平井堅「Ken's Bar 2017 X'mas Special !!」と「ノンフィクション」に見るロングテイル考察

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平井堅の「Ken's Bar 2017 X'mas Special !!」が12月23日、24日の2日間に渡って横浜アリーナで開催された。ライブ会場をバーに見立てて、アコースティック編成、カバー曲を交えたセットリストを披露するという「Ken's Bar」のコンセプトはこれまでどおり。

今回の「Ken's Bar」は、2017年を代表する洋楽ヒット、オースティン・マホーンの「ダーティ・ワーク」で開店。ブルゾンちえみのキャリアウーマンネタよろしく紙をばら撒く平井堅のパフォーマンスに沸く横浜アリーナ。しかし続く槇原敬之の「Red Nose Reindeer」では一転してロマンティックなムードに包まれる会場に「Ken's Barへようこそ！」と語り掛ける平井。「今宵、一年で一番ロマンティックなクリスマスイブ。最高の夜にしようぜ、横浜BOYS＆GIRLS！」と煽りつつ『THE CHANGING SAME』から「the flower is you」を歌いつつフロア中央のサブステージに向かう。

この「the flower is you」をジングルに、最近の平井のライブではお馴染みになったリクエストコーナーがスタート。23日は「アイシテル」と「hug」、24日は「美しい人」と「いとしき日々よ」が披露された。

「ホワイト・クリスマス」を大胆にアレンジした石成正人によるギターとともに再びメインステージに戻る平井堅。「魔法って言っていいかな？」、「センチメンタル」、「哀歌（エレジー）」と続けて2部構成で展開される「Ken's Bar」の前半パートを終了。

インターミッションを挟んでの後半は今年3月に発表した『映画ドラえもんのび太の南極カチコチ大冒険』の主題歌「僕の心をつくってよ」でスタート。続いて安室奈美恵の2005年のヒット曲「WANT ME, WANT ME」、中島みゆきの「タクシードライバー」という選曲で魅せる。

オリジナルにはない、アコースティックアレンジも「Ken's Bar」ならではの醍醐味だろう。ウッドベースのイントロから、ギター、パーカッションへというパートチェンジがスリリングな「ソレデモシタイ」。そして「キミはトモダチ」、「Strawberry Sex」、「POP STAR」というシングルヒットをたてつづけに披露した。

アンコールでは、「ノンフィクション」のMVを彷彿させるスーツ姿に花束を抱えた平井堅がサブステージへ向かう。今年の平井を代表する一曲である「ノンフィクション」を歌い上げ、メインステージへ。「気の早い話ですが」と前置きしつつ、「再来年になったとき、悪いこともつらいことも嬉しいこともあったけど、すべてに意味があったなと振り返って思える一年、どんなことも自分の糧にして日々、一歩一歩、歩んでいける一年になったらといいな思います」と2018年の抱負を述べてピアノに向かう。「Ken's Bar」のテーマソングともいうべき「even if」を弾き語り、「Ken's Bar 2017 X'mas Special !!」は閉店となった。

「Ken's Bar 2017 X'mas Special !!」12月24日の公演は、2018年2月12日、WOWOWにて全曲ノーカットで放映されることが決定している。また、すでに発表されているとおり、平井堅は、6年ぶりに第68回NHK紅白歌合戦にも出場する。その紅白でも披露されるであろう「ノンフィクション」は、TBS系ドラマ「小さな巨人」主題歌として書き下ろされ、今年6月の発売以来、堅調にセールスを伸ばし、ロングテイル化している。

「ノンフィクション」は、リスナーによるリクエストや店舗BGMとしてオンエアされた“街鳴り”の指標でもある「2017 年間 USEN HIT J-POPランキング」でも21位をマークしており、さらには「FNS歌謡祭」、「ミュージックステーションスーパーライブ」、「CDTV SP クリスマス音楽祭」といった年末の歌番組出演もあって再び注目を集めているようだ。残り少なくなった2017年、そして2018年の平井堅にも要注目だ。