──まず、最初に来年2月の日本武道館公演『10th Anniversary 武道館大音楽会』が決まった心境から聞かせてください。

「今年3月にデビュー10周年イヤーが始まって、武道館公演は、来年の2月末に開催されるので、10周年を締めくくるのにふさわしい大舞台だという感じです。挑戦しがいのある公演です」

──今、お話にありましたが、2015年3月にミニアルバム『à la carte』のリリースでメジャーデビューしてから、今年3月に10周年を迎えた際の気持ちも聞かせてください。

10周年イヤーが始まったときはライブ活動をまだ休止していたので、これからどうなっていくかが不透明で不安でしたし、悩んでもいました。でも、実際に周年イヤーが始まってみると、自分が今まで積み重ねてきた10年間の楽しかった思い出とか、“こんなことがあったからこの曲が書けたな”というのを振り返る、良いきっかけになって。そこで、ようやく実感が湧いてきました」

──さくらさんにとってはどんな10年でしたか?

「本当にいろんなことに挑戦させてもらった10年でした。音楽以外の仕事もたくさんしましたし。2017年には、「春の歌」をカバーさせてもらったんですけど…」

──スピッツのカバーですよね。映画『3月のライオン』後編の主題歌でした。

「はい。<食べられそうな全てを食べた>という歌詞があって。音楽もいろんなジャンルに挑戦して、演技もして、舞台もやって、エッセイも書いて。目の前に出てきたもの、やれることを全部やったと思えていますし、まったく悔いがなくて。その時にやってみたかったこと、突然現れたもの、全てをひっくるめて、改めて、“私の歌だ”と思えました」

──そういう意味だったんですね。急に「春の歌」の話をし始めたから驚きました。

「ふふふ。NHK Eテレの音楽番組『ムジカ・ピッコリーノ』でもいろんな曲カバーしましたし、自分のラジオ番組でも毎週のように弾き語りをして。“これ、私の歌だ”と思えるようなカバー曲に出会えたこともありますし、自分が今までリリースした曲に救われたこともありました。今までやってきたことが全部無駄ではなくて、尊い10年間だった…そう振り返れることがすごく幸福なことだと思います」

──この10年間を振り返った中で特に楽しかった思い出を挙げるとすると?

「本当にいろんなことがあったんですけど、コロナ禍が明けてから弾き語りツアーで47都道府県回ったこと(『藤原さくら 弾き語りツアー 2022-2023 "heartbeat"』)かな?」

──福岡の大濠公園能楽堂や熊本の芝居小屋・八千代座、島根県の興雲閣など、普段はライブをやらないような国の重要文化財や有形文化財に指定されている会場もありました。

「そうですね。“日本にはこんなに美しいところがたくさんあるんだ”という旅気分も味わえました。一つ一つの場所で美味しいものを食べて、すごく近い距離でお客さんと目を見ながら MCをして、歌を届けられました。そういう意味でも、やってよかったですし、なかなか体験できないことだと感じます。あと、舞台やドラマで出会った人たちと友達になったりとか、ポッドキャストを始めたりもして。全部に意味を持たせる必要もないと思うんですけど、図らずも全部、“あ、これって、この人に出会うためにやったんだ”という出来事が10年の中でたくさんあって、すごく尊いです」

──特にご自身にとって大きな意味があったと思う出来事を挙げるとすると?

「正直に言うと全部なんですけど、1つだけピックアップするなら、今もその渦中にある発声障害に向き合うことです。これも、あともう少し経つと、より昇華できる気はしています。“こうなっていなかったら、こういう判断に及んでなかったな“ということがすでにたくさんありますし…音楽との向き合い方もいい意味で変わったというか」

──どう変わりましたか?

「コロナ禍の時に学んだんですけど、どうしようもない出来事って生きてるとたくさんあって。一見すると不幸ですけど、その中で自分がどういう選択をしたり、どういうふうに考えるのか?というのは選び取れるものだと思います。そういう意味では、今の状況はすごく大きい転機ですね」

──それでも歌うってことを手放さなかったのはどうしてなんでしょう? 様々なフィールドでやってきたさくらさんだからこそ、ドラマや舞台などの演技の方を中心にしていこうという選択もできますよね。

「正直、それも考えました。症状が出るということは、“歌うことが自分にとってストレスなんだろうな“という思考回路に陥ってしまって…”向いてないんだ“、”そんなに無理してやらなくてもいいかも“と思った時期もありました。だから、一旦休もうっていう結論に至ったんですけど、休んでもずっと音楽のこと考えていましたし、ライブに行ったりとか、アイデアが浮かんできたりするのは音楽でした。そこで、”今までと全く同じやり方じゃなくてもいいのかも“と考えられるようになって。例えば、これまでずっとスタジオでやっていたボーカル録りをお家でやってみたりとか。”やりやすい方法は何なのか?“、”どんなことがやりたいだろう?“と柔軟に考えられるようになってから、そんなにしんどくなくなりました。”こうしなきゃ“と思っている時は”しんどくて嫌だ“ってなっていたんですけど、別にやりようはあるかも?とか、やっぱりライブをやってみたら楽しかったりとか。そういう違う考え方だったら楽しくできることに気づいてからは、抜けたというか…”大丈夫、できるかも“と思えるようになりました」

──“音楽も演技もどちらもやる“というのはさくらさんにどんな作用をもたらしていますか?

「表現するという意味では、近いところがあると思うんです。演技をすることも、ラジオでおしゃべりすることも、文章を書くことも、絵を描くことも自分の表現の一つではあると思っていて。どれも相互作用を感じます。演技をしていても、音楽でやったことがいきてると思いますし、音楽をやっていても演技でやったことがいきていると思います。だから、やるべき時期にやるべきことをやっているだけなのかも…あまり無理もしていなくて。音楽も長い目で見たら、休んでいたりするアーティストさんもいるじゃないですか」

──“5年ぶりのアルバム!”とかよくありますね。

「そうですよね。みんなにも波があって。“もう疲れた”という時もあるだろうし、“もうアイデアが出てこない”っていう時もあるだろうし。それはそれで、“そんな自分が悪い“と思いすぎなくてもいいのかもって。でも、”歌を歌えないかも“となった時に演技とかができたのは救いになりました」

──そうですよね。歌しかないっていう状況で歌えなくなったら、精神的により追い詰められるんじゃないかと思います。

「そうですね。自分の中で他にいろんな選択肢があったのも、あまり落ち込みすぎなかった要因だと思います。でも、世の中には私だけではなく、発声障害に苦しんでいる方がたくさんいらっしゃって。やっぱり考え過ぎてそうなってしまうと思うんです。今のご時世、考えることは無限に湧き出てきますし、比べようとしたらいくらでも誰かと比べることが容易じゃないですか。自分が持っているものや、自分にしか持っていないもの。それをちゃんと受け入れて、“自分は大丈夫”と考えてあげないと、“まだまだ足りない”という感覚に押しつぶされてしまいます。“自分なんて…”と考えてしまうと、発声障害じゃなかったとしても、ストレスでいろんな症状につながってくると思うんです。だから、最近は自分の精神がいかにストレスを感じず、楽に暮らせるのか。それがいいアウトプットにつながるという考え方のテコ入れをしている最中です」

──今年から少しずつ活動を再開し、6月に「Angel」、10月に「scent of the time」という新曲を2曲、発表しました。

「日本武道館前に新しいアルバムのリリースを予定しているんですけど、前作『wood mood』の続編的な気持ちで作っていたので、その橋渡しになるような新曲をリリースしました」

──どうして『wood mood』の続編を作ろうと思っていました?

「『wood mood』は森の中に迷い込んで、そこに光が差し込んで、その森の中から抜けていくようなコンセプトで作ったんですけど、すごく悩んでいる最中に作ったアルバムでもありました。『wood mood』を作っている時はまだ発声障害のことが分かっていなくて…“なんか、すごく不調だな”、“あれもこれもできないな”みたいな感じでした。迷路で言うと、“ここ行けるかも”って進んでみたら、目の前でどんどんシャッターが閉まってしまって抜けれない…みたいな感覚があって。すごく悩み果てていた時に作ったので、自分の中で希望の光を探している段階だったというか。正直、その時に抜けられていないんです」

──まだ闇の森の中にいたんですね。

「はい。光を探しているようなアルバムだったんですけど、そこから1年ちょっと経って、少しずつ“あ、これは私次第だ”と思うようになりました…環境でどうとか、誰かに救いを求めて、何かをしたから変われるとかではないって。自分を解放するものは自分の中にしかないという真実に気づいた時にすごく楽になりました。あとは、しんどいとか、焦ったりとか、緊張する、不安だ、人前に立てないかもしれないという気持ちを排除して、“ただ光の部分だけを見なければ”と思っていましたけど、自分の弱いところも、“別にそれでいいじゃん”って、本当の意味で抱きしめてあげれるようになったんです。映画『インサイド・ヘッド』の世界で言うと、“悲しみ”を排除しようとしていたんですけど、“あ、別に緊張しててもいいじゃん、不安でもいいじゃん”と思えるようになってから、自分の中で開けてきた感じがあって。まあ、それで発声障害が治ったら最高なんですけど、そんなことはなくて。まだ付き合っていかなきゃいけない話ではあります。ただ、考え方が変わると、同じ状況でもこんなに世界って見え方が違うんだって。以前だったら塞ぎ込んでいるようなところが、“今、こういうことになったんだったら、こういうことができるじゃん“という発想の転換ができるようになりました。次のアルバムではそのことを描いていきたいので、全部、地続きなんです。自分の中ではストーリーがあって…森を抜けた先にビーチがあった、みたいな」

──辿り着いたのはビーチでしたか!?

「南の方の人たちって、スピリットがのんびりしていて、“なんくるないさ”なところがあるじゃないですか。沖縄も含めて、南の方のトロピカルな人たちって、寒いところの人たちとは全然考え方が違うようなところがあって。そもそもワールドミュージックが好きなんですけど、南のスピリットが今の自分にすごくフィットしているんです。今まではたくさんの服を着込んでいたような感じです。それが防弾チョッキのようになって、自分のことを守ってくれていたんですけど、冬からまた春が来て、夏になるように、きっと人間にも四季みたいなものがあって。今は、もしかすると、たくさん着込んでいたものを衣替えする時期なのかもっていうふうに思っています。もっともっと自然にありのままに、薄着になっていくようなものを次のアルバムでは表現したいです。音楽ジャンル的にも南のエッセンスを取り入れつつ…」

──だから、サルサやボレロになっているんですね。

「そうですね。でも、「Angel」は最初は少しシリアスに始まって…どんどん解放されていく感じというか、世界を広げていく感じがあって。今、私が歌いたいこととか、自分の心情とリンクした曲が、『wood mood』のあとに披露できて、“この後、どうなっていくのか?”の橋渡しになる楽曲です」

──今の心情というのは?

「石若さんはじめ、ジャズのメンバーが本当に最高で、ステージに一緒に上がっているときに、スピリットがすごく自由なんですよ。一緒にいるとセラピーのように感じています。もちろん、緻密なことをやられているんですけど、根本の魂の根幹のところがカラッとしていて。ただ好きでやっているから、全然“have to”ではないですし、気負っていないんです。もちろん、“頑張らなきゃ”と気負ってきたことによって、いろんな景色を見ることもできたので、長く活動するためには、真面目さと適当さのバランスがとても大事だと思っています。でも、私の場合は“こうしなきゃ”と思いすぎて、いろいろと考えのおもりをつけすぎていました。周りのミュージシャンを見ていて、どんどん“身軽になりたい”って感じる機会が多くて…少しずつ自分の視界が開けてきたような感じです」

──それが「Angel」のどんどん開けていくような感覚と繋がっているんですね。

「そうですね。あと、私が落ち込んでいる時にバンドメンバーがふとかけてくれる言葉や、ずっと見る気になっていなかったけど、“そういえば、お勧めされたんだった”と思って読んだ本とか、見る映画とか。それらが全部同じことを言ってるんじゃないか?というタイミングがあったんです。“あ、やっぱり考え過ぎていたんだな”って。頭でっかちになって、場と調和する感覚のようなものを失っていた気がしたんです。ライブでも、お客さんがいて、いろんな場がある中で、そことのコミュニケーションがもっとうまくできたんじゃないか?って考えさせられるようなメッセージをもらうことがとても多くて。それって全部、私を導いてくれているエンジェルなんじゃないのかな?ということを歌った楽曲です」

──ミュージックビデオは黄色い蝶々の視点になっていますね。

「あれは監督が考えてくださったアイデアです。自分の身の回りにいる人や起こる出来事、全部がセレンディピティ(素敵な偶然)のような、同じメッセージを伝えてくれようとしている感覚になった時に作った曲なので。ずっと自分を守ってくれている何かが、いろんなことに巡り合わせてくれている…それを蝶々に置き換えて、ずっと見守ってくれているようなミュージックビデオになっています」

──そこからの「scent of the time 」はどんな流れですか?

「曲としては 2年前くらいから存在していました。それを石若さんが急に発掘してきてくれたんです。私も忘れていた曲だったんですけど、急にそれをボレロにしたデモが送られてきました。すごくいい、こんな風になるんだ!?っていう進化を遂げて。改めて、“じゃあ、この曲をやろう”という感じで決まった曲だったんですけど、歌詞は山梨で制作していた時にできて…」

──山梨に行っていたんですね。

「西湖の近くに1週間くらい滞在しながら、毎日曲を作ったり、歌詞を書いたりしていたんです。ルーティンとして、朝起きて、まず湖を眺めに行って、お散歩をして。自転車に乗りながら、ぐるっと湖の周りを1周したりとか、河口湖の方まで行って、富士山見に行ったりもして。1人で行動しながら自然に触れる時間が長くて。普段は、どうしても携帯をずっと見てしまったり、いろんなことを頭の中でぐるぐる考えてしまったりしてしまうんですけど、いい意味で、何も考えない時間をすごく取れた期間でした。その時に、自転車で走っていると、もちろん携帯なんて見れないから、ただ風を感じたりとか。“今日、木が綺麗だなぁ”とか、湖に光がキラキラとずっと反射しているのをぼーっと眺めていたら、涙が出てきて…“病んでる?”って感じなんですけど」

──あはははは。都会でこわばってこんがらかっていたものが解けんだと思います。

「ふふふ。ぼーっとする時間に、今までは先のこととか、あの時こうしたら良かったとかを考えすぎていたなっていうことにも気付きました。ただ、今、目の前でキラキラ光っている光とか、木々のざわめきとか、風とかが全部自分と1つになったみたいな感覚があって。こういう時間をもっと増やすべきなんだと思っていて…自然と一体になって、いい意味で、自我のようなものも手放すという」

──エゴを手放すって曲ですよね。

「そうです。もちろん、それが大事な時期もあると思うんですけど。エゴを持っているから、もうエゴまみれの曲を書けたりもしますし。でも、今は全部捨てて、何かと調和したり、溶け込みたくて。自分が今まで考えすぎた思考に囚われていたところから、ただその場にあるというか…今、そこにあって、その場と溶け合っていくというか。それって自然の中だったら気持ちがいいから、みんなが容易に感じることができる場かもしれないですけど、これを全場所でちゃんとやりたいと思ったんです」

──全場所で?

「東京にいても、ライブをしていても、一人よがりにならずに調和したいです。これまではどうしても、“こういう風に歌いたい”とか、理想の自分を作り上げ過ぎてしまっていて、考え込み過ぎてしまっていました。でも、ただ目の前にいる人と自分とバンドと、その場所の空気感と、全部に溶け合えばいい。それが今の自分に大事なスピリットですし、忘れかけていたものなんだということに気づいたので、そういうことを表現したくてリリースしました」

──次のアルバムの橋渡しとなる映像「What’s next mood…?」が360 Reality Audioで公開されましたね。

「次のアルバムはビーチにたどり着きたいので、“最初は森だと思っていたけど、実は海だった“というアニメーションになっています。私は人形なんですけど、クジラがいわゆるエンジェルというか…石若さんが”おいで“って言っているんですけど」

──“おいで”、“いこう”と言っているのは石若さんなんですか?

「そうなんです。石若さんとか、バンドメンバーとか、みんなが手招きして、“こっちだよ”と言ってくれているようなメッセージを感じることが多くて。そうやって思わせてくれる石若さんにも本当に大感謝ですし、それを描きたくて制作しました」

──アルバムの完成を楽しみにしていますが、日本武道館はどんなステージになりそうですか?

 「もちろん、新しい曲もやりたいですし、これまでの10年間にやってきた曲たちを今の自分がやったらどういうアレンジになるのかも楽しみにしています。バンドメンバーはジャズの方たちなので、きっと面白い変化を遂げる気がしていますし、まずは、ここでひと区切りです。これから続いていく中でも、一回、区切りとして、みんなに中間報告をしたいです。“今まで応援してくれてありがとう”の気持ちも込めつつ、昔の曲もやりたいです」

──中間報告ということは未来も見ていますよね?

「はい。今、やりたいことはたくさんあって。あえてあまり言語化はしたくないんですけど、“こういうことがしたい”というアイデアは膨らんでいますし、意欲も湧いています。まずは、日本武道館の直前にリリースするアルバム…今、作っているものにフォーカスして。あまりせかせかしすぎずに楽しくやっていきたいですね」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/中村功

RELEASE INFORMATION

藤原さくら『uku』

2026年2月18日(水)発売
今年リリースした「Angel」「scent of the time」含む全13曲予定
サウンドプロデュースは前作「wood mood」に引き続き、石若駿が担当

仕様:CD1枚組/紙ジャケ仕様/ポスター型歌詞カード付き
発売・販売:アミューズ
価格:¥4,180(税抜価格 ¥3,800)
品番:TNJG-0006 POS:4943566314562
レーベル:Tiny Jungle Records

予約はこちら >>>
リリースイベントなどアルバム詳細はこちら >>>

LIVE INFORMATION

藤原さくら 10th Anniversary 武道館大音楽会

2026年223日(月・祝) Open 16:00 / Start 17:00 日本武道館

藤原さくら 10th Anniversary 武道館大音楽会

U-NEXT

Sakura Fujiwara Tour 2024 "wood mood"

2024年にリリースしたアルバム『wood mood』をコンセプトに開催したツアーファイナル公演!

アーカイブ配信中
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藤原さくら 弾き語りツアー 2022-2023 “heartbeat” Final at 東京・三越劇場

全52本のツアー「弾き語りツアー 2022-2023 "heartbeat"」より東京・三越劇場にて開催されたツアーファイナル公演!

アーカイブ配信中
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