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映画『HiGH&LOW THE MOVIE』出演者インタビュー
青柳翔が語る劇中歌
――外部のキャストももちろんいらっしゃいますけど、それでも普段の撮影環境とは違う、勝手知ったる顔ぶれが勢揃いの現場なわけじゃないですか。
「やはり気持ち的にはラクと言いますか。他の現場で遠慮してるわけじゃないんですけども、結構人見知りするほうなので。今回はまったく遠慮のない状態で入れたから、自分の意見がストレートに言いやすいという利点はありました」
―そこはなかなか大きいですよね。超えるべき最初のハードルが省かれるってことですもん。
「そうです。ただそれに甘えるのも良くなくて。身内だけでやってるみたいな馴れ合いの空気を現場に持ち込むと、絶対に映像に出てしまうので。自分はいい演技をする、そしてみんなでいいもの作ろうっていう強い気持ちがなきゃいけないなとは思ってましたね」
――仲のいいメンバーと殴り合う。その切り替えはどうでしたか?
「んー、僕的にはやりやすかったかもしれない。当てるところは当てましたし、掴むところもわりと本気ですし。なんかその、“こうやってやればそう見えるよね”っていう体を排除して挑んだシーンが多かったと思います。それがいいことなのかわからないけど、そんなの演技じゃないっていう俳優さんもいるかもしれないですけど。僕は体よりも本気のぶつかり合いが見たいし、かと言ってあくまでもお芝居なので怪我させてはいけなくて、その狭間で遠慮なくやる。それはとても痛快でした」
――結果、完成したアクションシーンはものすごくリアルなんだけど、痛々しさより、ある種パファーマンスを見ているような躍動感と美しさがあります。
「見応えがありますよね。アクションチームは強い信念を持って細かいところまでこだわってくださったし、それが伝わってくるから出演者もみんな必死になれたし。パフォーマンス重視のRUDE BOYSを筆頭に、それぞれのチームに独自の闘い方があって、そこもかなり楽しめると思います」
――乱闘シーンもエンターテインメントに押し上げた上で物語の一部にしてるから、青春娯楽大作としてアツくなれるし。EXILE TRIBE云々を飛び越えて、全映画ファンに大きく開かれた作品だなと思いました。
「そうなんですよ。アクションがメインというより、友情や絆というテーマを重視したかったので、そこを一緒に作り上げられるメンバーであり環境だったので、本当にいろんな部分で助けられました」
――ただふと冷静に考えると、演じているのも、アクションで躍動しているのも、パフォーマーだったり、ボーカリストだったりする。そして俳優である青柳さんは歌っていたりもする。そこの境界線も『HiGH&LOW』は軽々越えてきますよね。
「ホントに。出演者の数もそうですし、アクションもかなり新しいカタチが作れたと思いますし、そして歌も歌ってます。同じ事務所のキャストがこんなに出てるのも普通じゃありえないですよね。“あの人のバーターだな”っていうレベルじゃないですから。あははははは。うちの会社が総力を挙げて本気で新しいことにトライしているってことに、このプロジェクトは意味があるんじゃないかなと僕は思ってます」
――物語とリンクしてるからロックやヒップホップやダンスミュージックをベースにした楽曲が並ぶ中、青柳さんが歌う「Maria」は初聴で名曲の佇まいのミディアムバラード。しかも詞曲を担当されたATSUSHIさんがコーラスにも参加されているという。
「ATSUSHIさんとはよく食事をご一緒させてもらっていて。最初に話を聞いた時には半分、お酒の席の話といいますか。けどそれが3回続いた時に、あれ、本当なのかな?って思い始め、実際にデモが届いた時には、ただただ驚きましたよね。歌うからには純粋に頑張るしかないなと思っていたので、曲の印象がどうというよりは、とにかく練習しよう!って」
――耳聴きで歌詞がわかるってだけじゃなく、想いの熱量や歌っている人の体温までしっかり伝わってくる歌声でした。
「なんか、えっと……ありがとうございます」
――(笑)歌に関しては恐縮しちゃうんですね。
「はい、とても難しかったです(照)。僕は決してうまいわけじゃないので、特別にイメージを膨らませて臨むというよりは、聴いてくれた人の心を掴むような歌が歌えればといいなと思って練習しましたね。普段自分が好きで聴いているのもそういう音楽なので」
――ATSUSHIさんからディレクションされたことは何かあったのでしょうか?
「“綺麗にまとまり過ぎないのが青柳の良さだから。歌声がちょっとかすれてたり、そういうのを活かせられたらいいな”って言ってくださったことに感激してしまって。なので最終ジャッジの際も、“多少雑でも響く歌”みたいなものが基準になることが多かったです」
――「Maria」が収録された『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』にはFar East WARRIORSやBIGBANGのV.Iと言った、EXILE TRIBEアーティスト以外のメンバーも参加されていて。さらにもうすぐドームツアーがスタート。『HiGH&LOW』プロジェクトはどこまで広がっていくんでしょう?
「いやぁ、どうなんでしょう? 本当にチャレンジングな作品といいますか。芝居も、アクションも、映像も、“アクション映画の最終形”くらいの強い意志を持って作ったので、逆にいろんな方向に発展のしようがあると言いますか。出演者が多いので、違った場所にフォーカスを当てた作品が生まれる可能性もありますし、それが一作じゃない可能性もある。とにかく『THE MOVIE』をたくさんの人が観て楽しんでいただけたら嬉しいです(ニッコリ)」
文/山本祥子
■公開情報
映画『HiGH&LOW THE MOVIE』
7月16日(土)全国ロードショー(配給:松竹)
公式HP:high-low.jp
(c)2016「HiGH&LOW」製作委員会
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