デビューから配信というスタイルをとってきた彼らにとって初となるCDアルバム、『Road to A』をひっさげての全国ツアー『Road to Authenticity』をスタートさせたTravis Japan(以下TJ)。
ツアータイトルにある『Authenticity』の意味である“信憑性、信頼性、本物”の通り、エンタテインメントの神髄を追い求めていくTJの姿勢=“現在のTJそのもの”が詰まったステージに。
「横浜、騒げ!」の声で始まった公演は、大きく4つのブロックで構成されており、1stブロックではオープニング、巨大なゴンドラで登場しアリーナ後方までムービングステージで移動。『DRIVIN' ME CRAZY』、『JUST DANCE!』など、初っぱなから怒涛のダンスナンバーが続き、一気に場内の熱気が上がる。メンバーの個性が出るソロダンスコーナーもあり、アメリカ留学で培った個々のダンスレベルの高さがうかがえる。
続く2ndブロックでは、先ほどとは魅せ方が一変し、ジャジーな曲調でブロードウェイのような華麗なショースタイルに。 ジャズ、コンテンポラリー、タップダンス…それぞれのジャンルで美しい世界観を表現できるのは、世界各地のイベントやコンテストで武者修行を積んできた彼らの強みだ。
昨年のツアーでも登場した虎の形をしたトロッコ、通称『トラッコ』がアリーナを縦横無尽に駆け巡り、さらにスタンド席もトロッコで周回。一番後ろの客席にまで、笑顔で大きく手を振る姿が印象的。
この日のMCでは、久しぶりにステージ上での公開囲み会見が行われ、松田元太が書いた『周』という漢字一文字で新年の抱負を表現。「まずはこのツアーもそうだし、いろんな国もまわりたい」という想いを込めたそう。「仕事始めがこのコンサートなので、仕事納めもコンサートにしたい(宮近海斗)」、「身体が資本なので、健康でいられたら(中村海人)」、「いろいろなアンバサダーをやってみたい(七五三掛龍也)」、「去年は国内旅行業務取扱管理者の資格を取ったので、今年は海外ツアーが組める総合旅行業務取扱管理者の資格を取りたい(川島如恵留)」、「グループはもちろん、いろんな人の振り付けをたくさんしてみたい(吉澤閑也)」、「去年はいろんな経験をさせてもらったので、今年もいろんな経験をして視野を広げて楽しみたい(松田元太)」、「ファンの人たちと会える機会を作りたい。個人的には何か個展ができたら(松倉海斗)」とそれぞれの抱負も語った。
MC後の3rdブロックは、アルバムに収録されたユニット曲からスタート。ジュニアのころから『松松コンビ』と呼ばれている松田&松倉は、共作の『Bro:)』をギターの弾き語りで披露。出会って約13年の歴史やふたりの絆を、アコースティックギターを手に歌い上げた。宮近&川島による『Day Off』では元気が出る応援ソングをムービングステージ上でパフォーマンス。宮近振り付けによるダンス、ふたり共作の作詞、川島の作曲、そしてスクリーンには直筆の歌詞が映し出され、このふたりにしか出せない世界を表現。中村・七五三掛・吉澤による『Paranoia』は、ゴリゴリのダンス曲。ダンスだけでなく、歌では七五三掛の低音、吉澤の高音、中村のラップ…と、彼らの武器もいかんなく発揮されたパフォーマンスに。
『Till The Dawn』での巨大スロープLEDを駆使した演出も、印象に残るブロックとなった。
“これぞTravis Japan!”とも言える、怒涛の激しいダンス曲が続く4thブロック。曲終わりに漏れ聞こえてくる激しい息づかい、そして1曲終わるたびに肩で息しているのが遠目でもわかるほど。それでもいっさい手を抜くことなく、さらにジャンプの高さまでそろえてくる彼らのレベルの高さに圧倒される
ブロックとなった。スモークやレーザー光線などド派手な演出も多々あり、Kis-My-Ft2の千賀健永
振り付けによる『Love Tag』では会場のペンライトの光の動きからも、場内のボルテージが最高潮になっていることが伝わってくる。アルバムのリード曲『LEVEL UP』で本編は終了。
アンコールでは「みなさんにTJからお土産を用意しました」と、海外アーティストのライブではよく行われている“スマホでの撮影OK”といううれしいプレゼントが。1曲限りの制限つきながら、海外での活動を意識した彼ららしいサプライズに会場は大喜び。
すべてのパフォーマンスを終え、会場を愛おしそうに見渡すメンバーたち。「TJのこと、大好きですか!?」との問いかけに、大きな歓声でこたえる客席。それに対し、声の限りに「俺らも大好きだ~!!」と返すTJ。リーダー宮近の「この調子で、このエンタメを世界中に広げて元気にしちゃっていいですか!?」の問いかけに、おなじみの「賛成!」のコールでファンが応じ、コンサートは終了。
ステージ上で常に全力で歌い踊り、ファンを何より大切に思っていることが伝わってくるパフォーマンス。まさに『圧巻』という言葉がぴったりのステージだった。
この全国アリーナツアーは、全国7ヵ所26公演で3月24日に北海道の真駒内でファイナルを迎える。