DEZERTによる主催ライヴ「DEZERT PARTY Vol.18227日に東京キネマ倶楽部で開催された。

企画は2011年から不定期開催されているDEZERT主催ライヴであり、そタイミングとバンドベクトルに応じて、彼ら“対バンしたい相手”とぶつかるという純度高いイベントだ。

 

最後に開催された20255恵比寿リキッドルームで、そ際はDIAURAに加え、Support ActとしてDEXCOREを迎え、超満員盛り上りを見せた。

およそ10ヵ月ぶり開催となる今回も、Royz甘い暴力と名実共に現在シーンを牽引するバンド集結したこともあって、会場キャパシティを遥かに上回る応募殺到し、チケットは当然ソールドアウト。

 

3月20日に幕張メッセワンマンを控えるDEZERT916日に自身初日本武道館ワンマン決まったRoyz、新体制になってもそ手を緩めず走り続ける甘い暴力と、三者三様でありなら、成熟期を迎えるバンド同士激突した待望模様をレポートする。

 

 

トップバッターは甘い暴力

定刻と同時に陽気な出囃子鳴ると、文(Gt)と義(Ba)登場し、開口一番「どうも~!」とまるで今から漫才でも始まるだろうかと思わせるテンションで客席を沸かせる。

続けざまに「ドキドキワクワク!甘い暴力ヴォーカル咲はどこだ~?」と問いかける、たしかに咲姿はステージ上にはなく、代わりに配された灰色空気人形やサブステージ段ボールなかを調べても見つからない。

すると「イエーイ!みんな元気~?甘い暴力です!よろしくお願いしまーす!」と声聴こえる。

姿2階にあることを確認すると歓声り、咲ステージに合流すると満を辞して「嘘キス」からライヴスタート。

 

彼らライヴは常にオーディエンスをいかにして楽しませるかを最重視して構築されており、こういった対バン場面でもそ信念は揺らない。

メロウな楽曲で小気味よく会場を揺らすと、嘔吐するようなアクションを導入にファストに畳みかけた「ゲロ」、ユニゾンでダイナミズムを感じさせる「首絞めアマチ」と攻撃的に攻めたてた。オーディエンス一糸乱れぬ振付も壮観で、こ共犯性と一体感は甘い暴力でしか体感できないカタルシスように感じる。

 

「今日、俺、パイセンたちにとことん噛み付いてやろうと思ってんだよ。大阪からケンカ売りに来てんだよ!」

と意志表明して始まったはリリースされたばかり新曲「虎伏戦吼」。

 

潔いほどラウドさむしろ新鮮な1曲は、あいつらは終わったと言われてから勝負やという強烈なリリックどうしたって耳を惹く。

新体制になってから2週間足らずで、炎を絶やさぬ決意を叩きつける「虎伏戦吼」は今バンドすべてだ。

“舐めとったら血ィ見んどワレ”と言葉どおりに、指先で五臓六腑をなぞりなら歌い叫ぶ咲目つきは鋭いもへと変貌していることに気つく。

 

甘い暴力は楽曲多彩さと大胆な振り幅も武器としているバンドで、ストイックさ対極にファンシーも有する、こ日は前者強調されるメニューで構成された。

ただ、そいずれ楽曲にもタイトなプレイ中心に芯として歌ある。

彼ら自身歌モノバンドであることを自負しているように、中盤に披露された「フェティッシュ」では艶ある咲歌声冴えわたった。

操るボトム動静幾度も展開される文によるソロとともにドラマティックさを演出すると、咲はそこに深くエロティックなブレスを添える。

それは咲、文、義3新たな体制においても甘い暴力たる説得力を感じさせる最たる場面だったようにも思う。

 

「千秋旦那、見てっか?奇しくもDEZERTも最近、同じタイトル曲を出したけど、俺らにもこある」と発言に歓声ったは、バンド根源たる「無修正」。

疾走する楽曲で再びテンションをあげていくと、終盤は一層バンドサウンド強調された「暴動」、コール&レスポンスで気合いを高めた「勝て」を叩きつけて完走。

 

“能ある鷹は爪を隠す”とは言ったも、そ鋭利さで見事にクロスカウンターを撃ち抜いた甘い暴力

新体制決意と同じくらいに、変わらぬ魅力も届けてくれた。

 

 

続いて登場したRoyz

昨年、甘い暴力2マンツアーを周った一方で、DEZERTとも数年越し2マンを開催し、まさにこ中心部を担うバンドとしてRoyzは適役と言えるだろう。

 

(Vo)「パーティーしようぜ!肩力抜いて派手にやりましょう!」を合図に「キュートアグレッション」から始まった。

それにしても驚かされたは、バンド全体から漂う圧倒的な自信だ。

時代を担う存在と目されている3バンド集まる場だけに、お互い意地やプライド激突すること想定された、あくまでこ場を楽しみ、楽しませるというプリミティブな思想Royzには脈々と流れている。

 

新衣装で登場したことも、こ日に賭ける気合いというよりは純粋に驚かせ楽しみたいといったピュアさだったように思う。

 

ブレイクでも「“親友”誘ってくれたで遊びにきました!」と発言したり、楽屋にいるDEZERT千秋に対して「ずっと友達!」と手短にこ目的を伝えると、アッパーなナンバーを連打。余計な力感ないことむしろバンド骨太さを明瞭にする。

 

日本武道館ワンマン決定したRoyzにとってもエポックメイキング的な楽曲となった「丸内ミゼラブル」では、お馴染み緑に光るRoyzスティック美しく揺れた。

 

「丸内ミゼラブル」、「紫苑」と続くブロックは、東京という街一角で描かれる失恋ストーリー関連性胸を締め付ける、そなかでも、昴ヴォーカリゼイションは特筆すべきもだ。

元来、歌唱力に定評あるヴォーカリストだ、そ感情過多な歌声は楽曲物語解像度を何倍にも引き上げるもだった。

曲中でも、主人公心情と相まった幼げなあどけない表情を見せたかと思えば、アウトロでは放心したような顔つきで没入する。

ロングファルセットも歌唱スキルをひけらかすもではなく、詩世界に調和したで、こ中盤ブロックは流石としか言いようないもだった。

 

観る度にそ訴求力を増していること驚異的な智也(Dr)パッション溢れるドラミング、アグレッシブネスを引き受ける公大(Ba)硬質なサウンド、杙凪(Gt)携える叙情性と、それぞれミュージシャンとして確立されているからこそ、外に発することだけでなく、内面を向いたプレイでも余韻を引き出すことできる。

 

ただ、そこはせっかく3マン。

充分な間をとって空気を整えてから、再びハードなナンバーに切り替える巧みな流れもみせた。

 

「俺らは勝ちにきた!」と告げた「阿修羅」では「頭振れ!振り乱さんかい!」やら「かかってこい!ボケ!」と昴も関西人丸出しモードで容赦なく盛り上げる。

日出演するDEZERT・千秋、甘い暴力・咲もそれぞれ関西出身とあって、そういったアングルもなかなかに珍しい。

 

DEZERT姿に刺激を受けたことを公言している彼らにとっても、自ら武道館公演と同じくらい想いをしっかり届けたかっただろう。

 

堂々たるアンセムとして鳴り響いたラストナンバー「GIANT KILLER」を終えると「320日、DEZERT幕張メッセ最高日に!そしてそ先も、素晴らしい日になりますように!」と親友大舞台に向けて、これ以上ないエールを贈ってRoyzはステージを去った。

 

 

荘厳なSEに招かれるように登場したはこ首謀者であるDEZERTだ。

ここまで繋いできた甘い暴力Royz会心アクトあっただけに、“PARTY”とはいえ、生ぬるいもではなく一定緊張感を感じさせる。

 

一番最後に現れた千秋(Vo / Gt)お立ち台に片足をかけ、会場を見渡すと、SORA(Dr)打ち鳴らす大陸的なリズムから「My Unhappy Life」に雪崩込んだ。

不穏なムード、荒々しいリフと開けたサビ絡み合うは、彼らレパートリーなかでは実は斬新な部類だ。

 

「ようこそ!DEZERT PARTYへ!ただ主催ライヴじゃねえぞ!」と告げて続いたは「「不透明人間」」。

っけからハードサイド楽曲を並べているあたりからも好戦的なこと伝わる。

昨年から今年2月にかけて自身初47都道府県ツアーを敢行したバンドにとって、どうしても味わう機会から遠いていた、対バンで刺激を受けること今回公演目的だ。

 

日本武道館ワンマンを成功させたち、次なる目標となる幕張メッセに向かうにあたって始めた全国行脚。

それは巡礼的なお礼参り意味と同時に、長い期間をかけてベスト・オブ・DEZERTを探し出す旅でもあった。

一方で、対外的な刺激から遮断されたまま、幕張メッセに臨むことにクエスチョンを抱いた千秋呼びかけで実現した3マン。

対バン相手時代中心地に加速するRoyz甘い暴力であることからしても、DEZERT提示するべきは横綱相撲ではなくガチスパーようなスリリングな肉弾戦であることは明白だ。

好意的な緊張感はどこか懐かしい顔つきDEZERTでもあり、千秋も喉千切れんばかり壮絶なシャウトをかます。

 

「世中、センス良いとか悪いとか色々な意見あるけどさ、あんた好きな音楽か、好きじゃない音楽かそれだけだろ!

今日はあんた好きな音楽かまさせてもらうんで、もっと来てもらっていいですか!」

 

直情的な爆発力47都道府県ツアー意義を実感させる「「変身」」では、これまで足跡における様々なエッセンスを感じさせることも興味深い。

 

意外な選曲に驚かされたは続けて披露された「「遭難」」だ。メロウなバラードは喪失感ある歌詞何故だかやけに体温を感じさせる。

雄弁に語るSacchan(Ba)フレーズと情熱的なMiyako(Gt)ソロもハイライトであるし、淡々としていることで情感を増すSORAドラミングも、千秋天性声質を活かすアクセントとして濃厚な聴き応えあるもだった。

 

PARTY”にあたって、何を持ち寄るかはそれぞれ個性出るDEZERT持ち寄ったも音楽だ。

千秋人差し指をくるりと回し、ここからアゲていこうぜ!と言わんばかりにジェスチャーした最新ナンバーひとつでもある「「無修正。」」は、

入り組んだセクションに、音色遊びとポジティブな歌詞冴えわたる1曲である。

従来アングラなバンド像とは対極に位置する「「無修正。」」は起爆剤になっていることも含め、バンド音楽的充実度を感じさせる場面だった。

 

これまで歴史なかで音楽性を大きく変遷させならも、一貫性損なわれないは、千秋書き連ねてきた言葉に嘘なく、そ時系列に沿うことでそメッセージ深みを増すからだ。

2014年に放たれた「「遭難」」を経て披露された、2025年リリース「「無修正。」」はたった2曲にして重厚な道りを感じられる時間だった。

 

「私なんていなくても、俺なんていなくてもって思ってるんじゃない?…そんなヤツ、俺全否定してやるよ。

あんた肯定してくれた今日あるから、ここで3バンド、音楽を鳴らさせてもらってます!」

 

ラストは「僕等夜について」。

言葉に呼応するように拳かかげられるフロア熱狂は、どバンドファンであるか垣根を超えて、こ夜に集った音楽を肯定するかけない光景だった。

 

 

ほどなくしてかかったアンコールでは、咲、昴とそれぞれ1回ずつ、さらにオーラスでは3人フロントマン集結して「「殺意」」を合計3度に渡って披露。

 

咲は「一番殺意高いヤツはどいつじゃ!?見せたれ!」と火を注いだし、千秋甘い暴力もいずれ武道館をやるでしょう!」と発言すると会場からは拍手巻き起こった。

きっとそれは新体制でも不惑精神で進む決意を示した甘い暴力敬意だろう。

甘い暴力は幕張観に来てくれる?」という千秋問いに「観に行くよ!」と咲アンサーしたも忘れ難い。

ここまで深い関わりなかった2間にも共鳴するもあっただろう。

 

一方で、Royzα」をアカペラで歌う千秋にツッコミを入れる昴姿も、友情溢れるナイスなシーンだった。

 

最後はおおいにパーティー感を演出しなら大団円となった、それは甘っちょろい馴れ合いではなく、こ夜をもって互いに認めあう気持ち深まったことによる答え合わせような手触りだったことも付け加えておきたい。

 

 

DEZERT320日に幕張メッセ、Royz916日に日本武道館でワンマン控えている。甘い暴力も全国を周っている最中だ。

待望だった3マンを終えて、またそれぞれ歩むべき道へ帰っていく。

 

対決姿勢で挑んだ甘い暴力、己導き出した正しさで立ったRoyz、音楽で対話してメッセージを届けたDEZERT

三者三様正しさあるように、集まったオーディエンス数だけ正しいもも、正しくないももあるはずだ。

 

千秋は最も悩める3バンドだと自評したうえで、同じ葛藤を抱える仲間ほしいとも以前語っていた。

まったく異なるからこそ認められる、分かり合える。孤独は孤高証でもある。

 

3バンド提示したは大げさではなく、未来へ道しるべであり、彼ら自身にとっても新たなきっかけになるもだったと思う。

それぞれこれからにも大いに期待してほしい。心底そう思える夜だった。



カメラマン ©Megumi Iritani

ライター ©山内 秀一

DEZERT PARTY Vol.18

2026年227() 東京キネマ倶楽部

SET LIST

 

甘い暴力

1.嘘キス

2.ゲロ

3.首絞めアマチ

4.虎伏戦吼

5.フェティッシュ

6.無修正

7.暴動

8.勝て

 

Royz

1.キュートアグレッション

2.VENOM

3.クロアゲハ

4.丸内ミゼラブル

5.紫苑

6.君に手向ける一輪

7.阿修羅

8.GIANT KILLER

 

DEZERT

1.My Unhappy Life

2.「不透明人間」

3.「変身」

4.「遭難」

5.「無修正。」

6.「君子宮を触る」

7.僕等夜について

 

ENCORE

1.「殺意」 with (甘い暴力)

2.「殺意」 with (Royz)

3.「殺意」 with (甘い暴力)&昴(Royz)

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