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――インストアライヴ、いい雰囲気でしたね。女の子もいっぱいいて。

ハシシ「最近多くなりましたね。まあ、どうなんだろ、ちょっと複雑な気持ちですけど。男っぽいほうが本物感あるじゃないですか。そんなオラオラしようとは思ってないですけど」

――おふたりの経歴をざっくりと。

ハシシ「nicecreamとは高校の同級生で、いっしょに大所帯のグループで音楽活動をしてたんですよ。で、僕は卒業してからネットに曲をアップするようになって、グループを結成して、脱退とか加入が何回かあって、そのときにniceに入ってもらって。ボタンを押す係っていうか、まあ、形だけでもバックDJが欲しかったんで。ダンスもできるし、間奏のときとか踊ってくれない?みたいな」

――インストアの小さいステージではダンスなしかなって思ってたんですが、さすがですね

nicecream「うん、ちょっとテンションあがっちゃって、回るやつやったりとか、ギリギリでしたね。まあ、ハシシに煽られてやっちゃいました」

――ステージ映えしますよね。気持ち的にはDJよりもダンスがメイン?

nicecream「そうですね、今はダンスの方をがんばりたいかな」

――ライヴは好きですか?

ハシシ「いや、きらいです。やるたびにだんだん怖くなってますね。緊張とかはしなくなったんですけど。昔はもっと気楽にやれてた気がするんです。人のライヴとかもちゃんと見るようになって、自分たちのアラも見えるようになって、こんな状態で人前に出てるんだって」

――niceさんも後ろから見ていてその緊張感みたいなものを感じますか?

nicecream「うーん、ライヴが始まっちゃうとあんまり感じないですね。むしろライブ前とかのほうがあるような。まあ、そんときは僕もいっしょにびびってるんですけど」

――ふたりのルーツミュージックは?

ハシシ「音楽を始めた頃は、TwiGyを聴いてて、めちゃくちゃ影響されました」

――niceさんは?

nicecream「えーと、洋楽ですね。そのころは僕もDJをやってて、古い音楽をディグってましたね。ナイス&スムース――nicecreamって名前はここから来てるんですけど――とか、スリック・リックとか、日本ではミドルスクールって言われる人たちですね。あとはRUN DMC。DJをやってると、そういうコアな方に走るじゃないですか」

――EPの話をしましょう。タイトルは「パラノイア」だけど、タイトルトラックはありませんね。

ハシシ「<パラノイア>に被害妄想って意味を込めていて。7曲とも被害妄想ってキーワードでリリックを書いたのでそれをタイトルにしました。あと、個人的にはリード曲をそのままアルバム名とかEPのタイトルにするのがあまり好きじゃなくて」

――リードの「笑えるように」は歌ものですが、ラップなしの歌ものって初めてですか?

ハシシ「初めてですね。もし自分たちがメジャーに行くとして――もちろん、それを目標にやっているんですけど――そうなったとき、突然ああいう歌ものをやると、周りの大人に言われてやっているんじゃないか?とか、売れセンの曲作んないと食ってけないのかな?とか勘繰られるじゃないですか。そういう変なフィルターがかかるのがいやだったんで、じゃあ、今やろうって。かなり勇気を振り絞って<笑えるように>をリード曲に決めたんです。だからラジオで初めてオンエアされたときはめちゃくちゃ緊張しましたね。これでボロクソ叩かれたらどうしようって。まあいい具合に賛否ありましたし、このタイミングでやってみてよかったです」

――niceさんはリードこの曲で行くからって言われたときはどう思いましたか?

nicecream「意外だなあっていうか、今までの曲と較べると渋いなあと思いました」

ハシシ「その表現やめて。別に渋くねえから(笑)。ふつうにきれいめなメロディーなだけで渋くねえし。あれを俺らが渋いって言っちゃうと、“こいつら渋いの意味勘違いしてんじゃねえの?”って思われるから」

nicecream「えー!お前、それ言うの遅くねえ?俺あっちこっちで渋いって言っちゃってるし」

――まあ、断じて渋くないと?

ハシシ「うん。あと自分ではあの曲はHIP HOPじゃない――少なくとも音はHIP HOPじゃないと思ってて。曲を書くたびに思うんですけど、HIP HOPのかちっとした枠組みの中だけでやってると、きつくなってくるし、僕もそういう曲だけが好きってわけでもない。<笑えるように>みたいな歌ものも作れるし、そのときそのときで旬の曲をやりたいんですよ」

――今回のEPはがちがちのHIP HOPって感がしないんですが、あまり強引に韻を踏みに行かないですよね?

ハシシ「はい。あのー、日本語ラップって、歌詞カードを見て、一発でラップってわかる曲があるじゃないですか?倒置法だったりとか、日本語があきらかにおかしかったり、言葉を置きにいっているというか。なるべくそうならないようにしたつもりです。EPだと今まで聴いたことない人にも聴いてもらえるチャンスじゃないですか。英語っぽく聞こえるようにラップしたり、日本語を崩したりしなくてもできるってところを見せたかったのもありますし」

――だから世に出たときの反応も気になる?

ハシシ「そうですね。チャレンジだったんで。まあ、チャレンジは毎回してるんですけど、今回はいつもと違う筋肉を使った感じ。今回のEPは、去年の7月から作り始めて、それでも2月くらいまでで3曲くらいしかできてなくって、そっから残りを作ったんですよ」

――ちなみにその最後に絞り出した曲ってどれですか?

ハシシ「M1、M7と<笑えるように>、あと<オーバードーズ>かな。<笑えるように>は発売日が決まってから作りました。ほとんど詐欺ですよね?出しますって言って、予約も入ってるのにリード曲ができていないという(笑)」

――「笑えるように」と「オーバードーズ」は、曲も歌詞も優しい感じだけど、主人公たちが救われたってところまでは描いていない。

ハシシ「うん、人生そんな甘くないって教えてやんないと」

――誰に?

ハシシ「クソガキどもに(笑)。この世界の主人公はお前じゃねえぞって」

――かつてクソガキだった俺たちが、クソガキのお前らに教えてやる的な?(笑)

ハシシ「そう(笑)」

――逆にM5「Mis(ter)understand」はポジティブですよね。

ハシシ「そうですね。ポジに運んでいます」

――どれもリリックは悲しみを抱えていたり、いじけていたりするんですが、この中盤のM4~M5に優しさを感じてしまって。

ハシシ「あ、うれしいですね」

――早くアルバムが聴きたいです。

ハシシ「やる気はあるんですけど、また詐欺って言われちゃうからいつって約束はしないほうがいいかな(笑)。まあ、でも今回のEPでかなり自信もつきましたね。ひとりでも形にできるんだなって。フィーチャリングも2曲だけでしたし。俺、前の盤より絶対評判悪いだろうって思ってて」

――何で?

ハシシ「いや、自分で前の盤聴いてたら、何かすげーいい曲作ってたなとか思い出補正かかっちゃって」

nicecream「俺はそこまでは思わなかったですけどね」

ハシシ「まあ、その時点でniceにいい、悪い言われてもどうしようもないんで(笑)。だからひとりで怖い思いをしてたんですよ。そしたらまわりの評価はそんなに悪くなかった。本当は、叩かれたほうがいいんですけどね。褒められると安心しちゃうし、僕らの曲って、やっぱり反骨精神みたいな部分を歌ってるんで」

――褒められ過ぎるのもちょっと怖いなって?

ハシシ「うん」

――じゃあ、あんまり褒め過ぎない感じにまとめておきます。

ハシシ「いや、そこはふつうに褒めといてください(笑)」







文/encore編集部



■電波少女(デンパガール)プロフィール

2009年、インターネット動画投稿サイトに突如出現した数名のMC、トラックメイカーが電波少女を結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はMCのハシシ、パフォーマンス&ボタンを押す係のnicecreamの2名で活動している。2010年公開のFreeDL音源集「廃盤」は2000DL以上、2013年7月発売の1st『BIOS』(現在は廃盤)は2,500枚超のセールスを記録。2015年7月発売の2nd『WHO』はタワーレコードオンライン予約チャート、USENインディーズチャート、オリコンチャートにもランクイン。今、最も注目集めているHIP HOPクルーである。



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Photo by 新倉映見



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1.拝啓
2. COMPLEX
3. RY feat. Jinmenusagi
4. オーバードーズ feat. NIHA-C
5. Mis(ter)understand
6. 笑えるように
7. 追伸
all tracks by mel house


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