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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
――EC市場が拡大する中で、実店舗に求めることはなんですか?
「EC担当の立場からすると、実店舗のために頑張らなきゃいけないのはIT側だと思っています。実店舗のメリットは、手に取って商品を確かめられること、試着ができること、スタッフが相談にのってくれることなどが挙げられますが、実際のところその点以外においてはECの方が便利な時代になりました。もちろん店舗スタッフが作ったディスプレイは美しいけれども、そのディスプレイを見ただけでは世の中で何が人気なのかはわからないし、店員さんに相談したいけれども話すのが怖いというイメージも広がっている。その点、ファッションに自信のない人でもネットなら人気ランキングが確認できて、何がトレンドかが分かり、その中で的を絞ることもできる。お客様とスタッフの溝をITで埋める手段はいくらでもあるので、ITを使って店舗送客する施策も行っています」
――店舗送客する施策として具体的に取り組んでいることはありますか?
「例えばアプリから在庫のチェックができるので、事前に商品をチェックした上でお客様が来店できたり、お気に入りアイテムを登録しているお客様に対して、在庫のある店舗圏内に来るとプッシュ通知を流したり、不振店舗にスタンプキャンペーンを打ったりなど、様々な取り組みをしています。販売スタッフには接客力、おもてなし追求主義さえ磨いてくれれば、あとはITがもっとお店を便利に面白くするから楽しみに待っていて下さい、という感じですね」
――どれだけ便利な時代になっても、販売スタッフの接客には敵わないこともありますよね。
「僕らセレクトショップのお客様に対する本来の価値提供は、簡単に言えば“コーディネート”だと思いますが、ちょっとコスパの良いオリジナルを上下セットでご提案できること。そうしたことはやっぱりITよりもスタッフの方が得意です。商品だけではない話ができるところもスタッフと会うメリットですが、チャットも普及してきているので、いずれはチャットでの接客も進んでいくと思いますね。対面じゃないから話せるような悩みも言ってもらえるので、可能性を感じます。接客スキル自体はIT化されていってもまったく問題ないと思います。また、現在ECはアプリにシフトしていますが、110万ダウンロードのうちの95%は店舗スタッフがダウンロードしてくれている。手間のかかる作業もスタッフがお客様に勧めてくれるから実現しています。店舗でアプリのダウンロードを推進してくれて、アプリの情報を見たポテンシャルの高いお客様が来店し、その人を適切にもてなすことができればブランドはやっていけると思います」
(おわり)
取材・文/久保雅裕(encoremodeコントリビューティングエディター)
写真/久保雅裕