クリエイティブガールグループ・Ettone(エトネ)が9月30日、ヒューリックホール東京でデビューショーケースを行った。

自然体の魅力と確かな実力を持つanri、chiharu、koyuki、mirano、pia、shion、yuzukiの7人で構成されたこのグループは、1年の準備期間を経て今年9月10日にデビュー。小さな幸せに気づくことの大切さを歌う新しいジャンル“LOOSE POPS”を表現した3曲入りの1stシングル『U+U』は、その完成度の高さと独自性で大きな話題を集めている。今回のイベントには、彼女たちのパフォーマンスを観ようと多くの音楽ファンや関係者が来場。熱い視線が注がれる中、待望のステージが幕を開けた。

リリカルなピアノの音色に導かれるようにゆっくりと舞台中央に現れたメンバーたち。オープニングを飾ったのは初シングルのリードトラック「U+U」だ。後悔を抱えた昨日も、まだ見ぬ明日も、今の私がつないで救い合える、聴く人それぞれの“君”に届くように——。そんな願いが込められたこの曲は、各メンバーのリアルな過去の経験から歌詞とコレオグラフィーを制作。作詞はR&B系のシンガーソングライター・SIRUPが手掛け、ハーモニーは日本の合唱曲から着想したという。

誰もが共感できるような親しみやすさがありながらも、既存のジャンルに当てはまらないサウンドメイク。Ettoneというグループ名には「大げさではないけれど、軽やかで前向きなサプライズを届けていく」という思いが込められているそうだが、「U+U」の生演奏とともに軽やかなステップやしなやかな腕の動きを見せる7人は、まさに“サプライズ”であった。
1曲目を無事に終えて満面の笑みで挨拶したメンバーたちは、続けてオリジナルナンバー「サイレント・ディスコ」を披露。シティポップやニューミュージックといった、日本が生み出してきた音楽の良さを凝縮したトラックに、優しく包み込むような彼女たちの歌声が乗ると、聴き手の心の中に幸福感が広がっていく。既存のディスコのイメージに収まりきらないこの曲も、常にフレッシュなものを見せようとするEttoneらしさがしっかりと刻まれている。

「これからは私たちの世界観をお見せしたいと思います」。そう話してスタートしたのはカバーソングコーナーだ。ここで歌われた楽曲は、いずれもEttoneのカバー動画コンテンツ「Re:frame」で紹介された楽曲である。歌われたのは、椎名林檎の「丸の内サディスティック」「本能」、少女時代の「Mr.Taxi」、宇多田ヒカルの「Automatic」、竹内まりやの「プラスティック・ラブ」、aikoの「カブトムシ」、藤井風の「満ちてゆく」、星野源の「喜劇」と、実にバラエティ豊か。いずれのカバーも原曲の持ち味を損なうことなく、自身のカラーを違和感なくにじませているのが印象的だった。

記念すべき初のショーケースもいよいよラスト。最後に歌い上げたのは、1stシングル『U+U』に収められているオリジナル曲「Roses」だった。複雑なコード進行とリズムの変化にもかかわらず、ナチュラルに声を響かせる7人の力量は相当なものである。常に前へ進もうとするEttoneの姿を投映した歌詞も耳を引く。なかでも〈彩りはさまざまでも 同じ陽を仰いできたから 世界は満たせるさ 溢れる想い 花束にして〉というフレーズは、グループの明るい未来を予想させるとともに、聴き手も励ましてくれるようだ。横一列に並んだメンバーたちは、この曲を通じて客席に“愛と感謝”を伝えると、名残惜しそうに舞台を去っていった。

ちなみにショーケースの直前に行われた囲み取材では、各自のアピールポイントを紹介する場面があった。「“歩くシティポップ”と名乗るほど、シティポップの雰囲気がよく似合う」(chiharu)、「どんな歌にも感情を乗せて歌うことが得意」(yuzuki)、「ボーカル、ダンス、ラップの“三刀流”を磨くオールラウンダー」(mirano)、「いろいろな世界をキラキラした目で見るのが得意」(anri)、「メンタルが強く、自分らしさを大切にするマインドも持ち合わせているところ」(shion)、「多彩なバックグラウンドがあるので、それが歌やダンスに生かされていると思う」(pia)、「クールに見えて実は元気な子。そんなギャップが魅力」(koyuki)と、それぞれに異なる個性を持っているようだ。今回はグループのお披露目という意味合いが強かったが、次の機会では個々のキャラクターを存分に発揮してほしいものだ。

Ettoneはグローバルに活躍する女性プロデューサー・ALYSAが立ち上げた新レーベル『O21』の第1弾アーティストである。彼女は以前インタビューで同レーベルの方向性として「変革を生み出しながらも、過去へのリスペクトも決して忘れない」ことをあげていたが、今回のイベントでも7人のメンバーが見せたものは、日本の大衆音楽が歩んできた道のりを意識しながらも、どのジャンルにも寄せていないオンリーワンの美意識であった。孤高とも言えるこのスタート地点から今後どのように羽ばたいていくのだろうか。Ettone“次の一手”が早くも楽しみでならない。

 シングルリリース情報


2025年9月10日(水)発売
Ettone 1st Single『U+U』

【『U+U』ミュージックビデオ】https://youtu.be/WQwFjpnwwxE
【『U+U』デジタル音源配信リンク】https://lnk.to/Ettone_UU_digital

■CD収録曲
1.U+U
2.サイレント・ディスコ
3. Roses
※全形態共通
【詳細はこちら】https://ettone.o21-label.com/news_detail.html?index=7106 

Ettone Official Site

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