<PR>
Brian the Sun最新シングル「Lonley Go!」もローンチ! by SMART USEN
――2018年の動きを俯瞰するとどんな年だったと思いますか?
森 良太(Vo/Gt)「2018年は『the Sun』ってアルバムを持ってツアー回ったっていうのもあるし、僕ら的には“もっと頑張らな、もっと頑張らな”って毎回思うんですけど、それを強く思った2018年だったような気がします。メジャーデビューして2年経って、活動続けてきて、最初はメジャーデビューしたっていう熱がある、それに乗っかってお客さんもテンション上がってくれるし、僕らは僕らで新しいステージに立って活動していくことで、胸踊る1年目があり、2年目があって、それを経て、今はすごく冷静にものが見れてるというか、まわりを見渡した時の自分たちの必要性というか、今の音楽シーンで、自分たちが音楽をやる意義みたいなものをふと考える時間が増えたりする2018年で。じゃあ、ヘラヘラしてたらまずいなというか(笑)。自分ら的にはどうやってBrian the Sunをさらに作っていくのか、どういうライブをするのか、どういう作品を作るのか。何が自然なことで、何が不自然なことなのか、そういうことを体で感じて考えていた1年かもしれないですね」
――『the Sun』はポップに振った作品でしたが、邦楽ロックというよりスケールの大きなもので、それが頼もしいアルバムだったと思うんです。その作品に対する反応も含めて、今、言ったような心境になったんですか?
森「そうですね。1年前は、今までやってきたことを“変えないと”っていう意識が強くて、その“変えないと”っていうのも、どうやったら広く聴いてもらえるんやろ?って発想で考えてたんですけど、もちろん今までのお客さんは戸惑うし、たぶん新しく入ってきた人も見た目とかはポップで若くてというギャップがあって。ひとことで言うと、僕自身はこの1、2年は迷ってたんやっていうのを今になって気づいて。今の心境としては求められて何かをするっていうことって、クリエイティビティで言うと順番が逆というか。あるものが素晴らしいからそれを欲しいと思うのがいちばん美しい形やと思うんですよ。だから“求められているかもしれないこと”を作るのはやめようと思ったのがこの1年です」
――『the Sun』の時点でその意識はなかったんですか?
森「全然なかったですね。『the Sun』の時点ではむしろ、もっとポップにもっと広く、エンターテインメントとして自分たちは音楽をどうやってできんのかな?って考えたりしてたんですよ。それがふと心の奥底ではそういうことに対するしっくりきてなさが自分の中にはあったんかもしれないです。作った時はもちろんまっすぐ作ってるんで、いいものできたなと思ったし、バンドを象徴するような曲とかもできたりして、この作品をどうやって表現していこうか?ってツアーに向けては思ってましたね。でもそれを重ねていくうちに、じゃあどこが自分たちは真ん中なのかな?っていうのがぼんやり見えた気がして。そこの真ん中の部分――原点回帰じゃないですけど――もともと得意としてたというか、強かった部分をどかす必要はないな、そこが持ち味やからそこを貫けばいいんじゃない?っていう風には思います」
――メジャーデビューしてから、自分たちにはポピュラリティのある音楽を作る能力はあるんだと確認はできた?
森「そうですね。じゃあ“こういうことやってください”って言われたら、形としてはできる。打ち込みで音入れて賑やかにしてくださいとか、それをやる方法とか仕組みは知ってるんですけど、心がついていかない」
――じゃあ別に作品が「違ってたな」ってことではなくて、やるべきことが見えてきたんですね。
森「ほんとにそうですね」
――見えてきたことがある上で、今回の曲は割と大きなタイアップだったりするじゃないですか。それは自分の中では整合性は取れてますか?
森「あー、死ぬほどチャンスやなとは思いましたけど。死ぬほどチャンスやし、そこで何するか、ほんまにこれってバンドも人間もいっしょですけど、生きてるとその都度、選択肢みたいなものを与えてもらえるじゃないですか。そこでどういう選択をするかっていうところで、短期的に効果的なことをするのか、長い目で見て後からよかったなと思えることをするのかって、人それぞれやと思うんですよ。短期的にいいなと思ったことをやった結果の未来もあるし、でもやっぱり長いんですよ。バンドやって10年経って。そこで短期的にハネるようなことをするんやったら、このバンドじゃなくて別に他のバンドがタイアップ取ればいいと思うし、僕らじゃないと歌えない、僕らが10年やってきて、“これはどうやったんやろう?”って迷いながら進んできた自分たちだからこそ書ける歌じゃないと意味がないと思ったので、歌詞もほんまに正直に書いてるし、ハッピー一辺倒じゃなくて、マジでしんどいことはしんどいし、楽しいことは楽しい。頑張らんかったら結果は出えへんし、頑張っても結果出るかわからんけど“行けよ”って歌なんです。で、それをタイアップの話をもらった時に素直に思いました。それは僕らじゃないとできないことやろ?と」
――「BORUTO」って「NARUTO」の続編で、これまでもいろんなアーティストが主題歌やってきてますけど、森さんはどこにフォーカスしてこの「Lonely Go!」を書いたんですか?
森「ボルトっていう少年はなんでも手に入るんです。なんでもあった状態で生まれてきてて。それってめっちゃ寂しいことなんやろなと。もともと自分は孤独なんだって知ってて、手に入れていくってポジティブな感じなんですけど、本質は、実はそこになかったんだって気づいていくんですよ。ボルトは。で、その様を見て、ナルトは、“どうしてあげたらいいんやろ?”っていうのがわからないんですよね。ナルトは成り上がりなんで。なんかそういう様を見てるとぽつーんと寂しい感じがすごくわかるというか、現代を象徴してる作品やと思う。欲しい情報とか、欲しいものって結構なんでも手に入る。でもそれって空虚なんだっていう瞬間はめちゃくちゃあると思うんですけど、そういう空虚さっていうのは、自分をしっかり生きることで埋まっていくんやと思うんですよ。ひとつひとつ目の前にあることをズルしないで、向き合ってひとつずつ戦えば怖くない。逃げる労力と立ち向かうことって、結局同じぐらいしんどいから(笑)。だから“立ち向かっていけ”っていう歌ですね」
――Brian the Sunというバンドのストーリーとも重なる部分ですね。白山さんは今回、アレンジや演奏面でこの曲にどんな推進力を与えようと思いましたか?
白山治輝(Ba)「「僕のヒーローアカデミア」のエンディングだったデビューシングルの「HEROES」もそうなんですけど、アニメで流れる、BPMも速めでバトルするっていうところは意識しました。レコーディングしながらアニメの絵はちょっと意識しつつ。ベースに関しては、エンジニアの江口 亮さんのスパイスがね(笑)。“しっかり弾け!”って言われてたので、結構しっかり弾きましたし、力強さはすごく意識しましたね」
――アニメのオープニング曲は世界に連れていってくれたりするじゃないですか。いろんなバンドが中南米でまで進出してツアーができるのはやはりアニメの力も大きいし。
森「「NARUTO」とか人気ありますからね。タイアップをやることに対してはむっちゃ楽しいんですよ毎回。すごいコラボ感あるし。それはそれとしてって話ですよね。そういうことをやってるバンドがアルバムでどういう音楽やってるんやろ?って聴かれかたをするわけじゃないですか。で、新譜出た時に“おお!全部与えてくれるやん!”みたいな感じより、“どないしたん、そんな一生懸命生きて”みたいな感じの方がいいな、と(笑)」
――その時々の生き方がどうしても出てしまうのがいいと。
森「すごいありがたいですけどね。タイアップでふだん音楽を聴かない人の耳に届く時に、ギターの歪んでる音ってかっこいいんやなと思ってもらえたらいいし、ドラムがかっこいいとかベースがかっこいいとか思ってもらえるのは。それこそ“人間がやってます”っていうような音楽はやりたいですね」
――2曲めの「Good-bye My Old Self」は自分に言ってるけど、内容は彼女に置き換えてる的な歌詞ですね。
森「あー、他のインタビューでも全く同じこと言われましたね。“さよなら自分”って言ってるのに。おらんなるの彼女や!って(笑)」
白山「“さよなら、彼女といてた時の自分”てことじゃないの?」
森「よく言うやろ?自分を変えたかったら、付き合ってる人と住む場所と仕事を変えれば変わるって」
白山「全部まとめて変える人はあんまおらんけどね(笑)」
森「きっとすごい怠惰なんでしょうね、その人は。それをやめようって思ってるんかもしれない」
――からっとしてるのに切ない曲ですね。
森「そういう聴きごたえのある曲はすごく好きですね。実は悲しかったみたいな」
――個人的にツボなのがブラーの「ソング2」みたいなコーラスが入っているところですけど。
森「“Woohoo Song”(笑)。まさしくブラー的な」
――その辺がUKなのか、USなのか、両方あるのか?不思議なバンドですよね。
白山「結構そこがBrianの特色で。僕らふたりはUKなんですけど、ギターの(小川)真司はUSばっか」
森「アメリカンですね。ドラムの(田中)駿汰は純日本人(笑)」
白山「駿汰はジャパニーズポップスなんで、UKぽいリフものだったり、そういうテイストを持ってる曲を、“彼らの国”ってセンスで返してくるから」
――いろんな90年代感が混ざってるのかもしれない。
森「ドンピシャで90年代好きなんで。2005年ぐらいからもう境目がないというか、音楽が時代とか国とかじゃなくなってきて。昔はいろんな国、いろんなシーン、いろんな街のチューニングがあって、その文化があって、それがおもろい!っていうのがあったんでしょうけど、今は発信しすぎるが故に境目がないですね」
――90年代って最近、音楽的なキーワードとしてリバイバルしてますけど、おふたりのルーツはなんなんですか?
森「僕は、入りは斉藤和義さん。で、斉藤和義さん自体のルーツでいうとブルースで、ロバート・クワインとかになってくるんでしょうけど。でも、それをずっと聴いてた学生時代の最後に、いろんなロックを聴いてた治輝が僕に教え込んで、まずアジカンを貸してくれて。そこから洋楽を遡って聴いて。まあ、きっかけはアークティック・モンキーズですね」
――バンド名の由来がアークティックの「BrianStorm」ですもんね。
森「めっちゃテンション上がって。それが僕らふたりって意味ではルーツかもしれないですね」 白山「2000年代のUKロック、ロックンロール・リバイバル期ですね」
――ギターバンドが最後に光を放った的な時代じゃないですか。
白山「そうですね。まだオアシスも活動してたし」
――そろそろみんなエレクトロ・ミュージックに飽きてきてる感もあると思いますよ。
森「飽きてこっちに戻ってきてくれたらいいですね(笑)」
――そろそろバンドサウンドが復権しそうですけどね。
森「してほしいですね。だからこそ4人の生身のやつらがもっと高く飛ばないとダメだなと思います。もっと太陽ぐらい高く(笑)」
白山「まさにBrian the Sun?(笑)」
(おわり)
取材・文/石角友香
写真/いのうえようへい
■Brian the Sun「Lonely Go!」発売記念イベント
1月12日(土) タワーレコード新宿店
1月13日(日)タワーレコード難波店
■Brian the Sun TOUR 2019「Lonely Go!」
3月16日(土) KYOTO MUSE(京都)
3月21日(木) Early Beliebers(福岡)
3月24日(日) SPADE BOX(名古屋)
3月27日(水) LIVE HOUSE enn 2nd(宮城)
3月30日(土) umeda TRAD(大阪)
4月7日(日) Bessie Hall(北海道)
4月13日(土) 渋谷CLUB QUATTRO(東京)
- Brian the Sun「Lonely Go!」
-
2019年1月8日(水)発売
通常盤(CD)/ESCL-5147/1,000円(税別)
エピックレコードジャパン
- Brian the Sun「Lonely Go!」
-
2019年1月8日(水)発売
初回生産限定盤(CD+DVD)/ESCL-5145/5146/1,759円(税別)
エピックレコードジャパン
- Brian the Sun「Lonely Go!」
-
2019年1月8日(水)発売
期間生産限定盤(CD)/ESCL-5148/1,204円(税別)
エピックレコードジャパン
?岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ