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――今作『Utopia』は愛について歌った楽曲が多い印象ですが?
「昨年リリースしたシングルで、「最高のしあわせ」、「愛の国」、「幻」という“愛の3部作”というコンセプトがあったんです。そのとき同時に、何をメッセージにするかというよりも、自分の歌声をもっと聴いてもらいたいと思って。私の場合、打ち込みサウンドの印象が強いと思うんですが、もちろん、もともと自分も好きだったからそういうスタイルの音楽をやってきたんですけど、前作の『LIBERTY』でやり切った感がちょっとあって……。その結果、今、これだけいろんな音楽が世の中にある中で、自分が聴きたい音楽は何だろう?と思ったときに、いい歌だなと思う曲を聴きたいなという想いが湧き上がってきたんです。その頃ちょうど、大好きな玉置浩二さんのライブに何回も行ったりして、“あ、これだな、私が求めているものって”と思ったんですよね。玉置さんの歌声が本当に衝撃的で。歌声だけで1曲を描き切る……そういう音楽を私もやってみたい、みんなが“これはいい曲だね”と言ってくれるような曲を作りたいっていうのが、最初にあったんです」
――まずはいい曲を歌いたいという想いがあったんですね。
「はい。そのために、音を削ぎ落としたり、今までだったら打ち込みにしていたのものを生音に変えたりという作業をやっていきました。なので、コンセプト、とまではいかないんですけど、まずは自分の歌声、それから普遍性を持ち得る音を追求していくっていう気持ちが最初にありましたね。その延長線で曲を作っていった感じです」
――音の普遍性を追求して、そこから自然と愛に導かれていったのかもしれませんね。
「そうですね。私自身、余計なものをどんどん削ぎ落とそうっていう想いがあったんですよ。音に関してはもちろん、メッセージも。今ってたくさん情報があるじゃないですか。その中で自分に必要なものをチョイスするって難しいし、本当に出会いたい情報に出会えていなかったり、取り入れたくないものまで取り入れざるを得なかったりして。そういうものに疲れることがあるんですよね。私は情報を発信する側でもあるけど、たまに、その中で誰かの目を気にすることに疲れちゃったりもして。そういうときに、自分の価値観……人の目を気にしないで、人と比べないで生きていくのがラクだなっていうのに気がついたんです。それで、自分にとって本当に大切なもの、必要なものだけをチョイスするっていう生活に変わったら、生きやすくなった感じがあって。そういう価値観をみんなが持てたら、私たちはUtopiaという場所に行けるんじゃないか?そう思って、アルバムのタイトルを『Utopia』にしたんです。このアルバムの曲たちは、そう思いながら書いていたもので、だから“ひたすら削ぎ落としていったら、愛だけ残った”みたいな感じなのかなって思っています」
――生音にしたことで、アルバムの印象もこれまでと大きく変わりましたね。落ち着いた大人の女性のアルバムというか……
「それは、狙いとしてあったかもしれないです。全編に渡っていわゆるダンスナンバーがないっていうのは初めてですし。やっぱり、自分が年相応であることは絶対に大事なことだと思うんですよ。世の中には大人が発信しているものでも子供っぽい表現があるものが多いですけど、それは私には必要のない要素かなって。いつまでも“あなたのことが好きなのに”っていう歌ばかりじゃ、歌っていてもまず自分に響かない。どこに届けたいかっていうのも、もちろん頭の中にあるんですけど、それ以前に、まず自分が何を思っているのかがとっても大事。だから自分が思っていることを普通に、一人の女性として書くことを大切にしていました」
――これまでにないサウンドの中で、新しく発見したことはありましたか?
「「幻」という曲は、自分でギターを弾きながら作った曲で……超ヘタなんですけど(笑)、ギター触るのが好きなんです」
――この曲のミュージックビデオでミリヤさん、アコースティック・ギターを弾いてらっしゃいますよね。正直ギターを弾くイメージがなかったので驚きました。
「そうですよね。みなさん、そんなイメージないと思います。私もいまだにないですから(笑)。でも今回、普遍的な曲を作ることをテーマにして曲を作っていった過程で、ギターを弾きながらだといちばんシンプルなメロができるってことに気がついたんです。基本的に、私の歌って歌いにくいんですよ。息継ぎのポイントは作ってないし、1番と2番のメロディーも変えちゃうしで、曲がどんどん難しくなっていっちゃうのは自分でも分かっていて。それをもっと簡単に口ずさめるような歌にしたいと思ったとき、弾き語りみたいにギターのコードを鳴らしながら作業すると、自分的にはすごく簡単なメロディーができることが分かったんですね。それは新しい発見でした」
――「幻」も、そういうアプローチから生まれた曲ですか?
「はい。それから、「旅人」という曲は私のツアーメンバーとスタジオに入ってセッションしながら作りました」
――何もない状態からスタジオに入ってセッションしたんですか?
「歌詞だけは用意してました。まあ、私は基本、詞先なので、いつも歌詞が先にあるんですけど。「旅人」の場合は、王道なコード進行がいいってことと曲調のイメージだけを最初にみんなと共有して、私が歌いながらアイデアを出し合っていくっていうようなことをしましたね。これ、すごく効率がいいんですよ。歌もすぐできちゃうから、これからはこの方法を使おうと思ってます(笑)」
――アルバムは、1曲目に「どこまでも ~How Far I’ll Go~(エンドソング)」が収録されていますが、これはディズニー映画『モアナと伝説の海』の日本版エンドソングなので、『Utopia』としては「旅人」から始まるといった感じですね?
「そういうイメージですね。「どこまでも ~How Far I’ll Go~(エンドソング)」は、やっぱり私が作った曲じゃないし、置きどころとしても最初から1曲目か最後しかないなと思っていて。賑やかに始まるのがいいから1曲目にしたんですけど、私のアルバムとしては「旅人」から物語が始まっていきます」
(つづく)
取材・文/片貝久美子
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