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2020.08.24

WONK「EYES SPECIAL 3DCG LIVE」――ライブレポート

8月22日、WONKがコンセプトアルバム『EYES』の世界観を3DCG空間に再現する配信ライブ「EYES SPECIAL 3DCG LIVE」を開催。高度化された情報社会、多様な価値観と宇宙をテーマにモデリングされた『EYES』の世界でWONKがパフォーマンスを繰り広げた。

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ライブ配信を3DCGでやるというアイデアを聞いたとき、実にWONKらしい試みだと思った。YouTubeで展開しているティーザーのインタビュー映像や「WONK RADIO」でもメンバー自身が語っているとおり、『EYES』というアルバムは、SF映画のような作品にしたいという荒田 洸のアイデアに、井上 幹がプロットを与え、メンバー個々人が楽曲を持ち寄ってサウンドトラック風に仕立てたものだ。それだけに3DCGという映像表現との親和性は間違いないところ。

なぜそれを配信ライブで?という問いへのカウンターオファーとして、配信でライブのリアリティを追求するのではなく、そもそも配信自体がバーチャルな体験なのだから、バーチャルな世界観への没入度を高めよう……そんなニュアンスの狙いを、彼らは、やはり「WONK RADIO」のなかで語っていた。





圧縮/転送/再構築という、SF映画らしい瞬間移動のエフェクトでステージインするWONKのアバターたち。仮想空間のステージ上空には、『EYES』のアートワークに描かれていた月らしき衛星が青白く光っている。アルバムと同じく「Introduction #5 EYES」、「EYES」と続けた導入部からPCのスクリーンに釘付けにされてしまった。ステージは――現実の東京に置き換えるならば――六本木ヒルズや渋谷スクランブルスクエアの屋上のようなロケーションに置かれている。『ブレードランナー』に描かれていた未来都市のごとくプロジェクションマッピングの光が明滅する夜景と、こちらもSF映画『オブリビオン』を思わせるコスチュームにもさまざまなエフェクトがかけられ、荒田の握るスティックがサイリウムよろしく光の尾を引けば、井上が、ベースから六弦ベース、アップライトベース、ギターと持ち替えるシークエンスにもVFX的な演出が仕掛けられている。





モーションキャプチャーで置換された長塚健斗の仕種だったり、江﨑文武のリズミカルな指先のタッチに息を呑む。もちろん、アバターの、動きの滑らかさや表情のリアリティを追求しようと思えば、リアルタイム配信にこだわる必要はなかったはずで、それでも彼らが3DCG空間を介し、文字どおりライブなパフォーマンスにこだわったのは、配信ライブがリアルなライブの代替物として扱われることを良しとしなかったからに違いない。途中の他愛ない4人のMCを聞くにつけ、画面の向こう側のアバターから、この日のライブを心底楽しんでいるポジティブな雰囲気が伝わってくる。

ワームホールを通過した先にある、異星人が遺した古代遺跡のようなステージにひとり佇む長塚。いま、現実世界の自分たちが置かれている困難な状況を顧みて「誰かや何かの大きな波に飲み込まれず、自分の目で見て、自分の頭で考えて、希望を失わず前を向いて、手を取り合って生きていく……そんな日が必ず来ることを僕らは信じています」というメッセージに続けて緊張感溢れる「If」へ。途中、オリジナルより饒舌な江﨑のピアノソロが展開し、楽曲にノワールな趣きを醸す。「Heroism」、「Fantasist」で展開を変え、スロウでナイーブな響きの「Nothing」へ。なぜだろう?アルバムをなぞらえたセットリストのはずなのに、このあたりの強弱の付け方をすごくドラマチックに感じてしまう。





「これまであたり前にやってきたことができなくなってしまったいま、まだまだ明るい未来が思い描きにくい時期が続くかもしれませんが、僕らの音楽が少しでも希望になりますように」という長塚の言葉を聞いて、以前のインタビューで聞いた井上の「時代と同期してしまった作品」という『EYES』評を反芻する。アルバムと同じくラストを飾る「In Your Own Way」に耳を傾けると、“May your tomorrow be right(明日が明るくありますように)”……長塚健斗のアバターがあの優しい声音でそう歌っていた。



WONK

ライブ制作はEPISTROPH、Wright Flyer Live Entertainment



圧倒的なスケール感の映像と、いつもと変わらぬ演奏力を見せつけたライブ本編がフィニッシュ。最近の配信ライブではデフォルトになりつつあるエンドロールを挟み、アフターショウ的なメンバーのトークパートへ。12月からの――現実世界での――ツアー開催という話題に触れ、“リアルでお会いできる日を!”と言いつつ、“結構、ここも居心地いいんだけど(笑)”という4人のコミカルなトークと無表情なアバターのギャップが実に微笑ましい。知性と好奇心に彩られた3DCGライブはここに完結したが、WONKの挑戦はまだまだ続くようだ。

なお、「EYES SPECIAL 3DCG LIVE」のアーカイブはStreaming+、ニコニコ生放送、GYAO!の各プラットフォームから8月29日まで視聴可能。視聴チケットも発売中だ。

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)









■WONK「EYES」SPECIAL 3DCG LIVE
Streaming+(イープラス)
ニコニコ生放送
GYAO!
※8月29日(土)まで視聴可

WONK

Photo by Kohei Watanabe (UN.inc)



■WONK LIVE TOUR 2020
2020年12月9日(水)@BEAT STATION(福岡)
2020年12月2日(水)@darwin(宮城)
2020年12月22日(火)@cube garden(北海道)
2020年12月16日(水)@CLUB UPSET(愛知)
2020年12月15日(火)@UMEDA CLUB QUATTRO(大阪)
2021年1月8日(金)@SHIBUYA O-EAST(東京)

WONK

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください。



WONK
WONK『EYES』
2020年7月22日(水)発売
完全予約限定生産盤(CD+BOOK)/POCS-23906/8,000円(税別)
Caroline International




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