──シシド・チャゲのプロジェクト発足のニュースを聞いて、まずはお二人がコラボレーションされること自体に驚きを隠せませんでした。

Chage「そりゃあそうですよね(笑)」

シシド・カフカ「接点がありそうに思えないですよね(笑)」

──そうなんです(笑)。なので、改めて今回コラボレーションすることになった経緯を教えていただけますか?

Chage「たまたま僕のラジオ番組にカフカちゃんがゲストで来ていただいたときに、カフカちゃんってやっぱり“音楽の匂い”がするんですよ。だから、“いつか、この雰囲気で音楽を(一緒に)作りたいな”というのは、漠然とですけど、ずっと思っていました。そのうちに、以前僕がいた事務所のスタッフがカフカちゃんサイドにスタッフとして入ったんです。それで食事に行くことになって」

シシド「そこから早かったですよね」

Chage「もう全部のポイントがそのときにハマっちゃいました。ある意味、奇跡だったと思います」

──大先輩とのコラボが実現することに、シシドさんはどんな心境でしたか?

シシド「コメントでも出しましたけど、“自分にこんな未来が来るなんて、まったく想像していなかった”っていう。ただ、シシド・カフカでデビューして今年で14周年になりますが、本当に予想しなかった出会いがたくさんあって、いろんな経験をさせていただきました。その先に“Chageさんと”というのは大きな驚きでありつつ、こんなにもありがたい機会はなかなかないことなので、光栄に思いながらご一緒させていただいています」

──“シシド・チャゲ”というユニット名はどのように名づけたのでしょうか?

Chage「僕がインスピレーションで考えたというか、閃きました。僕はこれまで、“Chageなんとか”とか、いつもChageが先に来ることが多くて(笑)。あと、“シシド”って響きがいいじゃないですか。おそらく“カフカ”のイメージが強いと思うんですけど、シシドを改めてフィーチャーするというか…“カフカ・チャゲ”より“シシド・チャゲ”だと思いました」

シシド「シシド・カフカの“・(中黒)”まで使っていただいて。シシドが使われたことで“うちの家族が盛り上がるな”って思いました(笑)。シシド家の代表として背筋が伸びる想いです(笑)」

チャゲ「カフカちゃんの音源も聴き漁ったんだよ」

シシド「え?」

チャゲ「もちろん。作品を全部聴いたら、また(イメージが)広がってしまって。歌だけではなくドラムも絶対にやってほしかったので、“歌とドラムで”という形でお願いしました」

──今回リリースされる「Magic Knight(魔法夜曲)」は作詞に直木賞作家の万城目学さんが参加されています。作曲はもちろんChageさんですが、シシドさんをイメージして楽曲を制作されたのですか?

Chage「まだカフカちゃんと一緒にできるかどうか決まっていない段階から、勝手にカフカちゃんを想定して作り始めていました。それで、もう1人巻き込もうと思って…それで閃いたのが万城目学という男でした」

──万城目さんはChageさんの「飾りのない歌」で作詞をされていますね。

Chage「そうなんです。あのときは僕の曲に詞を乗っけてもらって、それがまた素晴らしい作品になりました。彼はやっぱり言葉の魔術師ですから、今回は“自由に書いてくれないか?”とお願いしました」

──詞先なんですか?

Chage「もちろんです。僕の遊び心がうずいたというか、“作家だったら書けるだろう”って」

──それって、無茶ぶりとも言えますね(笑)。

Chage「ビビっていました(笑)。作詞をするのも2作目なので。でも、すぐにすごくいい原稿が上がってきました。そこから文字数を調整しながらメロディをつけていくうちに、カフカちゃんの参加が確定したんです。ほぼ歌詞もできあがって、それがいい詞だったんですけど、万城目くんに電話をして“実は俺1人じゃないんだ”と。“シシド・カフカさんって知ってる?”って聞いたら、“ああ!”となって。そこからまた、カフカちゃんをお迎えするにあたって僕と万城目くんからの敬意を表する形で歌詞を変えたりしていきました」

──歌詞に<背中を押す ドラム>という言葉も入っていますね。

Chage「そうです、そうです。もともと万城目くんが書いてきたものが摩訶不思議なタイトル、世界観だったんですが、カフカちゃんが入るということで、万城目とChage2人ではなく、カフカちゃんと三位一体の楽曲ができたと思いました。メロディはできたので、リズム隊はカフカちゃんに任せるかたちでレコーディングに臨みました」

──イントロのドラムから痺れました!

Chage「今回、言葉ありきだったので、少ないコードでグイグイ押していくファンクにしたかったので。カフカちゃんのリズム隊だから、そこが最大限に生きるようにという狙いもありました。レコーディングのときも、カフカちゃんはスタジオ入っているからわからなかったと思うけど、こっち(コントロールルーム)側にいる俺たちは、スピーカーからドラムの音が聴こえた瞬間、みんな万歳しましたから(笑)。“おお! カッコいい〜!”って」

シシド「本当ですか(笑)」

Chage「で、早かったじゃない? 3テイクくらいで、“O.K.!”みたいな」

シシド「そうでしたね。でも私、こんなに早く終わったことってないんですよ」

──それは、例えばChageさんが曲に込めたパッションが伝わってきたとか、何か理由があるように思いますか?

シシド「私自身は、ファンクってあまり叩いてきてはいないんですけど…。でも、Chageさんが私の曲を聴き漁って、私のことを考えながら書いてくださった曲だからこそ、多分、私が自分では感じきれないグルーヴとかリズムというのを感じ取ってあの楽曲をくださったんだというのが、すごくよくわかったんです。それはもうChageさんの“Magic”だったと思います」

Chage「ドラムの音に“華”がありますよね。男性が叩く音に比べると、カフカちゃんが叩く音にはやっぱり色気があります。ダダ漏れです」

シシド「あら!!? 自信持っちゃう(笑)」

Chage「持っていいよ!」

──それでいうと、Chageさんの声にも色気がありますよね。そこにシシドさんの声が重なるとまた絶妙な響きというか…。

Chage「カフカちゃんの声がね、可愛いんです。キュートなんです。それがいいですね」

シシド「よかったです(笑)」

Chage「自分で“キュートな歌声だ”って思わない?」

シシド「私は自分の歌声がもともとあまり好きではなかったから…。本当は酒焼けしているような声で歌いたいので(笑)」

Chage「あははは! わかるわかる(笑)」

シシド「そんな声に憧れていてたんですけど、無理でした(笑)」

Chage「でも、そのキュートな声がいいよね。絶対にソロを歌ってもらおうと思って、メロディ付け足しましたから。万城目くんにもそう伝えたら“スキー場のリフトに乗っているときに浮かびました”と言って、追加の歌詞を送ってきてくれました」

シシド「スキーがお好きなんですね」

Chage「知らないけど(笑)。でも、本当に面白いヤツです。タイトルの「Magic Knight」もKから始まる“Knight(騎士)”ですよね。“Night(夜)”ではなくて。その洒落た言葉の世界観は、詞先じゃないとできないのかもしれないです」

──シシドさんは、先ほどドラムは3テイクほどで終わったと話していましたが、歌入れのほうはいかがでしたか?

シシド「面白かったです。コーラスなので後からのせるんですけど、Chageさんってすごくバックビートなんです」

Chage「俺のクセなんだよね」

シシド「それがChageさんの色だし、カッコいいところなので。“ここまで粘りますか!”って、その粘りを私も一緒に感じながら歌いました(笑)。楽曲のリズムとは違う、Chageさんの歌のリズムを感じながらコーラスを入れるのは面白かったです」

Chage「よくついてきました!(笑)」

シシド「最初は私のクセでもあるんですけど、クリックを聞きながらオンで歌ったんです。でも、そうすると曲の良さが半減してしまって。やっぱりChageさんを執拗に追いかけないと…なんなら0.1歩か0.2歩くらい後ろにいないと成り立たないと思って、全部歌い直しました。そしたらハマった感じがありました。テイク数で言うとドラムより歌録りのほうが何度も数を重ねました」

──お二人にとって今回のコラボは念願が叶った感じだと思いますが、改めてお互いの印象というのは?

Chage「カフカちゃんは、ラジオのときと変わらず謙虚です。一方で、音楽に対しては“吸い取ってやろう”みたいな感じがあって(笑)。うちのプロデューサーに質問しているところ、質問の仕方、プロデューサーも驚いたと思います。やっぱり音楽が大好きな人なんですよ。それは今回ご一緒する中で、より感じたところでした」

──シシドさんは実際にChageさんとご一緒されてどうでしたか?

シシド「こんなに気さくに話しかけてくださる方とは、まったく思っていませんでした。でも、お会いするたびに、シシド・カフカをミュージシャンとして素直に見てくださるので、毎回毎回、嬉しいです」

──聞いたら全部教えてくれるような、そういう安心感もあるのでしょうか?

シシド「教えてくれるというより、“行け!”っていう(笑)。“大丈夫だ、行け行け!”って、いつも背中を押してもらっている感じがします。それで私は“わかりました!”って言いながら走っている感じです(笑)」

──逆にChageさんがシシドさんから刺激を受けることもありましたか?

Chage「もちろんです。音楽をやっている限り、年下とか後輩とかそんなものはないですから。そこにこう…カフカちゃんと俺の声がハモると倍音みたいなのが出るんです。1人で歌っていたときとはまた違う、3つの声が聴こえてきます。それって最高に気持ちいいですし、これで終わりじゃない気はしました」

シシド「あら!?」

Chage「ここから始まるんじゃないの? カフカちゃんがよければ、ですけど(笑)」

──「Magic Knight(魔法夜曲)」をやったからこそ、もっとこうしたい、ああしたいみたいなものが?

Chage「そうそう、もっとこのパターンを聴いてみたいとか、欲が出てきました。カフカちゃんならいろんなリクエストに応えてくれるかもしれない、みたいな。だって、パーカッションだけのライブ(el tempo)もやっていますから。あれもすごいことですし、そんなカフカちゃんサイドのインスピレーションでまたインスパイアされていくこともあると思うので。それは大切にしたいです」

──シシドさんは今回のシシド・チャゲもですが、堺正章さんのバンドメンバーとしても活動するなど、ベテランの方とご一緒する機会も多いですね。諸先輩方との現場に身を置くことで、自分が成長していると感じることはありますか?

シシド「私自身はどちらかというと考えすぎる性質で、それで自分自身が苦しくなっていた時期も実はありました。でも、ずっと音楽に触れ合っている方々とお話ししたり、ご一緒したりすると、“何が楽しいのか? 結局の根源はそこだよね”ということに、ものすごく忠実なのを感じて。だからChageさんとの現場でも、“考える前にやる、ってことですよね!?”みたいな(笑)。身体で感じて、結果を見ればいいっていう。そこで自分が思っていた以上に結果が出たりすると、純粋に音を楽しんでいた頃のことを思い出すこともたくさんあります。原点の原点を、改めて先輩方から教えていただいて、音楽に向き合えている感覚があります」

Chage「これは初めて言うんだけど、カフカちゃんはこれから仕事が増えると思います。それは、スタジオミュージシャンとして。「Magic Knight(魔法夜曲)」を聴いて、“このドラムの子、誰?”って絶対になるから。それは俺たちのプロデューサーとかエンジニアが既に太鼓判を押しているので。これから忙しくなるよ。ごめんね(笑)」

シシド「Chageさんの器がなくて平気かな…(笑)」

Chage「大丈夫! 大丈夫!」

シシド「(仕事を)増やせるように頑張ります!」

──今作リリース後、7月18日にはシシドさん主宰のライブ『西新宿ゴールデンナイトショー』が開催されます。もちろんChageさんも“ゴールデンゲスト”として参加される他、“噂の相棒”として山口智充さんの出演も発表されています。

Chage「楽しみなんですよ。暴れたろ〜(笑)」

シシド「あはは! もう暴れちゃってください。それが一番です(笑)。このライブ自体は私の好きな歌謡曲を軸に、みんなが歌えるような空間をChageさんと山口さんと一緒に作れたら…と思っています」

Chage「ライブだとドラムって後ろにいるわけでしょ? 俺、ずっと後ろを向いているかもしれない(笑)。それくらい、カフカちゃんのドラミングはカッコいいから」

──もちろん「Magic Knight(魔法夜曲)」も披露されますよね?

シシド「はい。歌うのが楽しみです」

Chage「「Magic Knight(魔法夜曲)」のカフカちゃんは休む暇ないですよ。最初から最後までハモってるし、ドラムも叩いてますから。助けたいけど助けられない。ごめん(笑)」

シシド「この曲をライブでやるの、ちょっと恐ろしいですね」

Chage「まあ、なんとかなるよ(笑)」

シシド「そうですよね! そう思っておきます(笑)」

(おわり)

取材・文/片貝久美子

RELEASE INFROMATION

シシド・チャゲ「Magic Knight(魔法夜曲)」

2026年630日(火)配信

シシド・チャゲ「Magic Knight(魔法夜曲)」

LIVE INFORMATION

シシド・カフカ Presents 西新宿ゴールデンナイトショー

2026年718日(土) 15:45 Open / 16:30 Start
会場:新宿ReNY
出演:噂の相棒/山口智充、ゴールデンゲスト/Chage
※シークレットゲストあり

シシド・カフカ Presents 西新宿ゴールデンナイトショー

シシド・カフカ Presents 高崎ゴールデンナイトショー

2026年10月9日(金) 18:30 Open / 19:00 Start
会場:高崎芸術劇場スタジオシアター
出演:噂の相棒/山口智充、ゴールデンゲスト/Chage
※シークレットゲストあり

シシド・カフカ Presents 高崎ゴールデンナイトショー

シシド・カフカ  デビュー14周年記念ワンマンライブ 「Katorce」

2026年9月25日(金) 18:30 Open / 19:00 Start
会場:渋谷クアトロ

シシド・カフカ  デビュー14周年記念ワンマンライブ 「Katorce」

Chage INFORMATION

Chageのずっと細道
8/1(土)鹿児島 CAPARVO HALL(キャパルボ ホール)
8/2(日)福岡 小倉昭和館
11/13(金)東京 キネマ倶楽部
11/15(日)沖縄 ライブハウスモッズ
11/23(月・祝) 山梨 桜座(サクラザ)

ChageLiveTour2026 One Love
2026年9月21日(月・祝)Zepp Nagoya
 ※スペシャルゲスト:吉田山田
2026年9月22日(火・祝)Zepp Namba
 ※スペシャルゲスト:Coming Soon
2026年10月4日(日)Zepp DiverCity
 ※スペシャルゲスト:Coming Soon
2026年10月12日(月・祝)電気ビル みらいホール(福岡)
 ※スペシャルゲスト:theSoul

アート展示会
Chage Presents One Love ~夏ノ余白~
会期:2026年8月12日(水)~8月16日(日)
会場:世田谷美術館 区民ギャラリー
※参加作家 情報等 詳細後日

関連リンク

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