史上初のメインダンサー&バックボーカルグループとして活動し、その一筋縄ではいかない楽曲ラインナップに、成熟と瑞々しさを併せ持つパフォーマンスで現在、急激に支持を拡大している9人組・超特急が、1st EP『Just like 超特急』をリリース。発売日である4月17日に、東京・秩父宮ラグビー場で『超特急×ユニバーサルミュージック 連結記念イベント』を開催した。入場無料のフリーイベントでEPからの新曲をステージ初披露したほか、新たなパートナーとなったユニバーサルミュージックとの“連結式”が執り行われ、全公演がソールドアウトした春の全国ツアーの追加公演も発表。終演後にはオリコンデイリーチャート1位を獲得という嬉しいニュースも飛び込み、集まった8号車(超特急ファンの総称)のみならず、全世界に向けて最強のエンジン音を轟かせた。

結成10周年を迎えた2022年8月に現在の9人体制となってパワーアップを果たした彼らが、今、改めて“超特急らしさ”を追求して制作した『Just like 超特急』。今年3月には、超特急とユニパーサルミュージックがプロモーション契約を結んだというニュースが発表され、リーダーのリョウガは「誰もが乗車しやすいグループに更になっていきます」と意気込みを表したが、本作はその“連結”後の第1弾でもある。エモーショナルかつクールなダンスチューンから王道J-POP、奇天烈なあおり曲までをバラエティ豊かに収めた、まさしく名刺代わりの1枚となっており、先行配信された「ジュブナイラー」のMVは、公開から2週間足らずで既に134万回再生を突破した。

そんな絶好調のなか行われる今回の『連結記念イベント』は、誰でも入場可能のフリーイベントということで、約1万2千人の8号車が集結。推しメンカラーのペンライトを携えてスタンド席を埋め尽くし、開演前から色めき立っていた。開演時刻の19時となり、超特急ライブでは恒例の発車ベルが鳴ると、なんと客席ど真ん中のゲートからメンバー9人が登場。最年少の19歳・ハルを先頭にマサヒロ、アロハ、タクヤ、カイ、リョウガとメインダンサーたちが、さらにタカシ、シューヤとバックボーカルの2人が続き、8号車の振るペンライトの海を縫って特設ステージへと進む。最後にたどり着いたユーキがステージに膝をつき、始まったのはEPのリード曲「Steal a Kiss」。“キスを盗む”という意味のタイトルが表す通り、キスを投げ、唇や首筋をなぞる仕草がたまらなくセクシーなダンスナンバーに、8号車は歓声をあげて沸き返る。7人のメインダンサーが代わる代わるセンターに立つフォーメーションも洗練されたもので、それぞれイメージカラーを取り入れつつのシックからワイルド、スポーティーとスタイルの異なる装いも、ジャンルレスな超特急の魅力を表してきらびやかだ。それを両端で支えるタカシ&シューヤのリズミカルでテクニカルなボーカリゼーションも切れ味鋭く、サビ前には“こっち向けよ”(アロハ)、“素直になれよ”(タクヤ)、“好きなんだろ?”(ユーキ)というキメ台詞で8号車を悩殺。もはや“カッコいい”の言葉以外に脳内に浮かぶものはない。

場内の興奮冷めやらぬなか、自己紹介を挟んでのMCでは「平日なのに、こんなにたくさんの8号車が!」とユーキも驚き。ハルは裏声で「レッツエンジョイ!」、タカシは十八番の関西弁で「みんな、会いたかったで~!」と声を張り上げる。そこにユニバーサルミュージックの藤倉社長が登壇すると、メンバーのみならず8号車までもが「連結してくださってありがとうございます!」と一礼。8号車も超特急のメンバーであることを証明したところで、この“連結式”という謎の儀式について「超特急とユニバーサルミュージックさんが手を取り合って、これから一緒に進んでいこうということをみんなに見ていただく会」と説明したのはカイだ。そして、超特急とユニバーサルミュージックを結ぶ特大の乗車切符が社長に手渡され、それにタクヤが「せーの! 連結!」と8号車と声をそろえて鋏を入れたところで連結が無事に完了。さらに「せっかくなので、僕たちの列車に乗ってもらえませんか?」というリョウガの誘いと、「藤倉社長~お願い~!」とぶりっ子ポーズを可愛くキメるアロハとハルの懇願で、なんと社長と先頭車両である2号車のカイが電車ごっこをすることに! 8号車カラーであるピンクの縄跳びに一緒に入って「出発進行!」とステージを一周すると、後ろにユーキ、リョウガ、タクヤ、タカシ、シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルと全号車が連結して周回し、超特急が長年テーマとして掲げてきた“君の笑顔が終着駅”に到着する。1万2千人の前での電車ごっこというシチュエーションに最初は戸惑っていた社長も、ペンライトの海を見て「ファンの皆さんがすごいです」「これ、東京ドームでやりたいですね」とご満悦。「超特急の皆さんがユニバーサルミュージックに来てくださって本当に嬉しいし、今のファンを大切にしながら、もっとたくさんの人に知ってもらえるように頑張ります。8号車の皆さんと共に東京ドーム行きましょう!」と宣言して、8号車の喝采を浴びた。その後は社長に超特急ポーズを指南して、おなじみの「以上、僕たちは超特急でした!」というあいさつで締めくくり、めでたく連結式は終了。リョウガは「超特急として、より団結が深まった」と満足感を表す一方、カイは「僕、社長を後ろに3周してライブより緊張した! ユニバーサルミュージックの社長と世界で初めて電車ごっこしたことを誇りに生きていきたい」と告げて、8号車の笑いを誘っていた。

そして「もっとみんなやりたいよね? まだ元気出せるよね?」と声を枯らすハルの煽りに返る8号車の声を受けて、リョウガは「Kiss繋がりで……」と超特急の“セクシー”を代表するナンバーとして長年愛されてきた「Kiss Me Baby」をドロップ。メンバーがキスを投げてキメ顔するたびこらえきれない悲鳴が客席からあがって、新旧の“Kiss”曲の競演に8号車も沸騰しきりだ。艶めかしいツインボーカルも広いフィールドに響き、ユーキは見事なバク転を披露。さらに「歓声的にもう1曲欲しいみたい」とマサヒロが8号車の気持ちを代弁すると、タクヤが「最後の曲行きましょう!」と声をあげて、ライブ鉄板曲の「Burn!」へとなだれ込む。曲頭のメンバーコールが終わると、なんと9人はスタンド席に飛び出して、全長100メートルにも及ぶ通路を駆け回りながらバッテンダンス! 至近距離まで迫って8号車を熱狂させると、ステージに戻っての大サビは9人全員で大合唱し、カイの「バッテンじゃなくてユニバーサルのUで行きましょう!」という号令から両腕で大きくUを作って、本日だけの“Uダンス”で熱く盛り上がってみせた。わずか3曲ながら、超特急のふり幅の広さ、予想を覆すエンターテイナーぶりを見せつけるメニューは、まさに“Just like  超特急(=これぞ超特急)”と呼ぶほかない。

さらに「ここで全力を出し切った皆さんにお知らせがあります!」というリョウガの声から、場内の電光スクリーンに浮かんだのは “緊急告知”の文字。そして4月20日に始まる全国ツアー『Rail is Beautiful』の追加公演が8月27日、28日にKアリーナ横浜で決定したことが発表されると、はたまた8号車から喜びの大歓声が湧き上がる。全国ツアーのファイナルをアリーナ規模で行うのは超特急史上初めてのことで、リョウガも「藤倉社長と濃密な連結式をさせていただきまして、より団結して、これから超パワーアップした超特急で夢の東京ドームまで走っていきたいと思います」と決意表明。最後は両サイドから客席をぐるりと回って退場し、ドームまでの道を共に往く8号車へと笑顔で手を振り続けた。

現在、さまざまなドラマにひっぱりだこのタクヤ(草川拓弥)に、主演ドラマ『ゴーストヤンキー』が4月18日よりMBSドラマ特区枠にて放送スタートするハル(柏木悠)など、各メンバーともドラマやバラエティ、舞台など多彩なフィールドでも活動している超特急。注目度も飛躍的に増し、全国ツアー『Rail to Beautiful』もこの日発表された追加公演を除く9都市15公演が即日完売している。夢への道のりを着実に歩んでいる9人だが、ファンである8号車への愛は不動。連結する車両と、そこに乗る人々を増やしながら、超特急は“君の笑顔”に向けて走り続ける。

文:清水素子

カメラマンクレジット:米山三郎

関連リンク

一覧へ戻る