──2nd Single『もしも私がアイドルになれたら/ただただ怠惰』がリリースされました。「もしも私がアイドルになれたら」は、ちょっとメロウで心地良いメロディーとエレクトロなサウンドが魅力的な楽曲ですが、アイドルであるみなさんが「もしもアイドルになれたら」という想いを歌う“メタアイドルソング”になっています。古くは小泉今日子さんの「なんてったってアイドル」に始まり、AKB48の「アイドルなんて呼ばないで」や「アイドルなんかじゃなかったら」、Negiccoの「アイドルばかり聴かないで」、せのしすたぁの「アイドルなんてなっちゃダメ!ゼッタイ!」など、様々な視点から歌われるメタアイドルソングがありましたが、そんな“メタアイドルソング史”に新たな1ページを刻む楽曲になっていますね。

ひなたゆま「今はNANIMONOで夢を叶えていくことが本当に楽しいんですけど、NANIMONOに入る前の私は“アイドルになりたい”という夢を人に話すのが怖くて…親に言うこともできませんでした。でも、当時の私に芸能界を勧めてくれた方に“あなたの夢は恥ずかしいことじゃないんだよ”と言っていただいて、青森から上京する決心をしました。そんな私だからこそ“あなたの夢は恥ずかしいことじゃないよ!”と思いますし、「もしも私がアイドルになれたら」を聴いて、“頑張りたいことや進みたい道に進んでいいんだ”って思ってもらえたら、うれしいです。アイドルになるために青森から上京した私だからこそ、歌える歌だと思っています!」

柊真ミフユ「私はもともと作曲(作詞のこゆびちゃんと共作)と編曲をしてくださったKOTONOHOUSEさんが大好きで、そんな方に作っていただけたことにテンションが上がりましたし、何よりうれしかったです。歌詞にも、すごく共感します。私は小さい頃から自信がなくて、“夢がない”とずっと言い続けていたんです。でも、本当はやりたいことがあって、“歌いたい”とも思っていました、それでも自信がなくて“夢がない”と言い切って、自分に暗示をかけて生きてきました。そこからいろんなご縁をいただいてNANIMONOのメンバーになった今は、自分を信じるようになって。だからこそ、「もしも私がアイドルになれたら」は自分自身に刺さりますし、大事に大事に育てていきたい曲、ライブを重ねながら一緒に成長していきたい曲だと思っています。そんな「もしも私がアイドルになれたら」が聴いてくださった方にも響いて、“自分も頑張ってみようかな?”と思ってもらえたら、すごくうれしいです」

朝比奈ろん「私自身、今年の6月にNANIMONOに加入してアイドルになったばかりなんです。そんな状況でこの曲をいただいたので、“リアルな今の心境とすごく似ている“と思いました。アイドルじゃなくても夢への1歩を踏み出すのは本当に大変ですし、私もアイドルへの1歩を踏み出すのは大変でした。それは私以外のメンバーも感じていることですし、そんなメンバーが揃っているNANIMONOだから歌える曲、私たちが歌っているから意味がある曲だと思っています!」

眠岸ぷりん「最近、“みんな、頑張ろうよ! 夢、叶えたらいいじゃん!”って、熱血な感じの曲が多いように個人的には感じていて…。でも、「もしも私がアイドルになれたら」は、聴いてくれる人に寄り添ってそっと背中を押してくれる曲です。私のパートに<あのね あのね>という歌詞があるんですけど、そこはレコーディングの時に“隣の人に耳打ちする感じで”とディレクションをしていただいて、実際に耳打ちをしているようにマイクに手をかざして歌いました。イヤフォンやヘッドフォンで聴いて、耳元でささやかれている感覚になってもらいたいです。あと、私たちメンバーは全員インキャなんですけど、世の中にはびこるインキャ全員に聴いてほしいです!」
──でも、陽キャにも聴いてほしいですよね?
眠岸「それはもちろん! でも、ライブやイベントでいろんな場所に行かせていただくと、インキャがすごくいるんですよ。“こんなにいるんだ!?”ってくらい(笑)。でも、それはそれとして…陽キャにも聴いてほしいです。インキャも陽キャも、人生で1回でも夢を見たことがある人は全員に!…そう考えると、全人類に聴いてほしいです(笑)」

──ねるさんはいかがですか?
輪廻ねる「「もしも私がアイドルになれたら」は、すごく共感できる曲です。私は栃木の宇都宮の田舎の小学校に通っていたんですけど、“アイドルになりたい”って夢を認めてもらえない環境だったんです。周りに田んぼがあるような小学校で、田舎の特徴なのか小学生なのにみんな現実的で…。だから、“アイドルになるのは大変だし無理だよ”、“大学に入って公務員になるのがいいんだよ”って同級生に言われていました。それで一度は心が折れました。でも、歌詞にある<朝目が覚めて 確かめてみても やっぱり 気まぐれなんかじゃないの 心の中に芽生えた気持ち>と同じで、中学生になっても高校生になっても“アイドルになりたい”という気持ちは消えなくて。だったら、周りには“無理だ”と言われても、人生は一度しかなくて、踏み出したら後に戻れないかも…でも、踏み出さなければ時間は過ぎていく。“じゃあ、やってみるしかない!”って踏み出しました。アイドルじゃなくても、仕事じゃなくても、小さい趣味でもいいと思うんです。それが性に合って生きがいを見つけられるかもしれないですし、仕事につながることもあるかもしれません。だから、どんなことでも何かに挑戦したいと思っている人はこの曲を聴いてみてほしいです。必ず共感できると思います」

紫苑りんか「歌詞に<言えない 言えない ママやパパには>というフレーズがあるんですけど、私自身がそうでした。最近まで法律事務所で働いていて、アイドルをやっていることは親に内緒にしていたんです。今はバレてるんですけど(笑)。親がTikTokを見ていたら、私が出てきたみたいで(笑)。私がアイドルをしていることを知ってからは、応援してくれています」

和田あずさ「ろんと一緒で私も6月にNANIMONOに加入したばかりなんですけど、その前に学生の頃からアイドル活動はしていました。学生時代はアイドルをやっていることを知った周囲の人にバカにされましたし、いじめられたりもしました。でも、自分がやりたいことはやりたい。自分が好きな人には自分の夢を伝えたい。ただ…って葛藤がこの曲には描かれています。この曲を歌って思うのは、周りの人に笑われても、大切な人に夢を言えなくても、自分がやりたいことは貫いた方がいい。そんなメッセージを、この曲を通して伝えたいです」

──「ただただ怠惰」はタイトルからもわかる通り、ひたすら怠惰な気分を歌いまくるという、とてもユニークな楽曲に仕上がっています。ちなみにみなさん怠惰というか、だらしなかったりいい加減な部分が実際にあったりするんですか?
眠岸「全員ありまくりです(笑)」
和田「私はだるくてだるくてだるくて、パジャマのまま仕事に行っちゃいまーす! 起きてから着替えるのがめんどくさいんです(笑)」
眠岸「毎日だよね」
和田「だから、みんなにパジャマしか服を持ってないと思われています(笑)」
──パジャマとしても使えるけど、外でも着られるような?
和田「いえ、入院したときに着るみたいな…(笑)」
紫苑「ペラペラのパジャマだから、冬はどうするんだろうっていう(笑)」
ひなた「私は、郵便受けを開けるのが面倒で。だから、大事な郵便物とかが届いていても、気づかなくて…“まずいなー”って思うんですけど、“めんどくさいなー”って(笑)」
柊真「ネット通販で買い物して、直接受け取るのが面倒だから宅配ボックスに入れておいてもらうんですけど、宅配ボックスを開けるのさえ面倒で結局は宅配ボックスが段ボールでいっぱいになります(笑)」
輪廻「炊飯器も食器も鍋もまな板も、何もない生活をずっと送っていて…。それをファンの方に話したら、“それはダメだよ! ちゃんと生きて!”って、鍋とフライパンのセットをプレゼントしていただきました。私は、そんなファンの方に救われています」
──じゃあ、今は自炊をするようになったんですね?
輪廻「鍋でお湯を沸かして、カップラーメンを食べています。“こんなに生活が豊かになるんだ!”って思いました」
眠岸「私、仕事がある日は朝、お風呂に入るんですけど、休みの日はいつお風呂に入ればいいのかわからないです。だから、休みの日はそのまま入らなかったり…(笑)」
柊真「風呂キャン界隈あるあるなんですけど、シャンプーとコンディショナーだったら、風呂キャン界隈の人はシャンプーが早くなくなるんですよ。風呂キャンの人は毎日お風呂に入る人より髪がベタついていて、入ったときに髪を2回洗うから(笑)」
朝比奈「私は寝るのが好きすぎて、休みの日に15時間ぐらい寝ちゃうことがあります。しかも、そういうときは近所のコンビニに行くのもめんどくさくなって、コンビニで買えるものをウーバーしちゃいます(笑)」
紫苑「みんなに比べたら、私の怠惰レベルは大したことない気がする…。あるとしたら、法律事務所で働いていたとき。法律事務所ってお客さんの対応が難しくて、間違えると裁判所が絡んでくるので(笑)。だから、なるべくお客さん対応を回避できるように、ひたすら大量の書類を4、5時間もかけてシュレッダーにかけていました。そしたら、退職する頃には“シュレッダーちゃん”って呼ばれていました(笑)」
眠岸「「ただただ怠惰」の<洗濯物が溜まって床が見えなくなっちゃった!>って歌詞は私の実話です。“何か怠惰なエピソード、ある?”って聞かれて、“洗濯物が溜まり過ぎて、1日に5回洗濯機を回しました”って答えたら、それが採用されました(笑)。あと、この前の話で、生ゴミを袋に入れるところまでは頑張っていたんです。ただそれを放置しちゃって、気づいたら玄関にタイ米がいっぱい落ちていました。私、タイ米は食べてないのに…」
──タイ米を食べていないのに玄関前にタイ米が落ちてるって…もはや怪奇現象じゃないですか!
眠岸「タイ米だと思ったら、虫の卵だったんです…キャー!」
紫苑「本当にあった怖い話(笑)」
眠岸「弟を緊急招集して、片付けてもらいました(笑)」
──そんなNANIMONOのみなさんですが、10月22日には3rd Album『Kawaii Future IDOL』のリリースが決定しています。どんなアルバムになりそうですか?
眠岸「内緒です(笑)。楽しみにしていてほしいですし、アルバムがリリースされるタイミングでまた取材してください!」
──アルバムのリリース後、11月1日からはリリース記念の全国ツアーが開催されます。
柊真「3rd Album『Kawaii Future IDOL』を引っ提げての全国ツアーになるので、NANIMONOの第2章になる今の新体制を見ていただける、新たな挑戦をしていきたいと思っています!」
ひなた「アイドルの新しい形を作って、私たちの未来がもっともっと楽しくなったり、“出会って良かったな”って思ってもらえるようなツアーにしたいです」
──ツアーファイナルは、年明け1月3日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催されます。
ひなた「いつか日本武道館のステージに立つことがNANIMONOの目標なんですけど、その目標を達成するためにも、まずはツアーファイナルのLINE CUBE SHIBUYAをしっかりと成功させたいです!」

(おわり)
取材・文/大久保和則
写真/中村功
RELEASE INFORMATION

NANIMONO『もしも私がアイドルになれたら/ただただ怠惰』Type-A
2025年8月20日(水)発売
TECH-15562/1,500円(税込)

NANIMONO『もしも私がアイドルになれたら/ただただ怠惰』Type-B
2025年8月20日(水)発売
TECH-15563/1,500円(税込)
LIVE INFORMATION

3rd Album『Kawaii Future IDOL』リリース記念 全国ツアー
2024年11月1日(土) YOKOHAMA COAST garage+
2024年11月3日(月・祝) 福岡DRUM Be-1
2024年11月7日(金) 米子 AZTiC laughs
2024年11月8日(土) 広島 SIX ONE Live STAR
2024年11月9日(日) 松山 サロンキティ
2024年11月14日(金) 名古屋CLUB QUATTRO
2024年11月16日(日) 京都MUSE
2024年11月22日(土) 長野CLUB JUNK BOX
2024年11月24日(月・祝) 大阪 yogibo META VALLEY
2024年11月29日(土) 足利 ライブハウス大使館 ホールB
2024年11月30日(日) 新潟NEXS
2024年12月5日(金) 青森Quarter
2024年12月6日(土) 函館club COCOA
2024年12月7日(日) 札幌PENNY LANE24
2024年12月20日(土) 沖縄 桜坂セントラル
2024年12月21日( 日) 沖縄 桜坂セントラル
2025年1月3日(土) LINE CUBE SHIBUYA