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2021.01.28

南佳孝&杉山清貴『愛を歌おう』インタビュー──ALL NEED IS LOVEな音楽たち

南佳孝&杉山清貴名義の共作アルバム第2弾『愛を歌おう』が2020年10月28日にリリースされた。ともに長きにわたり活動を続けているシンガーだけに、変わらぬ歌声と抜群のハーモニーは間違いのないところだが、『愛を歌おう』の制作秘話から最近の活動、プライベートの話題までたっぷりと語ってもらった。

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――今回、おふたりの共作アルバム第2弾『愛を歌おう』をリリースされましたが、収録曲でもある「愛を歌おう」をアルバムタイトルにした理由を教えてください。

杉山清貴「曲が先に出来てから、“タイトルどうしよう?”という話をしていましたよね?」

南 佳孝「キヨちゃん(杉山清貴)から「愛を歌おう」の歌詞が来て、曲が出来て、まとめの感じになってきた時に、自然とみんなの雰囲気がそうなったかな」


――「愛を歌おう」は、作詞が杉山さん、作曲が南さんですが、どのようなやり取りで生まれたんですか?

南「メロディーラインは昨年には出来ていて、こんな感じはどうかな?って、仮題を「ずーとるび」にして送ったんだよ(笑)。でも、それがある日突然「愛を歌おう」という曲になって戻って来て。なるほど!って感じだったよね」

杉山「最初は佳孝さんのギターと鼻歌だけで、メロディも構成もシンプルだったので、歌詞もシンプルなのが良いかなと。僕らビートルズ世代にとって、シンプルと言ったら“愛”なんですよ。「ALL NEED IS LOVE」!それで歌詞のサビの部分で、“愛こそがすべて!今さら改めて言わなくたってそれが当たり前じゃん!”という思いをメッセージとして残したかったので、「愛を歌おう」というタイトルにしました」

南「それでチェロとギターをやる伊藤ハルトシにアレンジをお願いした時に、彼に“途中で「ラ・マルセイエーズ」が入ったら面白いよね!”なんて言ったら、彼のチェロと彼の奥さんのバイオリンの多重録音が入って戻ってきてさ(笑)」

杉山「すごく豪華なものが来たんです(笑)」


――そうしたやりとりは、メールが中心という感じですか?

杉山「最初の初歩的な打ち合わせだけ直接会って決めて、あとはメール。最終的に曲が揃った時点でアレンジャーを決めて、彼らと時間差で事務所で打ち合わせをして、という感じでした」

南「1日5時間くらいかけて全部やったもんね」

杉山「後はミュージシャン同士でやり取りしてもらって、気がついたら音が出来上がっているという感じです」

――いちばん大変だった事は?

南「僕のコーラスでしょ(笑)。大変でした!」

杉山「コーラスって、単純に三度上というのが一般にありますが、むしろ下をハモるのがいちばん大変なんです。ビートルズをコーラスする時も、まずフレーズで覚えていないと必ず釣られてしまいますから」

南「釣られるもんなあ!何回も何回もやらないと」

杉山「体に入っていかないんですよね」

南「そうそう!勉強させていただいておりまーす(笑)」

――杉山さんはいかがですか?

杉山「スタジオでずっとマスクしていないといけないのが大変でしたね。マスクをしてレコーディングをするという……」

南「不思議な経験だったね」


――ビートルズがお好きというのはUSENのトーク番組「Music ⇔ Culture」でもお話されていましたが、カバー曲の選曲はどのように進めたのでしょうか?

南「あおい輝彦さんの「あなただけを」もエヴァリー・ブラザースの「レット・イット・ビー・ミー」も、去年からステージではやっていたんですよ。あとはロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」とか、エンゲルベルト・フンパーディンクの曲とか、何曲かやったんだけれど、キヨちゃんが“違うんじゃないですか”って(笑)」

杉山「まずはライブでやってみて、いい感じのカバーをレコーディングしていくというのが割と我々の流れですかね」

南「試しながらだよね。一回やってみようとなって、途中までやるけどダメだって。それで“医者に変拍子を止められているんです!”ってなる(笑)」

杉山「音楽ってやってみないと分からない事が沢山あるんですよ。聴いていて出来そうと思っても、実際にやってみるとすごく難しかったり」

南「体では曲を覚えているのに、やってみたらあんなに変になるとは思わないもんね。自分のラジオ番組でも同じ曲をカバーしているけど、結局今はセルフカバーばかり(笑)。でも、300曲くらいストックがあるので、その中からキヨちゃんに送っている感じです」

杉山「300曲ですか!?」

南「うん。それで良さげな曲をカバーする。歌謡曲もやるけど、いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」は全然ウケなかったよね(笑)」

杉山「ライブで1回しかやらない曲が沢山あるんですよ。違ったかな?みたいな感じで(笑)」

南「結局やってみないと分からないよね」


――では、今作ですんなり制作できた曲はありますか?

南「「let it be me」かな。アレンジも良いし、これは正解だったね!あと「Pink Flamingo」も曲が良いし、アレンジもすごく良いから好きかな」

――フュージョンっぽい感じの作りですよね?

南「その通りです!アレンジャーの松本圭司がフュージョン大好きなのでね。王道だけど、楽曲と合っていると思うよ」

杉山「「Pink Flamingo」は最初、メロディとコードが同じ動きをする曲を作ろうと思って始めたんですが、サビの部分がどうもポップすぎて。自分の中ではイマイチだったので、実は南さんに提出するのを悩んでいたんです」

南「ホント?自分の中ではそうかもしれないけれど、あれが杉山清貴らしいサビのカーン!って破裂したメロディラインですよ!」

杉山「自分で良いと思っても、出すのをためらう事が多いんですよ。誰かが“いいじゃん!”と言ってくれたらホッとするみたいな(笑)」

南「わかります!“ダメじゃん”って言われたら、ぐわーっ!ってなるよね(笑)」

杉山「それ最悪です!(笑)」

――杉山さんの中で、これは!という曲はありますか?

杉山「最初のライブのリハーサルの時に、佳孝さんが何の打ち合わせもなくいきなりビートルズの「ワン・アフター・909」を弾き始めて、僕はそこについていったんですが、それが本当に気持ちよかったんです。だから、“あの曲を入れましょうよ”と言ったんですが、アレンジが出来上がってきて、いざやろうと思ったら、あのアレンジに歌を合わせるのがかなり大変で。いちばん簡単にできると思ったのが、いちばん大変だったみたいな(笑)」


――おふたりの出会いは1995年とおっしゃっていましたが、もっと前に、TVの歌番組などで会っていませんでしたか?

杉山「たぶんお会いしています。でもあいさつくらいで会話もほとんどした事がなかったんです」

南「意外と接点がなかったんだよね」

杉山「あの頃はテレビ局に行っても、話をする雰囲気でもなかったですし。皆さん、一国一城の主って感じで。当時はあまりつるまなかったですよね。ジョイントとかコラボが始まって、徐々に接近していって……そんな世代なんですよ」

――ところで、杉山さんはスパイス系の料理にハマっているとか。料理はいつ頃から始められたのでしょうか?

杉山「2年くらい前に自分で料理をするタイミングがあって、やってみたら意外とハマってしまったんです。例えば、カレーって誰でも作るし、みなさん大体はルーから始めるじゃないですか。でも、僕は途中からルーじゃないと(笑)。インドとメキシカンでスパイスの使い方が全然違う事を知って、さらに凝り始めて……それでスパイスにハマった感じですね。料理においてはスパイスが楽しみなんですよ。あとは玉ねぎ切り(笑)」

南「マジ!?(笑)」

杉山「どのくらい細かく切れるか!?って。そのためにきっちり包丁を研ぎますから(笑)」

南「プロだな(笑)」

――南さんも料理好きだそうですが、得意料理は?

南「僕は本とかネットとかを見ながら何でも作りますね。曲が出来ない時とか、意外といい気分転換になるんだよ。例えばリゾットとか作りはじめるじゃない?そうしたら、無調整豆乳入れるとどうなるんだ?とか、押し麦っていいぞ!とかね(笑)」

杉山「僕はクックパッドはよく見るのですが、佳孝さんは?」

南「栗原はるみとか土井善晴の本とか、随分買っているよ。土井さんには哲学があるね」

――南さんは絵を描く事にもハマられていらっしゃるとか?

南「実は今回のアルバムのアートワークも、最初は自分が描く話があったんです。でも“それだけはやめろ!”って(笑)」

杉山「それは上からのお達しですか?」

南「それはないけどさ(笑)」

――で、アートワークはどなたに?

南「内田正泰さんです」

杉山「最初、佳孝さんが描くと言っていたので待ってたんですけれど。突然、“Pinterestで良いのがあった!”って(笑)。見せてもらったんですけれど、僕もフィーリングが合ったので“良いですね!”と」

南「でもさ、あの時に“どうすかね……”と言われたら、どないしよ?と思ったもん。マジで!(笑)」

杉山「それで決まった感じですよね。でも、佳孝さんとお付き合いさせていただいていて、おこがましいのですが、似てると思いました(笑)」

南「え?」

杉山「似ている部分がたくさんあるんですよ、僕ら。だからフィーリングが本当によく合うんです」

南「いやいや!死ぬほど立ててくれてんのよ、キヨちゃんは(笑)」

――年齢が10歳違って、デビューも10年違うんですよね?

杉山「それなのにすごく分かる部分が多いんです。絵の感じもあったし、いろいろな部分で似ているなと」


――さきほど杉山さんからNujabesという名前が出てきた事に驚きました。最近のHIP HOP/R&Bもチェックしているんですか?

杉山「僕はボブ・マーリーが大好きで、彼を神として崇拝しているんですよ。それで最近のレゲエシーンをチェックしてみようと――今年の1月くらいだったかな――YouTubeを見ていたんですが、その流れでHIP HOPも聴き始めて。それが面白かったんです。それまではメロディがないからつまらないなと感じていたんですが、実はフレーズの回し方に個性があるって気づいて。それから洋邦問わずHIP HOPばかり聴いていて、その中でNujabesの音がハマったんですね」

――南さんも先日のビルボードライブ東京でのライブ中のMCでWONKの名前を挙げていましたね。

南「WONKは好きですよ!僕がやっているラジオ番組の選曲は、アシスタントの女性がしているんだけど、彼女がWONKを持ってきて、“これいいじゃん!”って。そういう感じで新しい曲はチェックはしています。最近は面白い奴がいっぱいいるよね!」

――先日のビルボードライブ公演、素晴らしかったです。1曲目からいきなり「スローなブギにしてくれ」とは!

杉山「そうやって聴いてもらえているのもうれしいですよね。本人たちは色んな事と戦いながらやっていますから(笑)」

南「腰痛てえな……とか?(笑)」

杉山「3曲続けてはしんどいなー!とか(笑)」

――さて今後もライブをやりながら、アルバムを作っていく感じでしょうか?

南「そうだね。この感じで行くと、毎年2、3本はライブをやる感じかな」

杉山「ライブから始まって、その時にビートルズをカバーして、“この感じで出来たら面白いよね”というところから始まっているユニットなんですよね。だから、ライブをやっていく上で、その中で新しいカバー曲が生まれて、曲のストックが出来はじめたらぼちぼち……という感じです」

南「“最近なに聴いてるの?いいじゃん、これ!じゃあやってみようよ!”という感じになっていくからさ。でもさ、ハマるといいんだけどさ、選曲を間違える事がたくさんあるよね?(笑)」

杉山「音楽って難しいですよね!」

(おわり)

取材・文/カネコヒデシ(BonVoyage/TYO magazine)
写真/柴田ひろあき





■南佳孝&杉山清貴 JOINT LIVE 「Half&Half」
2021年5月24日(月)@きゅりあん大ホール(東京)
※2021年1月28日(木)の延期公演

杉山清貴

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください









愛を歌おう
南佳孝&杉山清貴『愛を歌おう』
2020年10月28日(水)発売
CVOV-10065/3,300円(税込)
キャピタルヴィレッジ




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