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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
初めてCALM(カーム)を聴いたのはたぶんまだ大学生の頃だったと思います。当時、HIP HOPのDJを始めたばかりの僕にとって、こういうメロウなサウンドは、正直、いわゆる元ネタとしてのサンプリングソースでない限りはあまり好んで聴かないタイプの音楽でした。
大人になり、自分の車を買って運転するようになり、ダンスミュージックや騒がしい音楽だけだと、なんだかしっくりこない。40歳になる少し前くらいから、無機的なエレクトロミュージックの中にゆるさや、ちょっと古い表現になりますが、エモさを感じるようになり、それまではミックス物しか車でも聴いていなかったのにアルバムを通じて気持ちよく聴ける音楽ということで、CALMのアルバム『CALM』の「Earth Song」をきっかけに、彼の過去の作品を一から聴き直してるうちに、大ファンになりました。
シンプルに構成されたループ、ストリングスやSE、トラック本来の主旋律以外の空気感が本当に胸を打つ音を出していて、ミニマルなんですが壮大なオーケストラのような。それでいて究極のメロウ、超絶に遅いアルペジオの残響感など、言い出したらきりがないくらい癒されるトラックの数々。
今でも車に乗るときには欠かせない一枚です。
(おわり)
文/齊藤 悟(アーバンリサーチ)
- CALM『20 YEARS CITRUS MELLOWDIES』
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2017年5月24日(水)発売
MUCOCD-029/2,500円(税別)
MUSIC CONCEPTION