――今回のように男子メンバー、女子メンバーに分かれて歌唱するのはグループ史上初とのことですが、最初にそのアイデアだったり、自分たちの楽曲だったりを聞いた時の心境を教えてください。
洸瑛「男子と女子に分かれてのリリースや活動をすることは今年の春頃に聞いたんですけど、その時はちょっと不安というか…ラブワン(ONE LOVE ONE HEART)を結成する前の研修期間からずっと一緒にやってきたので、別々でやるイメージが湧かなかったんですよね。いい化学反応が生まれるかもしれないけど、もしかしたら悪い方向にいってしまう可能性もゼロじゃないなって。あと、単純に人数が少なくなっちゃうから、心細い気持ちもありました。そういう中で「マジで超やべぇ」のデモを聴いて、楽曲はすごいカッコいいけど、だからこそそれを自分たちのものにできるのか?ってところも不安でした」
久昌歩夢「僕は最初にタイトルを聞いて、“大丈夫かな!?”ってちょっと心配になりました。だって、「マジで超やべぇ」ですよ!男子メンバーの楽曲ってことで“クールな感じなのかな?”と思ってたら、このタイトルだったから…。自分が想像していたようなものとは違うのかな?と思ったんですけど、曲を聴いたら“マジで超やべぇ”って(笑)。ノリノリで、1回聴いたら忘れられない感じだったので、良かったぁってホッとしました」
――女子メンバーは「ハイスイノジン」を聴いてどう感じましたか?
イーチ「私はいつも楽曲の雰囲気を先に聴いてから、その後に歌詞をじっくり見るんですけど、「ハイスイノジン」はカッコいい曲調なのに、歌詞は“いっぱい食べちゃえ!”みたいな内容で、そのギャップがすごい新鮮だなって思いました。ただ、普段の9人から女子チーム5人になるのはちょっと不思議だったというか、5人だからといってクオリティを下げるわけにはいかないから“頑張ろう!”と思いました」
佐々木杏莉「イーチも言っていますけど、私も曲の雰囲気に対して“女子あるある”みたいな歌詞のギャップが印象的でした。でも、「ハイスイノジン」は力強い曲調に合わせて歌もパワフルだし、ダンスも結構激しかったりして。自分たちの歌やダンスが活かせるし、私自身ラブワンの女子たちはどちらかと言えば“強めの女の子”っていうイメージを持っているので、“私たちだからこそ表現できる楽曲なんじゃないかな?”って思いました。普段は男女混合ですけど、この楽曲を通して女子だけの良さみたいなものも伝わるといいなとも思いました」
――洸瑛さんから見た「ハイスイノジン」の印象はどうでしょう?
洸瑛「ラブワンは男女混合っていうこともあって、普段の楽曲はキーが男性のミドル寄りになんですけど、「ハイスイノジン」は女子だけっていうのもあって、ボーカルラインに関しては女子メンにばっちりハマるキーで、迫力ある歌声を披露しているのが新鮮でした。レコーディングから振りが入って完成するまでを近くで見ていたので、どんどん磨かれて良くなっていくのがよくわかりましたし、改めてすごくハイレベルな人たちと一緒にステージに立てているんだと思って、それがすごく自分の中で刺激にもなりましたし。なんかもう、“ラブワンで良かった!”って思わされる楽曲です」
イーチ「わぁ、うれしい!」
――どちらの楽曲も普段9人で歌うものとは少し異なるテイストということで、レコーディングでも違いを感じたりしましたか?歌入れで印象的なエピソードを教えてください。
イーチ「実は「ハイスイノジン」のレコーディングを控えていた時期に、私がコロナにかかってしまって。今回はキーも高めだし、レコーディングまでに喉の調子が戻るかどうか、めちゃめちゃ心配でした。正直、万全とは言い切れない状態でレコーディングに臨んだんですけど、歌詞が結構自分に当てはまるというか…。毎日<cheat day>みたいな感じなので(笑)、楽しく歌い上げることができました」
杏莉「私は2番のラップを担当しているんですけど、9人で歌う時は女子のラップっていうのがあんまりなくて、今回が初めてのちゃんとしたラップだったんです。そこでいろんな声質、声色を試しながらレコーディングしたことが、“表現の仕方って一つじゃないんだな”って思えて勉強になりました。あと、男子メンバーの「マジで超やべぇ」じゃないですけど、私もこの楽曲が一番ありのままの自分を出せるような感じがしました」
――歩夢さんと洸瑛さんはどうでしたか?
洸瑛「僕はこれまでメロディを歌うことが多くて、それこそ「マジで超やべぇ」みたいなガッツリのヒップホップは僕たちの楽曲にほとんどなかったので、今回のラップにはかなり苦戦しましたね。抑揚の付け方もそうですけど、ちゃんと聴き取れるように言葉の羅列を一つひとつきれいに発音するようにするとか。あと、韻を踏むように考えられていることもあって、歌詞が似てるところも多いんですよ。気付いたら“2番じゃなくて1番を歌ってた!”とか。普段だとあまりないような部分での録り直しが多くなっちゃいました」
歩夢「こういう感じのヒップホップはラブワンだとやってこなかったんですけど、僕自身はヒップホップがすごく好きで、普段からよく聴いているんです。だから、あんまり苦手意識っていうのはなくて、聴いた感じをそのままのイメージで歌ったら割といい感じになったかなって。男子メンバー4人の声が入って完成した楽曲も、デモ以上の仕上がりになって、自分たちで作り上げた感がすごくあります」
――ちなみに、ラスサビの<マジで超やべぇ…>を歌っているのは誰ですか?
洸瑛「僕です!」
――歌い方が絶妙でした!
洸瑛「本当ですか!?実はそこ、いつもレコーディングを担当してくれてるエンジニアさんが“マジでいいね”って言ってくれたんですよ。“キター!”ってなりましたね(笑)。そこ以外はグダったんですけど(苦笑)、ここは自分の中のイメージと実際に出した声がハマった感覚があったんですよね」
――これまでやってこなかったことに挑戦したからこそ、新しい発見もありますよね。そういった意味で、今ここにいないメンバーも含めて注目してほしいポイントを教えてもらえますか?
杏莉「「ハイスイノジン」のラスサビで一番高いキーを歌ってるのが、女子の最年少メンバー・藤咲碧羽なんですけど、碧羽はすごい広い音域の持ち主で。でも、9人で歌う楽曲だとそこまで高いキーがないんですよね。そんな碧羽の見せどころ、強みが一番出ているのが、この楽曲のラスサビなんです。しかも、一旦音が止まってから碧羽の声が入っていて、音源もですけど、生で聴くともっと鳥肌ものなので、そこはぜひ生歌を聴きに来ていただきたいなって思います」
洸瑛「「マジで超やべぇ」で言うと、(相原)一心のはしゃぎ具合ですかね。MCとかメイキング映像なんかでは割とみんなワチャワチャしているんですけど、パフォーマンスとなると楽曲の世界観もあるのでそこまでワチャワチャはしていなくて。特に一心は、ステージでは落ち着いてるイメージがあって、そんな一心が「マジで超やべぇ」だと暴れ狂うというか、ステージ中を駆け回るんです(笑)。普段とのギャップが出ることで、この楽曲の良さがより伝わるんじゃないかな?って思います」
イーチ「私がいいなっていうか、キャラクターに合ってるなって思うのが、「マジで超やべぇ」のあむ(歩夢)なんです。2番の頭の部分とか、自分の表現の魅せ方がすごく上手で。あむはよくリハの前とかに好きなK-POPのダンスを踊っていたりするんですけど、それが活かされてるなぁって。男子の場合、振りっていうより自分の好きに踊ってって感じだと思うんですけど、だからこそ自分の魅せ方を知ってることがよくわかって、“すごいな”って思いながら見ています。だから、みんなにもそこを注目してもらいたいですね」
歩夢「いやいやいや。恥ずかしい〜(照)」
――(笑)。では、そんな歩夢さんの、今回の2曲で注目してほしいメンバーやフレーズは?
歩夢「んー…そういう意味では、みんなに合っていると思います。誰かが普段と違うとか、誰かがずば抜けているとかじゃなくて、全員。それぞれのいいところが楽曲に出ていると思うし、一人ひとりの個性が楽曲に反映されていると思います。みんなが注目ポイントですね!」
洸瑛「うまくまとまりました!」
――(笑)。
――今回の楽曲はどちらも放課後の教室で交わされるようなことをテーマにした歌詞ということもあり、キャッチーなフレーズがたくさん出てくるのが印象的でした。その中から1ワードずつ選ばせていただき、それにちなんだ質問をさせてもらってもいいですか?
洸瑛「もちろんです!」
――では「ハイスイノジン」から。みなさんが<致死量グライ>食べたいものは何?
イーチ「フルーツかな。生クリームだと甘すぎて、“うっ…”ってなっちゃうと思うから、ちょっとさっぱりするものがいいかなって思います」
杏莉「私は大好きなアイス。イーチが言ったように、スイーツだと胃への負担が重そうなので(笑)、アイスぐらいがちょうどいいかなって。いろんな種類のアイスを食べたいです」
洸瑛「僕はナタ・デ・ココです。自動販売機とかでナタ・デ・ココのジュースが売ってると買っちゃうくらい、好きなんですよね。ナタ・デ・ココなら食べすぎて死んでもいいです(笑)」
歩夢「僕はお菓子。ポテトチップスとグミがあったら最高ですね」
――続いて「マジで超やべぇ」からは、<ドーパミン>が<止まらない>くらいアガる瞬間は?
洸瑛「これはやっぱり、ステージに出て行って、キャー!ってなった時でしょ」
歩夢「あれはヤバいね」
洸瑛「特にワンマンライブとかだと歓声も一際大きいので。だから、ライブの開幕からボルテージはマックスですね。ドーパミン、めっちゃ出てます!」
杏莉「ステージに出る数秒前まではむしろ緊張マックスで、“ヤバい、ヤバい”って、みんなで背中を叩きあってなんとか緊張を紛らわそうとしているんですけどね。それこそ先日のワンマンライブは初めて声出しが解禁になったので、ステージに登場した瞬間、みなさんがキャー!って大きな声で言ってくださって、私たちも思わずニヤけちゃうみたいな(笑)」
洸瑛「1曲目はバチバチにキメる楽曲だったのに、ちょっとニヤけるみたいなね(笑)」
――やっぱりライブに勝るシチュエーションはない感じですかね?
洸瑛「あれ以上のものはなかなか…」
歩夢「あ、僕、一個ある」
洸瑛「お!何?」
歩夢「これはたぶん男子高校生ならではだと思うんですけど、中学生とか高校生の時って、たまにモテることってあるじゃないですか。例えば、体育祭で走ったりしてると、キャー!みたいな。そういうの、やっぱりうれしいし、テンションもアガるし」
洸瑛「それは確かにドーパミン出るわ」
歩夢「だよね?そういう時もステージに出た時と同じくらい、嫌なこととか全部忘れてめちゃくちゃ気分良くなります(笑)」
杏莉「それで言うと、女の子の場合は逆じゃない?自分がモテたらドーパミンが出るっていうより、例えば、人気がある男の子を見ただけでキャー!ってなるというか」
イーチ「確かにそうかも!」
洸瑛「なるほど!男子は欲しがりだけど、女性の場合は自分が行くことでテンションがアガるみたいな」
――推し活みたいな感じですかね。
杏莉「そんな気がします」
洸瑛「おお〜。なんかめっちゃ納得しました!(笑)」
――納得のいく結論に辿り着いて良かったです(笑)。
――では最後になりますが、残すところ2か月あまりとなった年内の予定や来年に向けての抱負などを教えてください。
歩夢「年内はいろんなイベントに出させていただく予定です」
杏莉「そして、来年は年始早々、1月8日に5thワンマンライブ「ONE LOVE ONE HEART Oneman Live2024 “Sky’s the limit”」があります!」
洸瑛「なので、年内は年明けのワンマンライブに向けて準備をするって感じが強いですね」
杏莉「それこそ私たちにできることすべてをこの2か月間に注ぎ込んで、1月のワンマンライブでは、成長した姿をみなさんにお見せしたいと思ってます!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣