【ライブレポート】

2024年12月5日(木)、berry meetのLIQUIDROOM公演が行われた。この公演は、バンドにとって初の全国ワンマンツアー「昼下がりの星、続く旅路」のツアーファイナルにあたるもの。同ツアーは全公演ソールドアウト。ファイナルの舞台LIQUIDROOMは、berry meetのワンマンライブ史上最大規模の会場である。また、約1年半前からライブ活動を重ねてきた3人にとって、この日の公演はちょうど100回目のライブとなった。今回は、何重もの意味でメモリアルな一夜となった同公演の模様を振り返っていく。

11月にリリースしたミニアルバム「昼下がりの星、続く旅路」のオープニングナンバー「青の魔法」からライブがスタート。力強く躍動する快活なビート、爽やかなポップフィーリングを振りまくカラフルなサウンドを推進力にしながら、たくは、青春の季節を鮮やかに駆け抜けていくような勢いで高らかな歌を送り届けていく。続けて、たなかり(B)、いこたん(Dr・Cho)による軽快なバンドセッションへ突入。そこにたくのギターが重なり、そのまま「煌めき」へ。観客による熱烈な手拍子が3人のライブパフォーマンスを彩り、会場にはライブ幕開け直後とは思えないほどの熱い高揚感が満ちていた。たくは、ラストサビ前、一度音を止めて「愛してる。」と観客に想いを伝え、そのまま突入したラストのサビでは、観客全員を一人残さず包み込み、力強く巻き込むようにしながら豪快にロールしていく。凄まじい一体感だ。

最初のMCパートで、3人は、初のワンマン、初のフェス、初のツアーなどを叶えることができた、初めて尽くしの激動の2024年の歩みを振り返った。いこたんの「ありがとう、みんな、一緒にいてくれて。」という感謝の言葉を受け、フロアから温かな歓声と拍手が送られ、続いて披露されたのは、彼女のボーカルから幕を開ける「キリギリス」だ。たくといこたんの鮮やかなボーカルリレー、また、2人のコーラスワークが光る名演で、いこたんは曲の最後に、「おとなりさん、さいこー!」と万感の想いを叫んだ。そして、「まだまだいけるでしょ、東京ー!」と容赦なくアジテーションした後、ロックモード全開の痛快なナンバー「紬」へ。重厚でエッジの利いたバンドサウンドは猛烈な気迫を感じさせるもので、3人のライブバンドとしての進化と成長を深々と刻みつけるような圧巻のステージングだった。一転、続く「忘れたくなくても」では、たくの凛とした歌心が美しく際立っていて、このコントラストと振れ幅にこそ、ベリミというバンドが誇る底知れぬポテンシャルを改めて感じた。

2度目のMCパートでは、3人は、今回のツアーを振り返りながら各地の思い出を語った。その後、いこたんは、berry meetというバンド名には「たくさんの人に会いにいきたい」という想いが込められていることを伝えた上で、その名に恥じぬようなツアーができたと胸を張って告げた。その言葉の堂々とした響きから、3人にとって今回のツアーが、いかにかけがえのない出会いに満ちたものであったかがありありと伝わってきた。続けて披露されたのは、ミニアルバム「昼下がりの星、続く旅路」のリード曲「エキストラ」だ。衒いなくまっすぐにJ-POPの王道を突き詰めたような渾身のナンバーで、改めて、たくが誇る歌の力に深く惹き込まれる。また、彼の歌を逞しく支えるいこたんのドラム、支えの役割を担いながらメロディアスなプレイによって豊かな彩りを加えていくたなかりのベースも際立っていて、3人が懸命に育み続けてきたベリミ独自のバンドアンサンブルを存分に堪能できるとても素晴らしいパフォーマンスだった。切実な想いを送り届けた「そうじゃなくて」から一転して、「純情」「結婚式には呼ばないで」の2曲を通して、再び会場全体の一体感と高揚感を高めていく展開にも胸が熱くなる。

本編最後のMCパートで、たくは改めて会場に足を運んでくれた観客一人ひとりに感謝の気持ちを伝え、そして、胸の内の想いを時間をかけて丁寧に語り始めた。一人ひとりの観客と、顔を見ながら直接話せる機会はライブしかない。今日が来るまでの"あなた"の人生がどのようなものだったかを知ることはできないし、同じように、今日が終わった後、"あなた"がどのような人生を過ごしていくかを知ることはできない。きっと、楽しいことだけではなくて、辛いこと、苦しいこともあると思う。自分自身がそうであるように、"あなた"にも、自分を嫌いになる瞬間、自分を大切にできなくなる瞬間があるかもしれない。世界中の全員は無理かもしれないけれど、berry meetのことを好きな"あなた"、今ここに来てくれている"あなた"のことを救いたい。"あなた"にどうか幸せでいてほしい。誰かを傷付けてしまったり、嘘をついてしまったりして後悔することもあるかもしれないけれど、それを糧にして、一つ優しくなれればそれでいい。最後にたくは、「だから、優しく生きようね。」と一人ひとりの"あなた"に呼びかけ、「大事なことを見失わないように書いた曲」と紹介した「星になりたい」を披露した。3人の〈ラーラーラララララー〉という歌声に、次第に観客一人ひとりの歌声が重なっていく。その流れを受けて、時おり感極まったように歌うたくの表情が忘れられないし、何より、彼の「歌おう。」という呼びかけを受けてさらに大きなシンガロングが巻き起こった終盤の展開もとても感動的だった。

12月という季節にぴったりの「月が綺麗だって」を経て、いよいよ本編ラストの「溺愛」へ。〈大丈夫〉〈誓います〉のコール&レスポンスの練習を挟み、本番では、練習を遥かに超える大きさの観客の声が3人のライブパフォーマンスを熱く彩ってみせた。ライブという時間・空間だからこその輝かしい一体感が会場全体に満ちていて、何より、先ほどのたくのMCと相まって、〈君の居場所はここにあるから〉という一節が特に深く心に響いた。この日一番を再び更新するような大きなシンガロングが巻き起こったアンコール1曲目「図星」の後、たくは、「また会う約束を一つ持ってきました。」と前置きした上で、3月23日(日)にZepp DiverCity公演を行うことを発表した。初のZeppワンマンの決定の報せを受け、会場から温かな拍手が起きる。たくは、続けて、「こうやってみんながたくさん会いに来てくれたから(発表)できたことです。本当にありがとう。」「僕らはみんなに会いに行くのをやめないから。」「Zeppでまた会いましょう。」と語り、この日を締め括る一曲として「旅路」を披露した。ラストの「歌おう!」という呼びかけを受けてシンガロングが巻き起こり、熱く温かな一体感の中で、この日のライブ、および、今回の初のワンマンツアーは万感の大団円を迎えた。初のZeppワンマンは、3人にとって新たな挑戦となるが、総じて、この日のライブは、これから先のベリミの未来がさらに晴れやかになることをはっきりと予感させてくれるような頼もしいものだった。激動の2024年を経て、これからさらに大きなスケールの中で展開していくberry meetの新たな旅路に、際限なく期待が高まる。

ライター:松本 侃士

▼【「旅路」ロードムービーはこちら】
https://youtu.be/qEiIhm_2unY

【公演情報】

berry meet
ONEMAN LIVE 2025 SPRING 「花だより」

2025.3.23(Sun) @Zepp DiverCity (TOKYO)
OPEN 16:00 / START 17:00
TICKET ¥4,800 + 1Drink

【チケットはこちらから】
https://eplus.jp/berrymeet/
受付期間:12/18(水)23:59まで

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