――メジャーデビュー5周年、おめでとうございます!
OWV「ありがとうございます!」
──現在開催中のツアー『OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS』の初日(9月12日)のZepp Haneda(TOKYO)公演は、“OWV VS OWV”として5年前の自分たちと対バンでした。過去の自分たちと対バンするってなかなか見ないスタイルですが、何が発端で実現したんですか?
本田康祐「対バンツアーが決まったとき、“9月は5周年だから特別なことをしたいね”という話をしていて…“だったらワンマンライブでもいいんじゃないか?”という案もあったんです。でも、(佐野)文哉がいつものノリで“昔(の自分たち)と戦ったらオモロくね?”って言い出したのが発端で、そこから企画していきました」
──ステージでは結成1周年記念公演であると同時に初のワンマンライブでもあった『OWV 1st Anniversary Talk & Live “AWAKE”』を完全再現していました。昔の自分たちと対峙することで、今と違う部分、さらにそこからの成長や進化を実感することもできたのでは?
佐野文哉「本当にそうですね。わかりやすいところで言うと、まずMCを回していたのが本田の時点で違っていて…今ではすっかり浦野(秀太)がやっていますし。あと、それぞれが“君付け”で呼んで、まだ少し距離感があったり、みんなの声のトーンが若干高かったり、ピチピチやなって(笑)。それだけでも5年という月日の流れを感じました」
中川勝就「MCが一番の差だったかも。今、“中川くん”とか“勝就くん”とか呼ばれたら痒いもん(笑)」
浦野秀太「あと、今のような遠慮なく言いあうようなことなく…物腰が柔らかかった」
佐野「“ちゃんと、プライベートではあまり関わってません“っていうのが、わかりやすい距離感(笑)」
──そんなみなさんのやりとりや雰囲気の再現も面白かったです(笑)。
本田「ちょっと小馬鹿にしてません!?」
佐野「5年前の僕たちは“カッコいい”と思ってやっていたんですよ(笑)」
──失礼しました!(笑) でも、つい笑っちゃいました(笑)。
本田「まあ、僕たちもあれを聞いたときは、“うわぁぁぁ”ってすごい鳥肌だったので(笑)。今もひどかったら再現しようとしなかったと思いますし、今の自分たちに自信があるからこそ、逆にあれをイジっていこうとしてみました」
──あの日のライブではもう一つ、QWVのみなさんの“はいっ!”という返事がSNSでバズっていましたね。
佐野「バズったのは届いていたんですけど…その日だけなんですよ、QWVのみんな。その後、僕たちが出てきても、また“は〜〜〜い”みたいな…」
中川「忘れちゃってるんだよね」
佐野「そう。行き届いてない」
中川「これね、ちょっと生活指導入ります(笑)」
佐野「常にあのバイブスをキープしておいてほしいです。原稿でも赤太字で描いてください(笑)」
──(笑)。
──そして、6周年のスタートとなる10月1日に11th single『BLACK CROWN』をリリースしました。収録された3曲ともアグレッシブで、“攻めの1枚”という印象を受けたのですが、どんな作品にしようと思って選曲を進められたんですか?
本田「“(収録曲を)この3曲にしよう”というのは早々に決まって、“表題曲をどれにしようか?”という感じでした。最後の決め手となったのは、“MAJOR DEBUT SINGLE 『UBA UBA』から5年経った今、何をリリースするか”を大事にした結果、『BLACK CROWN』になりました」
──OWVとして最初のシングル『UBA UBA』を意識したのですか?
本田「そうですね。どことなく「So Picky」が「Nine 2 Five」で、「BE ON TOP」が「一期一会」…似ている曲ではないんですけど、それぞれの楽曲の放つ雰囲気が、5年経ってちゃんと成長したOWVになっていると思っていて。円盤(CD)としてはデビュー5周年のタイミングできれいに決まったシングルだと思いました。さらに、これまではメイン曲、バラード、ダンス曲という感じで分けていたんですけど、『BLACK CROWN』は全曲OWVっぽい楽曲にしました。今年4月にリリースしたアルバム『Supernova』でもその傾向はあったんですけど、今回のシングルでも引き継ぎました」
──表題曲「BLACK CROWN」は“VERSUS”ツアーで一足早く披露されていましたが、QWVのみなさんの反応などから手応えを感じているのではないでしょうか?
中川「はい。あのライブ自体、“OWV VS OWV”で、かなり沸いたなと思っていたんですけど、最後にこの「BLACK CROWN」をパフォーマンスしたとき、一番会場が揺れてた気がしました。QWVの歓声もイヤモニを貫通するくらい聞こえたので、僕たち的にも“ヨシ!”っていう感触があった1曲でした」
──「BLACK CROWN」では作詞にOWVもクレジットされています。どのような形での参加となったんですか?
本田「楽曲が(「BLACK CROWN」に)決まって作家の方の名前を見たら、いつもお世話になっているJoe OgawaさんとMarcello Jonnoさんだったので、僕たち4人、一緒にスタジオに入らせてもらって、コンセプトや歌詞、それこそ「BLACK CROWN」というタイトルに決まるまで、みんなで話し合いました」
──作業としてはスムーズだったのでしょうか?
本田「いえ…かなり長い時間をかけて話し合いました。確か、取り掛かったのが『Supernova』が終わってすぐだったので、制作期間は長かった気がします。その中で、曲調は“もう少しこうしたい”ということを伝えながら一緒に作り上げていきました。同じように歌詞も、具体的なワードというよりかは感覚的なものを伝え合う感じでした」
浦野「全体のイメージとしては、“王国を作りに行く”というよりは、“すでに旗の立っている王国を壊して、そこに俺たちの旗を立てる”みたいな…ほぼ海賊ですね(笑)。でも、“攻め込んで、そこにフラッグを立てる”というような強気なイメージが、この「BLACK CROWN」にはありました」
本田「仮タイトルが“キングダム”みたいなタイトルだったので、“自分たちのキングダムは何だ?”って話から始まって。“OWVだったら旗を奪うよね?”みたいな…そういう話を重ねながら作っていきました」
──コレオは「BLACK CROWN」だけでなく「一期一会」もKAITAさんですが、OWVの楽曲とKAITAさんのコレオの相性の良さってどんなところだと感じていますか?
佐野「僕たちの場合、揃えるダンスに重きを置いていなくて…KAITAくんが毎回僕たちに与えてくれるダンスも、すごく揃えなくて大丈夫なコレオなんです。KAITAくんも、“本番のテンションで楽しんで、質感だけ意識してやってくれれば最高なので”って言ってくれて。だから、パフォーマンスの動きや形を揃えるよりも、僕たちが普段から大事にしているテンション感や質感、ニュアンスを揃えるという部分と通じるものがあると思います。結局のところ、シルエットを揃えても疲れてきてしまったりすると、なんの意味もなさないものになってしまうと思うので。そうではなくて、例えば、疲れて腕が上がらなかったとしても、質感やテンション感が揃っていれば、最高だと思います」
──なるほど。「BLACK CROWN」のコレオでみなさんからリクエストしたこともあるんですか?
浦野「最後、王冠をかぶる仕草を両手にするか、片手にするかくらいじゃない?」
本田「KAITAとは何曲もやっているので。僕たちが魅せたいものを明確にわかってくれた上で作ってくれています」
──では続いて、カップリング曲についても、それぞれ選曲のポイントなどを教えていただけますか?
中川「「Nine 2 Five」は、実は表題曲になりかけた楽曲です」
──そうだったんですね。表題曲にしたかった理由、でも、ならなかった理由は?
中川「この曲のフックとかがすごくキャッチーで、かつ、みんなが歌いやすいキーの高さやリズム感だったので、「Nine 2 Five」を表題にしたほうがみんなの耳に届くんじゃないか?と思って。そういう葛藤があったんですけど、さっき本田くんが言ったように、“やっぱりOWVってこうだよね”っていうのは示し続けたくて、“それでいったら「BLACK CROWN」だね”ってことで表題曲は決まりました」
──なるほど。
中川「でも、本当に「Nine 2 Five」もサビのフックの感じとか、歌詞はZERO(YVE&ADAMS)さんが書いてくれたんですけど、<マカロニライフ>とかの言葉遊びが楽しくて。歌っているときもすごく楽しかったです」
本田「このタイミングじゃなかったら、たぶん表題曲になっていたよね。秀太がイチオシしてから…」
浦野「そう。カッコいいし、キャッチーだし。歌ったときのことをイメージしたときに、「BLACK CROWN」は“パフォーマンスで魅せる“って感じだったんですけど、“歌”って考えると「Nine 2 Five」はいろんなアレンジが効かせられそうだと思ったんです」
中川「でもやっぱり、5周年っていうのがあったので。“6年目のOWVを見せないとね”っていうので、こういう形に落ち着きました」
──そして、「一期一会」ですが…。
中川「初めての日本語のタイトルです」
──そうですよね。それも“周年を機に解禁”という意図なんですか?
本田「いや、たまたま…」
浦野「いや、“たまたま”じゃなくて、もっとアーティスティックな答えのほうがいいんじゃない? “5周年での楽曲との出会いを大切にした”とか(笑)」
本田「そっか。じゃあ、たまたまは1回やめておこう(笑)。でも、本当にたまたま…(笑)というか、僕たちって、かなりタイトルを変えたりするんですよ。仮タイトルが日本語だったとしても、“やっぱり英語のほうがいいんじゃない?”って話し合いをするんですけど、この曲に関しては最初から、和テイストのサウンドと日本語のタイトルの親和性を感じていて。この感じは残したいというか…“この曲は日本語じゃないと”と思って、日本語のタイトルなら何がいいか?を探していきました」
──歌詞には般若心経のようなフレーズも入っていますよね?
本田「<一期一会 俺らのスタイル 愛情 信頼 仲間 人情>…文哉のパートです」
中川「そこが一番の肝かも」
本田「そこを文哉が歌うのがリアルというか…」
──佐野さんはご実家がお寺ということで、歌うときに意識したり、シンパシーを感じたり…ってことはありましたか?
佐野「そこまで自分のバックグラウンドを意識したとかはなかったですけど、歌い方においてはお経ボイスというか…。お経を読むときの独特な声ってあるじゃないですか。ああいう独特な声をどうやって出すんだろう?っていうのは、父親がやっていたのを想像しながらすごく研究しました。あと、自分自身、小学校のときに修行に行ったことがあるので、あの当時の、丸刈りの自分を思い出しながら、魂を込めて歌いました。ライブでは木魚とか叩いてるかもしれないです(笑)」
本田「木魚って外に持ち出していいの!?」
浦野「父親に怒られるよ」
佐野「叩かれるかも(笑)」
──(笑)。
──この曲のコレオはどんな感じになるんでしょうか?
浦野「ちょっと和テイストも入ってくるよね」
佐野「でも、意外だと思う。この曲聴いていて振りを見ると、ちょっと意外な気がしない?」
中川「確かに。かなりパキパキに踊るしね。途中でちょっと(LA)スタイルっぽいテイストの振りもあって」
佐野「しかも、ダンスブレイクもあるので」
浦野「カッコいいよ、ダンスブレイクは」
中川「いろんなジャンルのダンスが入っているので、1曲通して楽しめると思います」
──冒頭でも触れた通り、開催中の“VERSUS”ツアーが年明けまで続くみなさんですが、12月にはOCTPATHとのマッシュアップライブ『TWO THRONE』が控えています。OCTPATHのみなさんとは普段から交流を持たれているんですか?
佐野「 今、こうしてボーイズグループがたくさんいて、会社として一丸となって戦っていく時代にもなりつつある中で、僕たちも“吉本ボーイズグループを盛り上げよう!”みたいなノリで、今回の企画はスタートしました」
本田「OCTPATHのワンマン、OWVのワンマンと2日間あるんですけど、今はOCTPATHともミーティングを重ねていて、どういう魅せ方をするのか?も含めて絶賛制作中です」
──OWVにとってのOCTPATHは同志でもあり、ライバルでもあるというような存在になるんですか?
本田「ライバル…なんて言えばいいんだろう?」
佐野「でも、それぞれが目指しているベクトルがまるで違ったりするので」
本田「たまに会える弟、みたいな?」
佐野「そういった意味でも、“THRONE”(王位/王座)なので」
──それでは最後に、6年目に突入したOWVのみなさんの目標をお伺いしたいのですが…やはり日本武道館公演でしょうか?
本田「もう言っちゃったじゃないですか(笑)」
──あっ!
中川「どういうことですか(笑)」
浦野「(目標は)日本武道館ですよ!」
佐野「もう言うことないですよ(笑)」
──すみません! みなさんの日本武道館公演を早く観たいという気持ちが先走りました。
浦野「そうですよね。ありがとうございます。僕たちも(日本武道館公演の実現を)“2年後”とか言っていたのに、5年経っちゃいました」
佐野「5年経ってしまったからって、僕たちが日本武道館を諦めていたらどうしていたんですか(笑)」
──OWVのみなさんが諦めるはずないじゃないですか!
本田「もちろん、日本武道館という目標はあります。それに加えてという意味では、今、せっかくいろんな方に知ってもらえるタイミング…SNSでバズらせていただいたり、文哉がマラソン界隈で知名度が高くなったり、秀太は1日1kg太ったり(笑)。お茶の間の方や若い世代にもOWVを見たことがある、OWVの音楽を聴いたことがあるっていう人が増えてきたこの段階で、これからはもっといろんな方に愛されるグループになって、日本武道館、さらにはその先にも進めていけるアーティストになりたいと思ってます。その一方で、面白いグループでもありたいとも思うので、バラエティにも力を入れていきたいですし。どんなにカッコいい曲をリリースしても、“仲が良くて面白い4人なんだ”というOWVであり続けたいです」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
- OWV『BLACK CROWN』 × DJ SAYNOのradio encore
- 近日公開!
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS
2025年9月12日(金) 東京 Zepp Haneda(TOKYO):OWV VS OWV
2025年10月9日(木) 神奈川 KT Zepp Yokohama:OWV VS 7m!n VS 世が世なら!!!
2025年11月4日(火) 神奈川 KT Zepp Yokohama:OWV VS Lienel
2026年1月15日(木) 東京 Zepp DiverCity(TOKYO):Coming soon
2026年2月20日(金) 東京 豊洲PIT:Coming soon

OWV・OCTPATH MASHUP LIVE 2025 TWO THRONE
【DAY1:OCTPATH】
2025年12月13日(土) 神奈川県 横浜BUNTAI
【DAY2:OWV】
2025年12月14日(日) 神奈川県 横浜BUNTAI
U-NEXT

OWV 5th Anniversary LIVE -SUPERNOVA-
配信詳細 >>>
歌って、踊って、笑わせて。OWVが5周年の集大成として魅せた“全部乗せ”の超ド級ライブ!
※視聴可能デバイスに関してはこちらをご確認ください
【配信公演】
4月6日 千葉・幕張メッセ 国際展示場 展示ホール2-3 公演
OWV 5th Anniversary LIVE -SUPERNOVA-(メンバー副音声付) >>>
あの熱狂がもう一度、今度は副音声で!
5周年ライブをメンバートーク付きで体感。笑いあり裏話ありの“音声付き”を配信!
OWV 過去ライブ配信中!
「OWV ONEMAN LIVE 2022 -and I-」 >>>
「OWV LIVE TOUR 2021 -CHASER- at Kanagawa Live Stage」 >>>
「OWV LIVE TOUR 2022 -STRANGE-」 >>>
「OWV LIVE TOUR 2023 -CASINO-」 >>>
「OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM-」 >>>























