──ニューアルバム『Primary Colors』は、日本語、英語、韓国語の3ヵ国語で構成されています。そこから紐解いていきたいと思いますが、まず英語はどのように学ばれたのですか?

「英語は小さい頃からずっとやっていたんですよ。それこそプリスクールに通ったりだとか、海外に行く経験もよくしてましたし。あと、家で流れていたのが洋楽だったので、英語には常に触れていました」

──なるほど。そして12歳で韓国に渡り、YGエンターテインメントの日本人初の練習生として6年間学ばれたそうですね。ちょうど成長期でフィジカル面でもメンタル面でも、いろんなことを吸収されたと思いますが、振り返ってみていかがですか?

「当時は練習生として、それこそ作詞作曲も、ダンスも歌うことも、実際に今自分がしていることのすべての基礎を学びました。それにプラスして、アーティストとしての姿勢といったものも学ばせてもらったので、かけがえのない時間でした」

──言葉の壁を感じることもありましたか?

「言葉の壁はすごいありましたね。当時は韓国語をしゃべれたわけでもなかったので、最初の方は翻訳機を使ってしゃべったりもしてました。日本語がしゃべれるスタッフさんはいたんですけど、練習生の仲間に日本語をしゃべれる人がいなかったので、早く習得しないと、自分が伝えたいことが伝えられない、ということもあったので頑張りました」

──日本に戻ってくるきっかけになったのが、韓国で観たONE OK ROCKのライヴだったそうですが、そこでNOAさんはどういう影響を受けたのでしょう?

「その当時、日本に戻ってソロアーティストとして活動するかどうか、すごい悩んでいた時期だったんです。そんな時にONE OK ROCKさんのコンサートを観て、日本のアーティストでこんなにも海外で活躍されている方がいるんだって、勇気をもらえたというか。背中を押していただいたんです。ONE OK ROCKさんのパフォーマンスや曲ももちろんなんですが、存在としてもこういう人たちになりたいなと思わせていただいて。あの日ONE OK ROCKさんのコンサートに行かなかったら、僕は今どうなってたんだろうな?っていう思いはあります」

──日本に戻られて、2020年にデビュー、2021年にメジャーデビューと、傍目にはとても順調にアーティストへの道を歩まれているように見えていますが、ご自身はどう感じていらっしゃいますか?

「2020年にデビューさせていただいたんですけど、コロナ禍でのデビューだったので、自分がデビューする前に望んでいた景色とはまったく無縁の状態で、デビューした気がしなかったというか……一昨年ぐらいからライヴができるよう環境になって、ようやくデビューしたような気持ちになれたっていう感じだったので、デビューさせていただいたことはすごく嬉しいことなんですけど、その中には悔しさや寂しさ、大変さみたいなものがありましたね」

──確かにそうでしたね。2023年には1stアルバム『NO.A』のリリースや、初のワンマンライヴ、そして有明アリーナ2daysと、とても大きな経験をされました。2023年は改めて振り返ってみて、どんな一年でしたか?

「本当に初という言葉がつく出来事がたくさんありましたね。1stアルバムとか1stワンマンとか。だから初心に戻ったような気持ちで、とにかく今は走らなければいけないという感覚でずっとやっていました。良くも悪くも前だけを見ていて、後ろや横を無数に突っ走ったので、終わった時に“もうちょっとこうやっていたらよかったのかな”と反省することもありましたね。ただ、『NO.A』というアルバムは僕にとって、生まれた時からの23年間を表しているような作品だったので、第一章としてふさわしい一年になったんじゃないかなと思っています」

──1stワンマンライヴのステージから観た景色や、その時の熱量を覚えていらっしゃいますか?

「もちろん覚えています。実際にライヴが再開できても声が出せないという状況が何回かあったんですけど、ワンマンをする時にはそれが解除されていて、出て行った時にみんなのわーっ!という歓声を聴いた時には、これが聴きたかったんだっていう気持ちになりました。みなさんの声がステージに立つ人間にとって、どれだけエナジーになるかということを実感できて、すごい素敵な空間だなということを改めて認識させてもらいました」

──その後は初のアジアツアーも経験されたのですね。

「海外のファンの方たちがSNS上で応援してくださっていることはいつも感じていたんですけど、これは日本でも同様だったんですが、“本当に実在するのかな?”みたいな気持ちがあって(笑)。実際にアジアツアーをするとなった時はすごく嬉しかったんですけど、“本当に待っていてくださるのかな?”と不安でした。でも、行ってみると各地でいろんなファンの方が待っていてくださって、それぞれの国で盛り上がり方が違っていて楽しかったです。タイでは言語が違うにも関わらず、僕の曲をみなさんで大合唱してくださったり、韓国では“今日のNOAくん、カッコいいね”とか伝えたい気持ちをバンバン届けてくれたり」

──日本のお客さんはどんな感じですか?

「日本のお客さんはすごく曲を聴き込んでくださっていて、いろんな部分を見てくださっているんだなと感じていました。だけど、わーっ!となりたいんだけどちょっと抑えてるような感じもあったので、それをもっといい感じにしたいなと思って「between」という曲で掛け声を入れる部分を作ったんですよ。声を出さなきゃいけない環境になれば、みんなもナチュラルに楽しめるのかなと思ったりして」

──それは素敵なコミュニケーションですね。初めてのアリーナ公演で得たことはどんなことでしょう?

「EX THEATER ROPPONGIでの初ワンマンから数ヵ月しかない中で、どれだけ成長できるかなっていうのが自分の中の課題でした。あの規模だからできる演出もありましたし、だからこそ苦戦した部分もたくさんあって。少しでも成長した姿をみなさんにお見せできたらいいなと思っていましたし、自分で曲を作っているからこそ、その曲のストーリーやメッセージみたいなものを表現できると思っていて、箱が大きくなればなるほどいろんなことができるので、ワクワクしながら準備しました」

──そういった経験が、新たな楽曲制作に影響を与えましたか?

「そうですね。先ほどお話した「between」もそうなんですけど、ライヴでもっとみんなと一緒に盛り上がるにはどうしたらいいんだろう?という些細な部分での反省点みたいなものがいっぱいあったので、それが曲作りに繋がったと思います。そういう意味で今回のアルバムでも、みんなで一緒に盛り上がれるような曲も作りましたし」

──『Primary Colors』というタイトルはアルバムのコンセプトでもありますが、その着想はどこから生まれましたか?

「僕は3ヵ国語をしゃべるんですけど、それぞれに人格が違っていて。そのことに自覚はあったんですが、曲に落とし込んだことがなかったので、その3人分を曲に落とし込むとなれば、アルバムが一番ぴったりだなと思ったんです。『NO.A』で見せられなかった姿をお見せできるし、僕も作りながら新しい自分に出会えるんじゃないかなという思いもあったりしたので、このコンセプトはアルバムを作るってなった時にすぐに決まりました」

──サウンドプロデューサーのSunny Boyさんとは、どんなふうに進めていかれたのですか?

「色というテーマがあったので、Sunnyさんとのやり取りもすごくスムーズでした。お互いのストックを使って作り上げたアルバムで、そのストックの状況から、“この曲は何色だね、この曲は何色だね”っていうふうに分けていって。青の曲が赤っぽくなったらダメだよねっていう共通の意識があるからこそ、Sunnyさんとのコミュニケーションの中でも作りやすかったです。今回は音の面でも前作以上にこだわって作っていったんです。たとえば耳元でじっくり聴き込んでもらいたい音だったり、大きな会場で聴いていただいた時にはこういう鳴り方をするだろうなと、予想しながら音の部分を細かく作っていったので、アルバム自体に厚みが増したと思います」

──赤、青、緑と、楽曲ごとに色分けされているのがすごく面白い試みだと思いました。赤は力が湧いてくるようなものだったり、ラヴソングにしても激情だったり、ちょっとドロっとした感情を吐き出しているような感じがあって、青は片想いや別れの切なさ、緑はもうちょっと穏やかで、光があるように感じられました。

「まさにおっしゃっていただいた通りで、それが伝わったなら嬉しく思います。赤は燃え上がるような気持ちだったり、情熱的な部分だったり、アグレッシブになって言いたいことをストレートに言っているのが赤なのかなと思います。言語に分けた時も、韓国語が入った曲を今回2曲書いているのですが、どちらも赤なんですね。韓国語っていうキャラクターがそういうキャラクターなんだろうなと、人格として感じました。青はセンチメンタルだったりとか、別れをすごく美しく書かせてもらえたなっていう感覚があって。これは日本語をしゃべっている時の自分に一番近いかな。「imasara」っていう曲は日本語だけの曲なんですけど、それは僕にとって初めてのことで、すごく新鮮でした。日本のリスナーのみなさんにも、すっと耳に入ってくるような曲になったんじゃないかなと思います。緑は英語をしゃべっている時の自分に一番近くて。なんかこう、よりフランクで自由な感じ(笑)。少し切なさもあるんだけど、その中にちゃんと幸福感とか希望みたいなものがあったりして、元気が出るような楽曲になっているんじゃないかなと思います」

──それぞれの色の雰囲気は、NOAさんのヴォーカルにも影響を与えているように感じますね。

「いわゆる人格が変わるかのような歌い方を意識したかもしれないですね。赤は情熱的だったりとか。その曲のキャラクターが声だけでもわかるように意識してレコーディングに挑みました。また、お芝居じゃないですけど、しゃべっているように歌う曲もあれば、訴えているように歌う曲もあって、それぞれの曲の魅力を引き出せるように意識しました」

トップス 3,960円(税込)/ヘルスニット × ビーミング by ビームス(ビーミング ライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店)、パンツ 165,000円(税込)/KAMIYA(THE PHARCYDE)、ネックレス 143,000円(税込)/JOHAN SILVERMAN(TEENY RANCH)、ベルト 28,600円(税込)/TANNER BATES(真下商事)、ブレスレット 157,300円(税込)、リング 56,100円(税込)/GARNI(ガルニトウキョウ)、ブーツ 28,600円(税込)/Timberland(VF ジャパン)

──その中でNOAさんにとってキーになっている楽曲はどの曲ですか?

「やっぱりリード曲の「COLORS」ですかね。この曲は唯一の色がない曲なんです。それは、まだひとつの色に染まりたくないっていう僕自身の思いもありますし、聴いてくださる方、ライヴに来てくださる方たちと、それぞれの色を重ね合わせて色を生み出していきたいっていう思いで作った曲でもあるので、ここから始まっていく新しいチャプターのオープニングにふさわしい曲なのかなって思います」

──最後の曲「00:02(You&I)」は、どう読むんですか?

「トゥー・セカンズです。これは君の1秒と僕の2秒を足した2秒、っていう意味なんですよ。この曲はファンのみなさんに向けたメッセージソングとして書いたものなんですけど、聴く人それぞれで家族を想っていただいても合うと思うし、友達だったり恋人だったり、それぞれの部分で共感していただけるパートがあると思うので、そこをぜひ感じ取っていただけたら嬉しいなと思います」

──ゴスペルのような多重コーラスも入っていますよね。

「あのコーラスは、実はファンの方たちの声なんです。曲の中にファンの方たちの声を入れるっていうことは前作を作っている段階から、アイデアとしてあったんですよ。それを今回実現したいと昨年10月に思って、今年の頭にファンミーティングを控えていたので、いいタイミングだと思ってそこで録らせていただいたんです。6公演あったので、6回録らせていただいて、そこでハモリも録りました」

──そうだったんですね!それはファンのみなさんも楽しみにされていますね。「between」を最初に聴いた時は青かなと思っていました。

「そうなんですよ。色分けする時に「between」を青っぽく感じる人もいれば、赤っぽく感じる人もいて、だからあえて赤と青の間に置いたんです。そうすることでグラデーションになって、少しずつ色が変わっていくような感覚で聴いていただきたいなと思って、このトラックリストにしました」

──NOAさんの歌詞はストーリー性があって、イメージがどんどん広がっていくなあという印象がありました。NOAさんは歌詞を書くためにどんなインプットをされていますか?

「何かの作品を見て、そこから得ることもあるんですけど、僕は散歩することが大好きで(笑)。散歩しながら音楽を聴いて、音楽を聴きながら目の前に広がる世界に入っていくんです。街で歩いているカップルを見たり、友達同士で楽しく遊んでいる様子を見たりして、勝手に自分の中であの二人はこうなのかな?とか、こうなったらいいなとか、そういうことを想像しながら書くことが多いですね。そこにプラスαで僕の実体験を重ねたり、友達の話を聞いたこと、友達の話を聞くとその子がどう思ったのかとか、今どう感じてるのかっていうことを細かく聞けるので、それをヒントにして書くこともあります」

──ちなみに、NOAさんは何色が好きなんですか?

「一番好きなのは紫なのかなと思います。すごいバキッとしている色というわけでもなく、雰囲気があるなって思っていて。紫を見ると落ち着くし、色気を感じることもある。すごい好きな色ですね」

──完成した『Primary Colors』を、どんなふうに聴いてほしいですか?

「アルバム自体は1曲目から聴いていただきたいなって思います。楽しみ方としては、今日は気分的に赤っぽいなとか、ちょっと寂しい青っぽいなとか、日によってもいろいろとあると思うので、そのタイミングで自分自身の気持ちやモードに合ったものを聴いていただいても楽しいと思います。聴くとたぶんライヴに行きたくなると思いますので、ぜひライヴに足を運んでいただきたいなと思います。初めての方も、僕は待ってますよ」

──少し先になりますが、どんなツアーにしたいと思っていますか?

「各地をまわって、いろんなファンの方と会えるので、とてもワクワクしています。ライヴとしては、アルバムの中でいろいろな新しい試みをやったので、演出面でもとにかく新しいことをしたいっていう気持ちがあって。その新しいことがどういうことなのか、僕もまだわかっていないので、それを探していくのもすごく楽しみです。この『Primary Colors』っていうアルバムは色を題材としているので、赤の楽曲だったら、その赤がより伝わるようなライヴにしたいなと思ってますし、この楽曲たちの世界観とともに、みなさんと楽しい時間を送れたらいいなと思っています」

──これから挑戦してみたいことは?

「今年も引き続きアジアツアーは挑戦したいなと思っていますし、今回は『Primary Colors』で韓国語、英語も使って曲を作りましたが、次はお芝居の方でも韓国語や英語で挑戦してみたいという気持ちがあります。僕の大きな武器として成長させていくという意味でも、幅広く挑戦していきたいなと思っています」

(おわり)

取材・文/大窪由香
写真/野﨑慧嗣
スタイリング/菅沼 愛、青山凪咲(アシスタント)
衣装協力/ビーミング ライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店(047-436-6500)、THE PHARCYDE(070-6660-0692)、TEENY RANCH(03-6812-9341)、真下商事 (03-6412-7081)、ガルニトウキョウ(03-3770-4554)、VF ジャパン(0120-558-647)

LIVE INFO

"Primary Colors" IN TOKYO ~You ready for this?~
7月25日(木)LINE CUBE SHIBUYA(東京)

"Primary Colors" HALL TOUR IN JAPAN FLASHING LIGHTS
10月8日(火)大宮ソニックシティ大ホール
10月12日(土)仙台電力ホール(宮城)
10月18日(金)Niterra 日本特殊陶業市民会館フォレストホール(愛知)
11月1日(金)福岡市民会館
11月4日(月)グランキューブ大阪
11月6日(水)パシフィコ横浜国立大ホール

NOA『Primary Colors』DISC INFO

2024年5月29日(水)発売
初回限定盤A(CD+Blu-ray)/TYCT-69298/6,600円(税込)
初回限定盤A(CD+DVD)/TYCT-69299/5,500円(税込)
ユニバーサル ミュージック

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NOA『Primary Colors』

2024年5月29日(水)発売
初回限定盤B(CD+Blu-ray)/TYCT-69300/6,600円(税込)
初回限定盤B(CD+DVD)/TYCT-69301/5,500円(税込)
ユニバーサル ミュージック

NOA『Primary Colors』

2024年5月29日(水)発売
初回限定盤C(CD)/TYCT-69302/4,400円(税込)
ユニバーサル ミュージック

NOA『Primary Colors』

2024年5月29日(水)発売
通常盤(CD)/TYCT-69303/2,200円(税込)
ユニバーサル ミュージック

NOA『Primary Colors』

2024年5月29日(水)発売
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤(CD)/PDCV-1238/2,200円(税込)
ユニバーサル ミュージック

2024年5月29日(水)発売
NOANA限定盤(CD)/PROV-1065/2,530円(税込)
ユニバーサル ミュージック


※NOA Official Fanclub「NOANA」限定

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