杏子、山崎まさよし、スキマスイッチ、秦 基博など数々の有名アーティストが所属するオフィスオーガスタは、2021年11月2日に設立30年目を迎えました。「この節目の年に、アーティストや共に音楽を届けてくださるスタッフの皆様、そして何よりオフィスオーガスタの発信する音楽を愛し、応援してくださるリスナーの皆様へ、改めて感謝とエールを送りたい」という思いを「MUSIC BATON」と言うタイトルに込め、この一年を通して様々なライブをお届けしていきます。

――浜端さんと松室さんは、オフィスオーガスタに所属する前に出会っているんですよね。

松室政哉「もう、10年以上前ですよね」

浜端ヨウヘイ「初めて会ったのは、下北沢にあるライブハウスのSHEED SHIPですね。そこで、僕らと同じ関西出身の大柴広己くんというシンガーソングライターが企画したライブイベントがあって出会ったんです」

松室「大柴さんがなぜかフルマラソンを走って、そのあとにライブをするっていう、謎のライブイベントでしたよね(笑)。そこで僕が、オープニングランナーとしてハーフマラソンを走った(笑)」

浜端「大柴くんはお客さんの前でスタートして、お客さんが待っているところにゴールするんだけど……」

松室「僕は、誰もいない午前中に寂しくスタートして(笑)」

浜端「この人が松室政哉かって(笑)」

──そんな2人が所属するオフィスオーガスタの設立30周年イヤーがスタートしており、所属アーティストによるライブシリーズ「MUSIC BATON」も、2月の大野雄二トリオで4回目を数えます。ともに2014年から「オフィスオーガスタ」に所属している浜端さんと松室さんは、30周年イヤーを迎えていることについて、どんな心境を抱いていますか?

浜端「重みを感じています。それは30周年だけじゃなくて、25周年のときも、先輩たちのアニバーサリーに参加させていただいたときも感じたことなんですけど」

松室「僕はオーガスタとほとんど同い年で、それは僕が物心ついたときにはもうこの事務所があったっていうことなんですけど、ずっとブレない事務所だなという印象です。それは、所属前にいちファンとして聴いたり見たりしていたときから感じていたことだし、所属してからも感じます。その結果として、何かしらの“ 伝統のようなもの”が生まれている。それは、意図したものではないかもしれないですけど、やっぱり重みがあるなと思います」

──松室さんは、杏子さん、山崎まさよしさんとの“Three Of Us”として「MUSIC BATON vol.1」(2021年11月2日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催)に、浜端さんはソロで「MUSIC BATON vol.3」(2022年1月28日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催)に出演しました。そのライブをそれぞれ振り返ってもらえますか?

松室「「MUSIC BATON」というライブシリーズの1回目に、杏子さんと山さんがいないと形にならないだろうという思いの中、その2人の中に僕も入れてもらっているという不思議な感覚でライブをしていました。2人がいないと第1回目は形にならないだろうと言いましたけど、とはいえ2人は本当に好き勝手なことを言うんですよ(笑)。内容を打ち合わせる段階で、2人からものすごい数のアイデアが出てくる。結果的に、それでライブの方向性が決まって、僕はそのアイデアに乗っからせていただく形でした。ただ、その日のバンドは僕が普段から一緒にやっているメンバーを呼ばせてもらったので、先輩方と僕ら世代の面白い融合ができたらいいなという思いは、僕なりにありましたね。それは、あの日のライブで実現できたかなと思います。杏子さんも山さんも、僕ら世代のミュージシャンと一緒にライブをすることはそんなにないと思うし、新鮮に感じて面白がってくれたんじゃないかと思います」

encore × Office Augusta 30th MUSIC BATON Vol.1

バックナンバー

杏子×山崎まさよし×松室政哉『Three Of Us』

──当日は会場で見させていただいたんですけど、3人ともとにかく楽しそうだったことが印象に残っています。

松室「楽しかったですね(笑)」

浜端「目に浮かぶなー(笑)。見に行きたかったけど、その日は出演していた舞台の千秋楽で、どうしても時間が合わなくて。そしたら、僕と松室が二人で作った「Rewrite」(2020年リリース・オフィスオーガスタ所属アーティストたちによるコラボレーションアルバム『Augusta HAND × HAND』収録)っていう曲を、本当のコラボ相手の僕を差し置いて、杏子さんとや山さんという、僕じゃない相方と松室が歌ったっていう!しかも、3人で衣装を合わせて!まだ俺たちはお客さんの前で歌えてないのに“ちょっと、それはどういうことよ!”って(笑)」

松室「あれはね、杏子さんが絶対に「Rewrite」をやりたいって言ったから。杏子さんに言われたら、それはやりますよ!」

浜端「逆に、“お願いします!”ってなるね(笑)」

松室「実際、やりたいって言ってくれて、めちゃめちゃうれしかった」

浜端「「Rewrite」の歌詞は、<やっと会えたね>っていうフレーズから始まるんですけど、これは状況が落ち着いてまたお客さんの前でライブができるようになったら、必ず目の前で届けたいと思って作った曲なんです。無観客配信のオーガスタキャンプでも歌わせてもらったけど、やっぱり直接届けることでようやく完成するっていう。だから、ついにお客さんの前で演奏できるという場にいられなかったのはとても残念でしたけど、杏子さんがそんなこの曲の意味を踏まえて絶対にやりたいって言ってくださったことは、すごくうれしいです。もちろんオリジナルの二人でもパフォーマンスできる日が本当に楽しみですね!」

──浜端さんは、ご自身のライブを振り返っていかがですか?

浜端「MCにあたる部分がお芝居という、今までやったことがない形でのライブでした。台本は、去年主演させていただいた舞台(『音楽劇 百夜車』)の演劇ユニット「あやめ十八番」の主宰・堀越涼さんが素敵な台本を書いてくださいました。誰かを演じるのではなく僕自身の役だったので、セリフを言うというよりは普段通りの自分で話せばよかったし、リハーサルからすごく馴染んでいました。しかも、ちゃんと歌と歌をつないで最後の「祝辞」に向かっていく内容にもなっていて。ライブが終わったあとに、レギュラーラジオへのお便りやツイッターのリプライでたくさん感想をいただいたんですが、“どこからがお芝居だったか、わからなかった”という声もあって、それは狙い通りだったのですごくうれしかったです」

松室「僕も配信で見ていたけど、そう思ってもらえたら大成功ですね」

浜端「いつもと違うぶん、消費カロリーは高かったけどね(笑)。でも、年に1回ぐらいのペースでやってもいいなという手応えはつかめたかな」

松室「それ、いいですね!」

浜端「じゃあ、今度は台本を書いてよ」

松室「僕が書いていいんですか?」

浜端「書いて書いて。で、ちょっと出て(笑)。でもまぁ、コロナ禍でライブを遮断されて、自分は何をすればいいんだろうって時期にやらせてもらったお芝居は、すごく大きかった。その経験をライブに反映できたっていうことは、自分もしっかり足掻けたのかなって思う」

──所属している立場から感じる、オフィスオーガスタが設立30年目の現在までずっと続いている理由はどういったものでしょう?

浜端「アーティスト力というよりも、好きな音楽を好きにやらせてくれる、音楽作りに集中させてくれるスタッフさんの力が大きいと、僕は思います」

松室「僕は、オーガスタキャンプというみんなが集まれる場所があること、福耳というみんなが一緒に歌える機会があることが大きいと思います。それぞれは人間的にも音楽的にもバラバラで個性豊かなんだけど、一緒に何かをすることでつながっている部分、続いていっている部分はあるんじゃないかなって」

浜端「確かに、オーガスタキャンプと福耳は大きいな。その2つがなかったら、みんな個性が本当にバラバラで全然違うから、アーティスト同士がつながることはむずかしかったかもしれない」

──その結果、オフィスオーガスタらしさ、オフィスオーガスタ印のようなイメージがある音楽が生まれていった。

浜端「みんな、違うんですけどね。でも、“グッドミュージック”というベクトルは、同じ方向を向いていると思います」

──そんなオフィスオーガスタの所属アーティストとして、今後もつないでいきたいものを教えてください。

松室「それぞれが本当にやりたい音楽、自分にしかない個性というものをずっと表現し続けることは大事だと思います。オフィスオーガスタはこういう音楽じゃないといけないという枠組みはないし、僕らもそうですけど、さらに若い世代から“なんやこいつ?”っていうアーティストも出てきてほしいですね。そうなることが、オフィスオーガスタが続いていく理由になると思います」

浜端「まず、それぞれがグッドミュージックを作り続けていくんだという気持ちを持ち続けること。その上で、オフィスオーガスタだから好きっていう人も少なからずいてくださっているということを考えると、自分がやりたいことを貫いて作ったグッドミュージックを、“やっぱりオーガスタだな!”って感じてもらえるようにすること。そうすれば、40周年、50周年とオフィスオーガスタは続いていくと思います。そのためにも、まだまだ頑張らな!」

松室「そうですね!」

浜端「2人でまた曲も作りたいし。とびきりブルージーなバラードとかいいね」

松室「いいと思います!曲以外には、2人でラジオもやりたいですね!」

浜端「それもいいね!」

取材・文/大久保和則
写真/いのうえようへい : 浜端ヨウヘイ ライブ写真/清水ケンシロウ

Office Augusta 30th MUSIC BATON vol.3浜端ヨウヘイ『LIVE & ACT “祝辞”』

SET LIST
M1.かけら

M2.Circle
M3.むかしのはなし
M4.ラジオと君と僕のうた
M5.限りなく空
M6.無責任
M7.ただそれだけのうた
M8.オンライン
M9.Peace
M10.停戦合意

M11.祝辞
EC1.Traveller
EC2.MUSIC!!
EC3.カーテンコール

浜端ヨウヘイ(Vo./AG/Pf)・KAZUDrm)・カナミネケイタロウ(Bs
演劇パート演出・脚本:堀越涼(あやめ十八番)
┗2022年128日(月)@duo MUSIC EXCHANGE

encore × Office Augusta 30th MUSIC BATON Vol.2

バックナンバー

大橋卓弥『PIN』

Office Augusta 30th MUSIC BATON Vol.5

長澤知之『世界は変わる』
出演:長澤知之
   バンドメンバー:宮崎遊(Gt) / 細海魚(Key)
日程:2022年3月11日(金)
会場:東京・duo MUSIC EXCHANGE

Office Augusta 30th MUSIC BATON

Office Augusta 30th MUSIC BATON Vol.4

大野雄二トリオ『LUPIN THE THIRD JAZZ』
出演:大野雄二(Pf)/上村信(Bs)/市原康(Dr)
日程:2022年2月26日(土)
会場:東京・BLUE NOTE TOKYO

Office Augusta 30th MUSIC BATON

Office Augusta 30th MUSIC BATON

全公演をU-NEXTで独占見放題配信!

「MUSIC BATON」の全ライブは見放題配信のため、それぞれのライブ配信、見逃し配信期間の時点で無料トライアル期間中の方は追加料金無しで視聴可能です。
U-NEXTならテレビでの視聴もできるので、ぜひご自宅の大画面で、高画質・高音質のライブをお楽しみください。

U-NEXT特設ページ

関連リンク

一覧へ戻る