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藤井フミヤ ヴォーカリストとして
――2014年のソロデビュー30周年時にはフルオーケストラでのライヴを開催してらっしゃいましたが、ヴォーカリストとして、バンドより精神的に負うものは多かったですか?
「バンドのメンバーが多いですからね(笑)。だから学ぶものは多かったです。例えば ライヴ前に“リハーサルないんだ?”とか、バンドが毎回変わる訳だし。札幌でやるなら札幌交響楽団、九州なら九州交響楽団とか、当然一回合わせただけで本番ですけどね。あとは“オーケストラをバックに歌うっていうのはどういうことか?”っていうのもわかったし。つまり、モニター系の状況もあるし、テクニック的なこともあるし、いろんなことが勉強になりました。だからもう“フミヤさん、フルオーケストラで歌ってください”って言われても、何もビビらない」
――テクニック的に難しいところと言えば?
「オーケストラがバックの場合、リズムがないので、テンポを何で取るか?ですよね。リズムセクションやピアノを入れる人もいるんだけど、敢えて入れなかったから」
――その経験を経て、再びバンドで歌う際、最も役に立ったことと言えば?
「声量的なことで言えば、か細く歌えないんで大きくなったような気がします。声量もでかくなっているし、テクニック的にも上がったような気がします」
――自分の体を楽器にする感じですか?
「それぐらいでやらないとオーケストラに負けちゃうんですよ。だから、オペラ歌手まではいかないけれど、ずっと真面目に生きていましたね(笑)。酒もタバコも控えなきゃいかんし。でも、もう戻っています(笑)。人間なんてそんなもんで、それはそれでいいと思うんですけどね」
――そして新作では再びフミヤさんがロックを掲げて歌っているのが新鮮です。
「なんかね、ロックをやっていると年をとらないの。結局、体を動かさないでいい音楽をやっていると、絶対いろんなものが衰えていくんで。ロックをやるってことは、肉体的にロックに追い着いていかなきゃいけないんです。ある種、若返りの薬みたいなもんですね。だからミック・ジャガーやポール・マッカートニーが未だに、ああやってできるんだと思う。そして、それはロックを聴く・見る方も同じなんだと思いますよ」
――ライヴの現場には老若男女、たくさんの方が参加していますからね。みんな生の表現を見たいってことなんでしょうね。
「それよく分かる。だから、僕がフェスとかに出るのもそうなんですけど、やっぱり生で歌を歌っているのが気持ちいんです。だから歌う仕事は、いくらでも入れられるなら入れる。だってね、ひとりでもふたりでも三人でも、一番多いのはオーケストラまで、TPOに合わせて歌えるんだもん。ここまで歌ってきて思うのは、いろんなタイプのコンサートやライヴができるっていうのは強みってことですね。少し前のファンクラブ限定のライヴでは、4ピースの滅茶苦茶ロックな編成で、〈TRUE LOVE〉とか〈Another Orion〉は全く歌わないっていう、完全にスタンディングだけのロックのライヴをやって。で、その前には、ヴァイオリンやウッドベースが入っているような編成でもやっているし、世界遺産の厳かな舞台でやるとなれば、きっちりスーツも着ます(笑)。まぁ、今度の全国ツアーは〈TRUE LOVE〉なども歌うと思いますけど(笑)。もうね、ヴォーカリストしてハイブリッドな感じ。これからの藤井フミヤは、そういう感じがいいかなと思っています」
――まだまだ、やりたいことが尽きないんですね。
「50までにひと通りやったから引退じゃないですけど、もっと楽に生きていこうと思ったんです。だけど、いざ50過ぎると逆になってきたね。のんびりなんてしてらんない。ミーティング中に“再来年のスケジュール”とかが出ると、若い頃は軽く考えていたことが、この歳になると再来年はどうなっているかわからないみたいなところがあるじゃないですか? そこまで元気でいなきゃいけないし、“俺、飽きてねえかな?”とも思うし(笑)。だから、今どのタイプのコンサートやライヴも“まだまだ”って思えるのは、いいことかもしれないですね」
文/石角友香
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