。また、このツアーの模様をおさめたDVD / Blu-rayが9月17日に発売されることも決定した。本編には6人での横浜アリーナ公演の模様が収録され、形態別の特典では7人でのららアリーナ公演のダイジェストも収録される予定だという。詳細は後日発表される。
(おわり)
取材・文/小林千絵
==セットリスト==
Overture
1. 99PERCENT
2. Love Tag
3. Happy Groovy
4. Crazy Crazy
5. Sweetest Tune
6. Candy Kiss
7. Whiskey and Tonic
8. Fireflies
9. T.G.I. Friday Night
10. Trick! Trick!
11. Warm it Up
12. Underdogs
13. DRIVIN' ME CRAZY
14. Dance With Me 〜Lesson 1〜
15. Would You Like One?
16. バーニング・ラヴ
17. Lonely Stars
18. 夢のHollywood
19. HBD
20. Rush
21. BO$$Y
22. Thrill
23. Moving Pieces
24. Tokyo Crazy Night
25. LEVEL UP
26. Okie Dokie!
27. Staying with you
ENCORE
1. Golden Girl
2. JUST DANCE!
3. Say I do
4. Fly Higher
W ENCORE
1. Unique Tigers
RELEASE INFROMATION
Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual
2025年9月17日(水)発売
【収録曲】
●DISC1 全形態共通
Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual ※2025年1月4日 実施 横浜アリーナ公演を収録(6人)
(約120分収録)
●Disc2 各形態で内容が異なります
<完全生産限定盤>
●Blu-ray:2Blu-ray+グッズ:UPXC-9010 ¥7,970(税込)
●DVD:2DVD+グッズ:UPBC-9010 ¥7,450(税込)
■ワンピースボックス+デジパック+フォトブックレット+グッズ
▼Disc1(Blu-ray / DVD):全形態共通
▼Disc2(Blu-ray / DVD):特典映像A ※詳細後日発表
<初回盤>
●Blu-ray:(2Blu-ray) :UPXC-9011 ¥7,270(税込)
●DVD:(2DVD):UPBC-9011 ¥6,750(税込)
■三方背ケース+デジパック+フォトブックレット
▼Disc1(Blu-ray / DVD):全形態共通
▼Disc2(Blu-ray / DVD):特典映像 B ※詳細後日発表
<通常盤 初回プレス>
●Blu-ray: 初回プレス(2Blu-ray):UPXC-9012/3 ¥5,980(税込)
●DVD: 初回プレス(2DVD):UPBC-9012/3 ¥5,460(税込)
■三方背ケース(*初回プレスのみ)+トールケース+ポストカード
▼Disc1(Blu-ray / DVD):全形態共通_
▼Disc2(Blu-ray / DVD):特典映像C ※詳細後日発表
【先着外付け特典】
完全生産限定盤(Blu-ray/DVD)共通:トレーディングカード7種セット
初回盤(Blu-ray/DVD)共通:ポストカード
通常盤(Blu-ray/DVD)共通:スマホサイズステッカー