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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
「もはやファッションはサブカルである」という声が聞かれるようになってから久しく、いまや若い男性にとっては必ずしもファッションが自己表現の方法として有効では無かったり、コスパが良いとされる口コミを調べて賢く買い物をすることがオシャレであったりと、学生時代にデザイナーブランドに憧れ寸暇を惜しんでアルバイトしては洋服に投資するという生活を送った自分にとっては隔世の感がある一方、その美容意識の高まりには驚かされることがあります。
ファッション消費には慎重でも洗顔後には必ず化粧水をつけたり、就職活動においては顔色をよく見せるためのファンデーションやニキビ跡をコンシーラーで隠すなどといったことも徐々に一般的になってきているそう。かつてビジネスマンは外見にとらわれずに仕事をすることが良しとされていたところが、今となってはエグゼクティブ向けのビジネス誌や経済系媒体でも清潔感や体型維持は必要なビジネススキルのひとつとされており、自己管理の一環としての美容はもはや常識であると啓蒙する記事が多く見られるようになりました。
現代の男性消費者にとってファッションは洋服という狭い意味ではプライオリティーが下がっていることは確かかもしれませんが、そのライフスタイルを見ればデジタルツールを使いこなして何事もスマートに、ECサイトでショッピング、ヨガやジムでのワークアウト、ヘルシーな食事、エシカルな消費、自分が気持ちよく過ごすためスキンケア、アンチエイジングを意識、とかえって非常に成熟したファッショナブルなものであると感じます。
多様化する価値観の中で男女の「らしさ」という概念も変わってきており既にジェンダー間の差すらもあまり無くなったといえるこの世の中において、本当にファッションがサブカルでありオワコンになってしまうのか否かは適者生存の理論の通り、昔はこうだった的な懐古主義に陥らず変化に身を投じることが出来るかにかかっているのだと思うのです。
世間的にはすっかり中年と認識される年代になりさらには二児の父としては「らしくない」のかもしれませんが相変わらずの長髪に全身真っ黒のファッションに加えて、これまでのスキンケアから一歩踏み込み、自分には似合わないと興味はありつつ手を出していなかったメンズメイクアップやカラーネイルにもトライしてみようと思う今日この頃です。
(おわり)
文/齋藤玲緒奈(アバハウスインターナショナル)