互いにリスペクトし、常に刺激し合っている石崎ひゅーい・小山田壮平・長澤知之の3人による弾き語りコラボライブ「FM FUKUOKA Beat On Beat~トラス~」が9/10()福岡市中央区にある電気ビルみらいホールで行われた。

サブタイトルの『トラス』は石崎ひゅーいが命名。「その時その瞬間に『3人』で作る音楽の空間」という思いが込められている。当初20203月に予定されていたがコロナ禍により2度の延期・中止を余儀なくされたが、3人の変わらぬ思いとファンの熱い要望で、3年越しに無事開催された。

ステージにはシンプルな照明の中、3本のマイクが並んでいる。

満員の観客の中、まずは石崎ひゅーいが『大好きな2人とのライブ、僕も楽しむので皆さんも最後まで楽しんでください』と開会宣言。

小山田壮平を呼び込み、2人でのセッション「お前は恋をしたころがあるか」を披露。セッションが終わると小山田のソロパート。andymori時代の「シンガー」「16」「光」、ソロ名義の楽曲「ローヌの岸辺」「君に届かないメッセージ」「サイン」など、どこまでも伸びやかな声とギターが響き渡っていく。「アルティッチョの夜」でのMCでは、3人の馴染みのBarでのエピソードを楽しそうに話す小山田。

続いて小山田が長澤知之を呼び込む。開演前ギリギリまでリハをしていたというセッション曲はカーペンターズのカバー曲「Yesterday Once More」。その後の長澤のソロパートは『今日来てくれた一人一人にささげたい』ということで「カスミソウ」からスタート。「左巻きのゼンマイ」「広い海の真ん中で」「風を待つカーテン」「はぐれ雲けもの道ひとり旅」など、優しいギターに載せてまっすぐな歌声が届いていく。

続いて長澤から呼び込まれて石崎が再びステージへ。2人によるセッションは長澤が石崎に贈った曲「スパノヴァ」。楽しそうな2人へ会場から自然に手拍子が生まれる。続く石崎のソロパートでは「花瓶の花」「虹」「宇宙百景」と表情豊かな歌声とギターで会場を魅了していく。MCでは今回のリハーサルで石崎に仕掛けられたドッキリエピソードも披露され会場から大きな笑いが。その後「さよならエレジー」「夜間飛行」で会場はエンディングへ向けてさらに盛り上がっていく。

最後は石崎が大きな声で小山田・長澤を呼び込み、いよいよ3人によるセッションが始まる。1曲目は、中島みゆきのカバー曲「時代」。フレーズごとに3人それぞれの声が共鳴しあうような美しさ。この3年の色々な出来事に思いを馳せる。2曲目は小山田・長澤の地元福岡にまつわる曲、andymoriの「everything is my guitar」。この時、長澤のギターを小山田が嬉しそうに弾き鳴らす。力強いギターの競演で会場の熱量も最高潮に。『福岡のみんなありがとうございました。またお会いしましょう』という言葉の後、最後に披露されたのは長澤のデビュー曲「僕らの輝き」。その歌詞にあるように3人の音楽が1つになる瞬間。石崎が『トラス』というタイトルに込めた思いが伝わってくる。この3人のアーティストのこれから、そして『トラス』というイベントのさらなる進化を期待させながらのエンディングとなった。

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