──3rd ALBUM『Kawaii Future IDOL』がリリースされました。キュートでポップなエレクトロサウンドとダンスミュージックとしてのクオリティが同居した、いわゆる“Kawaii Future Bass”というジャンルの最新型と言える作品に仕上がっていますね。
眠岸ぷりん「“インキャ”にしか歌えない歌を歌って、インキャに寄り添っているところは変わらないんですけど、今回は“Kawaii Future Bass”というジャンルを代表するアーティストさんがたくさん参加してくださって、音楽的には今まであまりなかったタイプの楽曲に挑戦しています。今までのファンはもちろん、新しい層にも聴いてもらえるアルバムになりました。新しい層に知ってもらうために、すでに自分たちでDJイベントを開催したり、出演したりもしたんですけど、普段はアイドルを聴かないような人たちが反応してくれたり、手応えもあります」
ひなたゆま「DJイベント以外には、子どもたちが来れるような施設でイベントをしたり、アイドルファン以外にも受け入れられるような試みはいろいろしているので、このアルバムをきっかけにどんどん広がっていけばうれしいです」
柊真ミフユ「私はもともとフューチャーベースが大好きで、『Kawaii Future IDOL』に参加してくださったトラックメイカーさんたちも、NANIMONOに入る前に聴いていた方ばかりです。だから、まずは一人のフューチャーベース好きとしてすごくうれしくて、夢のようなアルバムになっています。今回のアルバムをきっかけにNANIMONOを知ってもらうことはもちろんですけど、フューチャーベースというジャンルが広がる入り口になればいいなとも思っています。フューチャーベースは、私が救われた音楽ジャンルなので」
ひなた「この7人の新体制になってから初のアルバムなんですけど、今までのNANIMONOが本当にやりたかったことが、やっとやれた部分もあります」
柊真「ついに挑戦できました! 今まで活動してきて、やっとこういうタイプの曲を乗りこなせるようになったというか…そういう意味では、これまで培ってきた歌の表現力や技術が詰まっていると思います」
輪廻ねる「初回限定盤のジャケットの衣装のコンセプトは、“サイバーナース”です。これまでは魔法少女とか、“一緒に敵と戦おう!”というコンセプトの衣装が多かったんですけど、今回はナース。だから同じ応援ソングでも相手に寄り添う曲が多くなっています。そこは、今回のアルバムの特徴の一つです」
朝比奈ろん「私は今年の6月に加入した新メンバーなので、その前はいちファンとしてNANIMONOを見ていました。今回のアルバムは、その頃の私が聴いたら“NANIMONOって、こういう歌も歌えるんだ!”って驚くと思います。「キュートアグレッション!」ではとにかく可愛い歌声で癒しつつ、「サナトリウム」や「24h / TOKYO」は今までにないチルい楽曲で…この1枚で、いろんなNANIMONOを楽しんでいただけると思います!」
和田あずさ「私も今年の6月にNANIMONOに加入したので、新メンバーが入ったことで新しくなったNANIMONOをいろんな人に届けられるチャンスが、このアルバムだと思っています。私とろんが加入前にリリースした楽曲を再レコーディングしたMカード(初回限定盤にパッケージ)も含めて、このアルバムを機に新しいNANIMONOを知ってほしいです!」
紫苑りんか「『Kawaii Future IDOL』は、今のNANIMONOの覚悟が詰まったアルバムです。“インキャにやさしい世界を作りたい”という活動の軸はそのままに、もっともっと男女も年齢も問わず、世界の人たちにNANIMONOを知ってほしい…そういう想いが込められた1枚です」
ひなた「本気でここからどんどん広がっていきたいと思っていますし、どの曲にもメンバーの強い想いがあるので、今の私たちもそうですけど、これからの私たちも感じられるアルバムなんじゃないかな?…って」
紫苑「あと、「24h / TOKYO」の振付は私がさせていただきました! それぞれの個性や技術、ふとした表情がしっかり出せる振付にしているので、“こんなNANIMONOもあるんだ!”と思ってもらえたらうれしいです。振付の難易度は高いですけど、みんなポテンシャルが高いのできっと大丈夫です!」
──「24h / TOKYO」=コンビニエンストウキョウというタイトルにちなんだ質問ですが、東京という街は好きですか?
眠岸「私は好きです! 夜中でもお酒が飲める場所があって、お腹が空いたら宅配で注文もできるし!…私の地元の群馬は、夜が早いので(笑)」
和田「私も好きです。私は地元にいたときからパジャマで外出していたんですけど、地元だと白い目で見られるんですよ。当時は、それが怖かったです。でも、東京はいい意味で無関心というか、パジャマで外出しても“受け入れられている“って気持ちになることが多くて。冷たい感じが逆に温かいというか…私にとってはいやすい場所です。東京は、私みたいなパジャマ人間も容認してくれる街だなって」
柊真「私はけっこうしんどいです。散歩をするのが好きなんですけど、東京は落ち着ける場所が少ないし、ビルが多くて空が狭いので、散歩をしていてもストレスになるんです。だから、ゆっくり散歩したいときは地元の横浜に帰るか、おばあちゃんの家がある埼玉に行って緑と滝、広い空を見て落ち着きます。でも、東京にいるときは窮屈感でスイッチが入るというか…いるだけでアイドルとして活動する切り替えになるので、それはそれでいいかな? 好きなところだと思います。ただ、東京にいるときは好きな音楽が私には必須です。仕事があったり、すぐには田舎に帰れないじゃないですか。そういう人、多いんじゃないかな? 東京にいて、ほっとする瞬間を必要としている人。それがおいしいものを食べることっていう人もいると思いますし、寝ることって人もいると思いますけど、今回のNANIMONOのアルバムがその1つになればいいなって思います」
──11月1日からは、南は沖縄、北は北海道までをめぐる全17公演のNANIMONO 3rd ALBUM RELEASE TOUR 『Kawaii Future IDOL』がスタートします。来年1月3日に、東京 LINE CUBE SHIBUYAでファイナルを迎えますね。
輪廻「ライブのセットリストはメンバーで考えるんですけど、そこでしか見られないライブをしたいので、NANIMONOはライブごとにセトリが変わります。それぞれの地域の県民性とかも考えて、この地域はシャイな人が多いからこんなセトリ、逆に大阪はノリがいいので振りコピができる曲を多めにとか。沖縄では波の音をSEで流してメンバーがステージに登場したり、同じライブは1つもないので、ツアー全公演に来ていただいても絶対に楽しませます!」
眠岸「アルバムにも収録している「ただただ怠惰」では、毎回ライブごとに自分の怠惰なエピソードを話しているんです。今回のツアーではそのご当地バージョンというか、その土地に合った怠惰エピソードを披露したいです。例えば北海道や青森だったら、“雪かきを後回しにしてたら、玄関のドアが開かなくなっちゃった!”とか!」
朝比奈「全国ツアーは初めてなんですが、NANIMONOに加入してからの数ヶ月で一つひとつのライブを大事にしているグループだということは理解しています。その気持ちをステージから届けるというか、私も“しっかりライブを大切にしているよ”っていう姿を見せたいです。あと、ゆまのお父さんにまだ会ったことがないので、ゆまの地元の青森でのライブで初対面するのが楽しみです!」
ひなた「私のお父さん、NANIMONOが大好きなんです。ファンの方にも、私のお父さんって認知されてます(笑)」
朝比奈「北海道にいる親戚も、みんなに会わせたいな!」
ひなた「私の親戚、青森じゃなくて北海道のライブに来るって言ってるから、ゆまの親戚も会わせられると思う(笑)」
和田「新メンバーなので、全国のファンのみなさんにしっかり挨拶をして、新しいNANIMONOを見てもらうツアーにしたいです。ファイナルのLINE CUBE SHIBUYAには年下の親戚を初めて呼んだので、まだ学生の親戚たちを少しでも勇気づけられるライブをしたいです!」
柊真「前回のツアーではなかった地元の横浜でライブができることが個人的にはうれしいです。そのライブには、おばあちゃんを初めて呼んでいるんです。90歳になるんですけど、今までは怖くて呼べませんでした。すごく厳しい人で、“どうしてカラコンしているんだ”とか、“なんでそんな髪の色なんだ”とか、そういうおばあちゃんなので。でも、今はアイドルとしての私を応援してくれているので、緊張しますけど思い切って呼んでみました。来てくれるって言っているので、ツアーの初日ですけど最初からブーストをかけて頑張ろうかなと!」
紫苑「私も、ついに家族を呼びました。“アイドルをしている”って親に言えなかった時期もあったんですけど、やっぱり胸を張って“アイドル活動をしている“って、ちゃんと見てもらいたくて。それも含めて、私のアイドル人生の中でも何かのきっかけになるツアーにしたいです」
ひなた「私は、地元の青森のライブに初めて友だちを呼びました。今までは、恥ずかしくて呼んだことがなかったんですけど…」

──初めて家族や親戚、友だちを呼んだというメンバーが多いですが、それだけ今のNANIMONOに自信がある、見てほしいという証だと思います。
ひなた「今のNANIMONOには、見てほしいものがいっぱい詰まっているので。だからこそ絶対に見てほしいですし、自分自身も今のNANIMONOが大好きなので、ツアーでは全部出し切ります!」
紫苑「ただ楽しいだけではなくて、来てくださった人の心の拠りどころになったり、何かを変えるきっかけになったり、NANIMONOの音楽を通して人生の楽しみ方が増えたとか、そういうライブにしたいです!」
ひなた「その上で、目標にしている日本武道館ライブが見えてくるような発表がファイナルでできるように! いつかこの7人で最高の状態で日本武道館に立って、キラキラした景色をファンの方と一緒に必ず見たいです!」

(おわり)
取材・文/大久保和則
写真/中村功
RELEASE INFORMATION

NANIMONO『Kawaii Future IDOL』初回限定盤
2025年10月22日(水)発売
アルバムCD+Mカード+カラー・フォトブックレット/TECH-45564/4,500円(税込)

NANIMONO『Kawaii Future IDOL』通常盤
2025年10月22日(水)発売
アルバムCD/TECH-30565/3,000円(税込)
LIVE INFORMATION

NANIMONO 3rd ALBUM RELEASE TOUR 『Kawaii Future IDOL』
2025年11月1日(土) YOKOHAMA COAST garage+
2025年11月3日(月・祝) 福岡 DRUM Be-1
2025年11月7日(金) 米子AZTiC laughs
2025年11月8日(土) 広島SIX ONE Live
2025年11月9日(日) 愛媛 松山サロンキティ
2025年11月14日(金) 名古屋CLUB QUATTRO
2025年11月16日(日) 京都MUSE
2025年11月22日(土) 長野CLUB JUNKBOX
2025年11月24日(月・祝) 大阪 Yogibo META VALLEY
2025年11月29日(土) 足利ライブハウス大使館 ホールB
2025年11月30日(日) 新潟NEXS
2025年12月5日(金) 青森Quarter
2025年12月6日(土) 函館club COCOA
2025年12月7日(日) 札幌PENNY LANE24
2025年12月20日(土) 沖縄 桜坂セントラル
2025年12月21日(日) 沖縄 桜坂セントラル
2026年1月3日(土) LINE CUBE SHIBUYA