――まず、特撮ドラマ『ウルトラマンアーク』前期エンディングテーマに起用された心境から聞かせてください。
天野 ひかる「日本人なら聞いたことがない人はいないぐらい歴史のある大きな作品に、まさか自分の人生で携わることができるなんて!っていう驚きがありました。私はウルトラマンのテレビシリーズをたくさん見てきたわけではないんですけど、お父さんがウルトラマンがすごく好きで、お部屋にフィギュアも飾っていて。高校生の頃、夕飯を食べているときに、“これを見なさい”って言われて、一番最初のウルトラマンの第1話を見たこともあったんです」
花宮 ハナ「そうなんだ!高校生の娘に!?」
桜野 羽咲「英才教育を受けてたんだね(笑)」
天野「小さい頃はテレビでも見ていたんですよ。だから、歌で携わることができて、とても嬉しい気持ちです!」
相田 詩音「私も最初は本当に驚きしかなくて。“ウルトラマンって、あのウルトラマンで合ってる?”って何度も聞き返しました。もしかしたら、私が知ってるウルトラマンとは違うウルトラマンが存在するのかも?って思ったくらいなんですけど(笑)、本当に昔から続いている歴史あるウルトラマンで間違いなくて。最初から知っている作品の曲を担当させていただく感覚が初めてでもあったので、驚きの衝撃の後には、それくらいたくさんの人に愛されている作品を担当させていただく重みを感じました」
花宮「男の子なら誰しもが通る道だと思うんですけど、6歳下の弟がウルトラマンがとても好きで、2つ上の親戚のお兄ちゃんも当然通っていて。おじいちゃん家に行ったらおもちゃがあるし、弟は友達のお兄ちゃんからお下がりのソフビをもらったりもしていて。本当に近くにずっとウルトラマンがいたので、“本当にウルトラマンの歌を歌うんですか?”みたいな気持ちでしたし、正直、未だにまだ実感がないぐらい、驚きと嬉しさでいっぱいです」
桜野「私も2つ上に兄がいて、平成最初のウルトラマンの世代にドンピシャなので、私も一緒にウルトラマンの人形で遊んでたり、小さい頃のお弁当箱もウルトラマンだった記憶もあって。母も“娘がウルトラマンの歌を歌わせていただくってことは、私はウルトラの母ってこと?”って喜んでいました」
花宮「それは、ちょっと過言かも…」
桜野「そのくらい家族みんなで嬉しい気持ちでした(笑)」
――(笑)これまではずっとアニメ作品の主題歌を歌ってきましたが、特撮ドラマのエンディングテーマを歌うことに何か違いはありますか?
桜野「歌うフィールドがすごく広がったなっていう印象を受けています。発表させていただいたときも、ウルトラマンのファンの方が“アルカナプロジェクトさん、ウルトラマンの世界へようこそ!”ってポストしてくださってるくらい、受け入れてくださって。もともとあるウルトラマンの世界に自分たちの歌をプラスして、何か表現できることがあるんだとしたら、すごく嬉しいことだなって感じました」
花宮「“ウルトラマンのファンの皆さんはどう思うのかな?“っていうのは、発表までは少し不安があって、ドキドキしていたんです。でも、いざ発表したときに、すごく優しく受け入れてくれたし、アルカナのファンの人も、実はウルトラマン好きな人が多かったみたいで、”特撮好きの出番きた!“みたいなポストをしてくださったんです。あと、他のグループのファンの人にも”ウルトラマンやるんだね。すごいね!“ってたくさん声をかけていただいて。改めて反響の大きさを感じたし、身が引き締まる思いがしました」
相田「アニメと特撮ドラマとでは全然ジャンルは違うように見えるんですけど、どちらのファンの方たちも作品に対する愛やこだわりをすごく持ってらっしゃる方ばかりだと思うんです。それに対して、私達が作品に向き合って、愛を込めて歌うっていうのは、アニメでも特撮でも変わらないなっていうのはあって。でも、特撮ドラマということで、いろんな国で放送されますし、年齢層もすごく広がると思うので、そういった方たちからどういう反応をいただけるのかがすごく楽しみです」
天野「小さな子供たちにも音楽を届けられるのはすごく嬉しいですし、ウルトラマンのファンの皆様がARCANA PROJECTを優しく受けいれてくださっているからこそ、“メラメラ”と頑張らないとなっていう気持ちがあります」
――「メラメラ」を最初に受け取ったときはどう感じましたか?
天野「すごくおしゃれな曲なんですけど、こんなにグルーヴ感のある曲を今まで挑戦してきたことがなかったので、“歌うのが難しいかも…”って思いました。聴いているだけだと“難しい曲だな”って思わないのが、実際に歌ってみると、特にグルーヴを出すのが難しくて、挑戦の曲でした」
――ディスコファンクっぽい雰囲気なので、リズムの取り方もこれまでと違っていますね。
花宮「そうですね。今までもいろんな楽曲に挑戦させてもらってきましたけど、また新たに新しい感じの曲に挑戦できるっていうのが嬉しいと同時に、“不安!”みたいな…“歌えるかな?”って」
桜野「ずっと不安じゃん、今日(笑)」
花宮「本当に、レコーディングまでに仕上げられるかな?ってドキドキしていて。アルカナに加入する前もこういうジャンルの曲をたくさん聴いてきたわけではなかったので、“新しいアルカナを見せられそう!”って思いました」
相田「私は“爽やかおしゃれだな”って感じました。今までも爽やかな曲はいくつかあったんですけど、この曲は全然方向性が違っていて、陽のパワーをすごく感じたんです(笑)。しかも、タイトルにもなっている<メラメラ>をずっと連呼してるんですよ。すごくキャッチーだし、聴いた瞬間にライブでの景色が見えて、すごく楽しみになりました」
桜野「“いつか、佐伯(youthK)さんに楽曲提供していただきたいな”って思っていたのが「メラメラ」で実現したのが嬉しくって。この曲をいただいたときに“土曜日の朝に聴いて、1日いい日になりそうだな、頑張ろうって前を向けるような素敵な楽曲になったらいいなっていう思いを込めました”っていう言葉を一緒に預かったので、本当にその通りだなと思いました。今までは深夜アニメを歌わせていただいていたので、ちょっと時間帯が変わったり、見てくださる層が違ったりするだけでも、こんなふうに変わるんだなって感じました」
――歌詞はどう捉えました? 好きなフレーズはありますか?
天野「私は<愛はこの手にあるわ/でっかい声で笑いあってりゃオーライ/そうなんだって問題ない>ってサビがすごく好きです。さっき詩音が言っていた“陽のパワー”を感じます。こんなポジティブに<笑い合ってりゃオーライ>って言ってもらえたらすごく嬉しいじゃないですか。その前の<夢は焦がれど焦げたりはしないよ/太陽みたいに毎日会いに来て/僕らを照らしてくれる>というフレーズなんて、なんか眩しすぎて涙が出てくるし…」
桜野「わかる!」
天野「誰が聴いても前向きになれる素敵な歌詞だなって思いました」
相田「この歌詞を見て、愛と夢と未来がキーワードだなと思いました。ひかちゃんと同じになっちゃうんですけど、<愛はこの手にあるわ>っていうのがすごく深いと思って。未来に向かって夢を見ていく中で、たとえ好きなものだとしても、好きな気持ちや愛を、たまに見失っちゃうこともあると思うんです。でも、“ちゃんとこの手にあるよ”って思い出させてくれる深みを感じ取りました」
花宮「同じになっちゃうけど、未来も愛もこの手にあるって、すごく勇気づけられるなって感じました。最初に歌詞をいただいたときは眩しすぎたんですけど、暗い気持ちになったときに、この曲を歌ったら明るい気持ちになって。そんな力がある曲を自分たちの曲として歌えるのが嬉しいですし、アルカナをやっていてよかったなって本当に思いました」
桜野「私は2番のサビの最後の<君と出会って夢じゃなくなった>っていう部分がすごく好きです。“君と出会って夢が叶った”っていう意味かもしれないし、“まだ夢が叶っていなかったとしても手に届くもの”っていうふうに思えたときのことなのかな?って感じていて。私自身、作品の楽曲を歌いたくてARCANA PROJECTになって、夢を叶えていて。このメンバーとチームに出会えて、夢じゃなくなったので…(メンバーを見て)なんでニヤついてるの?」
花宮「素敵!」
天野「泣ける…」
桜野「あはははは。なので、共感しながら歌わせてもらっています。しかも、振り付けがみんなでハイタッチをしているんです。そこもすごく好きです」
――では、夢を叶えた皆さんが、今、“メラメラ”していることも教えていただけますか?
花宮「本当にちっちゃいことでいいですか? ちょっと前に対戦型タクティカルFPSのゲーム『VALORANT』を始めたんです。こういうゲームってやったことなかったんですけど、すごく楽しくて。まだ配信できるレベルじゃないので、ファンの皆さんと交流できるぐらいまで頑張って、“メラメラ”練習しようと思っています」
相田「私は最近、物理的に“メラメラ”しているものがあって。脂肪を燃やしてるんです!…いろんな理由があるんですけど、その中の一つにこの「メラメラ」という曲もあって。この曲ってすごく息切れするんです。今までライブで息切れしたり、苦しくなることがなかったんですけど、「メラメラ」はずっと行進しているので、地味に絶えず運動してるみたいな感じで、かなり疲れちゃう曲なんです。だから、ちょっと体力をつけて、あわよくば脂肪燃やして、“メラメラ”と頑張っています」
天野「“メラメラ”してることあります! ARCANA PROJECTでTikTokの毎日投稿を1年以上頑張っているんですけど、「メラメラ」は、振り付けをTikTokでもできるように手の振りで作っていただいたんです。なので、この「メラメラ」をTikTokで人気楽曲にしたいなって思っています。バズれ!ARCANA PROJECT!!」
桜野「かわいい(笑)。私が今、“メラメラ”していることは読書です。元々好きなんですけど、読むときと読まないときのムラがあって。今はたくさん読んでいる時期なんです。燃え殻さんという好きな作家さんの世に出ている作品をもうすぐ読み終わってしまいそうなので、ゆっくり読んでいます」
――ありがとうございます。
――MVも公開されましたが、どんなテーマで制作されたんですか?
天野「ジャケット撮影でお世話になっているQ-TAさんに初めてMVのアートディレクションをしていただいたんです。全部グリーンバックっていうのも初めてだったんですけど、“手を取り合ってともに歩いていこう”というテーマになっています。無機質な世界をみんなで行進し続けている…それは無意味なことに見えるんですけど、実は少しずつ変化していって、成長している過程で、私達はお互いの愛と絆で進んでいけるんだっていう。ストーリーもあって、最初は感情が全然ない私が、すごく楽しそうなみんなのところにどんどん入り込んでいく演技をしました」
相田「本当に何もない状態の中だったので、最初に見せていただいた絵コンテを頭の中で想像しながら、“どんな感じになるんだろう?”って楽しみな気持ちでやっていました。1つ“すごいな!”って思ったのが、雨で傘をさしていて、最後の方で晴れるんですけど、晴れた感じを照明で再現しているのが本当に陽の光みたいで、“素晴らしい技術!”って感動しました」
花宮「(笑)全員でダンスシーンと行進するシーンを撮ったんですけど、ひかるちゃんだけ別次元ぽい感じだったので、ひかるちゃんと他のメンバーとで撮ることが多くて。ひかるちゃんだけ別っていうのがすごく寂しそうでした。ずっと見てたね」
天野「私、しゅんとしていました」
桜野「ふふふ。全部グリーンバックだったので、どうなるかの想像はつかなかったんですけど、Q-TAさんのセンスを信じているので安心して撮影しましたし、私は箱庭的な要素が好きなので、外でみんなで楽しげにやっているサビのシーンがすごいお気に入りです」
――一方で『ウルトラマンアーク』のエンディングについた映像を見てどう感じましたか?
桜野「ユピーがその日のダイジェストを流してくれるんですけど、もうユピーが可愛すぎて!」
相田「愛おしいよね」
天野「毎回違う映像になるのは初めてのことなので、毎回が楽しみなんです!」
花宮「ユピーとはカップリング曲でもコラボさせてもらってるので、一緒に歌ったから、勝手に仲間意識みたいなのを持っています」
相田「親近感あるよね。でも、絵についてもまだ実感がわかない、本当に不思議な感覚です。たぶんずっと慣れないんだろうなと思いました。本当に信じられなくて。“ありがたや〜〜”ってなります」
――(笑)カップリングにはユピーとのコラボ曲「You are Peace!! feat. ユピー」も収録されています。
桜野「大好きです!」
花宮「この曲、今までで一番どうなるか想像できなかったレコーディングだったんですけど、いざ完成したのを聴いたら、ユピーとすごくなじんでいて。これも明るくなりますよね」
天野「ARCANA PROJECT、初のフィーチャリングアーティストが、まさかユピーだとは。作品に登場するキャラクターと一緒に歌えてすごく嬉しいですし、面白いし、楽しい気持ちになれます。サビは一緒に歌っていますし、ユピーのキャラクター性もわかるし、新しい化学反応を感じられる曲だなと思いました」
相田「これはもう、小さなお友達に大ウケする曲だと思っていて。私はこの曲で小さなお友達たちとフロアで…」
桜野「フロアを沸かす?」
相田「フロアは沸いてると思う。踊り狂ってるんだろうなと思いました。絶対、好きですもん。このコラボを大きなお友達にもぜひ楽しんでいただきたいです」
桜野「レコーディングにはTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの松井さんとフジムラさんが来てくださって。ディレクションのときにお2人が同時に喋られたりするので、リアルユピーとやり取りしているのかな?ってぐらいずっと楽しかったです。ユピーが明るいキャラクターなので、お2人のおかげで明るく歌うっていう役目をしっかり果たせたと思います」
――もう1曲、「未確認シークレット」を含めた3曲を収録した8枚目のシングルとしてリリースされますが、ファンの皆さんにはどう届くといいなと思いますか?
天野「今回は3曲とも明るくてポジティブな楽曲なので、ウルトラマンを通して、アルカナを初めて知ってくださる方にも、希望に満ち溢れたグループなんだっていうのを届けられたらいいなと思ってます」
相田「ウルトラマンをきっかけに名前を知っていただく方が本当に多いと思うんです。そういう方に、温かくて熱い「メラメラ」だけじゃなくて、ハッピーなユピーとの曲や、古き良きアニソン感のあるイケイケの「未確認シークレット」を通して、いろんな一面を見てもらえたら嬉しいです。これから暑い夏になると思うので、たくさんのイベントを通して、皆さんと一緒に楽しんでいければなと思います」
花宮「誰もが知っているウルトラマンの楽曲ということで、ARCANA PROJECTとしても、老若男女たくさんの方に聴いてもらえたら嬉しいですし、ARCANA PROJECTの良さをリリースイベントを通じて、たくさんの方々に伝えていける夏になったらいいなというふうに思っています。アニソンのフェスにも出られるように頑張りたいですし、これをきっかけにまたさらに飛躍できる夏になるように頑張りたいです」
桜野「これからはウルトラマンのイベントでも歌わせていただくことが多くなったらいいなというふうに思っています。今までに出会ってくださったファンの方はもちろん、小さいお友達に、“音楽って素敵だな。こんなに元気になるんだな”って感じてもらいたいし、大人になっても忘れられないような楽曲になったらいいなって思っていて。自分たちはまだまだ小さいお友達たちとの交流が少ないので、ライブでどういうふうに子供たちと楽しめるのかな?っていうのを考えながらやっていきたいです」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
ARCANA PROJECT「メラメラ」初回限定盤(CD+エムカード)
2024年7月21日(日)発売
LACM-34595/2,530円(税込)
バンダイナムコミュージックライブ
ARCANA PROJECT「メラメラ」ソフビ付き盤(CD+ソフビ)※数量限定
2024年7月21日(日)発売
LACM-34596/3,520円(税込)
バンダイナムコミュージックライブ
ARCANA PROJECT「メラメラ」通常盤(CD only)
2024年7月21日(日)発売
LACM-24595/1,540円(税込)
バンダイナムコミュージックライブ
ARCANA PROJECT「メラメラ」ウルトラマン盤(CD only)
2024年7月21日(日)発売
LACM-24596/1,540円(税込)
バンダイナムコミュージックライブ
LIVE INFORMATION
GATE of ARCANA
ARCANA PROJECT の タイアップ楽曲縛り公演!
公演日:2024年8月31日(土)
時間:11:30開場 / 12:00 開演
会場:西川口Hearts
出演者:ARCANA PROJECT(桜野羽咲/花宮ハナ/相田詩音/天野ひかる)
チケット料金
前売チケット:2,500円(税込、整理番号付、ドリンク代別)