──新曲「Kenpa Dance」はとても中毒性の高い曲ですが、どんな反響が届いていますか?

「この曲のコレオはパパイヤ鈴木さんにしていただいたんですが、ティザーが流れた時点で“元気が出る”と言っていただけました。それに、パパイヤさんは私がライブでも歌って踊れるように振り付けをしてくださったので、歌っていないところは少しハードに動くような振り付けになっていて。アーティスト側からしてもすごくありがたいコレオでしたし、みなさんと一緒に踊れるすごく素敵な曲になりました」

──“Kenpa”というフレーズもとても印象的ですね。

「ありがとうございます。“ケンパ”と聞くと、足元でジャンプするイメージがあると思いますが年齢的にジャンプをしながら歌うのは難しいので(笑)、“ケン”をじゃんけんのグーに、“パー”はパーに例えて、手振りで踊れるように作ってくだいました」

──その振り付けは、年齢問わず、いろんな方に愛されるものになりそうですね。ちなみに、楽曲はどのように制作されたのでしょうか?

「実は、作曲家の方から別の曲を頂いていました。そこに歌詞を書いて送ると、インスピレーションが湧いたらしく、その歌詞に合わせた別の曲を書いてくださったんです! その曲もとても素晴らしかったですし、大好きなメロディラインになっていたので感動しました」

──歌詞を書くときに注意したのはどんなことでしょうか?

「“Kenpa”というキーワードだけは決めていたので、そこから想像力を働かせていきました。“Kenpa”というフレーズは、何度も連呼すると、犬が吠えているように聞こえてしまうんですよ。なので、どうしようかな?と思っていた時に、ゲームや遊びに夢中になっている時って、気持ちが高揚してHAPPYになることを思い出しました。その時に分泌されるセロトニンの状態を表現したらどうなるか…を連想して、恋愛中のドキドキやスリルなど、思ったことをノートに書き出して、作り上げていきました」

──ライブでも盛り上がる曲になりそうですね。

「はい。ライブで「夏色のナンシー」を歌うとファンのみなさんがきまった掛け声をしてくれます。さらに「DISCO de DISCO」はみんなで一緒にレコードを回すような振り付けをしてくれたり、「誘惑光線・クラッ!」では、私がステージから光線を送ったら、みなさんがキャッチをしてくれたりと、参加型のステージがすごく楽しいことを再確認しました。だからこそ、「Kenpa Dance」も会場が一体となって、みんなを巻き込んで歌えるような、そして踊れるような曲にしたいと思っています」

──早見さんの世代は、現在は当たり前となっている推し活のパイオニアの存在ですよね。同世代のファンのみなさんと一緒に遊ぶ感覚はすごく楽しいと思うのですが、いかがですか?

「すごく楽しいです。私を応援してくださる同世代のファンの方とは、人生百歳時代と言われている今、人生の後半生をどう楽しむか?ということをよく話しています。その時に、自分に余裕を持って、自分の時間を過ごすときに、ライブや音楽などを楽しめたら素敵ですよね。それに、私がデビューした時代は今と環境がまったく違いますし、当時は、ネットもなかったので、なんとなく同じ年の女の子が、テレビの向こうで歌っているという認識だったと思うんです。それが、40年の時間をかけて、結婚や子育て、今だったら介護など、似た人生経験をしてきて、お互いの距離がグッと縮まったと思っていて。だからこそ、私もみなさんから常に元気を頂いています」

──すごくいい関係を築かれているんですね。早見さんから見て、ファンのみなさんはどんなイメージですか?

「私のファンの方は、クールな方が多いんですよ。もともと私は、“守りたい”というタイプのアイドルではなかったので。さらに、“ハワイから来たバイリンガール”というキャッチコピーだったので、受験をする人や、勉強をしている人が共感して応援してくれる方がたくさんいました。そんなクールだと思っていた方々が、今も熱を持ってライブに来てくださるので、すごく嬉しいです」

──きっとファンの方は、早見さんがコンスタントに活動してくださることが一番嬉しいと思うのですが、次はどんな曲に挑戦したいですか?

「あまり先のことは考えていないですが…毎年、1曲1曲大切に歌っていると、インスピレーションが降りてくることがあるんです。それを表現しつつ、以前、Night Tempoさんがリミックスしてくださった私の昔の歌を聴くと、“アレンジだけでこんなに違う曲になるんだ!?”と感動しました。そこで踊る心地よさも感じたので、その時は“次は自由に身体が動くような曲を作りたい”と思って、「DISCO de DISCO」を制作したりと、いろいろ繋がっているので、これからも純粋に音楽を楽しんでいきたいです」

──そんな早見さんの曲を楽しめるライブは、さらに楽しみになりますが、早見さんにとってライブはどのような場所になっているのでしょうか?

ライブは一方通行ではなく、見に来てくださるファンのみんなとの心とエネルギーを交わし合う場所だと思っています。 今年の春に1966年生まれのアーティストが集まったイベントがあって、参加したアーティストの方々全員が、本当にキラキラしていました。この年齢だからこそ、ライブができることにありがたみを感じますし、みなさんが元気に私たちのエネルギーをキャッチしてくださって、その逆も然りと、エネルギーのキャッチボールが出来ていることを実感できたんです。私の人生にとって、本当に貴重な場所だと感じています」

──ライブへの考え方は、変化していきましたか?

「若い頃はなんとなく、テレビ出演の延長線上の考えでした。でも、今は歌番組も少なくなり、生で発信することによってみなさんの反応をキャッチできるのはライブ空間しかないので、より大切になってきたように思います。そのきっかけとして、以前、藤井隆さんがアルバムをプロデュース(『Delicacy of Love』)してくださり、藤井さんと初めてステージに立った時の衝撃がすごく大きかったです。これまでソロ活動しかしてこなかったので、他のアーティストさんとジョイントをすることから生まれる化学反応は新発見でしたし、目からうろこでした。その感覚を、この年齢になってできたことがすごく嬉しいです」

──藤井隆さんやNight Tempoさんは、歌謡曲への愛に溢れた方たちですよね。あらためて歌謡曲のすごさを感じたのではないでしょうか?

「そうですね。少し前までは、私たちが歌ってきた曲は懐メロと言われていました。でも、留学していた娘が、同級生の男子に“このアーティスト、知ってる?”と聞かれたのが、私だったんです! “それ、私のママだよ”と言ったらビックリしていたと聞いて、本当に日本の歌謡曲が海外で聴かれていることを実感しました。ストリーミングの時代になったからこそ、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデを聴いた後に、アルゴリズムで上がってくるのが昭和歌謡になるとは、想像できなかったことなので、“時代が変わったな”と思いました。そのおかげで、私が持ち歌を歌う時に、楽曲の持っている魔法でタイムトリップをして、“今の「夏色のナンシー」を届けよう”という気持ちになりました」

──すごく素敵なことですね。

「不思議と国内にいると気づけなかったことですが、外から歌謡曲の良さを気づいたというのが、日本らしいと思いますし、それだけあの時代は丁寧に曲を作っていたんだと改めて感じました。それに、昔はコンピュータで出来るものもなかったので、レコーディングではストリングスの方がずらっと並んでいて、演奏会のように録音していました。もちろん、今の方が音質もいいですが、当時のあの良さも素晴らしかったと思っています」

──そして、8月1日(土)に東京・大手町三井ホールで『夏色のナンシー祭り2026~ウルトラ★YES!~』が開催されます。どんなライブになりそうですか?

「「Kenpa Dance」を披露するので、その日には緊張しないで歌える状態になるように練習しておかないと!」

──緊張しますか!?

「します(笑)。「夏色のナンシー」とは歌い込みの回数が違いますし、ファンの方はこの曲と同じように聴いてくださるので、しっかりと自分のものにして届けなければと思っています。さらに来年はデビュー45周年になります。毎回、ライブを重ねていくうちに、どんどんアイディアが浮かんでいくので、思いついたものはすべてやってみたいです。今年もいろいろとサプライズがあるので、みなさんと楽しめたら嬉しいです!」

──最後に、今、プライベートでウキウキする瞬間はどんな時なのか、教えてください。

「やっぱりライブです。最近では、いろんなイベントに参加しているので、より実感することが多いです。松本伊代ちゃんと、森口博子ちゃんと一緒に3人で歌うことが多くて、すごく楽しいです。あと、山登り。今は日帰りが多いですが、いつか山小屋に宿泊するような本格的な登山を経験してみたいです!」

(おわり)

取材・文/吉田可奈

RELEASE INFORMATION

早見優「Kenpa Dance」

2026年325日(水)配信

早見優「Kenpa Dance」

LIVE INFORMATION

夏色のナンシー祭り2026~ウルトラ★YES!~

2026年81日(土) 17:00 開演 東京 大手町三井ホール

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