SCANDAL インタビュー　「4人の絆で10周年」Vol,02　成長を続けた結果の10年

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――SCANDALの皆さんは今年8月21日に結成10周年を迎えます。10年と一口に言ってもいろんな出来事があったかと思いますが、記念日を目前に控えた今、これまでのことをどう感じていますか？

TOMOMI「10年……こうやって口に出して言うとズシッとくるんですけど、体感的にはものすごく速い10年でした。でも、当時は周りにガールズバンドが誰もいなかったので、そう思うとこの10年の間にシーンも変わってきてるし、後輩とか周りにいてくれるスタッフとか、ふと周りを見渡した時に仲間が増えたっていうことに気づいて、改めて10年の重みを感じています」

MAMI「私もあっという間だったように思いますね。でも、振り返ってみると一年一年本当に濃い日々を過ごしてきたなぁって。最初の頃はいろんな人のサポートがあって、作詞はしてたけど楽曲の制作まではレコーディング以外関わることがなかったのが、10年経った今、自分たちですべて作詞作曲をしたアルバム（『YELLOW』）を出せたとか、10年ってそういうことができるようになるくらいの年月なんだって思いました」

――RINAさんとHARUNAさんはどうですか？

RINA「私たちの始まりって、ダンススクールで出合ったメンバーがバンドを組んでみようってところからだったんですね。そのゼロの場所から“せーの”でみんなでスタートして、ひとりずつ、ひとつずつ、小さいことからクリアしていく積み重ねで10年が経って……今も同じメンバーでいられていること、今もまだやりたいことがなくなっていないことにすごく喜びを感じています。やっぱり、同じ時期にデビューした仲間のバンドとかが、どんどんメンバーが変わっていったり、活動休止とか解散してるのを目の当たりにすると、続くって簡単なことじゃないし、同じメンバーでいられるのも当たり前じゃないんだなぁって思うので……。だから、このメンバーでいられることが一番幸せなんですよね」

HARUNA「ものすごく面白い10年でしたね。結成当時は10年後どころか、1年後、もっと言えば明日のことも想像できないくらいで。余裕がない、でも、やりたい！っていう中で一生懸命毎日を積み重ねてきたんですけど、そこから海外でライブができるようになったり、自分たちで曲も作れるようになったり、いろんな変化や成長があって、すごく面白かったなって思います」

――では逆に、10年経っても変わらないと思うところは？

TOMOMI「根元の部分はみんなまったく変わってないと思います。私で言うと、本当によく携帯をなくすんですよ……。実は昨日もなくして」

HARUNA「そう！　ビックリしたよ～。昨日4人でご飯食べに行ってたんですけど、バイバイした後にTOMOMIが携帯なくしたってMAMIから連絡があって」

MAMI「私とTOMOMIが一緒にタクシーに乗って帰ったんですけど、TOMOMIが下りた後、タクシーに携帯があるのに気づいて。すぐ追いかけたつもりなのに、家に行ってもいないし、待ってても戻ってこないし……」

TOMOMI「入れ違いで探しに出ちゃってたんだよね」

HARUNA「一応、お店にも“戻ってくるかもしれません”って連絡入れたり」

TOMOMI「迷惑かけてる……（苦笑）。本当、忘れ物、なくし物、落とし物が多いんです。毎回反省するんですけど」

RINA「それ、変わっていいところじゃん（笑）」

TOMOMI「うん。変わりたいところ（笑）」

――でも、それだけ4人のチームワークがいいってところが窺い知れました（笑）。

RINA「本当、お休みの日も4人で遊んでるっていうのは変わってないですね。昨日もオフだったんですけど集まって一緒にご飯食べてますから」

MAMI「オフの日に会わないとしても、絶対に連絡は取り合ってますね。取ろうと思ってそうしてるわけじゃなく、本当に自然と連絡するって感じなんです」

――本当に仲良しなんですねぇ。そんな皆さんは10周年の今年、アルバム『YELLOW』のリリース後、日本とアジアを回るツアーに出たと思ったら今作「テイクミーアウト」をリリース。8月の10周年記念ライブを開催した後も9月にはヨーロッパツアー、10月以降はファンクラブツアーと大忙し！　まずは8月の“SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL『2006-2016』”ですが、どんな内容になりそうですか？

HARUNA「セットリストはすでに決まりました。すごく悩んだんですけど……やっぱり10年間の集大成なので、王道のSCANDALを見せたいな、と。いい意味で肩の力を抜いて、とにかく楽しみたいなって思ってます」

MAMI「もう気持ちはフェスに向かってます！」

――その後に控えている9月のヨーロッパツアーも楽しみですね。

TOMOMI「はい。『YELLOW』っていう自分たちの自信作を持って、行ったことのない国に行けるのはすごく嬉しいです」

MAMI：プライベートも含めて、ほとんどが初めて行く国なんですよ。

RINA「前回のワールドツアーではロンドンとパリとドイツを回ったんですけど、その時に現地のプロモーターからもっと回ったほうがいいよって言われて、今回のツアーが実現したんです。個人的にもヨーロッパの映画やファッションが好きで、かなり影響を受けているので楽しみですね。フランス語の学校にもずっと通ってるんですよ」

HARUNA「フランスではRINAのフランス語を頼りにしようと思います（笑）」

RINA「なるべく頑張りたいですね。前回パリでライブをさせてもらった会場のバタクラン劇場は、私たちがライブをした半年後にテロが起きてしまったところなんです。パリに行くのはそれ以来だし、すごく思い入れがある場所でもあるので、音楽でももちろんですけど言葉でも思ってることをちゃんと伝えたくて。観に来てくれた人が、少しでも“明日からまた頑張ろう”と思えるツアーにしたいなと思います」

――SCANDALは海外でのライブも多いですけど、日本と海外とでお客さんの反応って異なるんですか？

HARUNA「日本と海外というより、本当国によって違うなぁっていうのはあるかな？」

RINA「そうだね。なんか、叫ぶ言葉が違うような気がします。アジアだと“イエーイ！”って感じで盛り上がるけど、それが英語圏になると“フゥー！”になるっていうか（笑）。あと、英語圏だと英語の歌詞を一緒に歌ってくれるんですけど、もちろん発音がいいからめちゃくちゃ気持ちいい（笑）」

HARUNA「英語圏の人たちは本当、日本語でも英語でも関係なく一緒に歌ってくれるんですよ。それがすごく新鮮です」

――結成10年にして世界を股にかけて活躍している皆さんが、今後掲げている野望は何ですか？

TOMOMI「みんな共通してる想いは、長く続けていくこと。10年続けて来れたんだからできるって信じて、その時その時のモードや時代に対応しつつ、自分たちのペースで続けていけたらいいなって思います」

RINA「今ギネスブックに載ってる、メンバーチェンジをしてないガールズバンドの最長記録が17年なんですよ。なので、まずは17年を目指して。日本のバンドが更新できたら素敵だなって思うので」

MAMI「本当にギネス載ったら笑っちゃうけどね（笑）」

HARUNA「でも、それだけ難しいってことでもあるから」

RINA「コツコツやっていくしかないね。あとは、やっぱりライブ。こうなったらいいなって思うのは、今日本だとアリーナツアーまでさせてもらっているので、それを世界中でできたらいいなって思います。アリーナだと1万2000～3000人くらい来てくれるんですけど、それがアメリカでもメキシコでも、どこの国でも同じ数のお客さんが来てくれるくらいのバンドになれたら最高ですね！」

（おわり）

文／片貝久美子

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