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――2週連続の電波少女特集、後編はいつもどおりプレーンなインタビューです。

nicecream 「今日の取材、長いっすねー!(笑)」

ハシシ 「つーか、俺ら、いつUSENの番組に呼んでもらえるんですか?」

――はいはい、これが終わったらちゃんと考えますって。えーと、年末の「シークレットツアー」ファイナルで「Q」のリリースを発表したわけですが、その時点で「Q」の完成度は何パーセント?

ハシシ 「んー、25%くらいかな……」

――曲数で言うと?

ハシシ 「2曲です。「GXXD MEDICINE」と「忌々 -yuyu-」」

――それ、先行配信ですけど(笑)。

NIHA-C 「あと「ローリングストーン」はだいたい出来上がってたんじゃないですか」

ハシシ 「まあ、なんとなく行けそうだなって感じにはなってましたね。“出します”って言って締め切り決めてもらわないと作れない性質なんで(笑)。「忌々 -yuyu-」を入れるか悩んだんですけど、ここで出しておかないとタイミングがなくなっちゃうので、消化しておきたかったんですよ」

――でもそのタイミングで作り始めたからこそ「CUFFS feat. SKOLOR」みたいな曲も生まれたわけですもんね。

nicecream 「確かに。“楽しかった年末”ってリリックがあるもんね」

――これに「21世紀難民」と「MONE¥CLIP」あと「Munchii Bear Cookiis 2018」を入れてアルバムにしちゃえばよかったのにそうしなかったのはなぜ?

ハシシ 「そうしようと思えばできたんですけど、でもいずれリメイク曲だけ集めてアルバムにしようという思いもあったので」

  

――単純にEPってフォーマットは好きですか?

ハシシ 「リスナー目線で言うと、アルバムの方が気合入ってるって感じがちなんですけど、意外とEPくらいのスケールが聴きやすかったり、ちょうどよかったり。曲数が少ないぶん、濃い内容になってるなと思うこともありますし。で、作り手の立場で言うと、6曲とか7曲くらいで聴かせるほうが正直、無駄がないと思うので。今回は流れとか一切考えずにばーっと作って並べただけなんですけど、これがアルバムだと1時間とか聴かせなきゃいけないわけじゃないですか。“この曲とこの曲の間にもうちょっとこういう曲入れなきゃ”って全体のバランスとかストーリーを考えたり。だとするとEPのほうが、1曲1曲のクオリティも高いような気がしますし、伝わりやすさもあるんじゃないかなって思いますね。まあでもEPとかアルバムって偶然の産物でもあるんで物によります」

――確かに「Q」はすごく聴きやすかったんですね。特に「NEWTON」なんかは映画のエンドロールといっしょに流れて来そうな雰囲気があるし。本で言うと読後感がよかった。正直、電波少女ってアルバム通しで聴くと非常に体力を消耗するので(笑)。

nicecream 「ははは!ヒットポイントが足りなくなるんだ」

NIHA-C 「あー、それわかる気がする」

――NIHA-Cさんは、EPというある程度ボリュームのある作品の制作に参加してみてどうでしたか?

NIHA-C 「そうですね。イメージしてたものに近いかたちになったと思いますね。それこそ僕もリスナーの立場で言うと、アルバムって長く感じちゃうんですよ。特にラップって1曲の情報量が多いので」

ハシシ 「しかも電波って1曲が長いんですよ。だいたい5分前後の曲が多いから」

nicecream 「アルバム通しで聴くとカロリーが高い(笑)」

――「パラノイア」のときにリード曲をそのままEPのタイトルにするのは好きじゃないってハシシさんが言ってたんですよ。今回の「Q」というタイトルはどのタイミングで思いついたんですか?

ハシシ 「いや、制作の途中ですね。年末のツアーファイナルで告知しなくちゃいけないってタイミングで考えました。“ヤバい!タイトルどうしよう……”って(笑)」

――なかなか正直でよろしい(笑)。リリックも曲調も全体にちょっとセンチメンタルなトーンがあって、大人っぽいって言うとあれですが……

ハシシ 「まあ、そういう意識はありましたね。そこを狙いにいきました。リスナーの方には気付かれにくいかもしれないですけど、曲調とか歌メロをあえて古い感じに作ったんですよ。いまっぽくない歌メロを使ったり、時代感がわからないようにしたかったので。そういう意味では攻めてないとも言えるし、いままでと違うところを狙いにいったとも言えますし。今回そういう感じにしたいってことはNIHA-Cくんともわりときちんと話し合ったと思うし」

NIHA-C 「うん、結構、話し合いましたね」

ハシシ 「基本、どの曲も最終判断は俺が下していますけど、「ローリングストーン」の元ネタはNIHA-Cくんですね。「CUFFS feat. SKOLOR」はNIHA-Cくんがサビを送ってきて俺がメロつけて戻して。「ポイ feat. 4s4ki」もNIHA-Cくんがビートを持ってきて“あ、これいいね”って進めてもらったり」

  

――「Q」は全体的にやさしい感じ。ちょっとデトックスされてる。“電波少女(毒抜き)”って書いてJ-POPの棚に並べたい。

ハシシ 「それね、リスナーにも同じようなこと言われてて(笑)。「NEWTON」が先行でリリースされたときに“毒少ないね”って。いや、逆に、俺っていままでそんな毒吐いてたっすか?」

――おやおや(笑)。ちょっとおふたりから言ってやってもらえませんか?

nicecream 「いままでのを猛毒とすると、今回はちょっとしたトゲくらいかな(笑)」

NIHA-C 「うん、“なくはないけど”くらいの毒」

ハシシ 「あー、マジで?じゃあそれは劣化ですね(笑)。いや、わーっと言いたいこと言ったもん勝ちみたいのがいやになったっていうのはあるんですけど。なんかね、みっともないかなって思っちゃったんですよ。汚い言葉使ったり、誰かの悪口って、引っ掛かりとしてはすごく簡単なんですよ。みんな興味持ってくれるし。そういう構造がわかってるだけに、同じアプローチをしている人に対する同族嫌悪もあったりして。だからいつもやってるような表現とは少し変えてもっと感情表現とか情景描写の部分で感動してもらえるように意識しました」

――それに対して昔からの電波少女ファンがどうリアクションするのか気になりますね。

ハシシ 「気になりますね。でもそれを気にし過ぎてピエロやってんのも楽しくないなっていうのもあるし。長い目で見たときに、そのときそのときのいちばんリアルな言葉を吐けるほうがいいなって。あと今回の制作で思ったんですけど、NIHA-Cくんの持ってくるバースが全部ネガティブで」

NIHA-C 「ははは!」

ハシシ 「ほら、NIHA-Cくんが加入するタイミングのインタビューとかで、“NIHA-Cポジティブ説”があったじゃないですか。今回確信しましたよ。こいつのどこがポジティブだよ!って(笑)」

nicecream 「嘘つけ!っつってたもんな」

――今回のEPでいうと、「ポイ feat. 4s4ki」は、“大丈夫だ”って、唯一チアーアップするトーンで終わってる感じじゃないですか?

ハシシ 「「CUFFS feat. SKOLOR」もポジじゃないすか?」

NIHA-C 「あー、でも「CUFFS feat. SKOLOR」のポジティブさってわかりづらいっちゃわかりづらいっすね」

ハシシ 「逆に「ポイ feat. 4s4ki」はポジに聴こえますけど、謎なセルフボースト入ってて。“頑張ろう”とか“大丈夫だ”みたいに思ってもいないことを書いてるんですよ。妙に自信ありげな感じのあれ、全部嘘なんです。俺も、NIHA-Cも、4s4kiちゃんも“電波少女と4s4kiがこういう内容を歌ってたら嘘だって伝わるよね?”っていう前提でリリック書いてますから」

――へー!まんまと騙されてました。念のために聞きますけど“電波少女 辞職しないし”って誰に言ってます?

ハシシ 「もちろん、ぼくりりのやつをネタにしてるんですけど、クソガキたちってこういうバースを見てすぐ喧嘩させたがるじゃないすか。でも別にディスってるつもりもないし」

――いや、電波と、4s4kiさんと、ぼくりりさんって、それこそF.A.D YOKOHAMAで共演した顔ぶれなわけじゃないですか。そのとき現場にいたファンだったら間違いなくこの部分のリリックをポジ変換しちゃいますよ。

ハシシ 「だったらいいんですけどね」

  

――「CUFFS feat. SKOLOR」は、歌詞にあるとおり「シークレットツアー」でSKOLORさんと意気投合して?

ハシシ 「そうっすね。そのときトラックはまだ渡してなかったけど、いっしょになんかやろうっていう話はしてて。SKOLORは韓国なんでLINEでやりとりしながら1ヵ月くらいでさくっと作っちゃいましたね。だから良くも悪くも粗があるっていうか、勢いというか、そんな感じがしません?」

――します。なんかあんまり捏ね繰りまわしてない感じ。で、「ローリングストーン」はすごく淡々と都会の日常を描いてる感じ。ローリングストーンって肯定的なニュアンスで使われる言葉ですけど、この曲はネガに捉えてますね。

ハシシ 「確かに。だって削られてくんだもんね。これのサビとバース書いてきたのはNIHA-Cくんです」

NIHA-C 「最初の歌詞はもっとネガティブだったんですよ。でもハシシさんに“丸くなるとか削れるって言葉がもうちょっと肯定的な感じでもいいんじゃない。悪いことばっかりじゃないでしょ”って言われて」

――NIHA-Cさん、大丈夫?そのコーヒー、泥水みたいな味じゃないっすか?

全員 「ははは!」

ハシシ 「そのラインは全然問題ないんですけど、本当、NIHA-Cくんの書いてくる歌詞、本当に思ってる?ってのが多すぎるんすよ」

NIHA-C 「ハシシさんにもっと素直になれよって言われました」

――じゃあ、NIHA-Cさんがソロで出してたらそのネガティブな感じで世に出てたかもしれないんだ。

ハシシ 「そうそう。それも「石ころ」ってタイトルで(笑)。いや、いまのところタイトルとか悩んで“なんかいいアイデアない?”ってNIHA-Cくんに投げて返ってくるのは“まあ、そういう感じっすよね”ってレベルでしかなくて。まあこれからかな……次に期待してます」

――でもハシシさんだって、誰かと意見を交わすことで自分の頭の中が整理されるでしょ?

ハシシ 「そうっすね。人に話したり、説明したりすると客観的になれるから。そういう意味では3人体制になっていきなりアルバムじゃなくて、このEPがあってよかったなと思いますね」

  

――で「忌々 -yuyu-」。あらためていい曲だなって思いました。トラックは音数が少なくて、その分ふたりの声がよく聴こえてくるし。オートチューンの掛かり具合が気持ちいい。

ハシシ 「あ、そうですか?最近そこらへんの判断ができなくて。これちゃんと掛かってんのかな?って。俺らは、掛け録りなんで素のボーカルなんて久しく聴いてないから」

NIHA-C 「ライブのときくらいしかないもんね」

――まあ、こうやって6曲聴いての感想なんですけど、大人になったんだなって思いました。

ハシシ 「つまんない大人になりました(笑)。でも、つまんない大人の言うことにもちゃんと真理はあるなって思うし、「Q」の歌詞は下の世代を狙って書いてないから。むしろ自分たちと同じ世代に共感してもらえるとうれしいですね。まあ、電波にも日々新しいクソガキリスナーも入ってきてると思うので、クソガキと元クソガキ、どっちにも刺さるといいなと思ってます」

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)
写真/柴田ひろあき



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■E.P「Q」Release Party
3月27日(水)@渋谷WWW

■E.P.「Q」インストアライブ
3月28日(木) タワーレコード新宿店
3月29日(金) タワーレコード名古屋パルコ店
3月31日(日) タワーレコード梅田NU茶屋町店
4月7日(日) タワーレコード札幌ピヴォ店
4月13日(土) HMV&BOOKS HAKATA
4月14日(日) HMV仙台EBeanS

  



電波少女「Q」
2019年3月27日(水)発売
BVCL-957/2,000円(税別)
アリオラジャパン




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