ICEx First Concert Tour 2024『SCRAMBLE PARTY！』ライブレポート――初のツアーを大盛況で完走！

ステージの大きなビジョンに映し出された、それぞれのメンバー紹介に会場はすでに大興奮。ステージに8人が登場し、志賀李玖が「ICEx First Concert Tour 2024『SCRAMBLE PARTY！』！」とタイトルを叫ぶと、「It’s party time!」がスタート。ポップなネオンが散りばめられたビジョンをバックに、とってもキュートなこの曲を、メンバー同士がぎゅっと抱き合ったり、お互いの頬をつんつんとつついたり、笑顔でアイコンタクトを送りあったりとじゃれ合いながら歌う姿は最高にかわいらしい。歌詞の中にある通り、“ミラーボール”が回り一気に会場を明るく、煌びやかに照らしていく。

客席を嬉しそうに、楽しそうに眺めながら「Play The Music」のパフォーマンスが始まると、それぞれがくるくると表情を変え楽曲をカラフルに表現。続く「シブヤ　午後6時」では阿久根温世が「始まりました！　SCRAMBLE PARTY!　声を出していきましょう！」と煽るとCOOLerは大きな声のコールで、一緒に楽曲を作り上げていく。メンバーもCOOLerの声が聞こえると最高の笑顔で応え、その姿は絆を確かめ合っているよう。かわいい振り付けに心を射抜かれていると始まるダンスブレイクでは、8人の揃ったダンスに、これまで積み上げてきた練習と経験を感じることが出来る。1年前、まだダンスの実力差があった彼らだが、この1年でその差はほとんど感じることなく、しっかりと届けることが出来るようになった姿は、充実した1年を送ってきたことを物語っている。志賀と阿久根が＜待ち合わせ＞の歌詞に合わせて肩を組むシーンでは絶叫に似た歓声が上がって大盛り上がり。

それぞれの自己紹介では、千田波空斗が、「俺らのためにもっと盛り上がるんだろ！」、筒井俊旭は「もっと声出せるでしょ！」、竹野世梛はコール＆レスポンスで盛り上げ、志賀はCOOLerに会いたかったか？をたずねると「僕も会いたかったよ！　今日はたくさん愛していきます！」、阿久根は「今日はここにいるみんなを俺のことを好きにさせます！」、八神遼介は2階の奥まで目線を送り「全部見えているので最高の思い出作っていきましょう！」、山本龍人は「1階！ 2階！」と大きく煽り、「その調子で盛り上がっていきましょう！」と叫び、中村旺太郎は「今日も喉枯らそうぜ！」と気合い十分。

雨の音が聞こえ始め、千田が椅子に座り、ひとりで歌い始めたのは「listen to your heart」。柔らかく、でも強い歌声でバラードを歌い始めると、八神も登場し、のびやかな歌声を重ねていく。ふたりの歌声は色が違うが、だからこそケミストリーが起こり美しく重なり合い、会場に響き渡っていく。圧倒的な歌唱力と表現力にCOOLerが心を預けた瞬間だった。
ふたりが去ると、トレンチコートとハットをかぶったメンバーが登場。音に合わせたキレのいい、振り数の多いダンスにもかかわらず見事に揃ったパフォーマンスで魅了すると、「COUNT DOWN」がスタート。ビジョンに歌詞が映し出され、これまでとは違う雰囲気で会場を包み、艶やかなダンスを魅せていく。ハットを投げ、それぞれ2人ずつになりお互いの頬を押さえる振りには息をのみ、狂おしい想いを表現するかのような振り付けで圧倒すると、最後は全員の声だけが残る演出はとってもクール。続く「ナイトフライト」では紫の光に照らされ、危うさを感じさせるほどの表現力で魅せていく手腕に大きな成長を感じさせた。
八神が「いま、ここにいるみなさんとこの場所で出会えていることは奇跡ではなく、Destiny」というセリフから始まった「Destiny」は、それぞれがハンドマイクを持ち、歌を繋いでいく。このメンバーが一緒にいることは奇跡ではなく、運命。そしてこの場で出会ったCOOLerとも、運命というメッセージを感じさせるパフォーマンスはとても力強く、強い意志を感じるものだった。

MCでは中村が先日20歳になったことを何度も強調すると、メンバーから「めっちゃ強調するな…」と柔らかな指摘が（笑）。さらに志賀がこのツアーのために「COUNT DOWN」が新しいアレンジになったことを話し、「楽しみにしていてください！」と話すと、みんなから「もうやり終わったから！」と総ツッコミ。山本が「でも、これからやる曲もアレンジがあるかもしれないからね！」とすかさずフォロー。さらに千田が「八神とふたりでこの曲をうたえてうれしい」と話すと、阿久根が「ふたりの真ん中で聴きたかった！」と絶賛。
さらにMCでは、「メンバーの誰と付き合いたいか」という討論が開始。その瞬間から、志賀の周りに竹野と千田が集まり、すでに志賀が大人気の様子。すると志賀が「誰にしよっかな～」と余裕な様子で選び始め「世梛を振りたいから、温世！」と阿久根に抱き着くと竹野が心の底からがっかりした様子。諦めきれないのか理由を問いただすると、志賀は「背が高い方がいいじゃん？」と説明。しかし阿久根と同じくらいの身長の竹野はさらに困惑し「僕も背が高いぞ！」と反論。志賀は阿久根に向かって「だって趣味があうし」と話すと筒井に慰められガッカリ。
気を取り直して竹野は八神を選ぶと、八神は「俺がいいの⁉」とビックリ。竹野は「おもしろいから！」と言うと八神も嬉しそう。続いて阿久根が「僕は李玖です！　両想い！」と志賀と抱き合うと周りから「いちゃいちゃしてろよ！」とヤジが飛びみんなで大爆笑。八神は「可愛いと思うのは龍人！」と言いつつ、「旺ちゃんは龍人のことが好きでしょ？」となぜかわかりきったように聞くと、中村は「うん」と即答。そのまま山本を抱き寄せつつも、山本が誰を選ぶかソワソワしだす八神と中村。
その様子に山本が「ちょっと考えさせてください！」と中断すると、千田が「ちょっと！　誰にも相手にされてないんだけど！」と言うと、山本は「俺は波空斗で！」といきなりの矢印。千田は飛び跳ねて喜んで山本と抱き合うと中村は「なんでよ！逆張りじゃないの！？」と疑心暗鬼。そこまで沈黙を守ってきた筒井は「俺は龍人か八神。付き合うなら八神だけど一緒に住むなら龍人」と話し、どっちがいい？と問われると、頭を抱えて悩みだす。すると中村が「ねぇ、誰にも選ばれてない俺の気持ちも考えて！」とぼやくと、筒井が「旺ちゃんは親戚のおじさんがちょうどいい」と言い、山本も「旺ちゃんはお兄ちゃんだから！」と言われ中村は大混乱（笑）。結局山本は八神を選び、討論は終了に。この時間に何度客席が沸いたか数えきれない、大盛り上がりの討論会が繰り広げられた。

後半は、阿久根と志賀、竹野のユニット曲「恋ソーダ」からスタート。カジュアルな衣装に着替え、3人で傘を使いながら歌詞に沿ったダンスを披露していく。かわいらしい曲に合わせ、竹野が志賀をおんぶしたり、竹野が阿久根をバックハグしたりとキュートなじゃれ合いが組み込まれたパフォーマンスを披露すると、そのほかのメンバーがカラーボールを持って登場し「恋のDing Dong」に合わせ客席を練り歩き、COOLerとコミュニケーションを取っていく。会場に笑顔が咲き誇り、テンションがあがったのか志賀のほっぺに竹野がキスをするシーンも。ICExもCOOLerも一緒に楽しんだ幸せな空間だった。
ICEx結成前に中村、志賀、阿久根、竹野、山本、千田が在籍していたTEAM Sが披露していた名曲「Hug Hug Hug」のイントロが始まると大きな歓声が始まり、それぞれ客席を降りたまま散らばってパフォーマンスを続行。最後にステージ上に集まって大きなハートを作ると「かわいい～！」という声で包まれた。

筒井の軽やかなアクロバットからスタートした「Dance Track」では、筒井、中村、山本によるダンスパフォーマンス。ダイナミックな筒井、美しくてしなやかなダンスを魅せる中村、テクニカルで繊細な山本のパフォーマンスが重なり合い世界観に引き込むと、他のメンバーも合流し激しいダンスパフォーマンスを魅せ、「恋心」がスタート。山本の激しいラップから、筒井をセンターに置いた激しいダンスブレイクでギャップを魅せ、それぞれにこれからの成長をしっかりと感じさせる楽曲に。最後に全員がユニゾンで＜胸に繰り返すフレーズ届いてますか？＞という歌詞に応えるように、COOLerから大声で「届いているよ！」というコールで終わり、さらに会場はひとつに。
「Member Sign」ではメンバー全員それぞれの小さな頃の写真とこの1年のICExの写真もスクリーンに映し出され、みんなが過ごした大切な日々を歌い、＜僕らの世界は始まったばかり＞と歌う歌詞が、より彼らの今と重なり、胸に刺さる瞬間となった。そのまま楽しそうに「Sunny Road」を歌い一体感を感じさせながら、ラストの曲「CANDY」ではとにかくキュートに歌い上げ、天井から降ってくるキャンディの形をした風船をみんなにプレゼント。

アンコールではランダムボックスから選んだ楽曲、1曲目に歌った「It’s Party Time」をもう一度パフォーマンス。はつらつと楽しそうに歌いながら竹野が八神の頬をぷにぷにとさわると客席から大きな声が上がり、確信犯のふたりはニッコリ（笑）。さらに最後には新曲「ビリミ」をパフォーマンス。これまでとは違うクールでカッコいい、よりクオリティの高い新たなICExを見せ、今後の伸びしろをしっかりと感じさせる素晴らしいステージを見せた。

最後の挨拶で、千田はCOOLerを花に例え、「僕からみたらすごくキレイなお花畑。そのお花をキレイに咲かせるためには僕たちのお水が必要で。僕たちという花が咲くにはCOOLerという太陽、さらに声援が水となっていて、必要不可欠だと思います」とつっかえながら話すと、「わかる人にはわかると思います！　大好きだよって話！」と笑顔で押し通し、筒井は「僕たちは愛されているなって実感しました。新しい環境に飛び込んで色々大変なことがあると思いますが、ステージで踊っている間は忘れられる時間になればいいなと思っています」、竹野は「こんなにたくさんのCOOLerと出会えてうれしいし、いろんな人達に感謝を伝えたいです」、志賀は客降りをしたことをあげ、「みなさんの顔を近くでみて、楽しんでいるなって思ってめちゃくちゃ嬉しかったです。あとは「Member Sign」がめっちゃいいなってあらためて思いました。こうやって一緒にいるのが奇跡だと思いましたし、あらためて幸せだと思いました」と話した。
阿久根はこのライブの前にけがをしたことを話し、「…120％でできなくてすいません。すっげぇ迷惑をかけたなって…」と言葉に詰まり涙が流れそうになると、メンバーだけでなく、客席からも「大丈夫だよ！」という声が飛び、愛が溢れる空間に。阿久根は「本当はこのステージに出るのが怖かったんです。でも、メンバーやみんなの笑顔をみていたら辛いことを忘れさせてくれて、救われました。今日は嫌な日じゃなくて、幸せな日になったなって思います」とコメントすると、会場は大きな拍手で包まれた。八神は「こうやって8人でステージに立ってライブできていることが何より幸せなんだなってあらためて感じました。みんなかくかくいろんな人生が…」と話すと会場中がざわつき「各々（おのおの）じゃない？」と突っ込まれるとビックリした表情を浮かべて「ちゃんとコメント考えてたんですよ！？　飛んじゃう！」と焦りながらも感謝を述べ、山本は「僕たちはまだ学生で、1年ごとに姿も変わってくるしライブはその日しか出せない魅力があると思うので、毎回成長した姿をみせていけたらと思います。8人そろってライブが出来たことを幸せに思うし、ケガをしていても頑張って出てくれる最高の仲間がいるので。この8人で良かったなって思いました」と熱く語り、最後に中村は、1年前はM!LKのバックダンサーをしていたことを話し「成長したことをみなさんが証明してくれたんじゃないかなと思います。何より20歳になった次の日がSCRAMBLE PARTYで良かったなと思います！」と話すとみんなから「20歳になったのはもうわかったから！」とツッコミを受け、志賀から「旺ちゃんのいいたいことはわかったよ」と言われさらに笑顔に。
COOLerへの愛と、メンバーへの愛をしっかりと告げた後、全員が長くお辞儀をして、ライブの幕は閉じた。彼らはいま、大きな成長期を迎え、日々変化を遂げている。その瞬間、瞬間を見逃してはいけないと思わされる、素敵なライブだった。

取材・文／吉田可奈
写真／Bromide,in

撮りおろし写真もたっぷりなICExインタビューは5月8日（水）公開予定！

RELEASE INFROMATION

LIVE INFORMATION

U-NEXT