2025年4月にリリースされたEP『COMPASS』に収録の「儚夏」が国内外でのバイラルヒットを記録し、2026年にはSpotifyが躍進を期待する次世代アーティスト企画「RADAR: Early Noise 2026」に選出、5月にはビクターエンタテインメントよりメジャーデビューも果たした、石川県発の4人組ロックバンド・Maverick Mom(メイブリックマム)。

Major Debut 1st Full Album『Travessia』を携えた初のワンマンツアー『Maverick Mom ONEMAN TOUR 「TRAVESSIA」』が、7月17日(金)に地元である石川県 金沢AZにて大盛況で幕を閉じた。未発表曲のライブ披露や、MCでは東阪対バンツアー『-干渉- Interferencia』が10月6日(火)東京・LIQUIDROOM、11月12日(木)大阪・梅田クラブクアトロにて開催されることも発表。7月10日(金)にヒューリックホール東京で開催され、本ツアーでは最大キャパとなったセミファイナル公演のライブレポートが到着した。


『Maverick Mom ONEMAN TOUR 「TRAVESSIA」』セットリストプレイリスト

https://MaverickMom.lnk.to/ONEMANTOUR_TRAVESSIA_Setlist

なお、東阪対バンツアー『-干渉- Interferencia』は現在オフィシャルファンクラブにてチケット受付中。応募期間は7月26日(日)23:59まで。ゲストアーティストは後日発表となる。


<ライブレポート>文=坂井彩花

石川県発のカオティックポップロックバンド・Maverick Momは、いつだって目の前の課題と正面から向き合い、愚直に進み続けてきたチームだ。結成4ヶ月での『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』優勝に始まり、スピードスターレコーズ30周年記念イベント『LIVE the SPEEDSTAR』の出場権獲得、『RADAR: Early Noise 2026』選出、来たる2026年5月13日には、メジャーデビューも果たした。一つひとつの功績は、彼らが楽しみながらも探求を続けてきた証といってもいいだろう。

メジャーデビュー1stフルアルバム『Travessia』を引っ提げて行われた『Maverick Mom ONEMAN TOUR 「TRAVESSIA」』も、Maverick Momの歴史において語るべき公演となった。「玄人を唸らすスキルや専門性と万人に届く大衆性は両立できる」と証明したワンマンライブ『前日譚』を経て、次なるステップへ。どんな年齢や性別、国籍であっても、圧倒的な音楽の前ではひとつになれるのだと、磨き上げられたパフォーマンスで提示したのだ。

本稿では、7月10日にヒューリックホール東京で行われた東京公演の様子をお届けする。

「overture」をアレンジしたSEをきっかけに、ショータイムは幕開け。暗がりに降り注ぐ青い光、寄せては返す波の音、水面の煌めきのようなギターのアルペジオ――、一つひとつのエッセンスは、これからMaverick Momが新たな音楽の旅に出ることを物語る。膨れ上がった拍手のなか、メンバーが出揃うと、ステージが明るくなるのと同時に『Travessia』のリードソングである「カラクリ」が封切られた。《魅惑のダンスを踊りましょう》と焚きつけられ、オーディエンスの熱気はすでに最高潮。鳴り響くクラップや歓声は、いかにこの日が待ちわびられていたかを想起させた。

そのまま流れるように、Maverick Momの過去と未来を歌った「Travessia」へ。スコーンと抜けていく南出大史のボーカルは、繊細に音を反響するコンサートホールがよく似合う。中野武瑠がそつなくギター掻き鳴らす横では、ONとタイゾーがアイコンタクトを取っていたりと、四者四様なプレイが冒頭から繰り広げられる。とはいえ、バンドとしての一体感だって決して切り捨てない。それぞれが己の道を突き進みながらも、お互いの気配を感じあい、大きな情景を描きだすのが、彼らのスタイルなのだ。ラップのニュアンスで遊ぶ「イエローメッセンジャー」、各楽器のソロプレイで魅せる「Monster」と、勢いを止めずに駆け抜ける。「孤独に解く」のイントロが紡がれると、期待に満ちた声が立ち上った。難解な川谷絵音アレンジであっても、4人にかかればお手の物。打ちこみに呼吸を噛み合わせ、立体的に音楽を編み上げていく。撮影可能公演にも関わらず、スマートフォンではなく拳をつきあげるオーディエンスの姿が映し出したのは、Maverick Momのパフォーマンスが“記憶に焼き付けるもの・体験するもの”として力強く機能しているという現実だ。映像として媒体に記録するよりも、自分の身体を放り込んで身を委ねたくなる空間を作り出すバンド――、ライブの楽しさを味わえるバンドとしてMaverick Momが君臨していることが表れていた。

妖艶なムードが漂う「ドメスティックシークレット」をきっかけに、愛と向きあうターンに突入。豊潤なディレイのギターと吐息が多めの歌声が、楽曲の持つ空気感を一段と醸造していく。《君の幸福を願った》にファン一人ひとりの幸せを祈る想いを重ねる「スイセン」、大切な人に向けてストレートに《愛してる》と告げる「徒花」と連投。“花”にまつわるナンバーを連ねるだけでも小粋だが、さらには「ジーニアス」をドロップして、ここまで描かれてきた愛をまとめあげる。声高らかに《歌え 愛したあの人に届くまで》と叫ぶ姿なんて、哀しみを越えて輝きを掴むと誓っているようではないか。

《真っすぐな愛を無駄にはしないよ》と呼びかける「ポラリス」で“愛のターン”を受けとめ、希望を目指して突き進むパートへ。「ジーニアス」では《僕たちが今、出来ること/クワイヤを歌って/ただ、祈るだけ》と歌っていた一方で、「ポラリス」に移ると《祈るだけじゃ変わらないから》と能動的に変わるのも面白い。成長による変化はもちろん、ソングライターが複数人いるからこそ生み出せる物語性も、Maverick Momの奥深さのひとつなのだ。間髪を空けずに、「Fancy」「アスニヒカル」と自身を奮い立たせるアップチューンを投下し、さらにアクセルをギュッと踏みこむ。エネルギッシュなサウンドとブライトな歌詞により、オーディエンスの人生を温かく照らした。

本来であれば、エッジの利いた攻めの1曲である「Transcend even God」も、なんとこの日はシティポップアレンジに。サックスプレイヤーのewikも駆けつけ、演奏に艶やかな華を添える。バンドによっては持て余してしまう生楽器だって、Maverick Momにとってはスパイスのひとつ。研鑽を重ねてきたオルタナティブをポップスへ昇華する知見を活かし、軽やかに最適解を弾き出していた。

いよいよライブも終盤に差し掛かり、導かれたのは「希望の唄」だ。本公演のセットリストで、唯一『Travessia』に収録されていない既発曲という事実だけで、いかに感情がこめられているかは想像に難くないだろう。「ホールワンマンの後半ででっかくてスケールの大きい曲をやりたい!」という想いのもと作られた1曲を、地元の石川県ではなく東京のコンサートホールで奏でる趣深さたるや。真っすぐに言葉を届ける姿は、過去の自分たちを追憶すると同時に、未来の自分たちに語り掛けているようだった。

なんとこの日は、新曲も初披露。清涼で疾走感あるサウンドと日本語の美しさを活かしたリリックの融合だなんて、Maverick Momの得意分野でしかない。オーディエンスの手も自然と音に揺れ、ステージを重ねるごとに愛される作品になっていくことを予期させた。

《G.A.P.P.A》のレスポンスが轟く「G.A.P.P.A」をトリガーに、ついに『Maverick Mom 1st Full Album Release Tour “TRAVESSIA”』もラストスパート。メンバーが織りなすグルーヴに絆されたのか、ひとりでに客席も上下に揺れる。ステップを踏むように刻まれるフロウも心地よく、客席はダンスフロアさながらのボルテージだ。躍動感を保ったまま「Shower!!!!!」「ドライヤー」と疾走し、キラーチューンの「儚夏」へバトンタッチ。何度も演奏を重ねるなかで、たくさん自信が付いてきたのだろう。「俺たちを観て、聴いてくれ」と言わんばかりの堂々たる覇気がステージから漂ってきた。

ラストのMCでは「『Travessia』は、本当に自分たちの人生を乗っけたような。自分たちが伝えたいメッセージというものを――、そろそろ僕たちが好き勝手やって作る領域じゃなくなってきたなって。(中略)過去に出した楽曲も、今の楽曲も、未来に出す楽曲も、ライブもですけど、一つひとつの人生が乗っかった大きな船で、これからいろんな場所に行こうと思います。その際に、またみんながついてきてくれると嬉しいです」と口にする南出。そして、《嗚呼 どうか歌の中だけでも/理想論を並べさせてよ》と、ロマンを描く「宝島」へ。ピースフルな熱量でヒューリックホールを包みこみ、愛に満ちたフィナーレを作り出したのだった。

ブロードウェイミュージカル並みの大団円を迎えたとて、まだまだMaverick Momは止まらない。『前日譚』を封切った「アルカディア」により、アンコールの開幕だ。再びewikも登場し、「すべての力を出し切るぞ」とでも言いたげな大盛り上がり。お立ち台に立った中野が、長らくライブチューンとして愛されてきた「Super Face」を誘えば、ONが可愛らしい声で「タイゾーくん!」と煽り、南出がメロディーに乗せて「俺のベースを聴いてくれ」と歌って便乗。腹を決めたタイゾーが誇らしげにベースプレイする様子なんて、スタジオの彼らがそのまま抜け出てきたよう。Maverick Momは、バンドマンであり、アーティストであり、ひとりの人間――、そんな至極当然なことを、ありのままの佇まいで舞台へ立つ彼らは示唆する。オオトリには「青く、春」で多幸感に溢れたシンガロンを創りあげ、演者と観客の境目を軽やかに溶かしたのだった。

『Travessia』という名の船に、それぞれの人生と音楽を乗せて進み出したMaverick Mom。ヒューリックホール東京での一夜は、メジャーデビュー直後の現在地を示すと同時に、これまでの歩みとこれからの未来を結ぶ重要な通過点となった。磨き上げられた演奏力、ジャンルを横断する柔軟なアレンジ、そして聴く人の心にまっすぐ届くポップネス。楽曲ごとに異なる表情を見せながらも、そのすべてがMaverick Momというバンドの“今”を鮮やかに告げていた。

この経験を大きな帆として、彼らはまた次なる目的地へ勇敢に進んでいく。その航路の先で、誰も見たことのない眩い景色をきっと見せてくれるはずだ。

Maverick Mom 『-干渉- Interferencia』LIVE INFO

10月6日(火) 東京・LIQUIDROOM
OPEN 18:00 / START 19:00 (ゲストアーティスト:後日発表)
お問い合わせ:DISK GARAGE(https://info.diskgarage.com/

11月12日(木) 大阪・梅田クラブクアト
OPEN 18:15 / START 19:00(ゲストアーティスト:後日発表)
お問い合わせ:清??泉(06-6357-3666)

[チケット情報]
スタンディング ¥4,000(ドリンク代別)
・ファンクラブ会員先行
受付期間:7/17(金)21:00~7/26(日)23:59

チケットURL:https://maverick-mom.com

【INFORMATION】
Official HP:https://maverick-mom.com/
YouTube channel: https://www.youtube.com/@maverickmom3833
Instagram: https://www.instagram.com/maverickmom_band
X(Twitter): https://x.com/maverickmom_bd
TikTok: https://www.tiktok.com/@maverick_mom

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