「Ryosuke Yamada DOME TOUR 2026 Are You Red.Y?」が7月26日に東京・東京ドームにて閉幕した。6月27、28日に大阪・京セラドーム大阪、7月25、26日に東京ドームにて行われたこのツアー。事務所初となるソロでのドームツアーで、計4公演で約20万人を動員した。
ここでは7月25日公演の模様をレポートする。公演前にはマスコミ向けの囲み取材が行われた。センターステージに現れた山田はそこでフォトセッションを行い、記者陣が待つバックステージ側に、なんとムービングステージに乗って登場するという異例の会見に。拍手で迎えられると、照れながらもしっかりとポーズを決めて堂々と会見へと歩を進めた。
このツアーは事務所始まって以来となる初のソロドーム公演となる。最初にソロでドーム(京セラドーム大阪)に立った気持ちを聞かれると、「東京ドームにはまだ立っていないのでわからないのが正直なところ」と前置きしたうえで「今まではHey!Say!JUMPとしてグループで立ってきたので、視線がそれぞれのお気に入りのメンバーに分散していたんですが、今回はみんなが僕のことを見ているので、独特な空気感で。いつも立っているドームの景色とは全く違うなという印象がありました」と語り、「今回はさらに規模感の大きい東京ドームに立たせていただくということもあって、気合は十分入っています」と気合を見せる。自分一人に視線が向いているという景色に対しては、「シンプルに“感動”が最初に来ました。お客さんの近くに行って、お客さんの笑顔や踊っている姿を見て急に涙する瞬間もあって」と明かす。「どんな演出よりも光って見えるものだし」と続けると「アイドルっぽく言っていますけど、本当にそうだから」と念押し。「自分でもこのタイミングでグッとくるんだなと思ったのがお客さんの顔を見た瞬間だったので今日も楽しみです」と胸を踊らせた。
東京ドーム公演では1公演で55,000人を動員する。「なるべくどの席のお客さんにも楽しんでいただける演出を組んだつもりではいるので。一人も置いていかないライブにしたいなと思っています」と説明。上方のファンの近くにも行けるように、気球の演出も用意した。「僕、高所恐怖症だから(気球は)苦手なんです」と不安そうな顔を見せるも「だけど、上のお客さんってどうしても下のお客さんに比べると距離がちょっと遠くなってしまうので、なるべく近くに行ってあげたいなと思って」と、“一人も置いていかないライブ”へのこだわりをのぞかせる。
ほかにも今回のライブは演出の細部まで山田のこだわりがつまっている。そんな山田の思いを受け取ったスタッフからの提案で、ゲネを2回行ったという。そのうちの1回は、山田が実際に客席から見てすべてをチェックしたそう。「自分のライブもですが、そもそもHey!Say!JUMPのライブも俯瞰で見たことがなかったので『こんなふうに見えているんだ!』っていう発見はたくさんありました。例えば登場。自分たちから見ると、照明がお客さんに当たっていて丸見えなんですけど、お客さんからすると、僕らのことは見えていないんですよね。そういうのは生で見る機会があまりなかったので『こういうふうに見えてワクワクするんだ』とかそういうのは勉強になりました。そうやって俯瞰で見たりして、本当に事細かな部分まで、自分で悔いのないように演出させていただいたので、存分に楽しんでいただければなと思います」と、準備を重ねた末の手応えをにじませた。
そんなツアーに「Are You Red.Y?」というタイトルをつけた理由は「中身が何かわからないものにしたい」という思いから。「『山田涼介のライブって何かわからないけどずっと楽しい』と思ってもらえるライブ作りを心がけたつもりではあります」「来ていただいたお客さん、手にとっていただいたお客さんにサプライズという意味で、想像の斜め上をいくようなことをプレゼントするのが好きなので」と、今回のライブに込めた思いを打ち明けた。
京セラドーム公演には、Hey!Say!JUMPのメンバーのうち、知念侑李と有岡大貴が見に来た。「終わったあと、僕があまりにヒーハーしていたのであまり話せていないのですが、『めっちゃ良かったよ』って言ってくれたので満足して帰ってくれたんじゃないかなと思います」と振り返る。その回答を受けて、記者から「やはり相当疲れるんですか?」との質問が。これには「グループだと歌1曲に対して7分割されていますが、今回は一人で40曲近く歌っているので……。もちろん僕がやりたいことを詰め込んだから。自分としてはもちろん後悔はないですし、お客さんが楽しんでくれればいいやっていう気持ちで、いつまたドームに立てるかもわからないので、最初で最後という気持ちで全力でやらせていただきます」と充実の内容を語る。一方で、家に帰った瞬間にどっと疲れを感じるといい、「なんか……俺もちゃんと年取ってんなって(笑)」と人間味あふれる本音もこぼした。
それまでスムーズに受け答えしてきた山田が、唯一悩んだのが「今回のソロでの公演を経て自分のどんなところが好きになったか?」という質問。この回答に山田のアイドルとしての哲学がのぞく。「僕はアイドルとして常に100点を出そうとは思っていなくて。余力が欲しい。お客さんにはやっぱり100点満点だなって思ってもらいたいんだけど、自分のなかでは99点くらいで居続けたいなと思うので……あまり自分で自分のことをカッコいいとかは思わないかもしれないです」と胸の内を明かす。これを受けてさらに「山田さんの目指すアイドルってどんなアイドルですか」という質問が飛ぶと「いないです」と即答。「誰もやったことのないことをやりたいし、目標にしてくれる後輩も増えているので、目標にされる側として、背中をちゃんと見せられる先輩、アイドルでいたいなって思います」と頼もしい思いを口にした。
背中を見せるとの言葉通り、今回の公演のバックにはジュニアがつく。「グループのライブでもジュニアをつけることはあまりなかったのですごく新鮮です。あとは自分のジュニア時代を思い出しました。当時は自分がデビューするとは思っていなかったし、まさかソロでドームに立てる日が来るなんて思っていなかったので、『ここからスターと言われる子がうまれるかもしれないな』と思うとすごく感慨深かったです」と、ジュニアに思いを馳せた。
「事務所初のソロでのドーム公演を成し遂げた自分へ言葉を送るとしたら」という質問には「『満足すんなよ』って感じですかね。ここは人生の最高到達点だとは思うんですが、これからの人生を見たときには通過点にしかすぎないかなと思っているし、ファンの皆さんに見せたい景色はまだまだあるので、これに満足せずにちゃんとこれからも一歩一歩歩んでいかなきゃなと思います」と気を引き締めた。そのうえで、この先の目標を尋ねられると「変なこと言うと、記事にされるからな〜」と笑いながら「自分としてもHey!Say!JUMPとしてもまだ行っていないドームがたくさんありますので、そこにはちゃんといきたいなと思います」と回答。「ずばり5大ドームですか?」と押されると「まだHey!Say!JUMPでもやっていないので。それを自分が先にやるのは違うと思うので」ときっぱりと明言した。
最後に「このドームという場所は、応援してくださるファンの皆さんと僕の、今までの時間の結晶の場所だと思っています。山田涼介がソロでドームに立てたことで、自分ももちろん褒めたいなと思うんですけど、ファンの皆さん一人一人が自分のことを褒めてあげてほしいなと思います。『あいつがあそこに立てたのは私たちのおかげだからね』って」とファンへの感謝の言葉を送って会見を締めくくると、再びムビステに乗ってステージへと戻っていった。
そしていよいよ本番へ。開演時刻直前、ステージ袖から大きな気合い入れの声が漏れ聞こえてくる。ドームの大きさに負けないほどの気合で挑む気持ちがひしひしと伝わる。客席からは自然と「Ryosuke」コールが沸き起こる。次第に場内BGMが大きくなり、オープニングムービーが始まると、55,000の視線が一斉にスクリーンへと吸い込まれた。
舞台は宇宙船の中。Ryosuke Yamadaのキャラクター・りょすかるが操縦席に座り、地球をピンク、オレンジ、青、紫、黄色、黄緑に光らせていく。そして赤にするか迷っているうちに操縦が危うくなり、そこに山田が登場。山田は目的地を「東京ドーム」に設定する。すると、山田を乗せた宇宙船が東京ドームに不時着。東京ドームのステージに不時着した宇宙船が姿を現すと、そこには金髪にサングラスという出で立ちの山田が。
大歓声が波のようにドームを揺らす。ファルセットを多用しながら<誰も見たことないような景色><この一瞬をその目で 引き寄せて 焼き付けて>と歌い上げる「VELVET」で、ライブは確かな熱を帯びて幕を開けた。山田はそのままセンターステージへ進むと、ダンサーを率い、フォーメーションも活かしたダイナミックなステージングでも早速目を奪っていく。続く「SWITCH」では、ブレイクのタイミングでニヤリと笑って観客から大歓声を浴びる。会場を埋め尽くす55,000人が、開始早々、完全に山田の世界に呑み込まれていた。
「東京、Are You Red.Y?」との声と同時にサングラスを外すと、場内に張り詰めていた緊張がふっとほどけ、ファンのコールを推進力にした「Oh! my darling」へ。「俺は準備できてるけど東京はどうだ? 全員の思いを俺一人で受け止めてやるからかかってこいよ!」とソロ公演だからこその覚悟をしっかり見せながらライブを進めていく。「Escort」ではアリーナ席の後方からバラの花束を持って登場し、Red.Y(Ryosuke Yamadaのファンネーム)を驚きと喜びに包んだ。「Gravity Love」ではムービングステージがひときわ高く上がり上方の席のファンと同じ目線で歌声を届ける。「ガラスの靴」では、噴水の演出が涙のようにステージを彩るなか、切なくバラードを歌い上げ、場内を切ない気持ちで満たした。
中盤の映像演出にはHey!Say!JUMPのライブでお馴染みのじゃんぷぅが登場。じゃんぷぅたちが「僕たちはずっと(山田と)一緒にステージに立ってきたんだ」とりょすかるに言うと、りょすかるが「僕も一緒にステージに立ってみたい」と口にする。そして映像内に現れた山田にその気持ちをぶつける。すると山田が快諾して、2人は東京ドームにやってくる。どこからともなく「Wake up! ほら、 こっち向いてYeah!」という山田の歌声が聞こえてくる。「Please! Please! Please!」だ。山田とりょすかるはトロッコに乗りこみ、客席内へゆっくり進む。姿を現す前に、りょすかるが「友達を連れてきた」と説明。すると、東京ドームに現れたトロッコには山田とりょすかるに加え、なんと、サンリオのキャラクター・ハローキティとポムポムプリンが! 「Please! Please! Please!」「Bloomin’」、Hey!Say!JUMPの「Come On A My House」に乗せて客席内を進んでいく4人。山田はハローキティと向き合って一緒に踊ったり、ポムポムプリンと目を合わせるために少し屈んで並んだり、りょすかるに声をかけたりしながら、ラブリーなトロッコで55,000人をふわりと溶かしていった。
賑やかなステージを終えて、静寂の中に一人残った山田は「花のように」をそっと歌い始める。先ほどまでフォーメーションを活かしたダンスや、派手な演出などで魅せてきたが、ここでは一転、歌声だけでドームの空気を変えてしまう。まっすぐな歌声がRed.Yの胸に染み渡っていった。
今回のツアーではダンサーとジュニアを迎えてショーアップ。ひときわ人数を活かしたパフォーマンスで目を引いたのは、今年5月にリリースされたアルバム『Are You Red.Y?』のリード曲「MAGIC MUSIC」。モノクロのMVを映し出しながら、総勢44名のダンサー&ジュニアと共に<この世界を輝かせるのは 他でも無く、そうMusic>と歌い上げ、ステージを埋め尽くす。そして山田が魔法をかけるように指をくるくるっと回すと、ステージが一瞬で7色に染まった。さらにはファンのペンライトが光る客席も同じ7色に染め上げられ、ドーム全体がひとつの魔法にかけられたように輝いていた。
センターステージでMCに入る。思わず客席から「ヤバい!」との声が上がると、山田は「ヤバいな、この距離の山田涼介な!」とRed.Yとコミュニケーション。
また前回のツアーから始まった、山田が水を飲むとキラキラと音が流れるシステムがスケールアップして、この日は噴水も上がるなど、MCでも隅々までRed.Yを楽しませていく。ぐるりと会場を見渡すと「来ました、東京ドーム。非常に感慨深いです」と噛み締める。「僕の力だけじゃないのはもちろんなんですよ。いろんな人と出会って、いろんな仕事をして、いろんな景色を見ていく中で、その一つ一つの仕事が、今日こうしてここに来てくださった皆さんと、今日来れなかったファンのみんなに出会わせてくれて。みんなが応援してくれたから、この東京ドームという素晴らしいステージの真ん中に立っています。感謝しきれないくらい感謝しています」と感謝を伝える。
さらに、「で、染めてきちゃった」と金色に染められた髪の毛を見せる。ファンがオシャレをしてコンサートに来るように、山田も「みんなに会うからちょっと金髪にするかとか、京セラとは違う姿で会ってみるか、と思うわけですよ」とその心情を明かすと、改めてぐるりと会場を見渡し「あなたたちが応援している山田涼介は、結構アイドルしてるんです」と胸を張った。その後に選曲されたのは、YOASOBIの「アイドル」カバー。“天才的なアイドル様”な一面を見せたあと、という完璧なタイミングでのカバーに、場内は大盛り上がりとなった。
後半戦は和のステージから。三味線の音が鳴り響き、和傘を持ったジュニアに囲まれ、真ん中に鎮座するのは、着物姿の山田。和風アレンジされた「アジアの夜」、襖が次々と開いていく怪しげな映像演出と共に届けられた「Blue Noise」と、和のムード一色に染め上げた。噴水が高く上がり、さっと引くと、着物姿から黒いレースの衣装に着替えた山田の姿が。髪は耳にかけてヘアスタイルも新しくすると、DOMOTOの「愛のかたまり」、Hey!Say!JUMPの「Ignition」とバラードのカバーでRed.Yの胸を震わせていく。さらにHey!Say!7の「ただ前へ」をアカペラで歌い始めると、暗闇の向こうからステージに知念侑李が姿を現す。客席が7色に揺れるなか、2人の声が重なり合い、ドームに静かな熱を灯していく。歌い終えると、6色の光が赤色を囲むという映像演出が展開され、Hey!Say!JUMPの絆をそっと映し出した。
突如、場内に強いビートが鳴り響き、宇宙のような空間が広がる。続いては黒いレザージャケットに着替えた山田の姿。強いヒップホップチューン「Dive」だ。すると途中から、同曲のDance Performance Videoにも参加している知念が再び登場。
2人はダンサーと共に激しいヒップホップダンスで勢いをつける。低いボーカルと重心の低いダンスで独自の世界を築き上げた「VENOM」を経て本編ラストを飾ったのは、山田のメンバーカラーである“赤”をテーマに制作された「RED」。ソロデビューから山田が背負ってきた同曲では、真っ赤な炎と花火が打ち上がり、会場全体が文字通り真っ赤に染まって本編を締め括った。
エンドロールでりょすかるの声が神木隆之介であることが明かされると、客席からは驚きのどよめきが上がる。公演前の会見で口にしていた「想像の斜め上をいくようなことをプレゼントするのが好き」という言葉通り、細部にまで宿るこだわりで、山田はしっかりとRed.Yを驚きと喜びで包んでみせた。
アンコールでは、りょすかるをモチーフにした気球で登場。「言ったでしょ、誰も置いて行かないって」と、上の方の席のRed.Yへ手を振りながら「真夜中のシャドーボーイ」「ウィークエンダー」「ファンファーレ!」などHey!Say!JUMPの名曲群をメドレーで届けていく。
気球はスタンドの最上段近くまで、ゆっくりと上昇していく。同時に、ステージにはジュニアに加えりょすかるも共に踊り、「一人も置いて行かないライブに」という山田の思い通り、隅々まで光の届くステージングで会場を包み込んだ。
Red.Yへの想いを綴った「My Red.Y」をRed.Yと共に歌ったあと、最後にセレクトされたのは、2013 年にリリースされた山田のソロデビュー曲「ミステリー ヴァージン」。ソロでたどり着いたこの東京ドームの景色を、ソロアーティストとしての一歩目である同曲に重ねるように、山田は愛おしそうに、どこか誇らしげに歌い上げた。
デビューから今日まで積み重ねてきた時間のすべてをしっかりと東京ドームに響かせ、山田ソロ初の東京ドーム公演は幕を下ろした。
取材・文/小林千絵
Ryosuke Yamada DOME TOUR 2026 Are You Re:d.Y?セットリスト
-映像【Opening】-
M01 VELVET
M02 SWITCH
M03 Oh! my darling
M04 High High High
-映像-
M05 Escort
M06 Gravity Love
M07 パフューム
M08 ガラスの靴
-映像-
M09 Please! Please! Please!
M10 Bloomin’
M11 Come On A My House
(Hey! Say! JUMP)
M12 花のように
M13 MAGIC MUSIC
M14 Na Na Na
-MC-
M15 アイドル (YOASOBI)
-ダンサー・ジュニア紹介-
M16 アジアの夜
M17 Blue Noise
M18 愛のかたまり (DOMOTO)
M19 Ignition (Hey! Say! JUMP)
M20 ただ前へ (Hey! Say! 7)
M21 Dive
M22 VENOM
M23 RED
« ENCORE »
EN1 君に、恋してる
EN2 Hey! Say! JUMP メドレー
a. 真夜中のシャドーボーイ
b. 瞳のスクリーン
c. SUPER DELICATE
d. Ride With Me
e. ウィークエンダー
f. Give Me Love
g. マエヲムケ
h. ファンファーレ!
i. Your Song
j. 恋をするんだ
k. ウラオモテ
l. DEAR MY LOVER
EN3 My Red.Y
EN4 ミステリー ヴァージン
